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1.  俺ら東京さ行ぐだ 《ネタバレ》 
もちろん吉幾三のあの曲を元に作られたのですが、単なるネタ作品と思いきや、予想外にきちんとしていました。内容としては、東京に出た息子に会うために、田舎から両親が出てくる、というそれだけです。しかしその「それだけ」が、ドラマとして完成しています。特段ひねったことは何もしていないにもかかわらず、です。一方で、大都会の真ん中で二人であたふたしながら、次はどうしようと予定を決める、といったちょっとした空間も、丁寧に拾われています。●それを支えているのは、作品全体を覆う津軽弁の徹底ぶりです(両親の二人はもちろんだが、松居直美のサポートが大きい)。これはもしかして、「博多っ子純情」に匹敵する方言映画の完成形ではないか、と思っていたら、光石研が必要もなくチョイ役で登場して、しかも九州弁を決めてしまったのにはびっくりしました。まさか、あの作品も意識して作られていたとか?●で、ラストがまた格好良いんですよ。この展開なら、最後は、息子が改心してホームに駆けつけて両親と和解して見送る、というようなことは誰でも考えます。しかしこの作品は、そんなありきたりな情緒には見向きもしません。芳恵ちゃんが代わりに見送っておしまい、です。ですが、だからこそ、彼女はすでに息子の代わりが務まるほどの関係性を築き上げた、ということが一瞬で説明できますし、今後の発展の示唆にもなっています。また、それゆえに、あの職場見学シーンの重みが、かえって増すことにもなっています。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2024-01-14 23:59:48)
2.  狼男アメリカン 《ネタバレ》 
邦題からはノリノリコメディホラーを想像してしまうのですが、実に地道で誠実なホラーでした。大体、舞台が100%イギリスというのがびっくりです。狼男の部分は分量的には添え物程度、あくまでも主人公の素朴な日常をベースにしているのが良い。もしかして、後の傑作「ザ・フライ」は、この作品を参考にしたんではないのかな・・・。ただ問題は、肝心の狼男よりも、序盤で出てくる謎のパブの方がはるかに怖いこと。
[ブルーレイ(字幕)] 6点(2021-06-24 01:18:11)
3.  男はつらいよ 寅次郎心の旅路 《ネタバレ》 
竹下景子が3作ぶり3回目のマドンナというのはあまりにも安直だろとか、それに伴って淡路恵子姐さんをまた引っ張り出すというのもさらに安直だろとか、寅さんをウィーンに連れてったって、何もできずに引きこもるのは目に見えているし、異文化交流的な面白さも出てこないだろ、ほらやっぱりとか、前半はほとんど面白みがありませんでした。●柄本明の関係も、あそこまでベクトルを向けたのだったら、むしろ「そのままダンス相手の姉ちゃんとうまいこといって現地に居着いちゃいました」くらいはしてほしかったと思いますが。●ただしこの作品はラスト5分に大きく救われており、いざ柴又の喧噪の中にいると「あれは夢だったのかなあ」と自分でも振り返ってしまう儚さの描写。オランダからの葉書と、それと対比される寅のいつもの街中の啖呵バイ。今までだったら、寅とマドンナが別離に終わっても、「いつかどこかの空の下で再会するかも」みたいな余韻もあったのですが、この絶望的な距離は、このマドンナとは寅は二度と会うことがないということを強烈に暗示し、切なさを増幅しています。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2021-01-22 00:44:33)
4.  男はつらいよ 寅次郎サラダ記念日 《ネタバレ》 
