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目隠シストさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2251
性別 男性
ホームページ https://twitter.com/BM5HL61cMElwKbP
年齢 52歳
自己紹介 あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

2024.1.1


※映画とは関係ない個人メモ
2024年12月31日までにBMI22を目指すぞ!!

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1.  ニュー・シネマ・パラダイス 《ネタバレ》 
アルフレードがトトに村から出ろと諭す場面の古びた碇。帰郷したトトを出迎える年老いた母に繋がる毛糸。これぞ映画ならではの語り方。胸が震えました。観客各々の“想い”と“思い”に照らし合わせ染み入るに相応しい、素晴らしい技量を備えている映画でした。美しき郷愁と懐古で泣かせる映画ではない点にも感心します。得たものもあれば、失ったものもある。後悔こそ人生のメインロード。それがこの映画の良心と考えます。最後に本作を鑑賞した全ての皆様(親御さん)へのお願い。子供から預かったお年玉は、子供が大人になったら返してあげましょう。大人だって約束を守るんだって事を、お父さんお母さん銀行の格付けはAAAだって事を、子供に教えてあげましょうよ。アルフレードのように。えっ、当たり前だって。失礼しました。
[ブルーレイ(字幕)] 10点(2014-01-01 00:00:00)(良:1票)
2.  2012(2009) 《ネタバレ》 
崩壊する住宅街、巨大ビル群、そしてランドマークの数々。家が一戸つぶれても結構なインパクトなのに、それが連鎖するのですからもう大変。大海原に大陸プレートが引き込まれていく様など圧巻の一言。これほど見事に文明を壊すとは恐れ入りました。恐怖を通り越して、ある種の爽快感さえ感じる大崩壊劇でした。さらに素晴らしいのは、アクションに娯楽性が存分に加味されていること。車が行過ぎる傍から崩れ落ちていく道路。火山弾と爆煙を掻い潜り飛ぶ飛行機。アニメ等ではよく見かけるシーンですが、実写だと荒唐無稽過ぎて意外と敬遠されがち。実際リアリティなんてありません。でも徹底してそんな場面ばかりだと、これまた快感になってくる。もう何でもやっちゃって頂戴って感じ。自分の中の「想像の幅」が広がりました。これぞスペクタクル。これぞパニック映画。極めて正しいCGの使い方を見せていただきました。脚本は一貫してバカなのですが、悪いとは思いませんでした。助かるために必要な権力と財力が無い主人公は、人脈と運と必死さで勝負した。この世は不平等だけど、嘆いていても仕方が無い。死に物狂いで道が開けることもある。希望のある結末だったと思います。なお、個人的にはどうしても助けたいキャラが2人いました。一人はゴードン医師。主人公一家結束のダシに使われたのは可哀想。頑張った彼には助かって欲しかった。そしてもう一人、強烈キャラのロシア人大富豪。『エンジン・スタート』は笑撃の名台詞でした。彼もまた助かるに足る人間力の持ち主だったと思います。こういう映画は劇場で観なくてはダメだと痛感しました。満足度の高い映画でした。
[映画館(字幕)] 9点(2010-01-22 00:15:22)(良:1票)
3.  ニンフォマニアック Vol.2 《ネタバレ》 
1+2合わせてきっちり4時間!延々と『好色一代女』のアブノーマルな性遍歴を見せられるワケですから、それはもうグッタリです(歳のせいかなあ苦笑)。でも、この“長さ”に価値があったと考えます。お経のような、あるいは校長先生の訓話のような。長過ぎるお話に集中力が続くはずもなく、エピソードは次第に耳を通り抜けていきます。そこで始まるのは自分自身への問い掛けでした。己が知識、経験、人生観と照らし合わせて、主人公の生き様に対する検証作業を行います(テンポの良いお話だとこんなコトしません)。ところが監督は意地が悪いとみえます。折角自分なりの解釈を導き出したと思ったら、終盤ご丁寧な解説が用意されていました。