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1.  男はつらいよ お帰り 寅さん 《ネタバレ》 
「男はつらいよ」シリーズの50周年の50作目。山田洋次監督の映画は「幸福の黄色いハンカチ」を初めて見た時から好きで、もちろんこのシリーズも好きなのだが、シリーズ全作を通しては一回通りしか見ていなかったので、ちょっと今まで見るのを迷っていたが、ようやく見た。満男(吉岡秀隆)と泉(後藤久美子)の再会物語に回想としてシリーズこれまでの名シーンを絡めた同窓会的な作品という感じだが、ツギハギ感を感じることなく見れたのは良かったし、過去作の名シーンだけではなく、とらや(くるまや)の周辺やさくら(倍賞千恵子)をはじめとしたレギュラー陣も雰囲気はそのままなので新しく撮影された部分も懐かしく感じて実家に戻ってきたような安心感を持って見ることができた。さくらはどことなくおばちゃん(三崎千恵子)を思わせる風貌になっているように感じたのには驚いたが、やっぱりいちばん懐かしかったのはあけみ(美保純)が登場したことだった。とはいえ、満男と泉の部分だけ見ると何か薄みで付け足し感があり、合間のおまけのように見えてしまうし、ゴクミの風貌や喋り方がすっかり外国人のようになっていて、回想シーンで登場するときとの落差が激しい。それに、満男が作家になっているという設定はたぶん「三丁目の夕日」シリーズの影響なんだろうなぁとつい思ってしまう。それでもラストの走馬灯のように出てくる歴代マドンナの映像にやっぱり感慨深いものがあり、最後まで見て本作は山田監督が渥美清が亡くなって突然終わったこのシリーズをちゃんと完結させておきたくて作った映画なのだと素直に感じることができた。本作は結局いちばんそれに尽きる映画で、そしてそれはじゅうぶんに果たされていると思う。少し甘めに7点を。
[DVD(邦画)] 7点(2022-07-10 18:54:18)(良:1票)
2.  狼よ落日を斬れ
三隅研次監督の遺作映画となった松竹の大作時代劇。三隅監督の映画を見るのがかなり久しぶりなうえ、遺作でしかも三隅監督はこういう大作を手掛けているイメージがないため見る前から不安のほうが大きかったのだが、案の定まとまりを欠く大味な映画という印象はあるものの、退屈せずに最後までそこそこ面白く見ることができた。幕末から明治初期にかけての四人の男の生きざまが描かれていて、それを演じる高橋英樹、緒形拳、近藤正臣、西郷輝彦の四人の圧倒的な濃さが映画を引っ張っていくわけだが、もうこれだけで男の映画という感じがするのがいい。でも、ドラマとしては物足りない部分が多く、題材は魅力的なのになにかもったいなく思えてしまい、それが三隅監督も自作映画の中で唯一クレジットされてる脚本にあるのかは分からないが、同じく三隅監督が手掛けていても、大映であれば違った映画になっていたかもという思いはある。メインの四人の中では緒形拳演じる中村半次郎の存在感がとくに抜群だが、彼が慕う西郷隆盛を辰巳柳太郎が演じているのは、この二人の実際の関係を役にダブらせているようで面白い。高橋英樹と松坂慶子はこの前年の加藤泰監督の「宮本武蔵」でも相手役として共演していて、おそらく松竹としてはこの時期、このコンビで売り出したかったのではないかと勘繰ってしまう。
[DVD(邦画)] 6点(2020-04-30 14:20:05)
3.  王と鳥 《ネタバレ》 
宮崎駿監督や高畑勲監督が影響を受けたというフランスのアニメ。日本での公開時に高畑監督が字幕も手掛けていることもあって、偲ぶ意味も込めて初めて見てみた(その目的で本作を見るというのはちょっと違う気もするけど。)のだけど、抜ける床など仕掛けの多い城や、追われる男女二人、地下にいる市民、そしてラストの巨大ロボットなどカリ城やナウシカやラピュタで見たようなシーンが出てきて、まさに初期の宮崎、ジブリ作品を思い浮かべずにはいられない描写が多く、どんなに天才と呼ばれる作家でも必ずその根底には何かしら影響を受けている作品があるものなんだと感じることができる。しかし、既に書かれている方も何人かおられるが、初期の宮崎アニメが明るい冒険活劇的なのに対し、本作は作られた時代性もあってか、少し暗めで権力への風刺があって、テンポもゆったりとしている。