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FSSさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 854
性別 男性
自己紹介 <レビュアー引退について>

他の方にとってはどうでもいい事ですが(笑)、
こちらでのレビュアーを引退させて頂きます。
理由はあまり映画自体を見なくなった事と、
結局、映画以外にもレビューを書けるAmazonが
レビュー投稿の中心になってしまった事ですね。

長い間、お世話になりました。 2021/11/27
   
<ジャンルの好みについて>

・好きなジャンルは「ホラー」「サスペンス」「ミステリー」。
・嫌いなジャンルは「ミュージカル」「恋愛」「韓国映画」「感動押し付け系」。
・どちらでもないのは「アクション」「SF」「コメディ」「時代劇」。

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21.  博士の愛した数式 《ネタバレ》 
やはり最大の難点は、博士の記憶が80分しか持たない事に対する、博士自身と周囲の人間の苦悩、苛立ち、不安感、虚無感、生活するうえでの不自由などが、ほとんど描けていない事。「人の記憶とは何か」という最も描かなくてはならないテーマを追求せず、ただ何となく「記憶よりも今が大切」という安易な言葉の雰囲気に引きずられているだけの作品に思える。  「記憶を失くしても人は生きていける」とか、「今を大切にしよう」という問い掛けは分かるんだけど、「人は記憶と共に作られる」というポイントが描けていないから、記憶を失くす苦悩も伝わってこない。  また、博士の家が資産家で金銭面での不自由が無いという設定もご都合主義的。もの凄くヒネくれた見方かも知れないけど、博士が働けなくても家政婦を雇えるほどの「経済的余裕」があるからこそ、義姉も家政婦も博士を許容していられるんじゃないの?そういう現実面を無視して、「ふたりの無償の愛に感動した」とか「人と人の繋がりが大切」なんて綺麗事を言われても共感できない。仮に博士に身寄りも財産も無いとすれば、あの家政婦が引き取って面倒を見れるのか?「金の切れ目が縁の切れ目」なんて言いたくないけど、それ位は現実的に突っ込んで考えてみるべきじゃないかな?  また、なぜ博士は虹や夕日を数式で表現しないのか?すべての事象を数式で表すくらい、数字に対するパラノイアな描写が欲しかった。そのくせ子供に優しいという面をやたら強調しているので、返って偽善的に見える。  高校生たちのリアクションも優等生的すぎて気色悪い。子役もヘタクソ。薪能のシーンも無駄に長いし、必要性を感じない。  さらに、閉じた心を象徴する「閉め切られた木戸」を開けるシーンでもセリフで説明しちゃうし、作品を通して「前向き」というメッセージ性が強いのに、ラストはモノクロで終わる上に、エンディングも暗い曲が垂れ流されるだけ。ラストもダラダラしないで「これが…、博士の愛した数式です」というセリフで終わらせた方が感動的じゃないか?  感動ドラマとして素直に見ようにも、全体的に演出センスが無いので、突っ込み所ばかりが目に付いて仕方なかった。
[DVD(邦画)] 3点(2006-10-17 05:09:54)(良:4票)
22.  ハイド・アンド・シーク/暗闇のかくれんぼ 《ネタバレ》 
サイコサスペンスとして、あまりにもありがちな展開とオチにガッカリ。良く言えばオーソドックスだが、この手のジャンルにおいて現代の目の肥えた観客を満足させるには、これではさすがに工夫が無さ過ぎる。  他の方も書いているように、主役の親子ふたりに焦点を絞り過ぎているため、サスペンスを盛り上げるべき「犯人候補」が他にいないのが致命的。出番の少ない精神科医の女性や保安官では、親子との関係性や人物描写が希薄なので犯人である必然性が薄い。隣家の住人と不動産屋は怪し過ぎるし、同じく親子との関係性が描けていない。キャラ的にも犯人としての魅力に欠けている。