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あにやん‍🌈さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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コメント数 2517
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ホームページ http://coco.to/author/aniyan_otakoji
自己紹介 レビューを相当サボってしまってるの、単に面倒になっちゃってるからなんですよね。トシのせいか、色々とメンド臭くなっちゃって。
映画自体、コロナ禍以降そんなに見に行かなくなったのだけど、それでも年に70~80本は見てるワケで(でも今年は50本行かないかな?)、レビュー書けよ自分、って思ってる、でもなんか書かない、みたいな。
これからは今までよりも短文でレビューを上げてゆきたいな、と思う次第であります・・・微妙だけど。.

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1.  チャーリーズ・エンジェル(2000)
おバカがボンクラの魂をひっ下げて怒涛の勢いで突進してくる映画に、私がナンの不満を持つでしょう? これはおバカが巻き起こした奇跡の映画です。おバカの神様が降臨なされたのです! さあ、みなさん、この映画を教典として崇め奉りましょう。おバカはあなたと共に!!って誰もついてこなさそ~。
[映画館(字幕)] 10点(2003-12-10 23:30:02)(笑:3票)
2.  小さな恋のメロディ 《ネタバレ》 
中学生時代、土曜の雨の午後、ニュー東宝シネマのリバイバル上映、女子高生で溢れかえった中で埋もれて見た事を今でも思い出します。白黒の、メロディがダニエルの頬にキスをしているポスターを買って、家に帰ってそれを廊下で母に広げて見せた事も、母が「いいじゃない」って言った事も思い出します。そんな、映画本編だけでなくって、映画にまつわる思い出も何もかも全部、大切にしまっておきたい、そんな映画。子供の可能性を抑圧してしまうとか、大人の身勝手な良識の押し付けとか、とりあえずそんなのどうでもよくて。現実で考えたらあの後一体・・・とかもどうでもよくて。ときめきがあって、世界が広がって、そして未来が開けてる、それだけで十分なのです。
[映画館(字幕)] 10点(2003-11-22 15:03:48)(良:1票)
3.  沈黙 ーサイレンスー(2016) 《ネタバレ》 
 海に接する場所、霧の中に消え、霧の中から姿を現し、この映画に描かれる日本という閉塞的な世界には一貫して神の視点がありません。地理や位置関係を示す視点、生活や人物の関係性を語る視点、そういう作品世界を俯瞰する描写が存在せず、ひたすらロドリゴ神父の見聞きする世界のみがあって。その閉塞された混沌世界の描写は、己の信仰心と対峙する神父の葛藤を明確に浮き彫りにさせます。  絶対的な神を持たない民族の信仰の姿はキチジローに代表されて、それは今に至るまでずっと同じ日本人の姿を示しているところが面白いです。陰鬱な映画なのに、布教どころか自己の信仰すらも歪ませてしまいかねない、八百万の神を持つこの国の特異性を妙に面白く(自嘲的に)感じてしまう私でした。   踏み絵も拷問も処刑もお役所仕事、みたいな描かれ方もまた日本人らしさを示していて、なんとなく可笑しく思えてしまって、でも海の向こうの人から見れば恐ろしい事なのだろうなぁ、と。    だけどリーアム・ニーソンのキャスティングによってフェレイラ神父がクワイ=ガン・ジンに重なってしまい、そう言えばアンドリュー・ガーフィールドってヘイデン・クリステンセンに似てなくもなくて、ダークサイドに堕ちたクワイ=ガン・ジンがアナキンを誘う映画みたいに見えてしまい。オビ=ワンがいればなぁ、みたいな。日本はダークサイドか。   しかし蜩はあの時間には鳴かないのではないかいな?