とくに権力への風刺は強く、自画像の王様が本物に成り代わるというアイデアからして皮肉めいているし、追われる身の二人を助ける鳥も決して完全なる善のイメージで描かれてはいないことにも驚かされる。よくあるおとぎ話なら、悪い王様は鳥によって滅ぼされ、羊飼いの娘と煙突掃除人は幸せに暮らしましたとさで終わるところをそうはせずに、鳥が乗り込んだ巨大ロボットが城を破壊してしまうラストは少々ひねりすぎのような気がするのだが、王様も鳥も結局は同じという皮肉はなんとも辛辣で強烈。巨大ロボットが完全に破壊された城の瓦礫の上でまるで何かを考えているように座り込んでいるラストショットは否応ないもの悲しさと虚無感に包まれているが、この感じがたまらなく良い。でも、欲を言えば鳥によって解放された市民たちの歓喜にあふれたシーンなどをもっと強調しても良かったのではないか。それと、90分未満の短い映画だが、やや間延びしているように感じた部分もあったのはちょっと残念だったかな。アンデルセンの童話が原作とのことだが、見る前にそれは忘れたほうがいいかもということを最後に付け加えておく。
[DVD(字幕)] 6点(2018-04-14 18:47:26)
4.  お役者文七捕物暦 蜘蛛の巣屋敷
沢島忠監督による錦之助主演の推理もの時代劇で、原作は横溝正史。横溝正史というとなんといっても金田一シリーズであり、それ以外の作品の存在を知らないのでなかなか興味深かったし、沢島監督と錦之助のコンビ作のせいか、おどろおどろしさがありながらもカラッとした娯楽作で、金田一ものとは違う面白さのある映画になっていてなかなか楽しめた。東映の時代劇ではよく共演している錦之助と中村賀津雄に加えて錦之助の実兄や実父もそのまま主人公の兄と父役で出演するというかなり豪華な仕様で、劇中に歌舞伎公演のシーンまで出てくる。この歌舞伎のシーンがちょっと長く感じるのが不満ではあるものの、沢島監督はやはり錦之助のお茶目でコミカルな部分を引き出すのがうまく、「宮本武蔵」シリーズなどで見せる重厚な演技とはまた違う錦之助の魅力を感じることができるし、後半に披露される錦之助の役者という設定を生かした数々の変装も面白い。結末も金田一のような後をひくような感じではなくて本当にめでたしめでたしという感じの終わり方で後味も良い。片岡千恵蔵演じる大岡越前がいいところ全部もっていくのもなんだか許せてしまう。シリーズ化していてもよさげな気もするのだけど、続編は作られていないっぽいのがちょっと残念。
[DVD(邦画)] 7点(2016-12-03 17:14:16)
5.  大空のサムライ
実在の零戦エースパイロットを描いた東宝の戦記映画。あまり期待していなかったが、ドラマ部分は散漫な印象は受けるものの、思ったよりはつまらなくはなかったし、戦争映画で知られる丸山誠治監督の演出もオーソドックスで安定感がある。これが映画デビュー作の川北紘一監督の特撮は、空襲シーンの爆発のオンパレードなどは師にあたる中野昭慶監督の演出する派手な爆破特撮を思わせていて、やはり影響が大きいと感じさせる。主人公 坂井三郎を演じるのが藤岡弘で、ほかに志垣太郎や丹波哲郎という濃い面々が出演していて、見ていてすごく暑苦しい。とくに藤岡弘が部下たちを前に熱弁をふるうシーンはこの俳優らしさがよく出ていて、暑苦しさしか感じないのがすごい。平田昭彦が出演しているが、彼と藤岡弘の共演は本郷猛と芹沢博士の共演を見ているかのように感じなくもなかった。
[DVD(邦画)] 5点(2016-07-07 18:12:56)
6.  お嫁においで 《ネタバレ》 