ついにサブタイトルでオリジナリティを放棄してしまって、その時点で制作側の志の低下が窺えるのだが、さらに問題だったのは、マドンナの三田佳子の造形から何からが、その2年前の大河ドラマ「いのち」の主人公そのまんまだということ。監督は一体何がしたかったのだろうか?そんなに慌ててシリーズを埋めなければいけなかったのか?●そんなわけで、そのままだったらシリーズ最大の駄作というか愚作となることは間違いなかったのだが、それを大きく救っているのは、何といっても前半のお婆ちゃんとのやりとりです。電球1つがあるだけで、夜になれば座っている空間以外の周辺は全部真っ暗という木造家屋。やっぱり寅さんにはこういう舞台が似合う。小諸の病院への駆けつけシーンも、ああそういえばこのシリーズは、「自分にどうしても会いたいと言ってくれる人がいれば、すべてを放ってでもすぐ会いに行く」という行動の美しさを描いてきたんだなあ、と思い起こさせる。
[CS・衛星(邦画)] 4点(2021-01-12 01:38:38)
5.  男はつらいよ 知床慕情 《ネタバレ》 
マドンナが竹下景子というだけで、あの異次元の完成度を誇った「口笛を吹く」と比較されてしまうわけですが、やはり超えられませんでした。●しかしそんなことは想定内といわんばかりに、まずはサブゲストに世界のミフネ!そしてさらにサポートというには豪華すぎる淡路恵子姐さん!いや、今回のマドンナは、むしろこの恵子姐さんですよ。最初に三船宅にふらっと入ってきた一幕だけで、人格設定はもちろん、それまでの三船との関係まで全部表現している。終盤、ソファで三船の腕をとる一瞬に込められた情感。ブラボーです。竹下景子も、最後の寅さんとのやりとり(場所がわざとらしく縁側なのはご愛敬。初期にはこの構図がよくありましたね)という美味しいシーンがありましたが、それに至る積み重ねがまだまだでした。●あと、少し前の作品くらいから、どうも山田=朝間の脚本に陰りが見えているというか・・・三船が寅との初対面後に車に乗って「寅さんがいてくれてよかった」なんて、前の脚本だったら絶対にわざわざ言わせていないと思うし、知床での生活状況をとらやへの手紙で語ってしまうのも無粋、そして野暮。加えて、知床の風景のあれこれがやたら映されるのも、かえって興醒めしてしまう。どんなロケ先でも、一瞬の何気ないカットで現地の魅力を鋭く切り出すのが寅さんシリーズではなかったか。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2021-01-01 00:45:39)
6.  男はつらいよ 幸福の青い鳥 《ネタバレ》 
今回、谷よしのさんが「登場なし」!(第20作以来、ということになるかな?)●導入部でさくらが「1年以上もご無沙汰じゃない!」と言ってるのも、ネタですね(「キネマの天地」で1回飛ばされている)。●さてマドンナが悦ちゃんなんですが、まあ、絶望的なくらい合っていません。大空小百合の少女時代と全然違うぞ!という以前に、作品世界に合っていません。宴席で抱きついてくる客とか、ガード下で絡んでくるチンピラとか、そこで悦ちゃんの回し蹴り一発で返り討ちKOではないか?などと別の期待をしてしまいます。まあ、そういう無茶なキャスティングのおかげで、「お着物姿で炭坑節を歌う悦ちゃん」という貴重なものも見られたりするわけですが。●せめて、第33作で中原理恵がやったような役だったら、渡瀬恒彦とも上手く反応して面白くなったのではないかと夢想してしまいますが、まあ、そうすると寅さんシリーズではなくなりますね。●長渕剛の画家っていうのもどうにも合ってなくて、素直にミュージシャンの方がよかったんじゃない?ハーモニカのシーンだけ、異様に生き生きしていますよ。●とは言いながらも、例えば悦ちゃんの料理シーンなんかが不自然に多かったりして(「とらやでマドンナが食事の支度を手伝う」というのも珍しいと思う)、これはもしかすると、これが悦ちゃんの最後の映画出演になってそのまま引退することを踏まえたある種のお祝い作品だったのかもしれません。
[CS・衛星(邦画)] 4点(2020-12-24 00:33:55)(良:2票)
7.  男はつらいよ 柴又より愛をこめて 《ネタバレ》 
