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目隠シストさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2251
性別 男性
ホームページ https://twitter.com/BM5HL61cMElwKbP
年齢 52歳
自己紹介 あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

2024.1.1


※映画とは関係ない個人メモ
2024年12月31日までにBMI22を目指すぞ!!

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61.  バリア 《ネタバレ》 
4人に地図を渡したのがトラヴィスの仲間だとしたら、何故そんな回りくどい遣り方をしたのでしょうか。人を雇って送り込む方が手っ取り早い。城の出現と入城には、作中語られていないルールが存在すると推測されます。まず考えられるのが、城の秘密を知らない者が自発的に赴くという行為自体が城出現の条件になっていること。時間に余裕がある好奇心旺盛な若者なら、打ってつけと言うワケ。次に人数の問題。救出を考えるなら、送り込む人間は少ないほどいい。1人なら有無を言わさず代わればいいのだし、2人でも騙すのは容易。4人組を選んだ事にも意味があるのでは。この城はきっと“団体様のみ大歓迎”なのです。つまり男が単身で探し回っている限り、城には辿り着けないということ。親友が囚われてから早2年の月日が流れた。それが次元の狭間に存在する城で換算すると何年分に相当するのか。死にはしない(というか死ねない)のだろうけど、廃人になってしまう。早く同じ手順で罠を仕掛け、身代わりを送り込まないと。アンチエイジングに興味があるマゾ体質なら少しは良心が痛まない。自分ならエステティックサロンとSMクラブに潜入し、身代わりを探します。オマケでお肌キレイキレイになって、新たな世界に目覚めたりして。…とまあ、設定が面白いので不明部分を想像して楽しむ分にはイイのですが、純粋な物語としての出来はイマイチ。無駄に長く、作りこみが甘い。タレント本でもあるまいに、余白を取り過ぎです。『世にも奇妙な物語』の1篇で丁度いい感じ。あるいはリメイクで良くなりそうな映画です。
[DVD(字幕)] 5点(2011-01-07 19:29:35)
62.  バンテージ・ポイント 《ネタバレ》 
スペインで起きた米大統領狙撃事件。現場に居合わせた関係者それぞれの立場から、リアルタイムで事件を振り返るという構成です。なかなか面白かった。ただ“立場が違えば白も黒に思える”とか、“四角錘が三角形に見える”といった類のものではなく、単純にカメラ位置の違いだけだったのが残念。このアイデアなら、目撃者の錯誤の妙や心情部分にまで迫って欲しかったと思いました。また、繰り返される狙撃までのシーケンスが本作のセールスポイント。その中で物語を完結させた方がスマートだったと思います。結果的に狙撃後の犯人追走のカーチェイスに物語の重点が置かれてしまった点は、いささかピントがずれている気がします。悪くはありませんが、もっと面白く出来たのにと思う惜しい作品。
[DVD(字幕)] 5点(2010-07-30 23:22:58)(良:3票)
63.  ハイキック・ガール!