この時期既に特撮、怪獣映画ばかりを任されていた本多猪四郎監督が手掛けた加山雄三のヒット曲を基にした本人主演の青春映画で、有島一郎や飯田蝶子も登場し、劇中何度か主人公が歌を歌うなど、一見すると若大将シリーズの延長線上にある映画のようだが、松山善三の脚本はやはり若大将シリーズよりはドラマ性を意識したつくりになっていて、全体的に見ても若大将シリーズとは違うものを目指しているようだ。特撮シーンの一切ない本多監督の映画を見たのは初めてだったのだが、その演出も丁寧で、決して完成度は高いとは言えないもののオーソドックスな青春映画に仕上げており、どうしても特撮映画の印象が強い監督だが、それだけではなく職人監督として「ゴジラ」前後のようにもっといろんな映画をこの時期にも作ってほしかったなと思う。(その意味では貴重な作品だ。)ラストは主人公がヒロイン(若大将シリーズにも澄子の恋のライバル役で出演したことのある沢井桂子)にふられるという若大将シリーズとは真逆の結末だが、このラストでヒロインが幸福について語るというのが印象的で、ちょっと考えさせられてしまうし、この部分は松山善三のカラーがよく出ているような気がする。後年の「兄貴の恋人」でも加山雄三演じる主人公の妹役で出演している内藤洋子が本作にも主人公の妹役で出演していて、こちらでもやはり主人公の相手役ヒロインよりも印象に残る。
[DVD(邦画)] 6点(2016-04-28 23:50:12)
7.  思い出のマーニー 《ネタバレ》 
「風立ちぬ」と「かぐや姫の物語」のあと、ジブリがもう一度子供のための作品をということで制作された作品。まったく期待してなかったが、そこまで悪くはなく、米林宏昌監督の前作「借りぐらしのアリエッティ」よりは良い感じ。暗く内向的で病弱な主人公やミステリー仕立ての展開などはジブリらしくないが、宮崎駿監督や高畑勲監督の時代とは違うものを目指そうというスタッフの意気込みが感じられ、ジブリとしてもいろいろ模索しているのだろう。しかし、決して万人請けする内容ではなく、本作公開時になぜあまり話題にならなかったのかも分かる気がする。アンナとマーニー二人のヒロインの友情を描いているが、セリフなどから二人の関係が同性愛的に見えてしまうのはジブリというブランド力のある会社の作品としてはちょっとまずいのではないかと思うし、悪役的存在のばあやも中途半端な感じだ。(「借りぐらしのアリエッティ」でも少し思ったことだが、無理にこういう悪役キャラ作らなくても・・・。)後半に登場するメガネっこがいい味を出していて印象的で、彼女の登場後、物語の雰囲気が少し変わったのは良かった。それにしても、本作のあと、ジブリは製作部門の休止を発表し、米林監督も退社した。ジブリは今後どこへ向かうのだろうか?。
[地上波(邦画)] 6点(2016-02-13 16:26:01)
8.  鴛鴦歌合戦 《ネタバレ》 
1939年というとあと2年ほどで太平洋戦争に突入しようかという暗く混沌とした時代にもかかわらず、マキノ正博監督のこの「オペレッタ時代劇」と言われる映画はそんなことを微塵も感じさせない非常に能天気で明るい喜劇であることにまず驚いたし、それを今見てもこんな楽しい映画はほかにあるだろうかというほど楽しく、見終わって思わず「ああ楽しかった!」と声に出して言ってしまった。登場人物たちに悪人がひとりもおらず、なおかつ、どの人物に対しても愛らしさを感じることができ、だから見ていて(DVDパッケージの謳い文句どおり)とてもハッピーな気持ちになれるのがいい。タイトル・クレジット部分に流れる主題歌からもうひきこまれるし、いざ、映画が始まっても登場人物たちが歌う、唄う、うたう。中でも生活を顧みずに怪しげな骨董品の収集に没頭するおやじを演じる志村喬は後年の「生きる」での悲しげな歌声とは対照的に明るく楽しそうな歌声を披露しているのは印象的で、演技も戦後の東宝映画などで見せる重厚で渋いものではなく、コミカルな役を軽妙にイキイキと演じていて、その上歌も歌うのだから新鮮というほかはなく、はっきり言ってこんな志村喬は初めて見るような気がする。彼と娘・お春(市川春代)のかけあい、やりとりが面白いのもこの映画の魅力だろう。(本作の主演は千恵蔵だが、志村喬のほうが目立っているような気もする。)市川春代といえば「ウルトラセブン」の中の「北へ還れ!」というエピソードでフルハシ隊員の母親役で出演しているのを見ただけなのだが、本作ではなんとも可愛らしく、とくに「ちぇっ!」と舌打ちをする仕草がなんとも言えないのだ。そんなお春を父の借金のかたに妾にしようとする殿様(ディック・ミネ)も本来は憎まれ役のはずだが、コミカルなどこか憎めないキャラクターで好きだ。クライマックスはお春の父が持っていた小汚い壺が実はかなりの値打ちがあるという展開で、山中貞雄監督の「丹下左膳余話 百万両の壺」を思わせているが、ひょっとしたらこれは意図的なものかも知れない。