確かこれ当時は、「恋愛指南や相談相手役が続いていた寅さんが、久々に自ら恋患い!」みたいな売り出し方をされていたと思いますが、改めて見てみても、何か消化不良感が残るのですね。それは、栗原小巻が落ち着きすぎていてどうも寅さんとかみ合っておらず(これは第4作もそうでしたが)、したがって寅さんがボルテージを上げるきっかけに乏しいということ以上に、そもそも作品世界の設定が単純に二十四の瞳に寄りかかりすぎというのが大きいと思う。それを揺さぶろうとしてあけみのフューチャー度を高めたのでしょうが、どうもこのあけみというキャラ、出番が増えれば増えるほど、わがままでがさつな部分ばかりが目についてしまう。田中隆三との別れのシーンなどは、最小限の言葉でいろいろな想いを表現していて、良かったんだけど。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2020-12-17 02:07:13)
8.  男はつらいよ 寅次郎恋愛塾 《ネタバレ》 
何と今回、本編に入っていきなり谷よしのさんが!これは奇襲攻撃!●寅さんが恋愛指南役というのはこれまでにもいくつもありましたが、その場合も寅さんは、どこか悠然と構えた余裕というか、同時に自分自身もそれをどこかで楽しんでいる風情があって、そこが粋を感じさせていたわけです。この作品ではやたらきつい表情でストレートな台詞を吐く場面が目立っており、それが何か制作側の焦りみたいなものを感じさせます。そのせいかどうか、ラストの秋田シークエンスは完全にグダグダで、前の作品ならここは柴又の範疇内でさらっと切り上げていたはず。●それとこの作品のとき、渥美さんはもしかして体調悪かったんじゃないのかな・・・。声にも何となく張りがないし、序盤でポンシュウのアクションが目立っているのも、渥美さんを動かさないためのように見えてしまう。柴又案内には満男を行かせてしまうし、マドンナと平田満のデートシーンが延々と続くのも、もしかしてそのため?とか勘ぐったりして。
[CS・衛星(邦画)] 4点(2020-12-08 00:16:08)
9.  男はつらいよ 寅次郎真実一路 《ネタバレ》 
マドンナが大原麗子といえばもちろんあの名作「噂の寅次郎」が思いつくのであり、でもあれを超えるのはそう簡単ではないだろうと思いながら見てしまうのですが、やはり超えられませんでした。「噂の」ではシャープな演出で麗子さんの魅力を鋭く引き出したわけですが、こちらでは、制作側が逆に麗子さんに寄りかかっています。とはいえそれにも耐えうるほどの麗子さんの輝きと存在感は、さすがです。●コンセプトとしては、「都心の高層ビルや新興住宅に登場する寅」がやりたかったんだろうな。それはそれで貴重ですが、やっぱり寅はどうやっても生きてないというか、居心地悪そうです(笑)。そして終盤には、失踪夫の存在をどう捉えるかというドラマに直面するわけですが、「俺の心は汚い」のくだりは、無法松から継承して馬鹿シリーズから続く、監督生涯のモチーフですね。●再見して気づいた点。津島恵子のお見事薩摩弁。そういえば大河ドラマの「山河燃ゆ」と同じ年なんだけど、まさか監督、あれを見ていて津島さんを拝借したんじゃないだろうなあ・・・。●そして実は一番ぞくっとしたのは、鹿児島ツアーでメインの桜島に着いたと思ったら、「もう帰りましょう」とあっさり収束するあの切れ味。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2020-11-27 01:37:40)
10.  男はつらいよ 夜霧にむせぶ寅次郎 《ネタバレ》 
