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アンドレ・タカシさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2127
性別 男性
自己紹介 2022/3/26に以下のような自己紹介文をアップしました。
ロシアのウクライナ侵攻が始まってひと月経過。
映画は観ていますが、侵略戦争のせいでレビューする気になれません。
私の映画レビューと戦争は直接関係しませんが、
楽しく文章を考える気分じゃない、ってことですね。
ロシアが撤退するか、プーチンがいなくなったら再開します。


そして、
侵略戦争が膠着状態に入り、
いつ終わるか識者にも判断できない状況になりました。
まぁ正直、痺れを切らしたので、レビューを再開します。
ウクライナ、頑張れ!

2024年3月17日更新

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1.  第9地区 《ネタバレ》 
すごく面白かった。最近に観た映画の中では、最も幸せな2時間だったかも。正体不明のものをしっかりとストーリーに組み込めれば、面白い映画ができ上がる。それはフィクション創作物の本質であり、醍醐味だろう。平均的なエビ偏見を持っていたヴィカスの心情描写と、エビであるクリストファーの「人道的」スタンスの絡み合いが今作の骨格。特に「3年待て」と言うクリストファーを殴り倒したヴィカスより、必ず人間に戻してやると言い続けるクリストファーに、醜悪な容姿を越えて感情移入させる構成が見事です。あえて難点をあげるなら、クリストファーが人間的過ぎたところだろうか。地球外生命体が、人間と同様の道徳基準を持っていることにストーリーのご都合を感じます。もう少しエビなりの思考構造があったら、もっと痺れたと思います。でも、SFとして、アクションとして、そして倫理的な視点を持つドラマとして、ハイレベルにまとまっている傑作。差別や偏見などの社会問題に、通常とは違った次元と角度から光を当てることもSFの使命です。こんなのが観たかったんだ。3年後、クリストファーは仲間を引き連れて戻って来るはず。彼は、実験台になっている仲間を救出する前に、ヴィカスを捜すはず。さて、その時ヴィカスは人間に戻ることに同意するだろうか?
[映画館(字幕)] 9点(2010-04-14 19:01:19)
2.  ダークナイト(2008) 《ネタバレ》 
面白い映画とはどんな映画か? それに対するひとつの答えが今作にある。ほとんどの映画はフィクションだ。だけど、そこにどれだけのリアリティを感じさせ、観る者の共感を得るかが全ての映画が持つ命題となる。このバットマンシリーズはヒーローコミックが元にあり、バットマンが出てくるだけでリアリティという部分で大きなビハインドを負う。ジョーカーの登場も巨大なハンディになって、ちょっと気を抜くだけですぐにお話が絵空事になってしまう。が、今作は最後まで緊迫した空気の中でストーリーから現実味が消えることは無かった。これは緻密な計算の結果だ。前作に比べてバットマンは微妙に弱く、時には雑魚敵に苦労する。満身創痍で自分で傷口を縫う。ヒロインに選んでもらえない。でも、選ばれたと云う哀しい思い込み。時間が経つと剥がれてくるジョーカーメイク。バットマンを「ならず者の自警団」として非難する声、等々。これらはすべて、映画をリアルへ引き戻すための演出です。この映画の設定自体が持ち合わせる大きなフィクションのベクトルを、脚本と演出の努力によってリアル方向へのベクトルで相殺する。結果、ヒーローアクションムービーならではの吸引力に硬質で奥深い説得力を加えることに成功している。これこそ面白い映画の見本である。ちょっとだけ残念だったのは、フェリーに仕掛けられた爆弾を囚人の親玉みたいな人が船外に投げ捨てたシーンだ。あそこだけは、ご都合色が顔を覗かせた。そこにマイナス1点。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2009-08-24 01:28:39)(良:4票)
3.  007/カジノ・ロワイヤル(2006) 《ネタバレ》 
過去にボンド役が変わるたびにイメージを変えていたボンド像の変更が全てマイナーチェンジだったと思えるくらいに、今作のボンドは衝撃的だった。ひと言でいうなら、アブナイ奴です。でも、もの凄く魅力的でした。冒頭の追いかけっこの後、大使館に押し入り銃口に囲まれた時の不敵な態度。あれで期待感が一気に高まり、それは最後まで裏切られなかった。暴走の魅力、とでも言うのだろうか。同時に、ポーカーの休憩中に大立ち回りを演じた後、部屋で強い酒をあおり懸命に落ち着きを取り戻そうとするあたりに、ただのスーパーマンではなく、ナマの人間を表現しようという努力も感じられた。アクションも、元祖アクション映画シリーズの誇りにかけて頑張ったって印象だった。これまでのボンド像を否定はしないが、もう後戻りできないくらいにやってくれました。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2010-04-05 01:13:34)(良:1票)