[映画館(字幕)] 9点(2017-02-13 22:15:23)(良:1票)
4.  小さき勇者たち ガメラ 《ネタバレ》 
11年前、ガメラが復活して本当に嬉しかった私ですが、回を重ねるごとに、ガメラである必要がないんじゃないの?ゴジラを作りたい人達が代わりにガメラを使ってるだけなんじゃないの?なんて意地悪な事を考えるほどに私の好きだったガメラからはかけ離れた存在になってゆきました。でも、大風呂敷を広げっぱなしで逃げちゃった前作から一転、今度は私の大好きだったガメラに限りなく近い存在となって帰ってきました。ガメラはなぜ存在するのか?なぜ現代社会に現れるのか?なんて一切関係なしです。大前提が子供の味方の空飛ぶ亀の怪獣、ガメラってそういうものでしょ?と、まるで平成ガメラに対してダメ出しするような映画。シネスコの大きなスクリーンに展開するのは、だけど、プログラムピクチャーみたいな小さな世界(『学校の怪談』や『ズッコケ三人組』に近い感じです)。視点は子供の元にあって、大状況に呑み込まれる事なく最後まで子供に寄り添ったまま。ガメラに協力するのは自衛隊でも国家でもなくて子供です。ガメラは人類の味方でも地球の味方でもなくて、子供の味方。そういう子供っぽさがダメ、って人は昔からいましたし、だから平成ガメラが好きな人にとっては悪夢のような映画かもしれませんが、私は『そうそう、この感覚こそがガメラ映画!』って感激。ストーリーラインがまるっきり「E.T.」とか、大映ブルー分が全然足らない!とか、ジーダスが大映よりも東宝怪獣っぽい(ゴジラ~ジラースのデザイン&名前をパロってるクサい気もします)とか残虐すぎとか、回転ジェットはもっともっと青く、できれば操演で!とか、そこまでやるんなら子供を背中に乗せて!とか、ラストはやっぱりガメラマーチを流して下さい~、とかいうマニアくさい不満点はありましたが、あくまで昭和ガメラファンのためじゃなくて、子供のための映画ですからね。それでも、映画を見ている間、子供の頃に映画館の暗がりの中で見たガメラが思い出されて懐かしさに胸を締めつけられ続けていました。ガメラに育てられた私は、主役の少年とそのお父さん、両方の視点でガメラを見つめていました。スクリーンに映るガメラを見ていられる映画生活がどれだけ幸せなのかを、40年近い時の重さと共に感じていたのでした。
[映画館(邦画)] 9点(2006-05-17 21:09:32)(良:2票)
5.  チャップリンの独裁者 《ネタバレ》 
演説を通して人々の心を捉えていったというヒトラー。ならば、その彼の得意技を使って映画で語ってみようというチャップリンの、したたかにして挑戦的なラストシーン。先にヒトラーの演説シーンをワケワカラン言葉とバカげたアクションで演じて笑ってみせた上で、チャップリンの言葉で語られるそれは、この映画が製作された当時の事を考えるとあまりに悲痛な叫びでした。支配され貧困の中にある人、戦場に赴く兵士に向けた言葉。この映画を見た時(もちろんリバイバルですが)には、まだ小学生だった私にも十分に大きなインパクトのあるシーンでした。プロパガンダに対して個人でぶつかっていったチャップリンは、今の時代にあってもなお孤高の偉大な存在だと思います。だけど、今もなお「平和」のための殺戮が繰り返され、彼の言葉が必要な人がいるのも現実ですね・・・。
[映画館(字幕)] 9点(2003-12-11 16:18:49)
6.  チア☆ダン〜女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話〜 《ネタバレ》 