その壺をお春が壊すことによって何もかも丸くおさまるラストも心地よく、また湿っぽくなりそうな展開があってもけっして湿っぽくならないところも良かった。撮影の宮川一夫によるエピローグのクレーンショットも素晴らしいの一言。「ほーれほれほれ、この茶碗♪」、「ぼーくはわーかい殿様あ♪家来ども喜べー♪」 登場する歌の歌詞もいつまでも耳に残る。日本ではミュージカル映画というのは少ないが、本作はそんな中でも間違いなく最高の映画と言ってもいいほどの素晴らしい映画で、まさに見終わった後に何回でも見たくなるような名作だと思う。迷わず10点だ。
[DVD(邦画)] 10点(2014-02-20 23:49:06)(良:5票)
9.  おおかみこどもの雨と雪 《ネタバレ》 
主人公が狼男との間にできた二人の子供を女手一つで育てるという特異性を除けば子育て奮闘記としてじゅうぶんに見れる内容で、今まで見た細田守監督の映画の中ではもっとも日常的な作品となっていて、ストーリー的には「サマーウォーズ」よりは好みのはずなんだが、なんか登場人物に感情移入しづらいものがあり、話に入っていけないことはないのだが、個人的にはイマイチ。「サマーウォーズ」でも田舎が舞台だったが、この映画は中盤から主人公親子が田舎に引っ越してくる展開で、よっぽど細田監督は田舎が好きなんだろうなと思わせる。しかし、この映画では同時に細田監督の都会に対する失望感や人間不信といったものも感じられなんだかなあという部分もあるのが少々残念で、都会に住んでいる人=冷たい、田舎に住んでいる人=温かいというような描き方は少し鼻につくし、「おおかみこども」の二人が別々の道を歩いていくというありきたりといえばありきたりな結末だが、なんか見終わった後にムズムズしてすっきりせず、モヤモヤ感が残る。あと、花と狼男の出会いから描いているが、この冒頭の部分が駆け足すぎてもっとこの部分をじっくり描いてもよかったのではないかと感じる。(そういう意味ではこの作品は映画ではなくてテレビの連続ものでやったほうがよかったかも。)親子が田舎に越してくるシーンや山の中の森のシーンは「となりのトトロ」や「もののけ姫」を思わせていて、最初はジブリ志望だったという細田監督の宮崎駿監督作品からの影響(映像もキレイだし。)が見てとれ、やっぱり「ハウルの動く城」は細田監督に最後までやってほしかったという気がする。いつか本当にジブリで映画を一本作ってほしい。それともう一つ、現在は俳優業を半ば引退して農業をしているという菅原文太が田舎で農業をやっている老人の声を担当している(キャラクターの顔もほとんど文太そのまま。)のだが、実際の今現在の文太もこんな感じなのかなと思いながら見てしまった。これは余談になるが、「サマーウォーズ」には富司純子が出ており、単なる偶然かもしれないが、ひょっとして細田監督は東映の任侠映画が好きなのかもしれない。
[DVD(邦画)] 4点(2013-09-26 16:14:08)(良:1票)
10.  踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望 《ネタバレ》 
シリーズ完結編となる劇場版第4作。今までの劇場版では複数の事件が並行して描かれていたのだが、今回描かれる事件は一つだけであまりゴチャゴチャしておらず、わかりやすいし、作り手も最後というのを意識してか、けっこう気合が入っているように感じる。しかし、途中までは面白く見れたのだが、青島が犯人(香取慎吾)の居場所を見つけ出すくだりが滅茶苦茶(バナナって。)だし、その後、体調不良のために刑事を辞めて故郷に帰るために夜行バスに乗っていたすみれがそのバスで倉庫に突撃するのももうどうなってるんだという感じしかせず、今までシリアスだった物語がここでいきなり壊れてしまった印象。それでも冒頭から松本晃彦のテーマ曲がかかるのは嬉しい(やっぱりこれがないと「踊る大捜査線」という感じがしない。)し、青島と室井のコンビもこうでなくてはと思わされる。もうこれだけで「踊る大捜査線」らしいと感じることができるし、このあたりは前作よりよっぽどいい。それだけにやはり犯人を逮捕に至る展開の適当さが残念。