4.  タイヨウのうた 《ネタバレ》 
歌手が主演の不治の病もの、と舐めて掛かったら特大のカウンターが飛んで来て感動してしまった。何が良かったかというと、ほとんどYUIの芝居に尽きます。映画初出演・初主演らしいけど、天性の勘の良さなのか、素で演じてああいう感じなのか…。この映画が表現したいであろう少女の人生観にとてもマッチしていたと思います。自分が周囲の友人たちと違う境遇で生きていると気付き、やがてそれが早々に死に至る病の為と自覚したとき、若くしてひとつの諦観が彼女に訪れたのでしょう。言葉が少なく、妙に醒めてる感じはそういうことだと思います。でも、寝て起きてご飯を食べてギターを弾いているだけでも、生きてることは満更じゃない。さらに、毎朝近所のバス停にやってくる同年代の男子に興味を持ってしまったら…。そんな彼女の心情の微妙な機微が、自然体で瑞々しく演じられていた。その男子とのやり取りを通して、生きることの意義がステップアップしたところで無常にもその病は彼女を連れ去りますが、後に残ったのは爽やかさでした。100歳近い寿命を全うした人に対して抱く印象と同じかもしれない。彼女はあれで良かったんだ。そう思わせてくれました。この監督も初作品のようですが、演出も良かったです。どのカットも微妙に長い。そのちょっとした間が、彼女の心情に一歩接近して感情移入するスペースを確保してくれました。自分はYUIの歌は聴いたことがあるけど、それ以上の知識が無かったおかげで先入観なく鑑賞できたと思います。収穫でした。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2008-12-09 01:18:37)(良:1票)
5.  ダンサー・イン・ザ・ダーク 《ネタバレ》 
絞首刑の瞬間を見せたのにはびっくり。でもその冷徹な姿勢に拍手。 評価が分かれる作品だとは思ったけど、このサイトの点数分布を見て納得。
[DVD(字幕)] 8点(2008-08-05 17:56:55)
6.  たそがれ清兵衛
この映画が心に響くのは、日本人が概念として持っている日本的な美しさが描かれてからなんだと思う。私は「名もなく貧しく美しく」という名作を思い出しました。主人公は好んで清貧をやっているのではなく、家が貧乏なことと、彼が謙虚なことは別のお話。でも、派手な部分が無い生活は身近なものが良く見渡せるのも確かです。それを慈しみ生き甲斐を見い出すには繊細な感受性が必要で、些細なことを愛でるのが日本的な美意識なんだと思う。貧乏をやってる方は堪ったものじゃないけど、観ている分には心が洗われる気分になります。私は礼節や謙虚といった言葉とは縁遠い人間ですが、この映画は美しく映る。日本的な美への憧れがあるのだと思う。江戸時代でも平成でも、ほとんどの人生はある時点からルーチンの繰り返しになります。そんな時、自分にとって大切なものが何かを正確に自覚できている暮らしは揺るがない。そんな部分にも憧れを感じました。宮沢りえの襷がけは良かった。あれって外出時は持ち歩いてるものなんですね。まさに心掛けです。
[DVD(邦画)] 7点(2011-03-09 20:53:57)(良:2票)
7.  ダウト ~あるカトリック学校で~ 《ネタバレ》 
最初の説教は「疑い-ダウト-」だった。疑いは確信と同じくらい強い絆になり得る、と神父は言った。猜疑心が孕む負のオーラを打ち消すことが出来るなら、その精神は健全さと強さを獲得する、と云う意味合いだと思う。それは深くて余韻を残す説教だったが、本作のストーリーには皮肉として効いてくる。滅多に見ない猜疑心の塊りがど~んと居座るから。神父の中盤の説教は「噂話」で、これは校長のアクションに対するあからさまな牽制だった。そして、神父が説教ネタとしてメモっていた「不寛容」こそが全体のテーマでしょう。私も少年の母親と同じで、神父がやったことの真相などはどうでもよかった。それを追及する校長の意図が理解出来なかった。追及する側の心が狭量としか思えない。これは、信仰と猜疑心の関係といった高尚な話ではなく、ある女性の偏執的な潔癖性向を批判した映画と観るのが素直な視点だと思います。もの凄く下世話な感想になるが、あの校長みたいな女性とは何度か出会ったことがある。自分が法律にでもなったかのような勘違いをしている人。往々にして見かけは正論で、その正論が及ぼす周囲への悪影響を関知しない神経の太さと強さを持っている。それは典型的な独り善がりだと思うが、本人は信念を持ってやっているから始末が悪い。過去に出会ったそんな方々が脳裏をよぎり、「不寛容」は悪徳と云う以上に思考が進まなかった。メリル・ストリープの演技には凄まじい説得力がありました。世間が評価するほど好きな女優ではないが、本作の彼女には脱帽です。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2010-07-08 23:42:23)(良:1票)