 限定的、条件付き高評価、って感じで。   とにかく欠点だらけです。冒頭からしばし続く「ギャグマンガ的」なバカくさいノリは「あー、コレダメなヤツじゃん・・・」って感じ。登場人物はみんなマンガ的で、悪役的ポジションやガヤ連中はそのままで固定のキャラ。広瀬すずが反感を抱き続けた天海祐希の、その想いは第三者から細かく説明されちゃいますし。アメリカでの決勝会場のハリボテ感は邦画の伝統。決勝のダンスは余計な映像差し挟み過ぎですし、つーかせっかくシネスコ使ってるのに横一列のロケットの全体像をきっちり俯瞰で撮らんでどうする!っていう。決勝途中で脱いだユニフォームは一発で消滅しちゃうし、エピローグは蛇足感たっぷり。   だけどね、天海祐希が踊ってみせる、高々と足を上げてみせる、それだけでうわーってなってしまうヅカオタなので(「頂点に立った者だけが見える世界」ってのもとても説得力を持つ言葉なのですが、でもそりゃ映画の外側の知識によるものでこの映画の力とは別ね)、わりと早々に「見るべきところはある」って。   で、欠点だらけなのだけれども、素材の良さ(元になった話と、役者と)で十分に見られるものになってる、欠点が作品の足を引っ張りきれてない、っていう感じ。とにかく女優陣の表情がいいですし、きちんと動けてます。練習シーンを除いてダンスシーンはラストの決勝までお預けだったりはするのですが、その決勝でのダンスは見事で(だからこそ、その肝心なシーンでボケをかまして笑いを取りに行く教頭だのストーカー少年だのって余計な要素は入れないで欲しかったのですけれど)、若さゆえの身のこなし、動きとか表情とか、そういう溢れるパワーがダメな部分を押し切ってる感じがします。広瀬すず、中条あやみ、山崎紘菜といった女優の本気に救われてる映画なのだなぁ、と。  彼女達の本気っぷりだけで十分に見る価値のある映画です。   蛇足ですが、舞台挨拶で紘菜ねえさんの「ようこそTOHOシネマズへ」を生で聞けたのには感激しましたのう。
[映画館(邦画)] 8点(2017-03-12 21:39:45)
7.  チャーリーとチョコレート工場 《ネタバレ》 
プレミアには欠かせない叶姉妹のボイン(死語)に圧倒されつつ、いっぱいの芸能人にミーハー心を湧き立てつつ、ジョニデよかティム!と舞台挨拶に燃えつつも、何より原作が小学生時代からのバイブルとなっている私にとっては映画本編こそが重要でした。これが、もう意外なほどに原作に忠実で、子供の頃のわくわくどきどきをきっちりなぞってゆくような感じで、懐かしさや子供の頃に抱いていた思いがバーッと引き出されて、とても冷静には見ていられませんでした。細かい部分の違いはあります。ワンカ氏(とあえて書きたい)のお父さんのエピソードが加えられた事で、ワンカ氏の年齢設定がぐんと若くなって、それってどうなんだろ?と見る前は思っていたのですが、ジョニー・デップの奇怪さと垣間見せるシリアスさの演じ分けは、ワンカ像に更なる深みを与えた感じがあります。ウンパ・ルンパも原作とイメージは違いながら、彼らが歌い踊るシーンでの歌詞が忠実なので物語から剥離している事はありませんでしたし。そして、原作と大きく異なる展開を見せるラストには「どうなっちゃうんだろ?」とハラハラ。ティムらしいラストシーンは、原作に感じる一抹の淋しさを補うものですらありました。全編、ティムの悪趣味一歩手前なセンスと原作の持つ毒のあるイメージとが見事にマッチしていましたし。と、ホメてるワリには点数が上がりきってないのは、やっぱり自分の中に確固たる自分だけの「チョコレート工場の秘密」があるからに他なりません。そして、それを超える事は誰にも不可能だと言う事。だから普段なら本当は9点か10点かもしれませんが、冷静になれないがゆえの8点、ですね。帰りの通路ですぐ後ろから叶姉妹のボイン(死語)に追い立てられて更に冷静になれなかったワケですが。【追記】あ、忘れてました。全国30館くらいで上映中にチョコの香りを漂わせるとの事ですが、犬っ鼻な私からするとプレミアの時のはチョコの香りと言うよりも『タバコチョコから剥がした薄い紙の匂い』でした。
[試写会(字幕)] 8点(2005-09-06 00:33:58)
8.  ちはやふる 下の句 《ネタバレ》 