ノーCG・ノーワイヤーでリアルアクションの魅力を世に知らしめたタイ映画『マッハ!!!!!!!!』同様、本作でも生身の格闘アクションが存分に楽しめます。ベースとなる格闘技は空手。やはり本物の空手家の動きは役者のそれとは一味も二味も違う。実戦空手の凄みを堪能しました。ただし演出は良くなかった。これでもかと反復される格闘シーケンス。同じ組み手を何度も見せられます。意図は判りますが、くどいと逆効果。スゴイものほどサラリと流すのが粋だと思う。エフェクトを使わなくても“魅せられる”レベルにあるアクションを誇っていただきたい。格闘シーンの素晴らしさに紛れていますが、物語の薄さはかなりのもの。ペラペラです。脚本はほとんど仕事をしていません。次回以降の要改善ポイントかと。『芸者VS忍者』の佃井皆美、そして本作の武田梨奈。邦画アクション部門に期待の新星が次々と現れてきたのは嬉しい限り。これからどんどん名前と顔を売って、お客の呼べる女優になってください。『芸者VS忍者』と同じく、+1点のおひねり込みで7点献上。
[DVD(邦画)] 7点(2010-06-21 20:48:04)
64.  春との旅 《ネタバレ》 
他人の家を覗き見る感覚のロングショットに、揺れる心と重なる手持ちカメラ。段落ごとに背景が変わるロードムービーの特性も相まって、視覚的に観客を退屈させません。さらに役者は芸達者を揃えました。しかもその起用法が凄いです。名優小林薫をチョイ役で、しかも顔を映しません。なんと贅沢でしょう。徳永えりの役作りも深かったです。見応え十分。細部まで創り込まれた良質な映画を堪能しました。ただ難点があるとすれば、演者の芝居が“立ち過ぎていた”こと。リアリティを欠いた気もします。しかし、その“嘘臭さ”に意味がある物語だったかもしれません。主人公は我が身の置き処を求めて親類宅を訪ね歩く老人とその孫娘。これまで人生の意義を問う旅でした。血を分けた兄弟間の確執は長年積み重ねてきた産物。誤魔化しが効きません。だから痛いのです。そして遠慮がありません。どの兄弟の言い分ももっともでしたが、中でも長女の説教が一番心に響きました。“春の人生を犠牲にするな”この言葉の重さを、2人はどれだけ理解していたのでしょう。自分の我侭を理解しつつも、甘えを止められない忠男。そんな祖父から離れられない春。情はあって当然です。2人には積み重ねてきた時間があります。でも“支え合い”ではなく“寄り掛かり”では何時か潰れてしまいます。望まないなら辛くない。もがかないから痛まない。「こんなもんだ」と諦めてしまえば、人生は確かに楽なのだと思います。でも忠男がそれを望むのは烏滸がましいですし、春が悟るのは早過ぎます。自立して自分の道を歩いてきた長女には、2人の生き方が歯痒かったのだと思います。ところで、あの結末は希望でしょうか、絶望でしょうか。ポックリ逝ければハッピーエンド。寝たきりコースならバッドエンドとの見立てが妥当でしょう。顛末が明かされぬ以上、観客は望む結末を選べば良い訳です。現実的で切実な題材だからこそ、逃げ道が必要でした。この結末は監督の優しさ。そう理解します。ただそうだとしても、死ぬのが幸せって何なんでしょう。自分は、長女にこき使われながら慣れぬ薪割りに精を出す忠男の姿を思い描きたいです。泣きべそかきながら自分の夢を探す春を見てみたいのです。夢物語かもしれません。でも“10年以上前に別れた義理の息子の後妻(しかも美人!)が、初対面の年寄りと一緒に暮らしたいと申し出るファンタジー”に比べれば、慎ましいお願いじゃないですか。
[映画館(邦画)] 8点(2010-06-03 19:21:12)(良:1票)
65.  バンコック・デンジャラス 《ネタバレ》 