終わり方も完結編と謳っていながらそれらしい雰囲気がほとんどなく、いつもと同じような感じになってしまっていて、これでこのシリーズすべて見終わったという感慨がなにもない。せめて最後は青島とすみれが刑事を辞めて冒頭の張り込みでやっていた唐揚屋を本当に始めるという結末でよかったのではないかと思ってしまった。(冒頭のシーンを見てラストシーンの伏線だと思った人は多そう。)前作よりは面白く見れたので5点だけど、10年以上続いたシリーズの締めとしてはなんか違うし、投げやりな部分もありすっきりしない。「新たなる希望」というサブタイトルもただ「スター・ウォーズ」にあやかっただけでとくに意味はないような気がした。まさか数年後、「スター・ウォーズ」のように新シリーズぶち上げたりはしないだろうなあ。とりあえず本当に終わらせる気があって作ったのかと、見始めた時とは逆のことを見終わってから思ってしまったのは確か。
[DVD(邦画)] 5点(2013-09-17 02:54:28)(良:1票)
11.  大鹿村騒動記
原田芳雄があたためていた企画を阪本順治監督に持ち込み、映画化を実現した作品。友人の妻と駆け落ちした男が記憶障害になった妻を友人のもとに返しにくるという話はよく考えたらドロドロしているが、そういうふうには描いておらず、登場人物もすべて善人なので物足りない人には物足りないかもしれないが、ほのぼのとした人情劇で、傑作とまではいかないものの面白く見れたし、舞台となる信州の風景が美しく、この大自然いっぱいの中で繰り広げられる物語にいつの間にか惹きこまれている自分がいた。これが遺作となった原田芳雄はこの数年前から闘病生活を続けていたみたいだが、劇中ではそんなことをまったく感じさせずに演技をしていて、この映画の試写会の舞台挨拶でのやせ細った姿がウソのようで、本作だけを見ていると公開直後に亡くなってしまったことが信じられない。いや、ひょっとしたらこの時既に自分の死期を悟っていて、この映画だけはなんとしても自分で実現させたかったのかもしれないと思うとこの「大鹿村騒動記」という映画にかける原田芳雄の思いというものがひしひしと伝わってくるのだ。もうこれだけでこの映画は原田芳雄という俳優の代表作の1本になっていると思うし、先週見たデビュー作である「復讐の歌が聞える」から既にハードボイルドなイメージが強かった原田芳雄の遺作がこのような優しい映画であることは少し意外かもしれないが、自分の思いを最後の最後に実現させて安心して旅立って行ったのだろう。映画はそんな原田芳雄扮する善、大楠道代扮する貴子、岸部一徳扮する収の三人を中心に展開していくが、ほかの出演者で印象に残るのはやっぱり三國連太郎。出番は多くないのだが、悪役や癖の強い役柄が多かった若い頃とは違い、仏様のような穏やかで優しい顔立ちになっているのが印象的で、それでいて登場すると画面がビシッと引き締まる。彼が戦時中のシベリア抑留の話をするシーンは戦争経験者だからこその説得力と重みがあるシーンだと思う。そんな三國連太郎もこの四月に亡くなってしまい本当に惜しい。あらためてこの映画に出演している二人の名優、原田芳雄と三國連太郎のご冥福を心よりお祈りするとともに素晴らしい出演作の数々を残してくれたことに感謝を申し上げたい気持ちでいっぱい。本当にお疲れ様でした。
[DVD(邦画)] 7点(2013-07-31 00:56:17)(良:3票)
12.  踊る大捜査線番外編 湾岸署婦警物語 初夏の交通安全スペシャル<TVM> 《ネタバレ》 
「歳末特別警戒スペシャル」と「秋の犯罪撲滅スペシャル」の間に放送された番外編で、本作で初登場する篠原夏美(内田有紀)を主役に据えている。警察学校を卒業し、湾岸署交通課に配属された夏美と、彼女の指導担当で、ほかの暑から応援に来ている鬼婦警・桑野(渡辺えり子)のコンビを描いていて、その関係は青島(織田裕二)と室井(柳葉敏郎)や和久(いかりや長介)との関係を彷彿とさせていて、やや焼き直し感もあるのだが、夏美はもともと「女青島」を目指して考え出されたキャラクターらしいのでこれでいいのだろう。いつものメンバーは脇に回り、脚本家も君塚良一ではないが、最近のモノと比べるとやはり面白く、夏美と桑野の関係も手抜きがなくしっかりと描かれており、何より夏美の成長ドラマとして見ごたえのあるものになっている。