1. ターミナル
《ネタバレ》 きっと、スピルバーグは「辛い恋愛を通して、成長する姿」を撮りたかったのだと思う。ターミナルという場所は、精神的な変化を遂げるまでの閉塞感と、自らの殻を破っていく瞬間を表現するための、ただの舞台設定なのだと思う。「実話に基づく」という触れ込みすら、観る人それぞれの人生に、リアルに訴えかけるための、手段に過ぎないのかもしれない。 [DVD(字幕)] 7点(2005-05-03 22:47:17) |
2. 誰も知らない(2004)
《ネタバレ》 一言で表現するなら、「実写版『火垂るの墓』」。 観終わったあとの後味は最悪ですが、あとあとまで印象に残る作品でした。どんどん崩壊していく、純粋で閉塞した、ちいさなコミュニティー。淡淡と映されていくその姿に、目は釘付けになってしまうものの、心は「もう止めてよ…」と訴えていました。 そして迎える、クライマックスのストーリー展開は(実際の事件に基づいたせいもあるのかもしれませんが)、個人的には『反則』で好きにはなれません。「あんなに小さくて可愛い子を、そんな残酷な目に合わせちゃダメだよ……」という気持ちもありますが、何よりも、風呂敷を畳まずに千切って投げられたような感じがしました。崩れゆく子供達の物語に、『救い』を差し伸べて欲しいとまでは言わないけど、何か、ひとつの区切りが欲しかった。だって、これじゃ結局、何も変わっていないじゃないですか。そういうラストで、観客の心に尾を引かせることが狙いなのかもしれませんが、それにしても、止めてほしかった。 あ、あと、実際の事件に基づいてはいますが、「4人の子供達が育児放棄されて自活した」という大筋以外は、ほとんど一致点は無いので、比較するほど意識しなくていいと思います。「(監督が)実際の事件に『触発』されて、こういうストーリーの映画を創ろうと思った」程度の理解で十分でしょう。 [DVD(字幕)] 8点(2005-04-02 21:33:26) |
3. ダイ・ハード
《ネタバレ》 90年代のアクション映画を基礎付けた、記念碑的傑作ですね。テロリストに封鎖された高層ビル・一人で戦う主人公・包囲する特殊部隊・・・設定からしてゾクゾクしてしまいます。電気ケーブルを切断したら、電磁ロックが解除され、金庫が「電自動で」開くというところが、どうにも腑に落ちませんが 8点(2004-11-30 22:51:30) |
4. タイタニック(1997)
《ネタバレ》 あまりにもベタなラブストーリーで、空前の大ヒットを飛ばしてしまったために、その反動で「実はあの頃、(自分を含めて)みんな集団催眠術にかかっていただけなんじゃあ」と思う人が多い映画。ブームの時に観なかった人も、ストーリーや裏話(凍えるレオ様は、実は、温水プールの中とか)を知っているから、今になって観ても純粋に感動できない…。根本的にベタ路線が嫌いな人を除けば、もっと高い評価を得てもいいと思うのですが。それにしても、ジェームズ・キャメロンは本当に素晴らしい監督&脚本家ですね。本作も「エイリアン2」も「ターミネーター2」も、泣かせどころをしっかり用意しながら、大胆なアクションシーンに力を入れることで、相乗効果で映画を盛り上げている。特に日本人好みの感動路線と、適度なハリウッド的アクションの、センスとバランス感覚に優れた、まさに監督の中の監督だと思います。 8点(2004-03-12 22:19:17) |
5. ターミネーター3
《ネタバレ》 個人的に、あのラストはアリだと思いました。一緒に観に行った友人は、悪態をつきまくってましたけど…。私は『みんなのシネマレビュー』で、「意外性のあるラスト」「前作に比べて評価が低い」ことを予備知識として得ていたので、いい意味で期待しすぎなかったのが良かったのかなー、とも思います。さすが『みんなのシネマレビュー』! 6点(2004-02-23 23:40:32) |
6. ターミネーター2
もう15年近く前の映画ですが、古さをほとんど感じさせないところが、素晴らしいと思います。さすがに冒頭にある未来での対ロボット戦は、現在の技術からすると今いちリアリティーに欠けますが、それ以外の本編におけるCG技術、たとえばT-1000の変形シーンは今でも十分通用するレベルに見えます。これは「今ある技術で、最高のレベルを求めた」好例なのではないでしょうか。CGは日進月歩で進化しているので、画期的な映像が作れると思い、結果として技術におぼれてしまっている(金はかかってるし技術は凄いけど、面白くない)映画が多いと思います。そうした映画は、その時観ても「何か不自然だなあ、無理してるなあ」と思ってしまうし、少し時間が経つと、とても古さを感じさせる映画になってしまう。ところがこの映画は、変な背伸びはせずに、不自然さを感じさせない範囲内でCGを使い、それを非常に高度なレベルで実現化している。だから、古さを感じないのでしょう。まさに古典的名作だと思います。 7点(2004-02-11 01:11:50) |
7. タワーリング・インフェルノ
当時は斬新な傑作だったのかもしれませんが……。やっぱり古典は古典です。テンポが悪い。「ただそのストーリーを撮影しているだけ」のような気がしてしまいます(演出に工夫が無い。臨場感が伝わらない。カメラに動きが無い。無駄に長い)。それに、ビルの内装からして古さを感じずにいられないし、特撮もしょぼい。あまり緊張感が伝わってきませんでした。リメイクすれば、凄いものができるかもしれないけど……9.11があったからには、数年は無理だろうなあ。 4点(2004-01-29 03:12:25)(良:1票) |