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鱗歌さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 3874
性別 男性
年齢 53歳

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21.  続・悪名 《ネタバレ》 
久しぶりに故郷に帰ってきた朝吉親分、やくざから足を洗ったかと思いきや、弟分のモートルの貞とともに、ズルズルと元の道に戻って行ってしまう。のし上がっていく朝吉親分、因島のオババとも良好な関係を保ち、いい感じなんですけれど、ある日、親分のもとに召集令状が届けられる。 日本に残った貞は雨の中、暴漢に襲われて死亡。朝吉親分も異国の戦場に消えていく。という、前作の続きであり、2作目にして完結篇、なんとも寂しい終わり方なんですね。どうしてこの後さらにシリーズ化しちゃうんでしょうね。確かに寂しすぎて中途半端な終わり方、という気もしないではないですが、なにしろ印象的なラストでした。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2016-08-21 09:47:01)
22.  續 宮本武蔵 一乗寺の決斗
さて三部作の第2作は、吉岡一門との果て無き闘争、そして小次郎との出会い。ちょっと「おやっ」と思わせるのが、一乗寺における最終決戦の相手が、吉岡清十郎だということ(つまり清十郎が重傷を負う決闘は省略され、三十三間堂における伝七郎との対決が先に行われる)。この構成が意外にスッキリしていて、なるほどこういう描き方もあるなあ、と。ただし、清十郎の悲劇性(さらにはアワレさを伴った吉岡一門の「敗者の美学」みたいなもの)は、その分、薄れている気もしますが。いずれにしましても、大勢の敵を相手に一大バトルを繰り広げる宮本武蔵の姿、三船敏郎の真骨頂ですな。 さて本作、カラー作品らしさが生きていて、「かむろ」というのか、あの少女の赤い着物なんか、とてもよく目を引きますし、小次郎のイメージカラー(と言っていいのか)の青色なども印象的で、カラフルに仕上がってます。ただ、小次郎役の鶴田浩二の白塗り顔が、若干、バカ殿っぽくもありますが・・・
[CS・衛星(邦画)] 7点(2015-09-24 21:07:53)
23.  続・新悪名
ひょんなことから靴磨きの少女になつかれてしまった朝吉親分。さらには木賃宿で知り合った旅一座の興行にまつわる金銭トラブルに巻き込まれてしまい。という訳で本作、任侠モノなのやら、人情モノなのやら。要するにその両方、という訳ですな。少女のエピソードの方がややハンパな終わり方で、ハッピーエンドと呼んでいいのかどうか、何しろ母親がミヤコ蝶々なもんで、オハナシをどう持っていこうが、こんな母親では少女の将来が案じられてしまって仕方がない(笑)。その心配な母親を演じる蝶々さん、やっぱりいかにも芝居の人、という感じで、映画では何となく浮いてしまう面はあるのだけど、溌剌たる田宮二郎とのやり取りはもう見事なもの、ぜひこの二人の漫才も見てみたくなります。そして何と言っても本作のMVPは、時に憎々しく、時に卑屈に悪役を演じきった遠藤辰雄(太津朗)ですね。ラストの大立ち回りでは、長廻しのシーンも多い中、息も絶え絶えボロボロメッタメッタに勝新にヤラレてみせるその姿。もうはっきり言って感涙モノです。いや、悪役だからホントは同情されてちゃいけないんでしょうけどね、でもホレボレしちゃうのです。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2012-11-24 16:26:37)
24.  続・黄金の七人/レインボー作戦
正直、さすがにこれはアホ過ぎるとは思いますが。どんな小道具にでもとりあえず「アンテナ」をとり付けておけば、SFチックな「ハイテクマシーン」に見えるでショ、という、この上なくチープな発想。今回も大掛かりな“強奪作戦”が展開されるのだけど、これらアホアホな小道具に頼り切りで、作戦自体は殆どアタマを使っている形跡がみられません、どうしちゃったんだ、教授。風刺っぽい味わいも無くは無いけど、現代のおとぎ話と呼ぶにはいまひとつ。・・・ただ、ねえ。やっぱり憎めないのよね(笑)。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2011-07-23 16:21:18)