冷徹な暗殺者が、ある出会いをキッカケに人間性を取り戻していくヒューマンドラマ。主人公を変えたキーパーソンは、運び屋として雇ったチンピラと薬局勤めの女でした。彼らは主人公が今まで出合ってきた人間と何が違うのでしょう。おそらく何も違わない。違うのは主人公自身の内面の方。彼はバンコクでの仕事を最後に暗殺稼業から足を洗うつもりでした。その心の緩みが彼に自身の掟を破らせたのだと思う。初めて犯した暗殺ミス。彼は一貫してターゲットを「誰かにとっての悪人だ」と述べています。善悪の判断を要しない暗殺者らしいモノの言い方。彼は弟子が善人だという政治家を殺せませんでした。良心の呵責?いや、そうじゃない。そもそも彼は、善悪を判断する術を持ち合わせていません。単純に主人公は、弟子に軽蔑されたくなかったのだと思いました。自分をヒーローと信じる弟子の期待を裏切れなかった。どれもこれも実に人間らしい弱さの表れと言えます。一流の暗殺者にしてはメンタリティが弱い気がしますが、強固なダムも決壊したら脆いもの。主人公はずっと無理をしてきたのかもしれません。ラストの戦いで、素人相手に不覚を取ったのは、主人公がもう一流の暗殺者ではない証。相応しい最期だったと思いました。自分好みのストーリーなのですが、キャラクターが魅力に欠けるのが残念。ニコラス・ケイジは善人キャラの役者。主人公の心の変化に驚きを感じ難い。2人のキーパーソンも感情移入する要素がなく、影が薄いです。聞けば本作はリメイクとのこと。設定が微妙に違うオリジナルのタイ映画を観てみたいと思いました。
[DVD(字幕)] 5点(2010-05-01 18:42:38)
66.  母なる証明 《ネタバレ》 
息子の無実を晴らすために東奔西走する母親は強い母の顔。真相を知ってうろたえる姿は弱い母親のそれ。どちらも真実の母の姿だと思いました。もちろん彼女の行動は常軌を逸しています。現実にここまでやる母親は、そうは居ないはずです。ただその心情は理解できましたし、また興味深いものでした。特に遺族のもとへ赴き、息子の無実を訴えた場面が印象深い。彼女は「息子を恨むことを許さない」と言いました。一時的に恨まれたとしても無実が証明されれば、それで良しとするのが普通。遺族の気持ちを慮れば、致し方ないこと。でもこの母親はそれを我慢できなかった。ハンディキャップを持つ息子を抱え、彼女はずっと防衛本能を研ぎ澄ませてきたのだと思う。息子と自分の平和を脅かす全てのものを、彼女は排除しました。その結果、彼女は親子で囲む食卓を取り戻した。ただし、元通りではありません。突然、幼児期の虐待の記憶が蘇ったように、息子はいつか自分の犯した罪を思い出すかも知れない。その漠然とした不安は一生涯彼女を苦しめ続けるでしょう。殺害現場で拾った証拠品を母に差し出す息子の無垢な眼差しは、まるで全てを見透かしたかのようで薄ら寒い。何よりも暖かく心和む息子の瞳に、これから彼女は怯えながら生きていく。これが彼女に課せられた罰。この母親にとって、これ以上の痛みは無いはずです。恐怖から逃れるため記憶を失くすツボを刺し、狂ったように踊る母。二度と安らぎは訪れない。でもそれが彼女の選んだ道です。もし人生をやり直せるとしても、彼女はやはり同じ選択をする気がする。人として間違っている。でもそれが彼女にとっての“母である証”なのだと思う。
[映画館(字幕)] 8点(2010-04-16 18:45:28)
67.  パコと魔法の絵本
中島監督の前作『嫌われ松子の一生』のテイストを色濃く継承している本作。CGを多用したエフェクトも、色彩豊かな背景も、一見してパワーアップしています。見た目は華やか。でも作品としての力強さは前作に遠く及ばないと感じました。何故か。それは“人を描くこと”が不十分だからです。奇抜な衣装を纏い、どキツイメイクを施した“誰かさん”が、なにやら喋っている。そんな印象。パコ以外の人たちが、どんな表情をしていたのか思い出せません。顔は心を映し出す鏡。役者の表情をきちんとカメラが捉えなければ、どんな熱演をしても報われない。特にヒドかったのが小池栄子。牙と眼鏡で表情を殺しておいて、一体彼女にどんな演技をしろというのでしょう。本作の人物造形は舞台仕様だと思います。後列の客席まで役者の感情を届けるためには、衣装やメイクで情報を単純化するのは有効な手段です。でも映画はお客全員が特等席。舞台と同じ遣り方では大雑把過ぎます。繊細な感情を伝えられる映画の強みを活かさなければ、映画である意味がありません。しかも本作はピント外れな方向に力を注いでしまった。