8.  ただ、君を愛してる 《ネタバレ》 
このストーリーにリアリティは無い。あんな美人二人の間にいながら、しかも同棲(彼女は下宿と言っとりました)しながら、何事もなく卒業まで過ごすなんてありえない。あんなに爛漫に「好きな人が好きな人を、好きになりたい」とか言える人も現実にはいないだろう。でも、最後までしんみりと観てしまったのは役者たちの魅力です。めがねを取ったらハッとするほど美人って、大昔から使い古されたネタを堂々とやってくれて、それを可愛いと思ってしまった自分の負けです。彼女の死には自分も相当に落胆しました。ストーリーは4点。宮崎あおいに+1点。黒木メイサと上原美佐の水着に+1点。メガネを取った宮崎あおいに、大サービスでさらに+1点。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2009-08-18 02:28:49)(良:1票)
9.  ダイ・ハード4.0 《ネタバレ》 
面白かったです。久しぶりのシリーズ復活ですが、印象の薄い2や3よりは楽しめました。事件に巻き込まれるところから「すぐに人を蹴りたがるカンフー姉ちゃん」との対決まではテンポも良く、シリーズ第一作並みではと思わせてくれました。このお姉さん、スレンダーで冷徹で強くてセクシーな美人。早めにいなくなったのが残念でした。後半に入り、シナリオやアクションが都合良く行き過ぎてややパワーダウンした感あり。特に最新鋭の戦闘機を撃墜したのはやり過ぎでしょう。マクレーンはどんな苦境でも泥臭く粘って局面を乱打戦に持ち込み、最後は殴り勝つという奴のはず。ラスボスをぶん殴らなかったので1点減点しました。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2008-08-17 13:18:21)(良:1票)
10.  007/ダイ・アナザー・デイ 《ネタバレ》 
シリーズ20作目の記念作品的な描写がところどころに見られた。そういえば10作目の「私を愛したスパイ」でも、女スパイと共闘してましたね。ボンドが捕虜になって拷問を受けるようなシーンは過去に無かったので、新しい展開にちょっと期待したけど途中から通常のペースに戻って残念でした。かなり初期の頃から観ている自分には、Qのコレクションにちょっと感激。昔の秘密兵器は地味だったが、使い方で味を出していたと思います。消える車などはもう「攻殻機動隊」レベルで娯楽としては面白いけど、そんなものに頼り過ぎると作品がふやけます。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2010-08-22 00:34:56)
11.  ターン/TURN 《ネタバレ》 
いきなり余談。原作と映画は別の創作物として鑑賞されるべきものである、と理屈では思う。しかし、原作を読んだ後に映画を観ると、原作との違いや、作品によってはその違いに対する不満が、映画の感想になってしまうことが多い。たまたま、北村薫を何冊か続けて読んでいるタイミングで今作を観る機会があったので、ひとつ実験をしてみた。文庫本で400ページ強の原作を100ページほど残して中断し、そこで映画を観て、その後に原作を最後まで読んだ。すると、本来は別々のものである文字の「ターン」と映像の「ターン」が、自分の中でひとつの作品として融合している印象である。文字から入ることで、作品世界の概念的把握が先行する。映画に移ると、牧瀬理穂の住いや人影のない世界の描写に、文字とは異なる温度を感じる。描写不足は記憶にある原作が補完してくれる。途中からは、初見のストーリー(今作でいうと、北村一輝が出てくるあたり)に変わり、それなりにドキドキしながら最後まで観る。そのあとに原作でもう一度、主人公の心情をトレースする。といった感じ。原作が映画のト書きになったようなイメージだ。もちろんこれは邪道で、どちらの「ターン」も中途半端にしか観賞していない罪悪感がある。しかし、不思議と不満や消化不良感は無い。原作と映画が合わさりひとつの「ターン」になった。原作の世界観が固着する前に映画を観たので、頭の中で都合良くフュージョンしたようだ。反対に、なんとなく分かったことは、原作が先でも、映画が先でも、作品のイメージが一度定着すると、後で触れるものは「似て非なるもの」に成らざるを得ない、ということ。…またまたレビューになっていない。すみません。ひとつだけ。頼りない泉さんは不満だ。あれはフュージョンしなかった。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2010-03-25 02:57:39)