25.  続・さすらいの一匹狼
偶然出会った古い友人から二束三文で牛を購入し、ホクホク顔のジュリアーノ・ジェンマ。しかし町に到着した彼を待ち受けていたのは、「これは盗まれた俺の牛だ」という非難の声。「いや、確かに買った牛だ」「何を言うこの盗人め」と押し問答の末、銃を抜く騒ぎとなり、彼はその男を撃ち殺してしまう。「牛泥棒の上に、人殺しまでしやがって」と、彼を追いつめリンチにかけようとする町の人々、ジェンマは間一髪抜け出して、「必ず無実を証明してやる」との言葉を残し、牛を売った男の行方を追う・・・映画のあらすじのようですが、さにあらず、ここまでが前置きです。ここでタイトルです。いやあ、濃いですねえ。例によって例のごとく、タイトル明けには、さっそく本題がズレ始めるのですが、心配ご無用、ちゃんと登場人物の枠内に収まるように、物語は都合よく収束していきますから。そんな感じで、「無実を晴らすも何も、牛を盗まれた人を殺しちゃったのは事実でしょうに」「だいたいそんな怪しい牛を買うヤツが悪い」など、“自己責任”ブームの昨今、ジェンマの味方をして映画を見てくれるヒトもあんまりいなくなっちゃったかも知れませんが、いずれにせよ、この“町の人々によるリンチ”ってのが、本作の面白いところですね。盗んだ牛を売った悪人、その悪人を必死で追いかける主人公、さらに主人公がある女性を救出するエピソードもあり、このあたりは「復讐劇」の要素なんですけれど、映画の背景を覆う“町の人々のリンチ”は、それとは一線を画し、もっと無目的で無表情で無軌道な圧力、なんですね。主人公の味方をしてくれる脇役の存在が、かえってそのリンチの不気味さ、コワさをよく出していると思います。クライマックス、大勢を相手に銃撃戦を繰り広げるジェンマ(オマエはランボーか)、このツキヌケぶりは必見です。・・・まあどっちみちマカロニ(しかも所詮はジェンマ主演)なんですけど、何とかホメてみました。はい。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2011-05-31 22:38:53)
26.  続・荒野の1ドル銀貨
とりあえずマカロニウェスタらしい要素をフンダンにとり込んで、復讐、リンチ、銃撃戦と、見どころたっぷりです。その分、物語の方は何だか要領を得ません、まあ、欲張り過ぎですね。間欠的に発生する銃撃戦を、あまり深くは考えずに「まあきっとここは撃ちあう場面なんでしょう」と軽く受け流し、そのカッチョ良さに浸りましょう。え、カッチョ良いと言っても主演は所詮、ジュリアーノ・ジェンマなんでしょ、だって? はい。カッコモンゴメリー・ウッドカッコ閉じです。例によって例のごとく「結局この主人公は強いのか弱いのかどっちなんだろう」と思わせる、そこがミソですね。敵のヒゲオヤジと、味方のメガネオヤジ(大村崑と大泉滉を足した感じ。どこの国にもいるんだね、こんな人)が、なかなかいい味。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2011-01-08 16:45:13)
27.  それいけ!アンパンマン ロールとローラ うきぐも城のひみつ
ちょっと同性愛的な内容(?)にドギマギしてしまう本作。悪に染まったロールパンナがアンパンマンの前に立ちふさがる。カッチョいいよね。でも、悪が伝染したしょくぱんまんの、その極悪顔には、さらにさらに萌えてしまいます。本当に凶悪な顔なんだ、これが。というわけで、波乱万丈と言えば波乱万丈、いつも通りと言えばいつも通りな展開で、なかなか楽しめてしまいます、はい。 それにしても、バイキンなんていう菌はいなくて、たまたま人間に害があるバクテリアをそう呼んでるだけであって、バクテリアはバクエリアで一生懸命生きているんじゃなかろうか。こうもバイキンを悪者扱いして駆逐しようとする作品を観てると、そんなことをつい思っちゃったりする訳ですが。この映画のラストはまさに、バクテリアの大量虐殺ですね(笑)。
[DVD(邦画)] 7点(2009-09-17 00:12:08)