かと言って、「洞窟に巣食う怨霊に取り付かれていました」では、ただのオカルト。とすれば、消去法+お約束として「一番怪しくないメイン登場人物が犯人」という黄金パターンに見事に合致するのはひとりしかいないわけで、実際、そのままのオチに拍子抜けしてしまうほど。  そのくせ、結局は少女も多重人格を発症しているような描写もあるため、そのおかげで意図的に誤魔化されている部分もあり(最初のバスルームの落書きとか、まったく「チャーリー」を怖がっていない描写とか)、そういう「誤魔化しのため」のヘタな演出のせいで、余計にオチの陳腐さが際立ってしまっている。いつも同じ時刻で目覚めるシーンとか、夢のシーンとか、あまりにも伏線が素直すぎるのも問題。  確かに後になるほど、この手のジャンルはアイデア的に作るのが難しくなるが、だからと言って、既存作品をリサイクルしているだけのお手軽な作り方をしてもいいと言うものではないだろう。
[DVD(字幕)] 3点(2006-10-10 10:03:30)(良:1票)
23.  バウンド(1996) 《ネタバレ》 
これもやたら高評価だけど、残念ながら個人的には中途半端な作品としか思えなかった。  サスペンスとしては意外なほど王道で、設定もストーリー展開も無難。ちょっと違うのは、主役のふたりがレズってだけ。しかも、そのレズ設定にも特に必然性が無い。これを普通の男女のカップルにしても話は成立してしまう。  オチにもこれといって工夫や意外性は無く、見ていて「だから何?」と言いたくなるような内容の無さ。見ている間は先の展開が気になるものの、全体的に無難すぎて面白味に欠ける作品。
[ビデオ(字幕)] 4点(2006-10-08 19:40:33)
24.  バイオハザード(2001) 《ネタバレ》 
ゲームは自分でキャラを動かせるからストーリーの稚拙さを許容できるのだという事を再認識。ストーリー的にもキャラ的にもゲームとはほとんど関係なしの展開に加え、まったく内容らしい内容が無い。ストーリー面での拡充が無ければ、ゲームの映画化などまさに無意味という事を痛感させられる出来。  絶望的な状況下でのゾンビとの戦いのシーンも中途半端。もともとゲームのバイオシリーズの不満でもあるが、ゾンビを扱っているのに、ヘンに怪物怪物したデザインのモンスター(リッカーとか)を出されると急速にリアリティが失われ、見ていて冷める。  まあこんな映画を見ているヒマがあるなら、ゲーム版をやっている方がはるかに面白いので、もし未プレイの人がいれば、ぜひ遊んでみて下さい。
[ビデオ(字幕)] 3点(2006-09-15 03:51:31)
25.  ハサミ男 《ネタバレ》 
※※※↓完全にネタバレレビューです↓※※※  だいぶ以前に原作を読んだけど、この作品は世間の評価ほど面白いとは思わなかった。  映像化が難しい作品をあえて選択した勇気は評価したいが、誤解を恐れずに言えば、基本的に「叙述ミステリー」は、ストーリーとは無関係に「読者を混乱させる事」が目的化している部分があるので、騙され方に好き嫌いがはっきり出るタイプ。  トリックに関わる部分は、わざと大胆に扱うという事で上手く処理してあるが、ミステリーの見せ方としてはルール違反ギリギリ。また「シックスセンス」以降、同じような表現パターンは既に他の作品にも見られるありきたりなものになっていて、サプライズのためだけにある叙述トリックによるオチが、ほとんど効果を上げていないのが残念なところ。  「少女の首にハサミを突き立てるハサミ男が、自分の手口と同じ方法で殺された死体を発見してしまい、殺人鬼が殺人鬼を探すハメに」という、この序盤に提示される謎は最高に魅力的で、先の展開を期待させるが、ミステリーの醍醐味である、「フーダニット」、「ホワイダニット」という謎掛けの魅力に比して、真相がありきたりで、つまらなさが際立ってしまっているのが何とも残念。  つまり、その叙述トリックの部分が、「キャリア警視の便乗殺人だった」という、「もう一つの真相」とストーリー的にも、トリック的にもほとんどシンクロしていないという点が問題。