12.  誰も守ってくれない
マスコミやネットの描写の誇張に関しては、演出とはいえ、あそこまでやるのは悪ノリでしょう。でも目をつぶります。対象にされた人が理不尽に傷つけられると云う事実がある限り、リアリティの有無や演出の強弱は関係のない話だと思いました。内容のレビューからは外れますが、自分はワイドショー的ニュースメディアを心から憎んでいる人なので、これを見た現場の方々が少しでも自粛してくれることを祈ります。ネットの方も、匿名性を非難・中傷の自由と思い込んでいる輩がいることは事実です。ネット社会とは、利便性の裏にそういう資質を持つ人たちに無料のメディアを提供しているシステムです。その不完全な様は10年ほどで急激に成長した代償とも言える。法的な整備を願って止まない。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2009-12-26 00:18:40)(良:1票)
13.  たとえ世界が終わっても 《ネタバレ》 
出来すぎのお話だと思うので手放しで褒めるのもなんですが、いい映画でした。死に囚われている心は何によって解放されるのか。その答えは死にたい深度によって様々だ。ラーメンを食ってボーリングをするだけで思い留まる人もいた。ちょっと安直に映ったが、実際にはそんなものじゃないか、とも思う。主人公の芦名星はもっと重症だった。彼女に対しては、今作のように誰かと一緒に生きて行くというのが手っ取り早くて分かりやすい模範回答でしょう。でもその論法だけなら、一緒にいる人が失われた時点で振り出しに戻る。今作で芦名星が自殺を止めたのは、安田顕に魅かれたからだけど、彼が失われても死のうとしなかったのは、彼女の中に生への動機が芽生えたからだ。他者の動機に便乗するのでは無く、自分の中に動機を持っている人は死にたいと思いません。この映画は丁寧にそこまで導いてくれる。その案内役が大森南朋が演じる妙田。「妙(な奴)だ」って意味だと思いますが、ホントにミョーダった。心地よい映画だったので、彼の正体はこの際どうでもよいでしょう。芦名星は「シルク」のミステリアスな少女役以降、注目している女優です。こういう暗い芝居で存在感を失わないところが彼女の良さでしょう。今後に期待大です。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2009-12-02 22:01:11)
14.  ダーウィン・アワード
私はハリウッド製のコメディがあまり好きじゃない。ハリウッド映画でひと括りにするのは正しい姿勢ではないが、笑いの質という視点でくだらないものが多いのは確かだと思う。だけど、これは良かったですね。馬鹿な死に方をする奴らがたくさん出てきて、ホントに馬鹿なんだけど、馬鹿にして笑うというよりは、人間って仕方ねぇ生き物なんだなぁ~、というペーソスを感じさせる笑いに昇華している。上手いと思いましたよ。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2009-06-10 03:42:07)
15.  魂萌え! 《ネタバレ》 
未読ですが女性の自由や解放を扱った桐野夏生らしいストーリーですね。60歳前後で連れ合いを失うのは悲しいことですが、この映画を見る限り、主人公は結婚後初めて能動的にアクションしたように見えました。不幸にして、そんな境遇になった人への応援映画です。でも、一番いいのは、連れ合いが存命中でも自己の魂を燃やせる環境を自ら作ることだと思います。それを気付かせるための映画かもしれない。ラスト近くで「ひまわり」が映った時に感じたことですが、常盤貴子の顔の骨格ってソフィア・ローレンに似ていますね。だから何だって、なんでもないんですが。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2009-02-21 02:59:29)
16.  単騎、千里を走る。 《ネタバレ》 
映画のストーリーにはさほど感銘を受けなかったけど、旅の意義みたいなものを考えてしまった。人は普段の生活の場から離れると、自分のことが客観的に見えるようだ。離れる距離によって視点は変化する。外国へ行ったら、日本にいる自分が見える。認識域が拡大すると言っても良く、それは時に閉塞状況を打開する契機になる。息子に代わって仮面劇を撮影するために中国を訪れた健さんは、期せずしてそんな状態になったのだと思う。この父子の諍いの原因は詳しく描写されていないが、肉親がゆえの甘えと逃げで反目し合ったのだろう。もともと、死期が近い息子に何かしてやれることは…という想いがきっかけになった中国行だったが、その行程は息子との心の距離を縮める旅路となった。自らの意固地を融かし狭量を悔恨させたのは、生活エリアを離れた効果だと思う。旅先で触れた中国の人たちの人情と雄大な風景が助力したことは言うまでもない。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2009-02-11 18:33:50)