28.  續・姿三四郎
へなちょこボクシングや、へんてこカラテとの、異種格闘技戦の火花を散らし、ますます妖怪映画(?)への道を突き進む三四郎シリーズ。冒頭の不良外人とのやりとりなど、細かいカットによるコミカルな演出がなかなか楽しかったりします。特に、新弟子の左文字が入門後、徐々に上達していくのを表現する場面での、見事なまでの手抜き、いや違った簡潔さ、これにはつい笑ってしまいました。クライマックスの雪山での死闘、なんでわざわざこんな場所で戦うのか、と言えば、それは「クロサワ映画だから」としか答えようがないのですが、今作の場合、敵役のカラテが、できそこないのカンフーみたいにぎこちなく、観ようによっては「あー、極寒下のロケが過酷過ぎて、体がかじかんでこんなにギクシャクしてるんだなー」とも思えてしまうのですが(笑)。三四郎シリーズ、この先もっと続編が作られてたら、どこまで“壊れて”いったことか、気になりますね。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2008-11-24 07:28:15)(笑:1票)
29.  それいけ!アンパンマン 勇気の花がひらくとき
ばいきんまんのピカレスクな魅力が炸裂する本作。って、いつも通りですかね(笑)。冒頭、アンパンマンに撃退され、宇宙空間を彷徨うドキンちゃんとばいきんまん。ドキンちゃんは、流れ着いた星で、締め付けられた毎日を送るキララ姫と入れ替わる、“王子と乞食”的展開(乞食って…)。一方、鉄鋼不況に苦しむ鉄の星(?)に流れ着いたばいきんまんは、壮大なる悪の計画に着手。ふたつの物語がクロスするとき、とんでもない事態が…! それにしても、ばいきんまんは本当にスゴい。どうしたらこんな完璧な計画を立てられるのか。ばいきんまんの猛攻に、アンパンマンの仲間たちは次々に鉄球へと姿を変えられていく。まさに冷酷非情。すべて「計画通り」とウソブきながら攻撃を続けるばいきんまん、実にシビれる~。メロンパンナが勇気の花を取りに行くことまで、計画に「折り込み済み」とは、もはや、ばいきんまんは神の領域か。ってなわけで、目が離せない怒涛のクライマックスです。珍しくもないかもしれませんが(笑)。ところで本作、キララ姫の声をヒナガタあきこが演ってるんですけど、これがなかなか微妙。決して悪くないとは思うんですけど、ガンバリすぎて、ちょっと変。
[DVD(邦画)] 7点(2008-10-05 20:15:55)
30.  ソウ
こりゃオモロイ。密室劇のように始まるも、回想シーンや何やで、徐々に広がりを見せるストーリー。それとともに密室劇らしい緊張感は薄れてしまい、アレアレ大丈夫か、と思えてくるがが、しかしそこにはきちんと伏線とミスディレクションが盛り込まれている。よくこんな構成、思いついたもんだ。で、ラストは「SAWです、ワタシが変なオジサンです」というオチですが(何のこっちゃ)、この、アヤシゲながら確かに一本の論理の糸が作品を貫いているのが、バカミスの醍醐味。ミステリ好きの皆さんは、ハラハラドキドキと謎を楽しんで観て下さい。アラ探し好きの皆さんは、アラアラとあら探しを楽しんで観て下さい。どちらも結構、楽しめるはず。ワタシは勿論、前者です。
[地上波(字幕)] 7点(2007-09-17 19:12:26)(笑:1票)
31.  ZOMBIO(ゾンバイオ)/死霊のしたたり
おいおい、どこが「ラヴクラフト原作」なんだよ~、と突っ込もうかと思いきや、アイタタタタタ。あの“首を抱えたハリボテ頭ゾンビ”は、確かに原作通りですな(笑)。というわけで、おそらくラヴクラフトのファンでも、評価が低くて文句が出ないであろう『死体蘇生人~』を元ネタに(と称して)、好き勝手にエログロ路線を驀進しちゃった作品。ちょっとファンの足下を見てるようでヤだなあ。でもここまで無茶なエログロに走ると、もはやホラーとかスプラッタとかいう枠を越えた快作、いわばアングラ芸術の領域にまで接近しているような、いないような。要するに、これはかなりの重症。まあ、作っちゃったもんはしょうがない(笑)。
[ビデオ(字幕)] 7点(2007-08-17 22:38:14)
32.  続・少林寺三十六房