警視にしてみれば、どの殺人事件に便乗しても良い訳で、ミステリー的な関連性という意味において、「ハサミ男が多重人格者でなければならない必然性」が無い。  それに加え「世間に公表されていない情報を知っている」という地点で、「真犯人は警察関係者なのでは?」と容易に予想もついてしまうので、中盤辺りまで来れば、多少この手の作品を見慣れている人にとっては、事件の全体像はバレバレ。そのため余計に「多重人格オチ」の弱さが際立ち、メインの謎の真相としてはインパクトに欠けたものに感じられてしまう。  ラスト辺りのダラダラ感もマイナスだし、終始鳴り続けているワンパターンなBGMも耳障り。麻生久美子の破滅的な殺人鬼の演技はなかなか魅力的だったのでおまけで5点献上。
[DVD(邦画)] 5点(2006-08-13 14:12:51)(良:1票)
26.  ハウス・オブ・ザ・デッド 《ネタバレ》 
元々たいしたストーリー性も無く、魅力的なキャラもいない、シューティングゲームがメインである「ハウス・オブ・ザ・デッド」を映画化しようと言う発想が分からない。あえてこのゲームを素材として採用する製作衝動って何?B級ホラーを作るにしても、他に暖めているアイデアも無いのかとスタッフを問い詰めたい。ネームバリュー頼りだとしたら志が低すぎないか?  また、どうせやるならやるで、ちゃんとゾンビ映画として成立するくらい大きくストーリーを膨らませるか、それが出来ないなら、とことん「おバカ路線」で突き進むかのどっちかに徹底すべき。そのどちらにもなっていないから駄作なのよ。  いちいちアイキャッチのようにゲーム画面を挿入したりするのも場違いな演出でウザいだけ。  アクションにしても、おふざけにしても、何もかもが中途半端で、製作資金や技術力以前に、「何をメインに、どう見せるべきか」という基本的な演出センスが無い。  作品の方向性としては「ブレインデッド」を目指したかったのかも知れないが、あの作品との決定的な違いは、B級映画としてのプライドとバカ映画としての「徹底感」の無さ。  例えば教会前での銃撃戦でも、「なんでお前はロケットランチャー持っとんねん!」とか、「どこから火炎放射器出したんや!」とか、「いったい何万発撃っとんねん!」みたいに、突っ込んで楽しめるくらいに、ハチャメチャにやればいいのに、肝心なところでゾンビ映画として中途半端にリアルにしようとするから、つまらなくなっている。カンフーアクションにしても、やるならワイヤーとか使って、「マトリックス」のパロディになるくらいに派手にやらないと、アクションのショボさや中途半端さが目立つだけ。  オチにしても、「いつの間にか登場人物がゲーム内のキャラクターになっている」とか、逆に「ゲーム内のゾンビが画面から出てきて街中に溢れ出して行く」、くらいの終わり方に出来んもんかねえ、監督さん…。
[DVD(字幕)] 1点(2006-07-31 10:36:48)
27.  バーバー 《ネタバレ》 
「自分は何のために生きているのか」、「自分は何が出来るのか」といった、誰もが共感できるであろうテーマを中心にしっかり据えることがいかに作品として重要なことかを再確認。  次々と望んだ結果とは違う方向に展開してしまう主人公の人生の顛末がどうなるのか、先の展開が分からないので、最後まで飽きずに見ていられる。  結局は主人公の自業自得ではあるものの、彼の選択を一方的に断罪することが出来る人間が果たしているだろうか?「自分は何か出来る人間だ」、「このままでは終わらせない」という気持ちは誰でも持っているはず。しかしどんなに努力をしたり、現状を変えようとしても悪い結果になってしまう事はあるものだ。皮肉な運命の変遷に翻弄される主人公の滑稽とも言える姿は、たった一度の人生にあって、様々に足掻く我々の姿でもある。  問題は、その結果を「自分の選択と自己責任の帰結」として受け入れる事ができるかどうかだろう。最後まで淡々と自分の運命を受け入れた主人公。自分の人生と照らし合わせて見て、色々と考えさせられる作品。