まるで「馬鹿なお前らに、ちゃんとお気に召す答えを用意してやったよ」と、心の内を見透かされたようで。その最たるものが、セリグマンの醜態という事になるのでしょう。自身の矮小さと、愚劣さを突きつけられて、気分が良いはずがありません。本当に監督は性格が悪いです。それでもジョーの子供が命を落とさなかった事、自らの尊厳のため彼女に銃の引き金を引かせた点は、監督の良心と捉えておきましょう。(以下余談)ラース・フォン・トリアー初体験が、果たして本作で良かったのかどうなのか。監督が相当のクセ者だという事だけは分かりました。他の映画も観てみたいですが、精神的に余裕がある時じゃないと無理そうですな。
[ブルーレイ(吹替)] 8点(2016-06-20 23:54:40)
4.  ニッポンの大家族 Saiko! The Large family 放送禁止 劇場版 《ネタバレ》 
明らかな創作(例えばSFファンタジー)を観て「こんなの嘘じゃん。騙された!」と文句を言う観客はいません。フィクションは周知の事実。製作者と観客の間に“嘘”はありません。ところがモキュメンタリーの場合はどうでしょう。「これって、本物?」と勘違いする観客が居てもおかしくありません。図らずも(?)製作者が観客に“嘘”を付いている状態と言えます。この“嘘”が“胡散臭さ”の元凶です。ある意味、モキュメンタリーの宿命と考えます。物語を楽しむ上での厄介者“胡散臭さ”とどう付き合うか。私は常々「笑い」に転化するべしと唱えてきましたが、本作では“クイズのヒント”に活用されていました。これはアイデア賞もの。お見事です。言葉の端々、ふとした表情に隠された“含み”や、習字に隠されたメッセージを探る作業は単純に楽しいものでした。オチがまたイカしてます。こんな裏切りが待っていようとは。これほど気が滅入るハッピーエンドってのも珍しいです。インチキ・ミステリー・エンターテイメント。このシリーズもっと観たいです。
[DVD(邦画)] 8点(2014-10-12 20:28:20)
5.  ニュースの天才 《ネタバレ》 
「上司は部下を守るべき。そういう上司は良い上司だ」主人公の主張には共感できます。ミニボトル(乱れた春の記事)のクレームへの対応や、意地悪な上司に対して文句を言ってくれた前編集長は、確かに尊敬すべき上司の姿に思えました。でもそれは間違いでした。結果的に前編集長の下で捏造記事が量産されたことを考えると、彼の姿勢に問題があったと言わざるを得ません。「信頼」は美しい言葉です。でもそれが「過信」になったら価値を失います。チェック体制も儀式であるなら意味がありません。「優しさ」はときに「甘さ」につながり、「信頼」は「無責任」に変わります。職場の和を保ちつつ、厳しさも失わない。難しいことです。でも絶対に必要なことだと本作は教えてくれています。主人公が捏造に手を染めた理由。それは、褒めてもらいたいから。自分を認めてもらいたかったから。完全に子供の発想です。ロースクールに通うのも、親の体裁のため。そこに主体性はありません。悪いのは自分じゃない。上司が、親が、自分以外の誰かに守ってもらいたいと願うのもそう。体は24歳の大人でも、心は体に追いついていません。ウソを必死で隠そうと足掻くのは、自分の非を認めたくないから。彼は最後の最後まで、心から謝罪することはありませんでした。誤りを認めるのは辛いことです。自身を否定することだから。でも脆い土台はいつか崩れます。築いて、壊して、踏み固める。その繰り返しで人は成長していくのです。彼は脆い土台を積みすぎました。もはや転落死も在りうる高さ。だから壊すことが出来ません。自分も足元を見て冷や汗がでます。
[DVD(字幕)] 8点(2007-10-29 19:27:38)(良:1票)
6.  ニンゲン合格