あの噂に聞いていた、名作『少林寺三十六房』の続編がコレ! なのか? まあ、このタイトルだし、チャーフィ師匠は出てるし・・・と半信半疑に思いつつ観てみると。あはは。なんじゃこりゃ。この作品のテーマは「門前の小僧 習わぬ経を読む」ですかね。いや、いい話です。主人公の向上心の無さにイライラさせられつつも結構夢中になって観てしまいました。イヤ恐るべし、少林寺映画。「1年経った」だの「3年経った」だのと軽々しく言う、このリアリティの無さ。時間感覚を完璧に破壊してくれます。しかし、この映画の根底には、搾取される労働者の身悶えするような怒りが、沸々と滾っている。まさにプロレタリアート映画と呼ぶに相応しい傑作である。ってどこがやねん。ま、ケチな雇い主をトッチめるだけの、何ともスケール感に乏しい映画ですが、クライマックスの大立ち回りは見ごたえあり、です。ではどうぞ。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2005-08-24 23:55:48)
33.  ソードフィッシュ
公開時には、ミスディレクションだよ、とか宣伝してて、でも映画会社の宣伝は当てにならない誇大なものが多いからどうせ大したことあるまい、とか思いつつ、でもやっぱりマルチカムの爆破シーンとバス釣下げシーンをどうしても見たくて、劇場に足を運んだのでした。いやあ、確かに面白かったよ。ミスディレクションを売りにする程のもんじゃないけど、なかなか気合いの入った脚本です。しかしこのラストはマズイ!これはマズイ!せっかく面白かったのに最後にガックリ、ちょっと引いてしまいました。え?一番印象に残ったシーンですか?やっぱりハル・ベリーのゴルフ打ちっぱなしですかねえ。何でだろ。
7点(2003-10-26 14:52:08)
34.  卒業(1967)
漢字二文字の題名の映画はヒットする、ということで原題の『卒業生』ではなく『卒業』としたのは水野晴郎さんでしたっけか?お陰でちょっと意味深なタイトルになった(かな?)。音楽が有名ですが、カメラも凝ってて、印象的。しかし、ベンは、なんだかヘンなやつだ。私自身との共通点みたいなのが、観ててもっと感じられたら、さらに感情移入できたかも。
7点(2003-08-13 23:08:34)(良:1票)
35.  ゾンビコップ
ロメロは、ゾンビという「人間」を「虐殺」する映画を作りましたが、本作はさらにこれを一ひねりして、敵味方みんなゾンビだったらもう何でもアリという、たいへん秀逸なアイデアの映画。ヤキブタまでゾンビ化して襲ってくる~。本来ならちょっと切ない筈のラスト、何故かとてもさわやかに押し切ってしまいます。
7点(2003-06-28 20:22:25)
36.  ソニック・ザ・ムービー
ゲームのキャラクターでまたもう一発、シリーズ映画作って儲けてみましょ、という以外に何一つ、製作の意図が見いだせない企画のように思われてしまうのですが、何か大それたことを描こうとしなかったお陰で、意外に楽しめる作品になっちゃってます。 地球の危機とか何とかいう大袈裟な事を言わず、ソニックなるCGキャラが、マッドサイエンティストみたいなオッサンに追われるだけ。いや、それすら重要ではなく、それにかこつけて、田舎町の警察官と友情をはぐくむ物語がロードムービー風に描かれます。 どこがどう良かったかと言われると、特に何も思いつかないんですが、何となく、憎めないという・・・。
[インターネット(字幕)] 6点(2024-03-31 07:58:40)
37.  底抜け大学教授
「ハイド博士とジキル氏」、ってなところでしょうか。見るからにダメダメな大学教授がナゾの薬を開発し、こいつを飲んだらキザなスーパースターに化けてしまう。 薬品でもって何になるかはさておき、路線としては、悪魔の毒々モンスターにも繋がるものがありますが、これはさすがにジェリー・ルイスの責任では無いと思う。 作品のチープな印象は拭い難いですが、ジェリー・ルイスの芸達者ぶりが楽しい作品、後のドリフコントあたりへの影響もしっかり感じることができます。 バカバカしい一方で、変身シーンのおどろおどろしい感じはしっかりホラーテイスト。やっぱり、マッドサイエンティストものにハズレはないですよねー(???) 「ジョーズ」ことリチャード・キールがちょっとだけ登場。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2023-02-19 10:10:15)