これは一体どうしちゃったんだ?というくらいいきなり質が落ちてしまった作品。冒頭の恒例の夢でとらやファミリーが出ないところで不吉な予感が漂う。序盤で久々の(しかも堅気になった)登が登場して(第10作以来?)テンションが上がるも、寅さんが説教してそれで終わり。使われ方あれだけかい!中原理恵のキャスティングは・・・前々作の都はるみで「そういうのもありか?」と山田監督が思ってしまったのかもしれませんが、あっちほどのいろいろな周到な配慮がないので、逆に理恵さんが可哀想。渡瀬恒彦は完全に浮きまくり、あの白スーツでとらやに登場した日には、そのまま椅子や机を蹴り飛ばして仁義なき大暴れをするんじゃないかと思ってしまいますよ。佐藤B作はひたすら陰鬱なだけで、似たシチュエーションの第15作の船越英二とは雲泥の差(おまけに最後のあの処理は・・・)。しかもとらや登場場面は意味合いが渡瀬恒彦とまったくかぶっている。そうそう、とらやファミリーも、あけみの結婚という美味しいネタがありながら、今回はほとんど機能していません。と、ダメ出しばっかり目についてしまった一作でした。
[CS・衛星(邦画)] 3点(2020-11-24 00:10:24)
11.  男はつらいよ 口笛を吹く寅次郎 《ネタバレ》 
もうこれは、竹下景子様に尽きます。作品世界への適合度、寅さん好みの人物造形、渥美清との演技と掛け合いの相性、すべてがスーパーマドンナともいうべき魅力を発散しています。見る前からある程度想像はできていましたが、予想以上でした。そして、とらやで寅の袖を引いて囁く(というか口走る)あの一言のインパクト、さらに柴又駅の別れのシーンの、少ない台詞に込められた膨大な情報量。前半、とらやシーンを大幅にカットして投入された旅先での丁寧な積み重ねが、凝縮されて生きています。●備中高梁というところも、程良く観光地、程良く田舎で、またこの作品の舞台に合ってるんだなあ。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2020-11-19 00:40:07)(良:2票)
12.  男はつらいよ 旅と女と寅次郎 《ネタバレ》 
マドンナが都はるみなんで、演技力は望むべくもなく、実際見ていてハラハラしてしまう。しかしやはり、その辺は最小限にしておいて、開き直ったかのように随所で歌をぶち込んでくる。まるでミュージカルを見ているようです(!)。そのため脚本にも強引な箇所が見られますが、こういうのはそれでいいのです。ただ、佐渡の別れのシーンは、「ファンが待ってるから」ではなくて、「ここまで心配して汗かいてアンタを迎えに来た人たちがいるだろ」と言ってほしかったし、「行かせたくない」ではなく「行くんだよ!」と言ってほしかった。●とらやのリサイタルシーンはやっぱり名シーンなんだけど、そこに深みを与えているのは、影から思い詰めた表情でひっそり見つめる寅、そしてそれを見上げて何かに気づくさくら。●指輪はもう少し活用してほしかったな~、ちょっと使い損ねた印象。●しかしやっぱり、この作品で一番凄いのは、あの「日生のおばちゃん」こと中北千枝子さんを、堂々と「保険外交員役で」出してくださったことではないでしょうか。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2020-11-07 00:54:57)
13.  男はつらいよ 花も嵐も寅次郎 《ネタバレ》 
「田中裕子とジュリーへの恋愛指南」の一言で片付けられそうな気もするのだが、よく考えるとそれにとどまらない奥の深さがある。マドンナはジュリーを、当初は二枚目だから気が進まないと言い、デートしても何も喋らないのが嫌だと言う。もちろんその逆が寅さんであって、スナックでいきなり「今夜は飲んじゃおう!」とノーガード全開になってしまう描写にもそのベクトルは示されている。しかし、いざいい雰囲気になると引いてしまうのは寅の宿命でもあるし、まして結婚の心理がどうのこうのという相談には、寅は一切対応できない。もはや自分の中で処理しきれずにグシャグシャになる。あの、せっかくの相談の場から席を立ってしまう一幕に、そのあたりの心理の綾が凝縮されている。●それにしても、後にはいろいろ癖のある役や影のある役も多かった裕子さん、この「どこにでもいるような地味目のデパートガール」役の、何とも初々しく、そして神々しいこと!「おしん」で国民的女優に躍進するのはこの翌年なので、よくその前の貴重な時期を収めておいてくれたと思います。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2020-11-02 00:57:36)