黒沢監督作品は、本作で自身6作目の鑑賞。やはりこの監督とは相性がいいようです。淡々とした語り口ながら、気付いたらいつも物語に引き込まれています。教え上手の先生の授業を受けているような感覚。手取り足取り、懇切丁寧が良いとは限りません。要所を押さえて適切なヒント。考える時間が丁度いい。答え合わせに喜びや驚きがあるので、内容がどんどん頭に入ってくる。(たまにヒントが少なかったり、フォローが無かったりもしますが。)この先生は教材のセレクトも抜群。役所広司の仕事ぶりは間違いないですし、西島秀俊のハマリ具合は絶妙でした。生徒を震え上がらせることでは定評のある先生。本作ではいつもと違って、かなりギャグをとばしています。一般受けが良いかどうかは分かりませんが、自分は結構笑いました。確かにポニーじゃない(笑)。タイトルをそのまま受け取るか、皮肉と取るか…。今回の宿題も楽しめそうです。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2007-03-22 18:25:25)
7.  人数の町 《ネタバレ》 
(ネタバレあります。ご注意ください) 『人数の町』の住民は、拉致されたり、脅されたりして集められた訳ではありません。彼らは望んで囚われの身となりました。辛く苦しい境遇にある者からすれば、自由が制限されようとも、衣食住と身の安全が保障される生活は十分魅力的だったことでしょう。さらに責任を問われぬ人生はストレスフリーです。もちろんこの選択が愚かなのは明らかですが、追い詰められた人間は選択を誤るもの。それに契約書の中身も読まずにサインする者が、詐欺を回避できるはずもありません。『自由』と『権利』を奪われ、『個』であること、責任を取る事を放棄した者たちの集合体『人数の町』の本質とは、何も残せず、何も積み上げられず、時間だけが無為に過ぎてゆく『虚無』そのものでありました。自覚はなくとも、彼らはみな“緩やかな自殺”あるいは“死刑囚”を選んだと考えます。『人数の町』が用意した居場所とは『棺桶』だった訳です。それに気づいた主人公は脱出を試みたものの、一度手放した『自由』と『権利』の再獲得は叶わず。それもそのはず。チャレンジする『自由』や『権利』も既に無いのですから。それでも足掻いたことが功を奏したようで、棺桶からは抜け出せたよう。彼は『死刑』を免れ『無期懲役刑』に服することが決定しました。 所謂『脱獄もの』の一面がありながら、大した下準備もなくあっさり主人公は『人数の町』(というより収容所かな)を抜け出します。おいおい、ここが見せ場なんじゃないの?サスペンスとして緩くない?と不思議に思いましたが、そもそも住民は『死に体』『詰んだ状態』という意味だったのですね。『非人道的な所業』を彼が世間に告発すれば何とかなる気がしないでもありませんが、“これら全てがこの世の仕組み”だとすれば、抗う術などない道理と言えましょう。それにしても住民が課された作業が実に興味深い。新薬の治験、身代わり投票、偽装テロやネットのバズり・炎上の社会的価値(効果)は理解できますが、パイプの栓回しって一体何だったのでしょう。あまりにシュール。“この世には意味が分らぬ仕事がある”の比喩かしら。『世にも奇妙な物語』の一篇として30分くらいで纏められていたら、語り継がれる神回といったところでしょうか。
[DVD(吹替)] 7点(2021-08-13 18:46:12)
8.  二重生活(2015) 《ネタバレ》 
誰かを尾行することで、他者の人生を疑似体験し、人間の存在理由を考察するとな。確かに、小説や映画で得られるそれとは、比べ物にならない臨場感やリアリティがあるでしょう。実際、主人公が言うように面白そうだとも思います。しかし、魅力的な行動なのに、ほとんどの人は”理由のない尾行“なるものを実行しません。理由は2つ。倫理的にアウトだから。そもそも時間が無いから。そう、主人公が尾行出来たのは、倫理観が未成熟で、かつ暇だったからです。謝れば許してもらえる。尾行がばれても尚、論文を書かせてもらいたい。その甘えた思考法は、まさに子ども。しゃべり方ひとつとっても、ひどく幼い印象を受けます。また、修士論文執筆を暇と言っては失礼ですが、飯を食うために働く必要が無いという意味で暇なのです。果たして、彼女は教授に高く評価される論文を書き上げた訳ですが、読み終えた直後に教授が自ら命を絶った様子から察するに、きっと氏が欲していた人間哲学の核心をつく素晴らしい内容だったのでしょう。あるいは、不倫相手との路地裏姦も辞さず、妻は自殺未遂なんて特濃なラーメン○郎のような男の生き様と、童貞紳士の素うどんみたいな自身の人生を比較して絶望したのでしょうか。いずれにしても彼女は、迷える教授に止めを刺したワケです。彼女は気付いているかな?学位を手にし、恋人を失った人生の収支は、主人公にとって黒字か赤字か。