 前作の、続きがあるゆえに上がりきらない感じは今回更にエピソードを重ねる事で幾らか解消されたかな。このテの映画なら一作でメンバー全員を愛おしく感じるくらいで当然、みたいに思ってるので、前作だけではメンバーに愛着を抱ききれなかった事が不満だった訳ですが、今回の最後まで見て愛着を抱けましたからね。   今回描かれる個人と集団についての物語はその心情やテーマそのものをセリフで説明し過ぎとは言え、青春映画としてあるべき爽やかさやひたむきさ、その短い時間の大切さが伝わってきました。   ただ、今回(前回もそうだったかなぁ?)異様にウザい程に全編映像がハイキーな状態で、画が平板になってしまっていて。陰影を極端に無くす事でマンガ的なるものをわざと映像に求めたとでも言うんでしょうかねぇ? にしてもラストの方で眠る広瀬すずのアゴのラインを消してしまうほどのコントラストの無さは可哀想ですよ、あれ。全体的にコントラストを作らな過ぎな印象で、その意図を掴み兼ねてしまいます。   クイーンはなかなかに魅力的なキャラではあるのですが、あの私服のセンスはマンガではお馴染みの世界で(ほら『監獄学園』の裏生徒会長とか)、ああいうのを実写にするとやり過ぎ感が出ちゃいますね。   マンガ的なるもの、マンガ記号的表現と映画表現との差異、そこら辺に留意した映像を更なる続きには期待したいところです。
[映画館(邦画)] 7点(2016-05-05 19:19:23)
9.  ちはやふる 上の句 《ネタバレ》 
 広瀬すずがとてもキレイに可愛く撮れていて、それだけで正義、みたいな映画。  ただ、既にこれまでたっぷり存在しているこのテの「寄せ集めがみんなで頑張りました系」な邦画、それらに比べてこの映画が特に秀でた出来だったかというと、んな事はないんじゃない?って感じで。   冒頭から結構ひっかかりどころがあって。画面いっぱいの桜の花、学校名を見せるための校門のショット、生徒達が一斉に教室から廊下に溢れ出してきてから鳴り出すチャイム、眠りに堕ちたヒロインの白目など、毎度の記号的表現の羅列に、「成績優秀、運動神経抜群、その上イケメン」をセリフで説明しちゃう安直さ、マンガ原作の安易な映像置換でございます感が充満していて、ああ、この映画もそこに止まってゆくのだなぁ、と。それは結局最後まで続いてゆきますし。   それに、このテの映画ってメンバー一人一人に愛着を抱いてこそ、だったりするのですが、これ一作では完結せず、次回に続いてゆくが上に最後まで愛着を抱けないままに終わってしまう感じなんですよね。前後編ものゆえの盛り上がりきらなさ、物足りなさがどうしても残ります。   なので自分の中で現状ではこの辺。 『リンダ リンダ リンダ』『シムソンズ』『書道ガールズ』『ガールズ・ステップ』『ロボコン』『スウィングガールズ』『フレフレ少女』『シコふんじゃった。』【『ちはやふる 上の句』】『恋は五・七・五!』『ウォーターボーイズ』『うた魂♪』『あしたになれば。』『おっぱいバレー』『ブラブラバンバン』『ソフトボーイ』『綱引いちゃった!』   ね、このジャンルいっぱいあるし、私もいっぱい見てるでしょ?   個人的にはもう少しロケーションを活かした表現と、百人一首にシンクロした和の情緒があったらな、と思いました。とりあえず後編に期待。
[映画館(邦画)] 7点(2016-04-04 21:00:48)
10.  チェンジリング(2008) 《ネタバレ》 