夏美を演じる内田有紀はそれほど好きな女優というわけでもないのだが、なにか本作では非常に魅力を感じるのは不思議。夏美はこの12年後に作られた劇場版第3作「ヤツらを解放せよ!」から刑事課の刑事として再登場するわけなのだが、本作はこの直後に作られた「秋の犯罪撲滅スペシャル」や劇場版第1作に引き続き夏美が登場していても別におかしくはないような終わり方をしているので、逆にこの後の続編には一切登場せず、本作の放送から12年も経って作られた「ヤツらを解放せよ!」でなぜ唐突に再登場したのかはちょっと疑問に感じる。(ところで交通課で夏美といえばアニメ「逮捕しちゃうぞ」を思い出してしまうが、本広克行監督のことなので、おそらく「篠原夏美」という名前は辻本夏美と「機動警察パトレイバー」の篠原遊馬あたりから採られているのだろう。)シリーズ作品として見た場合、青島と室井の出番は極端に少ないし、いつもとは少し違う路線の作品に仕上がっているが、それでもこのシリーズらしい雰囲気はよく出ており、全体としてはまぎれもない「踊る大捜査線」の1本としてじゅうぶんに楽しめた。
[DVD(邦画)] 6点(2013-05-14 14:07:31)
13.  踊る大捜査線 THE LAST TV サラリーマン刑事と最後の難事件<TVM> 《ネタバレ》 
完結編劇場版公開を前に放送された「踊る大捜査線」の久々となる新作テレビスペシャル。前半はただごたごたしているだけに見えるし、メインとなる事件も劇場版第3作「ヤツらを解放せよ!」で登場した中国人研修生(滝藤賢一)と結婚することになっている女性が実は・・・という展開だが、「ヤツらを解放せよ!」で登場した新キャラクターは、和久伸二郎をのぞいて着任エピソードが描かれぬままいきなり当たり前のようにそこにいたこともあり、馴染みが薄く、そういうキャラをメインに持ってこられても感情移入がしにくく、困るだけ。メインの事件自体も扱いが軽く、このドラマって初期はコミカルなところはコミカルだけど、シリアスな部分ももっとちゃんとしていたように思うのだが。やっぱり長く続けすぎると作る側も惰性になっていってつまんないものしか出来なくなるんだろうな、という感想しか出てこない。
[地上波(邦画)] 3点(2013-05-06 21:59:09)
14.  大江戸五人男 《ネタバレ》 
バンツマと市川右太衛門が共演した伊藤大輔監督の大作時代劇。序盤こそやや退屈するも、おきぬ(高峰三枝子)が皿を数えはじめるあたりから緊張感が増して、面白くなっていった。皿を割ったのがもとで水野(市川右太衛門)に斬殺されたおきぬの話を芝居で上演した(これが「皿屋敷」のはじまりか?)役者が水野に連れて行かれ、一人で来れば返してやると言われ、死を覚悟で水野の屋敷に出向くバンツマ演じる長兵衛はかっこいいし、いったん和解しかけた長兵衛と水野が一転して直接対決にいたる展開も無理がなく、ちゃんとドラマとして見ごたえのあるものになっている。最後は二人で三島雅夫演じる近藤を倒すという展開でも良かったかもしれないが、あえてそうはしていないことでドラマ性が高くなり、この映画を単にただの2大スター共演というだけのものにしていない。ラストの長兵衛の眠る棺を抱えた葬列のシーン、泣き崩れる権八(高橋貞二)に、長兵衛の妻(山田五十鈴)がかける言葉がいい。それに、長兵衛の息子の「もうケンカはございませーん。」と叫ぶ姿も泣ける。さっきも書いたように前半はやや退屈に感じる部分もあるのだが、名作時代劇の一本と言っていい素晴らしい映画だった。ただ一つ残念なのは「大江戸五人男」というタイトルの意味がよく分からないことで、これだけ見ると「七人の侍」のようにチームとしてまとまった複数の主人公の活躍を描く映画のように思えてしまう。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2013-02-12 17:25:19)
15.  踊る大捜査線 秋の犯罪撲滅スペシャル<TVM> 《ネタバレ》 