その答えは、彼女のこれからの生き方次第なのだと思います。(以下余談)個人的に哲学とは、面白い遊びだと考えます。人を人たらしめている行為でありつつ、最高の暇潰し。ただ、哲学を修めようとするなら、より良く生きるための手段でなくてはならず、それ自体が目的となったら意味がない気がしますけども。結局、ほどほど忙しく、人は何のために生まれてきたのか?なんて考える暇無く人生を終えるのが一番幸せなんじゃないかと思います。もちろん、大学院まで行って哲学なんて飯の種にもならん勉強をするヤツは馬鹿だなんて、これっぽっちも思っていませんのでお間違いなく。いやマジで。
[インターネット(邦画)] 7点(2020-04-15 19:23:08)
9.  ニセコイ 《ネタバレ》 
女マンガ原作(ですよね?)映画を観るのは久しぶり。多分『ラブ★コン』(主演:小池徹平・藤澤恵麻)以来のはず。オッサンターゲットのジャンルではありませんし、至極当然ではあるのですが。という訳で、お得意様以外の客層の戯言など参考にならないでしょうが、一応感想を。体裁は、ザ・ラブコメと言うべき王道設定にキャラクター造形です。どちらも随分現実離れしてはおりますが、それも含めてコメディと割り切れば問題ありません。大袈裟なテロップを多用する演出手法は、少女マンガというより少年マンガ(あるいはギャートルズ)的で、これまた当ジャンル作品の常套手段かと。何から何までベタなつくりです。これを『定番』と取るか『工夫が無い』と取るかで印象は変わりそうですが、私は前者と判断しました。結構ぐっと来るシーンもあるんですよ。クライマックスのロミジュリなんか、痴話喧嘩が微笑ましくて、それでいて切ないんです。みんな、他人を思いやれるイイ奴らなんだよなあ。報われない小野寺ちゃん、辛いよなあ。ラブコメの肝は、笑いより恋の切なさなのであります。中島君も上手いですし、中条さんの存在感は圧倒的。この手の映画にアレルギーが無ければ手堅く楽しめると思います。※以下オッサンの無粋な考察。中島君にしてみれば、寿司かステーキかみたいな究極の選択だったでしょうが(失礼)、端からみれば答えは一択です。そう、正解はもちろんあやみ千棘ちゃん。堅気のお嬢さんとは上手くいくはずないですもん。それくらい、反社会的勢力に対する風当たりは尋常じゃないんです、実際のところ。ただし子は親を選べないワケで、得も言われぬやるせなさを感じる次第です。
[DVD(邦画)] 7点(2019-08-10 13:29:29)
10.  28週後... 《ネタバレ》 
冒頭のエピソードが秀逸。妻を見殺しにした後悔と、迫り来るゾンビの圧倒的な恐怖。追いかけてくる狂気の群れ。走る、走る、ひたすら走る。息があがります。頭がボーっとしてくる。苦しいのは呼吸か、それとも心か。もう何だか分らない。そんな男の気持ちに自分を重ねることが出来ました。逃げおおせたときの虚無感たるや…。ファーストエピソードから一転、次は穏やかな展開。ゾンビは死に絶えたという。安心していい。でも心は晴れません。当たり前です。物語は始まったばかり。これから惨事が起こるのは明白です。心のモヤモヤ、漠然とした不安がまた良いです。中盤までは文句なしに楽しめました。その後も本シリーズならではの設定(走るゾンビ、ウィルス感染から発症までが一瞬であること)を活かしたスリリングな展開で飽く事なく観られました。ただ、中盤までの緩急ある展開に比べると、やや散漫な印象もあり。粗も散見されます。取ってつけたような親子対決も要らなかったと思います。それでも続編として上々の出来。“本当に怖いのは人間だ”という前作からの主張も継続されていました。惜しむらくは、ラストシーケンス。むやみに後味を悪くしないで欲しい。漠然としたものでいい、希望を残して欲しかった。前作の余韻のように。
[DVD(字幕)] 7点(2008-09-12 22:55:40)(良:2票)
11.  ニコラス・ケイジの ウェザーマン 《ネタバレ》 