大変よく出来た映画なんですけれど、構図、カット割り、カメラの移動方法、音楽の使い方、ライティング、全てがキッチリとしていて映画の教科書のようで、『名作の作り方』みたいな、映画学校用の教材みたいな映画で、その分、個人的にはちょっとつまんないなぁ、と。イーストウッドの映画はいっつも真面目に撮られていて、私にとっては大きくハズす事がない代わりに「アンタの映画、好っきやわぁ!」ってときめかせてくれるクセやアクも感じないんですよね。キチッとテーマにもキャラクターにも距離を保ってたりするものですから、心地良く最後まで運んでくれるものの、終わってみると心をギュッと掴まれたモノって案外なくない?って思ってしまったりして。白骨死体ばかりしかなかったの?発見までの期間が短い場合もあったハズなんじゃ?なんて疑問も、この監督のセオリーから言えばそれで正解なのでしょう。腐乱死体を映したり、それを感じさせたりすらNGで。アンジーの演技も「批判は許さないわよ!」ってバリバリの名演技オーラを発してるみたい。ハリウッドの優等生監督がカッチリ作った優秀な映画、でも、映画としての可愛げには欠けちゃうと天邪鬼な私は思うのでした。
[映画館(字幕)] 7点(2009-03-01 18:13:24)(良:1票)
11.  チェ 28歳の革命 《ネタバレ》 
チェ・ゲバラって写真で見るとデル・トロと言うよりもグレゴリー・ペックみたいな顔ですよね。さて、この映画、いくら続きがあるとは言え、ちょっと半端なシロモノです。そこにはドラマがなくて、ただ事象が羅列されるだけ。ヒゲ面な上に引きの画が多くて表情すらマトモに見えない状態ですから、ゲバラの内面は映像からは見えてきません。その代わりにカメラがずっとゲバラに寄り添う事でゲバラの人となりを外側から見せようと。結局、そこで積極的に映画に付き合ってゆこうとする意志がないと何も入ってきませんし、かなり観客を突き放している状態。ならば徹底的にそうすればいいのに、状況説明のためにたまに唐突にカメラがゲバラから離れちゃうんですよ。そこがハンパです。しかし、アメリカ産でありながら、アメリカの俺様主義に対してはあくまで批判的。ゲバラが正義であったのかどうか、それはまだ歴史が結論を出せてはいませんが、戦後、アメリカフィルターを通してしか物事を見せられていないような日本人が、本当に正しいこと、平和であることを考えるのにはゲバラはちょうどいい存在なのかもしれません。とりあえず現実の方は、まだまだですよ、ゲバラさん。個人的にはアメリカのトップにあんなのが立っている状態が、あとたった10日でもガマンならんですよ。
[映画館(字幕)] 7点(2009-01-10 19:52:27)
12.  父と暮せば 《ネタバレ》 
ラストシーンで「え?」となってしまいます。うーむ。解釈はいろいろと出来そうなのですが、こうだ!と結論付ける事はしない方がいいのでしょうね。さて、殆どが宮沢りえと原田芳雄の会話で進行するという、とても地味な印象を与える映画ですが、二人の会話がいいですね。全編原爆による悲劇を陰々鬱々と語るのではなくて、娘の恋心をおちょくってみせる父がコミカルで可笑しく楽しめます。ただ、それゆえに話が原爆投下の件に及ぶと、ちょっと芝居がかった大仰さが浮いてしまい、更にそこにご丁寧に挿入される今風のCGを駆使したVFXと惨状を描いた絵とが、どうしてもそういう語り口でなければいられなかったのね、と少しガッカリもしたり。そこでは過去に語られ描かれてきた沢山のヒロシマを繰り返しているだけで、この映画独自の価値が感じられないのです。一方で「死ななければいけなかったのに生き延びてしまった」という罪悪感は切実に伝わってきて、長回しに沢山のセリフと動作が盛り込まれている中でしっかりと芝居を見せる宮沢りえは本当に上手い女優になったなぁ、と。とんねるず相手に「ざけんなよ!」とか言ってたあのコとは別人のように感じられます。ヒロシマを現代、未来に伝える事は大切です。もう終わった事、過ぎ去り忘れ去られた過去ではありません。でも、作品のアプローチはこれまでの繰り返しではなく、もう少し先へ進んで欲しかったですね。なんか100ページほどのマンガ「夕凪の街 桜の国」の、最初の25ページまでを映画化したような印象ですし(この映画の原作の方が発表は10年も前なのですが)。こちらを先に見ていれば、もう少しポイント高かったかな?