[ビデオ(字幕)] 9点(2006-07-10 00:35:49)
28.  パズラー<TVM> 《ネタバレ》 
これまた自分で登録しておいて、こんな評価はしたくないんですが(w、中途半端な作品です。「パズラー」という邦題とはまるっきり無関係な、ありがちサスペンス。期待していたミステリー的な謎解き要素は皆無。強盗の残した財宝を巡っての密室ミステリーを期待してはいけません。  この手の作品にしては珍しく、良くも悪くも、犯人以外は、ひとりも死者が出ない生ぬる~い内容(強盗は除く)。
[DVD(字幕)] 3点(2006-03-02 00:16:56)
29.  バトル・ロワイアルⅡ 鎮魂歌 《ネタバレ》 
前作も薄っぺらかったが、今作はそれに輪をかけて薄っぺらく、荒唐無稽。  根底にある単純な「反国家権力」や「戦争批判」、「大人社会に対する反抗」といった幼稚な内容にはうんざり。これでは、安易なアメリカ追従主義に対する警告も、どこまで本質を理解した上での発言か怪しい。  相変わらず、国のやる事が真面目なのか、ふざけているのかすら分からない。孤島に篭城しているガキの集団でしかない数十名に対処できない国家って(w。そもそも島に閉じ篭るテロリストなんているか?爆撃されたら終わりじゃん。テロリスト以外、他に被害も出ないし、対処する側にとってこんなにありがたいテロリストもいない(w。  また、送り込む連中に首輪をつけるのはいいとしても、相方が死んだらもう一人も爆死ってどういうコト?敵側を有利にしてどうするよ?投下物資にもアタリハズレがあるって、どういうコト?いったい何をやりたいんだ、政府は?  他にも軍資金をどうやって調達しているのかとか、素人のガキが自衛隊員と対等に戦えたり、国際的に指名手配されてるのに簡単に国外に逃亡できたりとか、もう突っ込み出したらキリがない。あまりにもリアリティと説得力に欠ける内容。
[ビデオ(字幕)] 1点(2005-09-24 07:24:03)
30.  バイオハザードII アポカリプス 《ネタバレ》 
ゲームの映画化としては前作よりも完成度が高い。まったく世界観を崩すことなく丁寧に作られている点は好印象だし(もっとも元のゲーム自体が「ゾンビ映画をゲーム化」したようなものではあるけど)、ゲームのファンとしては嬉しい限り。  ただ、やはり元々のゲーム版もそうだけど、肝心のストーリーのレベルはお世辞にも高いとは言えない。「トゥームレイダー」同様、ゲームの場合は能動的なアクションや謎解きが中心なので、多少のストーリーの粗やご都合主義も気にならないけど、これが映画として受動的なメディアになると、途端に悪い意味でストーリーの単純さや粗さが目立つ。相変わらずアンブレラは単に「謎の巨大企業」としか説明されないし、その研究成果が生物兵器への転用という発想も安っぽい。  全体的には前作よりもスケールは大きくなっているし、ジルや「追跡者」が出てきたりするのもファンとしては嬉しいけど、作品の中での扱いが中途半端で、いまいち活躍の場が無いのが残念。ストーリーも単にゲーム版をなぞっている程度で、逆に今後のゲームのシリーズに影響を与えるような大胆なエピソードや謎が出てこないのもつまらない。  まあ、はっきり言えば、この映画を見るくらいなら、ゲーム版をプレイしていた方がはるかに面白い事は確か。本末転倒。
[ビデオ(字幕)] 5点(2005-08-20 07:35:14)(良:3票)
31.  パッション(2004) 《ネタバレ》 
