21. バニラ・スカイ
こういった謎めいた不思議な感覚の作品って、個人的には好きなジャンル。終始でてくる、夢とも現実ともつかないような空の色彩感覚。ラストの昇天していくかのような(高層ビルにしては異様に高すぎる)エレベーターから見える下界のイメージ映像と、全てを悟ったかのようなT・クルーズの不敵な表情など、印象に残るシーンは少なくない。 7点(2002-03-10 17:06:32) |
22. バンディッツ(2001)
思いつきとは言え「お泊り強盗」というのは初めて聞く話で、トントン拍子に仕事が巧く運ぶ様子は心地良いが、後半、男女の三角関係(しかも奇妙な)が中心となるにつれて、話が急にもたつき始める。さらに、仲間の一人がスタントマンであるということがあまり生かされていない為か、ラストの大芝居も唐突にしか感じない。バリー・レビンソン監督としては、粋でお洒落なコメディを目指したようだが、よほど苦手な分野のようで、上手く行ったとは言い難い。ただ救いは、三者三様の強烈なキャラによる力演に尽きる。 7点(2002-02-03 16:30:27)(良:1票) |
23. ハリー・ポッターと賢者の石
舞台設定にしても魔法使いの子供たちにしても、原作に忠実すぎるぐらい忠実と言われているこの作品、ファミリー・ピクチャーとしては良く出来ているほうだと思う。ただC・コロンバス監督の歴代の作品を振り返ると、観ている間は面白いのに不思議と印象に残る作品が少ないような気がする。この作品も御多分に漏れずで、各シーンやエピソードがすべて平均的な描き方をしている為、SFXを多用している割にケレン味が無くドラマチックな盛り上がりに欠け、その仕上がりは実に薄味だ。結局、映画の世界的ヒットも原作のネームバリューに因るところ大である・・と言ったところか。 7点(2001-12-24 17:28:13) |
24. ハート・オブ・ウーマン
個人的にも大のご贔屓で、最近超売れっ子のH・ハント出演作という理由だけで劇場に駆けつけました。なにしろ今が旬の女優さんと言う事もあって、凄腕のキャリア・ウーマンを堂々と演じる反面、物憂げな表情で女の弱さをも表現するあたり、さすがに上手い。おそらくM・ストリープの後を継ぐのは彼女かも知れない。一方のM・ギブソンもその何とも憎めない勘違い男の主人公を、実に軽妙洒脱な演技で魅せてくれます。それは、案外こういう作品が彼の本来の持ち味なのかとも思わせてくれるほどです。 7点(2001-10-06 00:17:54) |
25. パール・ハーバー
ハリウッド映画なんだから日本人の描き方が奇妙なのはいつもの事で、今更とやかく言ってもしょうがない。所詮よその国のことはお互い理解できない部分が未だに存在するのだから、我々も偉そうな事は言えない。で、良くも悪くも予想通りの作品だが、M・ベイの前作「アルマゲドン」より少しは好感がもてる出来に仕上がっている。エンターティンメント作品として見た場合、彼のアクション監督としての才能が十分に生かしきれていると思うし、なんともチャーミングなK・ベッキンセールに思わず評価を上げてしまった。 7点(2001-08-19 00:56:03)(良:1票) |
26. ハンニバル(2001)
できることなら続編は作って欲しくなかった。あの鉄格子ごしの刹那的なラブ・ストーリーを超えうるような傑作など生まれようも無いと、固く信じていたから・・・。案の定と言うべきか、やっぱりと言うべきか、登場シーンの多い割に印象の希薄なJ・ムーアは、A・ホプキンス=レクターのさらなる“博士の異常な愛情”ぶりでの貫禄負けばかりではなさそうで、J・フォスターのどこか頼りなげで、何かを訴えているような眼差しが彼女には欠けている点で、これはかなり致命的だ。かなり損な役を受け継いだものだと思う。リドリー・スコット監督お得意の光と影の演出も、はたしてこの作品に本当に必要だったかどうかは疑問が残るし、クライマックスのディナーも、あそこまで“あからさま”にされると、よく出来た作り物にしか見えなくて、現実感に乏しい印象しか残らない。。 7点(2001-05-20 19:59:25) |
27. ハイウェイマン(2003)