[DVD(邦画)] 7点(2006-08-18 01:51:55)
13.  茶の味 《ネタバレ》 
ほのぼのとした映画かな?と思ってたら、やっぱり石井克人監督の作品でした。ヘンな人とヘンな映像がいっぱい。まあ、ほのぼのしてましたけど。個人的にはお母さんのアニメのセンスがね、いいなぁ、と。ステキなお母さんがああいうの描くの。「ブライガー」オープニング金田伊功風とか東京ムービー新社杉野昭夫風とか、ちと古いノリが、そっか、しばし現役を離れてたアニメーターだから、なんて納得したりして(←オタク野郎)。ハマってるキャストの中で我修院達也だけが浮きまくってて(いかにも作り物なおじいちゃん)、そこがちょっとどうなんだろう?とは思いましたけど。ネタがいっぱい散りばめられていて、映画としてメチャクチャに見えたりもするけれど、全部をひとつの世界として受け入れると、なんだかヘンに愛着を覚えたりもして。おじいちゃんの遺した動画に、あったかい気持ちになって、だけどゲストキャラやヘンなエピソードが簡単にはいい映画にさせないぞ、って主張してイガイガひっかかってるあたりが、石井監督の味なのかな。
[DVD(邦画)] 7点(2006-08-05 01:15:44)
14.  チアーズ!
これまで、いろんな映画でいじわるチアリーダーに疎外される役に感情移入してたりしたので、この爽やか体育会系のノリを素直に受け入れるまでが大変だぁ。しかし、彼女達には彼女達なりの情熱があり、青春があるのですねぇ。ベタベタなアメリカンだし、物語としてはとーっても古臭いフォーマットだけど、黄金パターンゆえに単純にワクワクと楽しめ、最後には感動しちゃいました。ただ、チアリーディングの性質上、チーム一丸となって、という展開ゆえにせっかく個性的なキャラクターが登場しても、どんどん個性を削がれてしまうような印象を受けるのが惜しいです。雑多な個性も競技シーンではチームという個体に集約されてしまうので、一人一人の到達点としてクライマックスで高まる、というのを描くにはちょっと不向きな競技な気がしました。むしろエンディング部分のおふざけチアリーディングの方が個性が出てて魅力的に思えたりもして。せめて決勝シーンはミュージカルをお手本にしたカメラポジションにして頂きたかったですね。こういうのは俯瞰で全体をビシッと捉えてこそ。あんまりローアングルでカメラ動かしちゃうと調和の美しさや動きの繋がりがスポイルされて勿体ないんですよね。
[DVD(字幕)] 7点(2006-07-05 01:29:26)(良:1票)
15.  地平線
当時、この映画のテレビCMがなかなかに先鋭的でいい感じだったので、興味を持って映画館に行きましたが、実際の映画はCMのセンスは微塵も感じられない、当時でも十分に野暮ったい、古くからの日本映画の世界。「騙された!」と思いました。でも、だから駄目な映画という訳ではなくて。戦前にアメリカに渡った日本人の家族の歴史が語りかけてくるのは日本人としての自我。日本人である事が許されない時代を経て、日本人である事を喪失してゆく次世代の姿を通して、この国に生まれ、脈々と家や血の繋がりで歴史を築いてきた人々への敬いの気持ちを喚起させます。まさにこれぞ日本映画。ただ、問題は藤谷美和子から乙羽信子へのバトンタッチが違和感あり過ぎな事。どちらも非常に存在感のある、いい演技をしているのですが、いかんせん同一人物として認識するには無理がありました。映画を見ている人間に、藤谷美和子がいなくなっちゃった、という喪失感を与えてしまうのは、全くのところ、想定外な状態なんじゃないかと。
[映画館(字幕)] 7点(2005-04-23 21:21:43)
16.  沈黙の断崖