劇場版第一作公開直前に放送されたスペシャル版。「踊る大捜査線」で初めて見た話が実はこれで、その時はけっこう面白かったのだが、今見るとけっこう粗が目立ち、「歳末特別警戒スペシャル」のほうが出来は上に思える。しかし、やはり最近のシリーズと比べれば面白いし、すみれ(深津絵里)というキャラクターをよく分かった脚本になっている。この回は劇場版と同時進行で撮影されたのか演出が本広克行監督ではなく、連ドラでサブディレクターをつとめていた澤田謙作監督が演出を手掛けているが、演出にあまり違いは感じなかった。初めて見た当時は相良純子役の大塚寧々に「サイコメトラーEIJI」でのドジな女刑事・志摩亮子役の印象が強かったため、被疑者として登場して少し違和感を感じたのを思い出した。今見るとその他の出演者に大倉孝二が出てたり、放火の実行犯がクドカンだったりと「歳末特別警戒スペシャル」のときと同じく、無名時代の俳優が何人か出ている。犯人の部屋から押収した大量のビデオテープを調べるシーンで途中から早送りをやめてビデオを真剣に見始めるところははじめて見た時も笑ったが、今回もつい笑ってしまった。駅員役の高木ブーと和久(いかりや長介)のやりとりも短いながらやはりドリフで長年一緒にやっていただけあってコンビネーションがよく、笑わせてくれる。「歳末特別警戒スペシャル」と合わせての総評になるが、この頃はまだ勢いが感じられる。やはり「踊る大捜査線」はこのあとの劇場版一作目までが面白さでいえばピークだったのではないか。
[地上波(邦画)] 6点(2012-11-22 15:24:47)
16.  踊る大捜査線 歳末特別警戒スペシャル<TVM> 《ネタバレ》 
連ドラ版が放送された年の暮れに放送された「踊る大捜査線」初のスペシャル版。連ドラ最終回で交番勤務となった青島(織田裕二)が湾岸署に復帰し、再び刑事課に配属されるまでを描いたストーリー。新作映画公開に合わせた再放送で久しぶりに見たが、最近のダラダラしたシリーズを見慣れていたためか、あまりのテンポの良さと、脚本のうまさ、そしてその面白さに逆に驚いてしまった。復帰した青島が署内でお荷物扱いされ、署内の各課をたらい回しにされるというのは、黒澤明監督の映画を意識したシーンやエピソードをやることが多いシリーズだけに「生きる」で公園を作ってくれと要望する市民たちが市役所の各課をたらい回しにされるシーンをなんとなく思い出してしまったが、あくまで参考にしたのかな程度のことなので、この後の映画シリーズのような露骨感は皆無。クライマックスの刑事課占拠事件もちゃんと緊張感をもって描かれているし、コメディーとシリアスのバランスも絶妙。こういうのが本来の「踊る大捜査線」らしさなのだとあらためて思うし、定年退職した和久(いかりや長介)が指導員として復帰することになる展開も、いかりや長介が故人となってしまった現在に改めて見直すと、やっぱりいかりや長介演じる和久平八郎は「踊る大捜査線」というドラマになくてはならない人物で、彼が出てくると画面がビシッと引き締まる感じがする。いかりや長介にはやっぱりもっと長生きしてほしかったな。それにしても今改めてこの作品を見ると当たり前だがみんな若いし、見ていてなんだか懐かしい気持ちにさせられる。それに今では売れっ子となっている当時無名の仲間由紀恵や伊藤英明が出演していたりして、出演者は今からすればけっこう豪華。特に仲間由紀恵は殺人事件の目撃者というかなり重要な役柄で出ている。それに対し、逆にアイドルとして人気が出始めていた頃の広末涼子がチョイ役というのが意外だった。犯人役の稲垣吾郎のキレた演技も見もの。杉並北署時代の青島の上司役が谷啓なのだが、もし当時存命であればこの役はハナ肇が演じていたかもしれない。
[地上波(邦画)] 7点(2012-11-17 13:20:40)
17.  ALWAYS 続・三丁目の夕日 《ネタバレ》 