14.  男はつらいよ 寅次郎あじさいの恋 《ネタバレ》 
何と今回、恒例の「冒頭、旅先から寅が帰ってきてとらやのメンバーと一騒動」がない。その分、マドンナとの関係がじっくりこってりじわじわと描写されて、まるで一般のラブロマンス映画のようです(!)。挿入音楽も、ほかの作品では聴かないような「ザ・メロドラマ」な曲の連発です。またそういう演出に、いしだあゆみがぴったりなんだな。この人の場合、あまり表情を動かさなくても、目力とさりげない動きだけで芝居ができるんですよね。そしてそして、これまでありえなかったマドンナからのこっそり手渡しメモ(おばちゃん曰く「付け文」)、この予想しないたった1枚の紙がもたらすインパクト!この作品はもうここで十分です。鎌倉のシーンはおまけです(とらやでの対面状況で、デートがどうなるかはもう予想できますからね)。●再見して気づいた点。前半の仁左衛門のマドンナへの説教が、後半に効いている。これを生真面目に受け止めたかがりは、寅に対する思い詰めた純度高いアタックを、一点集中で全力で行う。もちろん寅がそれに耐えられるわけはないのだが、その凝縮された情念の強さは、寅を通り越してとらやメンバーすら動揺させるほどであった。それは、結果としてではあれ座敷ではなく店先のテーブルで済まされる応対や、おばちゃんの「恨むわよ、あの人」の台詞に象徴されている。そうして本作のかがりは、とらやを訪れたマドンナとしては唯一の「歓迎されざるマドンナ」となった。そのあたりの冷徹なほどの厳しさが、シリーズの中でも作品のオリジナリティを際立たせている。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2020-10-18 02:49:11)
15.  男はつらいよ 寅次郎紙風船 《ネタバレ》 
「実は意外と珍しい寅さんの『泥酔』(単なる酒酔いではなく)」「マドンナとサブマドンナが同一シーンの同一ショット内に遠近で登場」など、今回もちょこちょこ新しい試みには挑戦しています。●マドンナは何と音無美紀子!割と地味目な真面目な役が多い人なので、この待遇は嬉しい!と思っていたのですが、設定が「テキ屋の女房」!残念ながらこれは合ってない!いや、こういう同業界的なマドンナって貴重ではないかと思うのですが、よりにもよって庶民派一般人女優の代表格(?)の音無さんを当てんでも。●「亡くなった友人から妻の後添えを頼まれる」という強烈なネタも、その後の心理の綾をあまり使いこなせてないような・・・。あの夕暮れの駅のシーンだけというのはもったいないです。定式ホームコメディの枠にはやや重いネタだったのかもしれません。ただこれで、「やっぱり寅にはきちんと恋愛の修羅場に立たせないといけない」と監督が考えたのが、問題作レベルの次作「あじさいの花」につながったのかもしれん、とか想像するのも楽しい。●というわけで、音無さんの映画ヒロインというのは貴重だし、何だかんだいってこの後添え設定も味わい深いので、点数は甘め。味付けはいまいちながら、素材の良さだけで楽しめる料理、といった感じ。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2020-10-16 00:16:12)
16.  男はつらいよ 寅次郎かもめ歌 《ネタバレ》 