目の前で妻を轢き逃げされた男が復讐の鬼となって犯人を追いつめていくサスペンス・アクション。主役の殺人鬼の車には「72年型 キャデラック・エルドラド」。いわゆる強いアメリカを象徴していた頃のとにかくドデカイ車で、それだけで恐怖感は十分に伝わってくる。日常における得体の知れない恐怖を描いたスピルバーグの「激突!」が誕生したのも丁度この頃で、以来、“顔の見えないシリアル・キラー”と言うのもすっかり定番となってしまったが、今回は女性ばかりを付け狙う事で、よりミステリアスさを強調した作品となっている。ただ過去に一度、犯人が主人公に追いつめられ瀕死の重傷を負わされ逮捕されていた事で、物語の本筋がむしろ犯人の逆恨みによる復讐劇だったと分かる。犯人の素性が判明していて、しかもその挑発に乗る主人公レニー。意外な展開とも言えるが、「ブレーキ・ダウン」がかつてそうであったように、弱みを持った犯人側に魅力が乏しいことから、終盤急速にサスペンス色が失せてしまい、安手のアクション映画に成り下がってしまったのは惜しい。J・カヴィーゼルは、こういった人生を狂わされ何かに取り憑かれた、いかにも神経質そうな役どころには抜群にハマる人で、冷静沈着で用意周到な割に少々ツメの甘い主人公を巧みに演じている 6点(2004-10-13 18:03:59) |
28. バッドボーイズ2バッド
CGか実写かの区別もつかないほどの、ド肝を抜かれるスピード感溢れる凄まじいカー・クラッシュ。このシーンは、まさにアクション映画専門監督M・ベイの面目躍如たるものあるが、全編を通してみると、彼らしくアクションはプロ、それ以外はまったくのシロウトだということが、今更ながらより顕著に感じてしまう。彼のモタモタした演出は冒頭のツカミから既に始まり、次々と場面転換していくそれぞれのシーンの尻切れトンボな中途半端さや、何の脈絡も無いエピソードの羅列に、話の本筋は一体何処にあるのかとイライラが募るばかりで、しかも上映時間は呆れるほど長いときた!この演出家不在、脚本家不在の“もの”が、果たして映画と呼べるのだろうか?まさに“映画のようなもの”、もしくは“映画もどき”とでも言いたくなるが、その徹底した破壊のド派手さだけは一見の価値あり。 6点(2003-12-02 00:28:31)(良:2票) |
29. ハンテッド(2003)
追う男のイメージがすっかり定着した感のあるT・L・ジョーンズと、独特の不気味な雰囲気を醸し出すB・デル・トロ。この作品はそんなひと癖もふた癖もある二人の共演が最大の見所であり、とりわけ本作でのデル・トロの凄味ある演技は特筆に価する。そしてCG全盛の今、徹底した生身のアクションにこだわる監督W・フリードキンの意気や良しだが、使い古されたシチュエーションでパターン化されて、新味に乏しいのが残念。 6点(2003-11-18 11:49:53) |
30. ハイ・クライムズ
どこか陰のある、悪く言えば陰気臭い顔立ちのJ・カヴィーゼル。最近(何故か)売れっ子の彼が被告人となり、上映時間をかなり残して無罪を勝ち取ったならば、やはりラストのどんでん返しは予測の範囲。信じていた、そして愛していた彼が○○だった・・・というのは、「白と黒のナイフ」という名作があるが、残念ながらそれ程の意外性やインパクトはない。ただ、手堅い演出と、アシュレイ・ジャッドの青アザのできた顔もまたチャーミングだったという印象は残った。 6点(2002-10-12 17:14:21) |
31. バトルフィールド・アース
近未来ではなくて西暦3000年という、気の遠くなるような遥か遠い未来のお話。(でも、個人的にはそこまで人類はモタないと思いますが・・・)なぜか予想通りの暗く陰鬱な未来世界は、しかし視覚的には見事にイメージ化されているし、SFXも悪くはない。それにしてもJ・トラボルタの仮装大会的コスチュームは懲りすぎっ!さらに笑ってしまったF・ウィティカも付合いのイイこと。(笑) 6点(2000-11-11 22:43:12) |
32. ハリー・ポッターと秘密の部屋
第一作目よりも評価が上とされている本作だが、暗く閉ざされた魔法学校の中で繰り広げられる物語という点で、いったい何処がどう違うと言うのか。所詮なんでもアリの魔法の世界のお伽噺。その実にとり留めの無い物語は前作と何ら変わることなく展開し、しかもダラダラ長い。魔法を前面に出している割に、ファンタジーのかけらも感じられないのは何故か。世界的超人気の原作にのめり込んでいる人たちは大喜びに違いないが、関心の無い者にとって、これは苦痛以外の何者でもない。 5点(2003-02-01 00:29:02)(良:1票) |
33. バトル・ロワイアル
「仁義なき戦い」の中学生版として楽しんでは観ましたが、その描き方はあまりにもマンガチックで呆れるほど。昔から深作さんの作品を観てきたものにとって(昨年公開された「おもちゃ」などは、深みのあるしっとりとした大人の作品として大好きでしたが・・・)、これはいったいど~言うことなんだか。ちょっと若い人のウケを狙いすぎたんだろうか?どうやら大騒ぎするほどの作品ではないようです。 5点(2001-01-21 17:25:53) |