主人公は、ウェザーマンとして成功しています。十分な収入も得ている。社会一般から見れば成功者です。しかし彼は自分のことを認めていない。カンペを読むだけの簡単な仕事で、お金をもらっていると自身を卑下している。そのことが私生活の問題にまで繋がっています。ファーストフードを投げつけられるのも同じこと。全ての原因は、彼の自信の無さにある。しかし彼はそのことに気付いていません。もっとも彼に同情の余地はある。彼の父親はあまりに立派過ぎた。息子にとって父親は超えなくてはいけない壁。そのプレッシャーはよく分かります。でも彼は勘違いをしている。彼は既に父親を超えている。彼よりも上手に天気予報を伝えられる人はいない。そのことは父親も指摘しています。普通のドラマであれば、彼が自信を獲得し、家族が再生するまでを描くでしょう。しかし本作は違う。家族は再生することなく、主人公も自信を得ることなく終了します。「消防隊の後ろだが、スポンジ・ボブの前だ」そう自分を慰めることで精一杯。ゆるゆるの現状肯定で終わります。感動はありません。でも現実はそんなもの。誰もが自分に自信を持てるわけじゃない。だったら、とりあえず今の自分を認めるところから始めるしかない。それでも一歩前進です。ヒントはアーチェリー。最初は娘の付き合いで始めたのに、いつの間にか腕を上げています。彼が「ハロー・アメリカ」に採用されたのも運が良かったからじゃない。継続は力になっている。息子のカウンセラーを殴りに行った彼の行動には、迷いがありませんでした。変化の兆しは見える。ドラマチックに変わらなくていい。ちょっとずつ変われればいい。
[DVD(字幕)] 7点(2007-09-07 18:31:21)(良:2票)
12.  人魚の眠る家 《ネタバレ》 
子を亡くした親の苦しみは、想像を絶するもの。ですから本件に関わる者全てが思考を停止させたのも無理からぬ事と感じます。しかし、皆が現実と向き合う作業を放棄した結果、母親は暴走しました。引きこもりやニートも類似した構図から発生します。現実逃避は命を繋ぎ止める緊急避難の意味もありますので、一概に否定するつもりはありませんが、出来るだけ早く現実に戻ることが肝要です。逃避している間に費やされる時間とお金は甚大ですから。その観点からすると、この家族が現実逃避を選択出来たのは、時間やお金に余裕があったからに他なりません(勿論、引きこもりも同じです)。そして恐るべきは、現実逃避は個人の専売特許ではないということ。私たちが住む国もまた、現実逃避が得意なようで。本件『人の死の定義』は、社会の根幹に関わる重要案件。本来、各人に判断を委ねる類いの事柄ではありません。医師が言うように「選択できる」と言えば耳障りは良いですが、実際は国が責任を放棄しているに同義です。クライマックスの母親の逆ギレは、自己矛盾でありつつも正論です。国の姿勢が中途半端であるがゆえに、この家族は苦しんだとも言えます。どんな案件でも議論は大切。でも最後には結論を出さなければ意味がありません。もう結論から逃げ回る余裕は、この国には無いはずなのですが。すみません。悪い癖で映画感想の本筋から反れました。結局私が何を言いたいかというと、本作のメインテーマは“脳死の是非”ではなく、“現実逃避は恐ろしい”だという事です。
[インターネット(邦画)] 6点(2020-01-10 19:26:53)
13.  22年目の告白 -私が殺人犯です- 《ネタバレ》 
物語中盤で大ネタの種明かしあり。ただし、タイミングが早いので充分な“溜め”が得られずカタルシスが不足しています。これは二の矢を用意しているため、仕方がない部分はあるものの、ギリギリまで引っ張って最後に畳み掛けるスタイルでも良かった気がします(それくらい最初の仕掛けが物語上の肝)。それにしても、犯人に自殺願望があるのは困ったものです。刺し違えても構わないという復讐者側の覚悟の価値が失われます。ただしそれでもなお、仇をただ生かしておくという結論には逆立ちしても至らないので(死刑にはなりそうもないので)、私だったら完全犯罪による復讐を計画します(それも、あっさり殺すのではなく、生地獄を味わってもらいましょう)。でも収監されてしまっては無理な話。あの方法しか復讐の術がなかったヤクザの息子には同情します。藤原竜也さんは、こういう役にはうってつけ。憎悪のドラマに濃い味の演技はよく合います。伊藤英明さん迫真の“泣き”も素晴らしかったです。ちなみに、オリジナルの韓国映画は鑑賞済であることをすっかり忘れておりましたが、本サイトの自身の投稿を見直しておぼろげながら記憶が甦ってきました。オリジナルで私が抱いた不満は本作では解消されているようですが、その分アクも抜けていたような。このあたりは好みもありましょうが、やはりコト復讐映画というカテゴリーで韓国映画の右に出るのは至難の業という気がします。