シリーズ第2作。先に3作目を見てしまったので、2作目も取りあえずという感じで見たのだが、なんというか1作目の後始末という感じで流れは1作目とそんなに変わらないように思い、先に見た3作目のほうが面白かったと思う。そもそもが大ヒット作の2作目なのでどうやっても1作目の後日談的内容になってしまうのは致し方ないところか。今回は社長が戦友と再会するエピソードや、社長の奥さんが昔の恋人とバッタリ再会するシーンとか原作で読んだことがあるエピソードがいくつか盛り込まれているのに気づけたのが嬉しかったが、やはり原作のほうが良かったかな。主題歌はけっこう好きだったりするけど。それにしても冒頭のゴジラが三丁目を襲うシーンはかなりよく出来ていて、既に何人かの方が書かれているとおり、このクオリティーで新作のゴジラ映画が見てみたい。はっきり言って本作はこのシーンさえ見ればあとの本編はおまけみたいなもの。またいつかゴジラ映画が復活する際には東宝は是非に山崎貴監督に依頼するべきだろう。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2012-11-08 14:45:02)
18.  ALWAYS 三丁目の夕日‘64 《ネタバレ》 
シリーズ3作目。今回は劇場公開時には3D版もあったということで、冒頭の東京タワーのふかん映像や、六子(堀北真希)の恋人(森山未來)が鈴木オート社長(堤真一)にぶん殴られて、ガラス戸を突き破って吹き飛ばされるシーンなどは、明らかに3Dを意識した演出となっているが、本作は特撮映像が売りではなく、東京オリンピックの時代を舞台にした人情喜劇なので、3Dでやる意味は(2Dで見たのだが)ほとんど感じられず、2Dであっても支障はまったくないように思う。話としては六子の結婚や茶川(吉岡秀隆)の父親(米倉斉加年)との関係、淳之介(須賀健太)の茶川の元からの巣立ちなどが描かれ、それぞれに感動のポイントはあるのだが、どうも、作り手が感動させようといろいろ詰め込みすぎた感じで、冗長とまでは思わないがゴチャゴチャした感じではある。2作目を見ていないのだが、子役だった須賀健太や小清水一輝がかなり成長していたのには驚き。
[DVD(邦画)] 5点(2012-10-03 15:51:31)(良:1票)
19.  踊る大捜査線 BAYSIDE SHAKEDOWN 2 《ネタバレ》 
「踊る大捜査線2」の海外公開を意識して作られた再編集版とのことだが、あまり印象は以前見たものと変わらない。確かに再編集のおかげでストーリーは追いやすくなっているが、その分、コメディーリリーフとして登場するスリーアミーゴスの出番の極端な減少など、シリーズ独特の笑いの部分がオリジナル版よりも少なく、そこが物足りないといえば物足りない。ラストの和久のセリフも吉田副総監の出番がカットされてしまったため、セリフに唐突感があり、オリジナルではけっこう印象に残るシーンだったのに、ここだけ少し印象が変わってしまった。そもそもこのシリーズはもともと海外に出して売れるとは全く思わないので、わざわざインターナショナル版を製作する意図もよく分からない。この映画自体を久々に見たが、脚本がかなり適当になっている気がして、面白くないうえに、最後の事件解決もあっさりしすぎている。ところで、真矢みきという女優がどうも苦手なのだが、最初に見たのがこの映画の沖田役だったからかもしれない。
[地上波(邦画)] 3点(2012-09-17 01:17:08)
20.  女の一生(1967)
野村芳太郎監督がモーパッサンの名作文学を映画化した文芸作品。運命に翻弄される女性の波乱の人生を描いていて、それなりに見ごたえはあるものの、やや駆け足気味でドラマとしての深みはあまり感じられない。野村監督の映画での岩下志麻といえば「鬼畜」や「影の車」などで怖い役が多いイメージだが、この映画では若い娘時代から晩年に至るまでの主人公を演じていているのだが、違和感もなく演じきっているし、野村監督の映画でこういう岩下志麻を見るのは新鮮に感じる。しかし、左幸子のほうが演技力は上か。ヒロインの息子を演じる田村正和は若い頃の出演作を見るたび若いなあと思うのだが、独特のしゃべり方は今とまったく変わっていない。その恋人を演じるのが左時枝で、姉との共演シーンもあり、楽しませてくれる。この二人の共演は初めて見たが、齢が離れているゆえか、共演シーンが姉妹であることをまったく意識させておらず、この二人の共演も見どころのひとつとなっている。(この二人が親子役で共演する「かあちゃんと11人の子ども」が見たいなあ。)
[DVD(邦画)] 6点(2012-04-19 17:45:50)(良:1票)
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