前作が素晴らしかったのは、中谷美紀演ずる松子の想いが、観客の胸に届いたからです。CGの装飾に観客は涙した訳ではありません。監督は其処を見誤ったのではないかと。ケーキの価値は、デコレーションの豪華さにあらず。スポンジ部分の旨さで決まる。監督には役者の技量を信じて欲しかった。幸いな事に、本作の演者はみな芸達者でした。手足を縛られた状態でもいい仕事をしてくれています。それなりの感動が味わえるのは、彼らの頑張りのお陰だと思います。正直、本作は失敗作だったと思う。監督にとって痛恨の一作ではないか。ただし、実写とCGキャラクターの融合を図った試みは評価したいです。次作での軌道修正を期待します。
[DVD(邦画)] 5点(2010-03-08 19:47:52)(良:3票)
68.  ハンサム★スーツ 《ネタバレ》 
(モロバレあります。ご注意ください。)塚地のドタバタよりも、北川の女心に興味津々でした。塚地に愛を告白された北川は、一旦はその申し出を断ります。両思いだったのに何故?それは自分の美しい容姿ではなく、中身を見て欲しかったから。そこで彼女は一計を案じます。別人のブスに成りすまして、改めて彼に近づく。もし不細工な自分を受け入れてくれたなら、それは中身を見てくれた証。でもよく考えれば変な話です。北川と大島は、塚地にとっては別人。単純に北川への想いを断ち切り、大島を選んだだけのこと。それって北川にとっては寂しい事じゃないのかな。さらに引っ掛かるのは、真相を明かしても塚地は怒らないであろうという彼女の目論み。“中身が同じならブスより美人がいいでしょ”という価値観が透けて見えます。“容姿は関係ない”という割には不遜な考え方では?女心はワカランです(と言うより、鈴木おさむがワカラン)。恋愛物語として釈然としない。ではどうだったら腑に落ちたかというと、大島ブスーツを脱いだとき森三中の村上が出てくれば良かったんですね。それなら掛け値無しに、見た目より中身です。どんでん返しとしてもアリ。でもそんなラブストーリーは見たくない(苦笑)。それにしても塚地は不甲斐無い。もし自分が塚地だったら北川にこう言ってやりますよ。「俺は本気で君に惚れたんだ。容姿とか性格とか問題じゃない。人を好きになるってのは、その人を丸ごと好きになることなんだ。人の気持ちを値踏みする君には分らないだろうね。北川も大島もどっちも愛していたけど、サヨナラだ」くぅ~ッ、言って見てえ~(元18KIN今泉風)。でも絶対言わないです。だって美人とお付き合いしたいんだも~ん。
[DVD(邦画)] 5点(2010-03-02 19:41:20)(笑:1票) (良:1票)
69.  Happyダーツ 《ネタバレ》 
スポーツ感動系ドラマのお約束を踏襲しているため、それなりに纏まっています。ただしポイントがずれている気がします。主人公はダメOL。仕事はいい加減、私生活は不倫でグダグダ。彼女がダーツを通じて何を学ぶか興味があったのですが、「天職を見つけた」「本当の恋をした」以上の価値は見出せませんでした。人生が良い方向へ転換したのはおめでたいですが、別にダーツじゃなくてもよかったと思います。これではいけません。ダーツに必要な「集中力」「精神力」で彼女が人間的に成長しなかったら、この題材を扱った意味が無いと思うのです。ダメOLがダメなままでは情けないです。結果的に会社を辞めるのだとしても、まずは一人前のOLになること。遊び呆けた挙句に、仕事を投げ出したように見えたのはマイナスでした。特訓シーンはスローイングの反復練習に終始します。実際そうでしょうが、エンターテイメントの味付けが欲しいところ。ぶちまけた大量のボールペンを投げて片付けるとか、コピーで集中力を養うとか。OL業とダーツの練習を上手く融合できたら面白かったかと。困ったときの「汗」、恋心を表す「ハート」など、マンガチックな記号を用いた演出には、残念ながら疑問符が付きます。場当たり的でセンスが悪いです。また真剣に演技をしている女優さんにも失礼です。一番残念だったのはクライマックスのトーナメント決勝。あの決着のつけ方はナイと思います。真面目に観ているこっちがバカみたいでした。主演「逸見えみり」というヌルさが、そのまま作品に表れていました。自分はハッピーダーツよりハッピーターン(お菓子)の方が好きかな。小ボケ失礼。最後に如月さんについて触れておきましょう。強烈なルックスで主役を喰った巨漢女。本当にあんな感じのアイドルプレイヤーがいるのだとしたら……ダーツ界、恐るべし。