作品そのものの評価より、この時期に、こういうストレートな宗教映画を作る意図について色々と深読みしたくなる。  メル・ギブソンは、キリスト教については原理主義に近い考え方のようで、より生々しくキリストの「受難」を描く事で、見る者に「人間としてのキリスト」を印象付けさせ、感情移入(すなわちキリスト実在のリアリティ)を促す意図があるように思う。  誤解を恐れずに言えば、一神教がアイデンティティの基盤にある民族の危険性や不寛容をさらけ出す内容にもなっていて、狙ったものなのか、非常に「保守的」な作品となっている。  まあ、宗教というものは、信仰は信仰として持っていても、心の何処かで冷静に相対化しておく余裕が無ければ危険ということだけは確かでしょう。価値の不寛容からいちいち争いを招いていては、それこそ本末転倒というもの。   この作品を機に、一神教と多神教の違いや、宗教成立の歴史と民族性といった事を勉強してみるのも良いかと。   ただ、宗教に対する興味の有無に関わらず、この作品が映画として面白いかどうかは疑問。展開と言えば、ひたすらキリストが鞭打たれるシーンばかりで単調だし、かと言って、キリスト教に対する新しい宗教観の解釈がある訳でもないので、宗教映画としてもつまらない。  はっきり言って、こんなバイアスがかかった作品を見るくらいなら、普通の宗教学の本を読んでた方が知識が偏らなくて良い。
[ビデオ(字幕)] 3点(2005-04-30 13:05:05)
32.  ハイ・クライムズ
軍隊時代の夫にかけられた冤罪を晴らすため、弁護士の妻が国家の秘密主義と戦う。ラストのどんでん返しが安っぽい。いかにも「取ってつけた」ような、誰でも予想の範囲内のありがちなオチ。それよりも、もっと「法廷劇」を突き詰めて欲しかった。見る人は、そっちを期待しているんじゃないの。これまた中途半端。
[ビデオ(字幕)] 4点(2005-04-23 16:21:18)
33.  ハウルの動く城
映像表現技術のレベルの高さやセンスなど、肯定的に受け取れる部分も多いが、それらを全て相殺してしまうほど、今作はあまりにも脚本構成が雑すぎる。既に言い尽くされているが、登場人物の言動やストーリー展開に意味不明&説明不足な部分が多すぎて、そこに何か訴えかけたいものがあっても、伝わるだけの説得力に欠けている。  魔法やファンタジーの支配する世界だからといって、話に整合性が無くても良いはずがない。原作の問題ではなく、今回に限って言えば、描けるはずのテーマの一つひとつを丁寧に描き込む手間を面倒くさがっているような、監督の映画作りに対するいい加減な態度にこそ問題がある。  「馬鹿げた戦争」と連呼しながら、何がどう「馬鹿げて」いるかの説明もない、薄っぺらな左翼的反戦思想。そのくせ、ソフィーを守るためとは言え、敵を攻撃しまくるハウルの行動についてはヒーロー的な側面ばかりが強調され、そこに罪悪感や戦いに対する葛藤が描かれる事もない。  本来あるべき魔力を使う事で人の心を失うハウルの葛藤や、老いに対するソフィーの絶望感もほとんど描かれる事がなく、妙にケロっとしているから、切迫感も感じられない。  また、登場人物同士の触れ合いや心を通じさせるだけのイベントも無いのに、「愛してる」だの「みんなは家族」だの奇麗事を並べられても、見ている側にしてみたら「ハァ?」と言うしかない。「なし崩し的にみんな良いヤツ」パターンも、今回はあまりにも必然性に欠けている。あんたら知り合ってどれだけ経ってんの?作品内時間で見たら、長くても一週間くらい?その程度の付き合いで相手の何が分かるの?そんなものは分かった気になっているだけじゃないの?  すべてが行き当たりばったりな結果の羅列であり、その過程が描かれる事がないまま映画は終了。後半に行くにつれて、明らかに館内にシラけた空気が漂うのをヒシヒシと肌で感じた。  その他、「ファンタジー的演出以外で城が動く必然性がない」とか、「荒地の魔女が宮殿に出向いた理由が不明」とか、「偶然落ちた崖下に、何で過去への扉があるのか」とか、突っ込み所やその改案などは数え切れないほどあるが、容量不足なので書きたくても書けません(w。
3点(2004-12-16 00:56:46)(良:2票)
34.  バニラ・スカイ 《ネタバレ》 
