81. 時をかける少女(2006)
《ネタバレ》 あの原田知世の、かなり個性的な映画をアニメにすると聞いたときは、どんなものになるのか恐ろしかった。でも、タイトルは同じですが、ストーリーもテーマも全く違う作品です。こちらの方が良い作品に仕上がってると思います。 まずなにより、ロボットが出なくても、爆発シーンがなくても、ここまで見応えのあるアニメが作られたことに感心します。絵的な見どころは真琴の表情の豊かさでしょう。アニメならではの誇張とデフォルメを存分に使って、飽きない主人公を作り出しています。アニメとしてはギネスブック級に特筆してあげたい感情表現です。 次に、原田知世版はタイムリープによって喪失する映画でしたが、こちらは獲得する映画になっています。あの軽薄で安直なタイムリープの繰り返し。誰もが勿体ないと思う。でも、その行動の結果として真琴は「私は馬鹿だ」と号泣の反省をします。そして「待ち合わせに遅刻してきた人を走って迎えに行く」という直情行動型の性格に、他者の想いを思案する精神的な成長が加わりました。若さの特権とは、失敗から学ぶのであれば、大目に見てもらえる余地があることです。この映画のストーリーはその理屈のまんまです。そのシンプルで潔い流れがあの格別の爽やかさを生んでいるのだと思います。 最後に「未来で待ってる」の解釈。未来へ戻った千昭は未来時間で歳を重ねます。その千昭が例えば10年後に、真琴時間の10年後を目指してタイムリープすれば、二人の時間は再び重なります。それも「未来で待ってる」と言えますよね…。 [CS・衛星(邦画)] 9点(2009-04-10 08:31:55)(良:4票) |
82. 時をかける少女(1983)
《ネタバレ》 公開当時は大学生。自分の周囲にバカみたいな原田知世ファンが何人かいて、それに引きずられた感は否めないが、ある時期、いつも仲間内でこの映画のことを話題にしていた。赤いカーディガンがカワイイとか、土曜日のぉ~実験室ぅ~とか…。ホント、みんなバカで若かった。そのことを思い出しただけで、簡単に当時の空気までが脳裏に蘇るから、ある意味貴重な映画でもある。でも、この作品の原田知世は確かに輝いていた。もう超新星レベル。完全なアイドル映画で、芝居もまだまだだけど、それが却って初々しい味わいに思えたのは、大林監督の作家性でしょう。同じ時期の松田聖子の映画とか、酷いものね。この映画はタイムリープ能力を持ってしまった少女の不幸というお話だけど、本当に可哀相なのは尾美としのりのゴローちゃんだ。幼なじみとの美しい思い出を未来から来た表情のない男に乗っ取られ、半永久的なナンバー2を宿命付けられてしまった。本人にその自覚がないことも不憫。ちなみに、尾道は今作でもロケ地に使われているが、黒い瓦屋根が印象に残る町並みは尾道から20キロほど西に位置する竹原という町です。尾道のような坂や海は無いけれど、落ち着いた風情のあるところで、国から町並み保存地区の指定を受けています。 [映画館(邦画)] 7点(2009-03-31 05:08:02)(良:3票) |
83. 東京裁判
4時間37分。自分が劇場で観た映画で最も長い作品はこれです。でも、全く長く感じなかった。当時、映画館には数人しか客がいなかったんだけど、まるでその裁判の傍聴を特別に許された人になったような気分で身動きできなかった。それだけスクリーンはメッセージを発し続けていたってことですね。戦後生まれとして、もちろん勉強にもなったし、簡単には感想をまとめられない重い重いドキュメンタリーです。この裁判が抱える欺瞞は多くの指摘を受けているが、もし日本が太平洋戦争に勝利していたら、逆のことを米国に対して行ったのかな、というのが当時の自分が思ったことでした。その場合は、A級戦犯も英雄に翻る訳です。やってしまった事に対しては、何らかの決着を付けないと先には進めない。戦争犯罪を追及することは、その真偽を諮ることが目的ではないのだろう。 [映画館(邦画)] 9点(2009-01-25 14:55:17)(良:1票) |
84. ドッグヴィル
《ネタバレ》 設定は奇抜で面白いと思ったけど、内容に関しては嫌なものを見せられた印象。鬼畜のラース・フォン・トリアーならきっと何かやらかしてくれると思っていたら、案の定、皆殺しだった。 [DVD(字幕)] 6点(2008-11-10 04:01:31) |
85. 遠くの空に消えた
子供たちのやりとりには清々しいものを感じたけど、ストーリーが散漫でテーマが良く見えない。ひと言で言うなら中途半端です。 [CS・衛星(邦画)] 3点(2008-11-01 22:25:50) |
86. 閉ざされた森
設定が複雑で、飛び交う人名とその顔が一致せず、ストーリーに付いて行けなくてイライラした。映画が製作者と観客のコミュニケーションなら、最悪の映画でしょう…。 [CS・衛星(字幕)] 2点(2008-10-20 20:10:42) |
87. となりのトトロ
《ネタバレ》 それまでの作品とはガラっとテーマを変えて、宮崎監督が違う側面を見せた作品でした。見せつけられたと言う方が正しいか…。昭和の30年代に、地方や田舎で子供をやっていた人には堪えられない鑑賞ポイントを持った映画でしょう。私はサツキちゃんが、靴をはいたまま膝立ちして家の中に入ってくるシーンにやられました。ラストには猫バスを使って、動感を感動へ繋ぐ宮崎アニメらしい演出も用意されていてとても楽しめました。 [映画館(邦画)] 9点(2008-10-20 19:28:39) |
88. 東京物語
《ネタバレ》 小津安二郎が日本を代表する映画監督で「東京物語」がその代表作であることは知っていても、実は観たことがない人は結構多いのではないか。つまり、何故この監督が有名なのか解っていないのではないか。かく云う私も比較的最近までその一人でした。そして、この映画を観ていろんな疑問が一気に解消しました。それくらい視点や語り口が独特です。鑑賞直後はとても大切なものを見せられた気分でした。熱海に厄介払いされた後に、静かな佇まいで海を眺めていた笠智衆が印象に残っています。 [DVD(邦画)] 8点(2008-09-29 03:34:04) |
89. トランスフォーマー
《ネタバレ》 CGはたいしたもので最初は引き込まれた。特に冒頭。モビルスーツがビームライフルを人に向けて撃ったらこんなふうになるのかなぁ~と変な感心の仕方。だけど、中盤で主人公の自宅にロボットたちが集まったあたりから話がダレ始めて、テンションは落ちる一方。迫力満点のはずの映像もただのドタバタと映りました。シビアな物語ならもっと点数あげれたので残念。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2008-09-16 00:35:55) |
90. トロイ(2004)
見応えありました。ブラピの筋の通った剣士らしさと、オーランド・ブルームのただの女ったらしが好対照で楽しませてもらいました。 [DVD(字幕)] 7点(2008-09-11 03:29:55) |
91. トロイのヘレン
2004年版の「トロイ」とどう違うのか、という興味で観た。当時としては大スペクタクルだったのだろう。アキレスの描写などは、2004年版の方が深かった(まぁブラピだからね…)。時代の違いか、ヘレン役の女優をあまり美しいとは思わなかったです。 [DVD(字幕)] 5点(2008-09-11 03:14:28) |
92. ドラキュリア
ドラキュラ誕生秘話は意表を突きましたよ。ドラキュラ役にも存在感ありました。でも、なんか軽いんだよね。ワイヤーアクションかな…。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2008-09-10 12:32:31) |