[地上波(邦画)] 6点(2018-06-10 16:16:38)(良:1票)
14.  人魚伝説 《ネタバレ》 
漁師夫婦の仲睦まじい日常が綴られる穏やかな序盤から一転、夫殺しの濡れ衣を着せられた妻の復讐劇は、クライマックスにかけて怒涛の如く狂気を加速させていきます。ジェットコースター。もう止まらない。止められない。虐殺者数は八つ墓村以上か。女の細腕で、あの武器で、あれほどの大量殺人など不可能です。つまり彼女は、もう“人”ではなかったのだと思います。だから網に巻かれて海に投げ込まれても死ななかったし、窮地に嵐をも呼んだ。我が髪を抹香に見立て、亡き夫に焼香したとき、彼女が人間を辞める準備は整いました。信じていた男に裏切られ、遂に彼女は修羅となります。結末は、不死の人魚への転生とみる事も出来ますし、あるいは事象全てが、主人公が今際の際にみた夢との解釈も可能かと思います。にっかつロマンポルノの流れを汲む濡れ場は一般映画とは一線を画すハードなもの。シチュエーション的には“切なさ”や“痛ましさ”といった感情が呼び起こされる場面でも、彼女の強いキャラクターがそれを打ち消しています。悲惨な物語に向き合い易いとも言えますが、個人的には“切なさ全開の日本人的ドロドロ復讐劇”の方が好み。ATGならではの不思議な味わいの作品でありました。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2011-10-04 17:55:59)
15.  20世紀ノスタルジア 《ネタバレ》 
徹と杏を見ていると、いたたまれない気持ちになります。エーテル体?ニューロンばちばち?猛烈に恥ずかしいです。この感覚は、本サイトに投稿し始めた頃の自分の感想を読み直しても味わえます。布団を被ってジタバタしたくなる。過去の自分を正視するのは大変キツイ。文章でさえこの有様なのに、映像ならどれほど破壊力があることか。2人とも、あとで存分にジタバタしてくださいね(合掌)。自分の中に宇宙人がいるという徹。それは己が何者かを見極めようとするための足掻き。成長期にはありがちです。ただ彼の場合は、本気でヤバかったかもしれない。回るカメラは定まらぬ心を表すよう。徹は杏に救われました。杏の方は、ごく普通の女子高生。彼女は映画の編集作業を通じて飛躍的に成長します。映画を完成させるよう発破をかけた先生と親友、グッジョブです。先に書いたように、過去の自分の作品を見直すのは恥ずかしいものです。それは「客観」だから。主観でいるうちは楽ちんです。都合のいいフィルタもかかる。自己完結で済ませられる。でもそこから成長は望めません。第3者の立場で自己と向き合い、自分なりの結論を導き出した杏は立派でした。21世紀の朝日に向かうチュンセとポウセ。もう大丈夫です。カメラはブレません。今度は徹と杏で新しい物語を紡いでいく。痛い彼らは、かつての自分。苦いけど嫌じゃないです。テーマは響きましたが、物語の体を為していないため退屈します。広末じゃなければ、たぶん最後まで観ていません。彼女の眩しいほどの魅力で“持たせている”映画だと思います。もっとも自分は、広末以上に余貴美子の美貌に見とれました。オッサンですな。ヒロスエと余貴美子さまに+1点ずつ進呈させてください。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2009-07-08 18:26:58)(良:1票)
16.  人形霊 《ネタバレ》 
基本的に怖くはないのですが、なかなか面白く観られました。ポイントは「忘れやすい人間」と「決して忘れない人形」の対比。60年も怨みをひきずり、当人に対してではなく、その子孫に復讐を果たすというお話。展開は相当強引で“呪い”という言葉を便利に使いすぎかなと思いました。それでも後半の畳み掛けは見事でしたし、オーバーアクションやホラー用の「顔芸」は見ごたえがありました。ただ怖がらせることが目的でないのも良かった。(考えすぎかもしれませんが、“60年前の怨み”という部分に別の意味があるのかもと思いました。韓国作品なので。)生霊のミナちゃんが本物の人形のように可愛らしかったです。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2006-11-03 19:28:58)