期待しなかったのが良かったのか、それほど悪くはないですよ。内容的には、非っ常によくあるパターンですが、作りは丁寧だし、展開も分かりやすい。まあ、「世にも奇妙な物語」の二時間版とでも思えば良いでしょう(以前に似たのが何作もあったような)。  ただ問題点は、全体的にダラダラしている事と、前半までで、すでに現実の出来事ではあり得ないような展開を見せることがマイナス。  この手の「夢オチ(もしくはバーチャルリアリティオチ)」は、現実と非現実の「バランスの取り方」こそが肝であって、あまり非現実的な演出に傾くと、すぐにオチがバレてしまう危険性があります。そこのバランスが悪い。  また、本当に「死んでから」冷凍保存されてもダメでしょう(笑)。脳が死んだら「夢」も見れませんよ。  ただ、ラストのビルの屋上のシーンは素晴らしい。白日でも黄昏でもない、まさに夢幻のごとき境界の世界を象徴するかのようなバニラの空を背景に、「甘き死の眠りの中で、虚構の夢を見続けるか」、それとも、「現実に目覚め、真実の生を生きるか」の二択を迫られる場面は見る者の胸を打つ。  惜しいのは、空へ飛び出す決心をして走り出しながら、また立ち止まって振り返るところが明らかに蛇足。「ネコになってまた会おう」と、現在はもういない彼女の幻影に語りかけるところで、すべての決心はついているはず。そのまま虚構の世界を振り返らずに飛び出して欲しかった。
6点(2004-10-17 13:49:18)
35.  バタリアン
以前に見たものの、すっかり完全に内容を忘却していたので、もう一度借りて見てみましたが、正直イマイチでした。やはり、当時もそれほど印象に残らなかったのは、作品としての中途半端さに原因があるように思います。傑作「ゾンビ」へのオマージュとしては、ゾンビがあまりにもアクティブ&クレバーで(笑)、まるでゾンビらしさがありません。ただの肉食獣と変わらないような描き方をしてしまっては、それはただの「パニック映画」でしかなく、「ゾンビ映画」とは言えなくなってしまいます。パロディとしても、ストーリー展開やラストがありきたりで、パロディというには工夫が無さ過ぎます。とにかく、ゾンビは素早く動いたり、生前と変わらずしゃべったりしてはダメなんです!そこがイイと言う人もいるでしょうが、それではゾンビとしての魅力や存在理由が希薄だと思います。
6点(2004-10-03 19:39:11)
36.  博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか
この作品が戦争に対するブラックコメディを狙ったと言うよりも、第二次世界大戦後の軍拡競争という、滑稽な大国の「覇権主義」と「自己目的化」自体が、既に愚かしいコメディの要素を内包していたと言う事ではないでしょうか。その結果の滑稽さを嫌でも直視させるこうした映画こそが、意外と今まで核戦争を抑止させ得る効果を持っていたのかも知れません。だとしたら10点でも足りませんが(w。  ただ、当時としては非常にインパクトがあっても、さすがに今となっては、こうした核戦争を題材にした反戦映画も目新しくありませんし、どうしても古さは否めません。当時の時代性と危機感を象徴した反戦映画の走りという点に敬意を表してこの点数で。
7点(2004-08-30 09:49:07)
37.  半落ち 《ネタバレ》 
好きな人には申し訳ありませんが、こういう「泣かせよう、感動させよう」という狙いが露骨に見える設定や演出はどうしても受け付けません。  作品の出来としても中途半端。あんなオチでは、到底ミステリーとは呼べないし、ドラマとしてもテーマが押しつけがましい。  もちろん、言いたいことはよく分かりますよ。「人間の尊厳」とか、「魂の在り処」とか、「骨髄移植によって受け継がれていく命の重みと自己存在の意味や価値」とか。  しかしそういう点を理解していても、この感動の押し売りと、大雑把な展開には抵抗がある。きちんと描くべき「妻を殺すか、殺さないか」といった元刑事の動揺や精神的葛藤も、導入の謎のためないがしろにされていたりする。また、警察の隠蔽体質批判や内部対立など、物語の主軸がブレていて、共通のテーマの割に、各々描ききれていないアンバランスな結果になっている。「始めに感動ありきで、あとは水増し」、という姿勢で作るからこういうちぐはぐな印象を与える内容になる。  出演者もメジャーどころが多い割に、何故か大根に見えるのも痛い。多分、用意されたセリフ回しや演出の陳腐さに原因があると思う。  「人は誰の(何の)ために生きているのか」というテーマなんて、漫画にしろ小説にしろ、どんなジャンルでも描かれる基本中の基本。ことさら声を大にして押し付けるようなマネはして欲しくない。