38.  ソウ2
一作目がワンシチュエーションものとして衝撃を与えてくれたのに対し、二作目はある程度続編らしい「似た雰囲気」を醸しだしつつも、若干の路線変更、あまり焦点を絞らずに小ネタで攻めてきた、という感じ。あれこれと登場人物たちを危機に巻き込めば、あとは物語が転がっていく。悪くないです。それに一応、大ネタも仕込んでいたりもして。 ただ、残酷シーンでショットを微細に切り刻んでチラ見せする、というのは、一つのやり方ではあるかもしれないけれど、いささかクドい。それに、回想シーンと言ってよいのか、過去がフラッシュバックされる場面も、だいぶやり過ぎ感があってこれもクドい。不必要に画面をゴチャゴチャさせたのが残念でした。
[インターネット(字幕)] 6点(2022-04-03 22:41:21)
39.  それでも夜は明ける 《ネタバレ》 
せっかく書いた、最後の望みとも言うべき手紙を、燃やしてしまわねばならぬ無念と絶望を、消えゆく残り火が表現していて。 こういう要素がもっとあれば、映画の印象をさらに強めるのでしょうが、本作にはあまりそういう「演出じみた要素」が無くって、「事実を事実として切り出してみせること」に力点が置かれているように思われます。事実がすでに充分、衝撃的だから、それ以上に何も付け加える必要は無い、とでも言うかのような。 もちろん、カメラは各シーンから滲み出る感情を、常に掬い取ろうとはしているのでしょうが、総じていうと、やや淡々とした印象にはなってます。主人公が何に希望を持ち、何に絶望したのか。悲惨な事象は画面上に次々に登場するけれど、だから見てて「道義的な問題」は感じるけれど、そこには主人公の心情が充分に投影されていないようにも思えます。 せめて、やがて壊してしまうことになる、ヴァイオリンと主人公の関係くらいは、もう少し深掘りしてもよかったのかな、とか。 特に、ラストで家族と再会するシーン。見せ方として、本当にこれで良かったのか? 家族の中に、赤ん坊を抱く見知らぬ男が一人混じっており、主人公はそれを見てどう思ったのか、そして我々はどう思うべきなのか。わたしゃてっきり、妻の再婚相手なんだろう、と思ったんですけどね。で、もし主人公も同様に思ったのなら(多分、そうではない気がするけど)、「実は娘さんの夫です」というオチは、ハッピーエンドを彩るちょっとしたユーモアにもなりえたと思うのですが。本作はここも淡々としていて、あいまいで、感情に訴えかけてこないので、「娘が結婚した」「自分に孫ができた」という事実の提示でしかなく、はたまた、妻が再婚していて主人公がカワイソウと思ったのはわたしの勘違いだったという事実の認識でしかない。ちともったいないラストだと思うのですが、勘違いした私が悪いんですか??
[CS・衛星(字幕)] 6点(2020-05-06 15:08:13)
40.  ソイレント・グリーン
その昔、トータル・リコールという映画があって、曲がりなりにも秘密諜報員の活躍を描くのに、なんで主演がシュワやねん(顔が作り物っぽいので特撮に使いやすい、ってのはあったかも)、と思っちゃう訳ですが、この映画の主人公をC・ヘストンが(それも『黒い罠』なんかのヘストンではなく、あくまでマッチョなヘストンが)演じてるのに通じるものがありますね。殺人事件の捜査から、やがて巨大企業の真相に迫る刑事の役だけど、ヒーローどころか、見るからに労働者風で、何とも頼りない。そんなこともあって、超絶的に地味なSF作品に仕上がってるんですけれども、その一事が万事、洗練されていないところが、まさに本作の持ち味。実際、このキタナらしさ、閉塞感、人間だけが有り余っている世界観。未来を言い当てる可能性がもっとも高いSF作品のようにも思えます。そして、真相を暴く事が必ずしも幸せではないこと、何も解決する訳ではないこと。もはやすでに、すべてにおいて取り返しがつかず、すべてが狂ってしまっているのだから。という絶望感。とは言え、まあ、やっぱり地味な作品なんですけれども(笑)、
[CS・衛星(字幕)] 6点(2012-11-12 17:42:36)(良:1票)
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