17.  ターミネーター4 《ネタバレ》 
「1」で未来からやってきたカイル・リースを描いたことの後日談、じゃなくて発端の話、と言うべきか…。その「1」に辿り着くまでを、新キャラを加えたストーリーに織り込もうとしたことがアダとなって、全体が神経質な辻褄合わせに感じられる。CGなどは頑張っているが、ジョン、カイル、マーカスの3人をほぼ均等に描いたために視点が拡散した印象で、散漫感は否めない。やっぱりこのシリーズは、ターミネーターが恐怖の対象で、それとガチンコで戦うから面白かったのだと再認識。舞台が未来になったら、ただの戦争モノになってしまうのね。ターミネーターは引き立て役の雑魚ロボに堕ちてるし、初めて画面に登場したスカイネットも自信満々の割には頭が悪いまがい物だし。とは言え、シュワがCGで出て来たサービスにはちょっと感激。ご丁寧に「1」の頃の顔つきを再現してました。あれは彼の出世作だけど、あのコワイ顔のままじゃ知事にはなれなかったでしょう。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2010-06-25 21:57:36)(笑:1票)
18.  ダニー・ザ・ドッグ 《ネタバレ》 
この人が主演なのでアクションシーンは必須だけど、体を使わない芝居でも頑張っていたと思います。そういう意味で、モーガン・フリーマンはさすが一流のバイプレイヤー。強い主人公には強い敵役が必要ですが、不死身のおっさんには笑ってしまった。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2009-12-01 00:35:56)
19.  たみおのしあわせ 《ネタバレ》 
最後はいきなり、ある名画のパロディになりました。あの展開には違和感を覚える人が大多数だと思う。以下、自分の解釈です。親父は至って真面目な人。息子の嫁=自分の娘で、手を出したりしたら禁断の関係という感覚。息子が大切で、義母にしろ、嫁にしろ、どんな女性が息子に相応しいかに腐心して生きてきた。嫁の思わせぶりな態度に戸惑っていたところ、式直前に抱きつかれ困惑極まれり。「こんな嫁はいらない」。これは、息子コンプレックスだ。一方の息子。死んだ母は唯一崇高な存在で、親父が付き合う女性を母と同格に考えることが出来なかった。父の愛人と叔父の関係を知り、自分の理解を超えた男女の関係に穢れたものを感じる。式直前に、その穢れを直接に目撃する。彼にとっては、無条件に信頼がおける女性は死んだ母だけ。「もしかしたら、女ってみんな穢れてるんじゃないか? 自分はそんなイキモノと暮らして行けるのか?」。母は亡くなっているので分かりにくいが、息子の症状はマザコンだ。女性の存在が巨大な恐怖として彼を包囲したとき、親父が救いの手を差し伸べ、そして二人で逃げた。誰から? 母以外のすべての女性からだ。ラストシーンが象徴的でした。母に見える女性を追って草むらに消えるマザコンの息子と、追従する息子コンプレックスの親父。きっと、この先も二人で暮らして行きます。それが「たみおのしあわせ」です。麻生久美子も大竹しのぶも、父子のコンプレックスの狂言回しです。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2009-08-28 00:20:09)(良:2票)
20.  大決戦!超ウルトラ8兄弟 《ネタバレ》 
新しい4人のウルトラマンは全く知らないが、昭和ウルトラマンの4人には随分とお世話になった。自分が幼稚園に入る前の年にウルトラマンの放送が始まったから、現役視聴の最年少が自分の年代だ。さすがに幼稚園の同窓会はやったことがないけど、この映画は自分にとって最も古い仲間との同窓会という趣きだ。同窓会の大きな目的のひとつは好きだった女の子との再会だけど、ヒロインたちを全員出席、じゃなくて出演させたスタッフは偉い。昭和ウルトラマンたちの回想シーン、特にウルトラセブンのそれには、強烈な懐かしさに涙が出そうになった。ウルトラマンは自分にとってのヒーロー第一号。それが、ゴジラに変わり、ブルース・リーに変わり、ヤマトやガンダムに変わり、色々なコンテンツを経て、今の自分がいる。でもウルトラマンの前に好きだったものは思い出せない。自分の中で最も長い時間居座っているヒーローがウルトラマンだ。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2009-08-08 02:19:25)(良:1票)
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