3点(2004-08-20 00:53:19)(良:1票)
38.  ハルク 《ネタバレ》 
予想通りの内容、展開ではあるが、潤沢な資金のもとに、優秀なスタッフが成し得た「仕事」という感じで、思っていたよりはまともな出来。今作のように、最新の技術で漫画や過去の作品のリメイクなどを積極的に実現して行こうとする姿勢は日本も見習うべき。  ただ、さすがに元々がアメコミだけあって、この暑苦しいキャラデザや脚本の稚拙さはいかんともし難い。CGハルクの動きも軽すぎて重量感が感じられず、せっかくのパワフルな描写が生きていない。とにかくピョンピョン飛び過ぎ。ノミじゃないんだから。また、戦車を素手で破壊するというのもちょっとやり過ぎ。ひっくり返したり、他の戦車にぶつけるくらいが、良い意味でのリアルな演出だと思う。軍の対応も相変わらず「軍事利用」の一点張りだし、やたら攻撃するだけの対策も頭悪い。怒りで強くなるって分かってんだろ!?  ハルクのオヤジも何がやりたいのかイマイチ分からない。そもそも遺伝子改良を施されただけで、ハルクはまだしも、オヤジが豹変し過ぎ。ラストに至っては完全に生物レベルから逸脱していて、見ていてシラける。あげくにエネルギーをよこせと言ったと思ったら、もらい過ぎて自滅してるし、もうアホか、バカかと。  ミサイル攻撃を受けようが、どんなに引っ張られようが絶対に伸びたり破れたりしないパンツのほうがはるかにスゴい。まさかパンツも特注?あと、最近の映画に共通しているが、大作感を出したいのか、時間が無駄に長すぎる。この作品も編集し直して、もう30分も縮めれば、もっとテンポの良いアクション映画として見れたのにと思う。
4点(2004-06-16 00:38:40)
39.  発狂する唇
荒唐無稽なストーリーに無茶苦茶な人物設定。まあ、これが監督の意識した上での脚本だとしても、やはりこういう「上っ面だけの滅茶苦茶さ」を「前衛的」などと評価することは、足で描いたラクガキを「芸術」と評価する行為と同じだろう。この手の方法論は、金を取らない自主制作映画だけに止めておいて欲しい。金を取っていい内容ではない。この作品や「キル・ビル」の評価でもそうだが、普段、映画だけでなく、優れた漫画やアニメの持つ本当の刺激に接していない人ほど、ちょっと奇抜で過激な演出に「これはスゴイ!」と過剰反応してしまうような気がする。何でもメチャクチャやりゃあ良いってもんじゃない。
0点(2004-06-14 18:06:47)(良:3票)
40.  裸の銃を持つ男
実にアメリカらしい正統派コメディ。1分に1回は必ず分かりやすい小ネタが入るサービス精神には感服。その王道的な笑いを気軽に楽しむ娯楽映画。ただ、安心して見ていられる反面、「笑い」を考察する上での評価としては、チャップリンのような古き良き時代からの進化がほとんど無く、私も含めて既に見ている側も大半は「ネタそのものではなく、お約束であることを笑う」という逆説的な笑い方になってしまっているのではないだろうか(特に「お笑い先進国」の日本では)。日本のお笑いのように、シュールさや台本の無い「素」のリアクションすら飽きられつつある中で、台本に則った「計算されたコント」がどのように進化していくべきなのか、それを考える上でなら見る価値はある。
5点(2004-05-02 22:52:52)
0475.50%
1627.26%
2647.49%
312514.64%
416319.09%
514516.98%
6829.60%
7758.78%
8495.74%
9303.51%
10121.41%

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