蘭ちゃんはキャンディーズでもしっかり者のお姉様リーダーだったわけなので、こういう純朴娘役にはやっぱり合わんよなあ。加えて、人と喋るのも苦手っぽい感じながら、初対面の警官にもいきなり食ってかかるなど、制作側の人格設定もどうしたかったのか分からない。さらに、元恋人との関係も脚本上上手く処理されておらず(朝帰りしてしまうってのも唐突だな~)、寅の旅立ちのあたりはグシャグシャな展開になっています。と、内容的には良いところが見当たらないのですが、これは蘭ちゃんの女優スタート時期の作品であり、その後の女優・伊藤蘭の誕生の礎となった功績は大きい。●再見して気づいたのですが、この作品って、いつもの「女性に惚れてフラれる寅さん」ではなく、「娘が彼氏とくっついたときにフラれたような気分になる父親」がやりたかったんですね。ただ、監督が手応えを感じなかったのか、以後の作品ではこの路線は影を潜めることになります。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2020-10-05 03:03:19)(良:1票)
17.  男はつらいよ ぼくの伯父さん 《ネタバレ》 
マドンナも世代交代で満男君が恋の主役というのは聞いていたのですが、思ったほどゴクミフューチャーが強いわけではなかった点にはほっとしました。ゴクミや檀ふみはもちろん、この作品では寅さんですら添え物でしかなく、肝はあくまでも満男君の青春成長譚、そして両親の成長。ただそれだったら、「僕は全然美しくなくて、醜いんだ!」と悶えるあたりとか、告白に失敗して「俺の馬鹿馬鹿~!」のあたりとかはもっと突っ込んで見たかった気はするけど、その辺もあっさり風味なのが、やはりこのシリーズなんだな。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2016-10-13 02:31:07)
18.  男はつらいよ 寅次郎物語 《ネタバレ》 
子連れ狼的なロードムービーの部分や、そこですれ違うマドンナとの切ない交錯(今回は、出会ってから別れまでが推定36時間前後という超ハードスケジュールだ)は、安定の定番として。その反面でちょっとぞくっとしたのは、子供が熱を出したときに一瞬物凄く面倒くさそうな顔をしたり、おねしょのときに露骨に引いていたりする寅の反応。寅は家庭人には到底なりえない、という断定が、改めて宣告されている。この裏での現実的部分の容赦なさが、作品に筋と節度を確保している。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2016-10-06 02:52:55)
19.  オズ 《ネタバレ》 
冒頭部分からいきなり、精神異常児扱い・拘束・強制手術と、前作から続く内容とはとても思えないほどの暗さと陰鬱さ。つまり、寓話性をなくしてしまっているので、いくらそこからオズの国に舞い戻っても、前作の続編とはいえないのです。あと、サブキャラもいろいろ出てくる割にはどれも弱いかなあ、かかしさんの登場一発で全部霞んでるよ。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2016-10-03 00:49:28)
20.  男はつらいよ 浪花の恋の寅次郎 《ネタバレ》 
寅さんと芸者の相性の良さは、すでに第17作でも示されている。本当のことを言わなくてもよい、いつでも冗談で紛らせられる、お互いに内心に踏み込まない、という暗黙のお約束が、寅にはどこまでも心地よいのだ。しかもそこに、当時29歳・スター街道まっしぐらの松坂慶子を当て(とらやでの背の高さにはびっくり)、旅先を早々に引き上げさせることなくじっくり二人きりの時間を(見る側に)満喫させ、実は久々かもしれない寅の正面恋愛一直線を突き進ませる。しかしその世界は、ふみが寅の部屋に突入した瞬間から歪み始め、そして寅が別室へ移動した時点で崩壊する。この裏からの冷めた視線が、シリーズ内での作品のオリジナリティを輝かせている。●吉岡君初登場としても有名な作品ですが、実はマキノ佐代子さん初登場であるのも忘れてはなりません。レギュラー登場はもう少し先ですけどね。それと、源ちゃんの出生がさらっと語られているのも重要かも。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2016-09-26 03:22:07)(良:1票)
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