17.  日本沈没(2006)
バスや飛行機などのパニックものの場合、そこに居合わせていない自分がいます。どこか他人事。地球全体に及ぶ災害の場合は、スケールが大きすぎて恐怖心が麻痺。それに、人類が滅亡するなら、あがいてもしょうがないとも思ってしまう。その点、本作の“日本列島が沈む”という災害は、要するに大きな地震。極めて現実的です。特撮の迫力は十分満足できるレベルで、とてつもなく恐ろしいものに感じました。国土を失うこと=国を失うこと。国に属していることの恩恵を、日本人であることの有難さを痛感しました。国に属し、国土があることはそれだけで本当に幸せなんだなと思いました。(別に“右”っぽいことを言う気はないです。もっと純粋に国というコミュニティーを尊重しようということ。)そんなことを考えるきっかけとなっただけでも、本作は自分にとって意義ある作品でした。ドラマ部分の薄さや物語のトンデモぶりを差し引いても。
[映画館(邦画)] 6点(2006-10-24 19:16:21)(良:2票)
18.  28日後...
自分の中で突如始まった「ゾンビ映画フェスティバル」の一環としてこの作品を観ました。画がフィルムを使っていない?ため(デジカメみたい)、テレビドラマのような印象でしたが、04年リメイク「ドーン・オブ・ザ・デッド」と共に楽しめました。ただ本作はゾンビものというよりも「災害パニックもの」という気がしました。物語途中どうにも気分の悪くなる展開になりかけましたが…気の利いたエンディングは好みです。(他のエンディングパターンもあるそうですが、自分はこのエンディングでOKです。)
[DVD(字幕)] 6点(2006-04-28 19:05:08)
19.  二ノ国 《ネタバレ》 
ネタバレあります。未見の方はご注意ください。  設定について。私たちが住む世界が『一ノ国』で、“命が繋がる者たちが住む”アナザーワールド『ニノ国』が存在するそう。気になったのは『ニノ国』の住人自からが自分たちの世界を『ニノ国』と呼んでいること。どうして『一の国』じゃないのでしょう。どちらが表とか裏とか無いでしょうに。この違和感に対する答えは次のいずれかと考えます。①すごく謙虚な人たちなので、自分たちの世界を『二ノ国』と呼ぶ。②『一ノ国』ありきで『二ノ国』が存在できるから。もし②だとすると“ファンタジー冒険譚”とする本作の一般的な受け止めが揺らぎます。『二ノ国』ってハルの頭の中にだけ存在する架空世界では?それなら様々な“ご都合主義的展開”も説明がつきますし、ユウが二ノ国に残りこの世から存在自体が抹消された結末とも整合します。でもそうなると、ハルは結構深刻な心の病を抱えている事になりそうです。アン・シャーリーやアメリのような楽しい空想とは質が異なる心の闇。たとえば、幼少期にユウは野良犬に襲われて死亡。ハルはユウの死を認められず、空想の人格を作り出し一緒に学校生活を送った。今回『二ノ国』を創作し、ようやくユウを開放することが出来た、とか。典型的な子供向けファンタジーでドン引きするような裏設定が必要なはずもなく、これは私の勝手な妄想ということでお願いします。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2020-12-15 17:53:10)
20.  二流小説家 シリアリスト 《ネタバレ》 
『必ずあなたも騙される』は、一体何に対して?というのが正直な感想。エンドロールが始まっても、まだ何かあるの?と懐疑的でした。ご指摘のレビュワー様もおられるように、まさにTV2時間サスペンスなら上出来。映画ならイマイチのレベル。それにしても驚いたのは、本作を私が登録要望していたこと。全く記憶にございません。公開当時、何か惹かれるものがあったのでしょうか。これが一番のミステリーだったりして。
[DVD(邦画)] 5点(2019-07-20 19:29:43)
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