この映画を見て、いきなりセガール映画の面白さに目覚めてしまいました。他も色々見てたんですけどねぇ、それまでは「うそっぽ~い!」って感じで。しかも、この映画がそれまでと違っていたという訳ではなくて、それまで以上にうそっぽさは全開だったのですが。ここでのセガールは圧倒的強さで、一発たりともくらいません。一方的にしゅ、ばき、ぼこ! お、アクションが始まった、と思うと全部一方的展開。それと、毎度の事ながらファッションがヘン。そこでハタ!と「そうか、このアクションとファッション、これは『セガール映画』という映画の1ジャンルなんだ!」という事実に気付いたのです。役名や職業は毎回違いますが、出てくるセガールは、全作品共通な人。過去に秘密工作員をしてたらしい、拳法の達人だけど今はマトモな職業のマトモじゃない服装の人。いつも山高帽にチョビひげ、ステッキのチャップリンのようなモノで(あ、チャップリンとの比較は映画ファンの良識として不適切かもしれませんが)。セガール映画の世界では、あのヘンな服と無敵が常識。世界はセガールを中心に回っています。そう考えると、この作品って、セガール映画の中でも純度の高い映画だったなぁ、と思うのです。つまりは、見る側が割り切ってナンボなセガール映画、ではあるんですけどね。
[映画館(字幕)] 7点(2003-12-11 21:29:58)(笑:1票)
17.  チャイナ・シンドローム
「もんじゅ」事故でのビデオ隠しやら自主点検データ改ざんと、全くもう、日本の原子力業界はこの映画見てないのか、さもなきゃ逆に隠蔽方法とか見習ってんのか?ってくらいに、映画通りの現実がごろんごろんと転がっている世の中ではありますが、これは単純に「原発反対!」とかいう映画ではないですね。コントロールされ、隠蔽される情報、市民から見えない不透明な闇の恐怖。それが多くの人命を危機に晒す事なら尚更恐い訳で。政府や企業の隠蔽体質や、マスコミのモラル低下を見てると、この映画、今の日本にこそふさわしい内容だと思います。それにしても、この映画のマイケル・ダグラスは今のぎらぎらした彼とは全然結びつかないなぁ。
[映画館(字幕)] 7点(2003-12-11 14:52:41)
18.  チャーリーズ・エンジェル フルスロットル
えーと、ボンクラおバカ教の教典第二巻(なんじゃそりゃ)は、ちとおバカに計算が入っていて、その分評価が下がってしまっております。狙ってるでしょ?みたいな箇所がみえみえだったりするところで、少々熱が下がってしまって。物語の指向性にもブレが見える感じ。部分部分は本当に楽しくて、また彼女達のおバカさを見られた嬉しさに狂喜状態だったんですけどねぇ。モトクロスシーンあたりの雑で汚い色調の映像はワザと? 何はともあれ、愛すべきおバカ映画であるのは変わりませんけど。
[映画館(字幕)] 7点(2003-12-10 23:49:23)
19.  地下水道
地下水道、とても象徴的な空間です。解放を、自由を求め彷徨う世界。暗く閉ざされ交錯し苦しみが襲う世界で必死に光を目指すけれど・・・。終戦から12年後にポーランドという土壌から生まれた映画として十分に納得できるのですが、それ以上にこの映画は時代を越えて抑圧と自由を重く訴えてきます。息苦しさ満点な映画なので、ちょっとシンドいんですけどね。
[映画館(字幕)] 7点(2003-12-10 23:19:10)
20.  チェンジリング(1980)
今思えば、後に色々なホラー映画にパク・・・引用された感のある映画でした。幽霊屋敷ものであると同時に、その幽霊の元の事件に迫ってゆく展開。近頃よく見る「何かいる」系ホラーの雰囲気は、20年以上前のこの映画で既に描かれていました。この映画のカメラワークによるずーんとした恐怖にはなかなか敵わないでしょうけれど。ジョージ・C・スコットの存在感は、この映画の重厚なトーンを更に深くし、恐怖の奥に隠された悲劇をじんわりと引き出し・・・そしてヒカシューの「パイク」でぶち壊し。『ナイル殺人事件』『ビッグ・ウェンズデー』『ヘラクレス』でも同じメに遭っておりますが、洋画にブチ壊しの歌入れるアーティストと配給会社に天罰が下りますよーに!
[映画館(字幕)] 7点(2003-12-10 23:02:12)(良:1票)
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