[DVD(字幕)] 5点(2010-01-28 19:57:27)
70.  ハムナプトラ3/呪われた皇帝の秘宝 《ネタバレ》 
前二作とも鑑賞済みですが、あまり内容は覚えていません。ですから、シリーズ一見さんの感想と思ってください。クライマックスの合戦や皇帝のキングギドラ化等、見栄えのするシーンは結構あります。兵馬俑を蘇らせたアイデアも面白い。真っ当な娯楽大作だと思います。でも、お金をかけた割には安っぽい気がする。例えば序盤のホース&カーチェイス。それにヒマラヤ決戦。CGと生身の人間との間に、温度差を感じるのです。CGの質が悪いとは思いませんが、作り物感がある。醒めた目で眺めてしまいました。これは映像技術の問題ではなく脚本の問題。世界にのめり込んでいれば、張子の虎でも怖いですから。筋は何とか追えるけど、重要なピースが幾つか抜け落ちているようで頼りない。脚本に難ありです。ちなみに吹替え版を鑑賞したのですが、さっぱり。ジャッキー・チェンの石丸博也やブルース・ウィリスの野沢那智、シュワちゃんの玄田哲章など、名吹替も多いなか、本作のような吹替に当たると本当にガッカリします。誘客を優先するがゆえに作品の質が低下したのでは意味がない。長い目でみて結果的に誰も得をしません。
[CS・衛星(吹替)] 5点(2009-07-05 19:50:34)
71.  バイオハザードIII
Tウィルスにより死滅した文明。荒涼とした砂漠をひた走るタンクローリー。まるで『マッドマックス2』の世界観です。かの名作と比べてみると、本作に足りないものが見えてきました。それは“食と水”。飢えと乾きを伝えてこそサバイバルの緊迫感が伝わってくる。その処理が本作は甘いと感じます。困窮した様子が窺えません。例えば缶詰の配給場面。「君はキャットフード」と冗談をいう件は、ドッグフードを犬とジャイロが奪い合う『マッドマックス2』の有名シーンを思い起こさせます。どうせなら作品世界の空気感を見習って欲しかったところ。主役の能力を飛躍的に向上させたことも危機感を感じ難くしている要因のひとつです。ただ、本シリーズが目指す路線を考慮するなら、これくらいライトな仕上りで問題ないのかもしれません。ミラ・ジョヴォヴィッチも精悍な顔つきが出来るようになりました。これでアクションシーンが多ければ尚良かった。結末は随分風呂敷を広げた感じがしますが、続編は大丈夫なんでしょうか。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2009-05-12 19:11:37)
72.  バースデイ・ガール 《ネタバレ》 
ニコール・キッドマンという女優、いや女性のタイプとして、個人的に苦手です。演技がどうこうではなく、顔が。あの目つきが怖い。いわゆる「性悪女」タイプに見えます。でも超がつく美人なのも間違いない。彼女に迫られて、断れる男はこの世に居ないと断言できます。自分も含めて(何のこっちゃ)。ですから主人公がナディアに惹かれていく過程には説得力がありました。彼女の危機に主人公が取った行動は、完全に常軌を逸しています。テンパリ過ぎにも程がある。でも人を愛すると人は狂うもの。彼女の正体を知り罵倒し嘲るのも、真剣だった事の裏返し。本気で人を好きになった気持ちは簡単には切り替えられないもの。バカな主人公に感情移入してしまいまいました。ラブストーリーとして納得できます。ただし先に述べたように、ナディアは小悪魔。最初からこの出会いに裏があるのはミエミエ。ですからサスペンスとして驚きが無いのが難点でしょうか。会話場面は少なめですが、「キリン」の件など小粋なネタにはニヤリ。
[DVD(字幕)] 7点(2009-04-06 20:02:33)
73.  パズル(1999) 《ネタバレ》 
主人公と自分を重ね合わせることでスリルを味わう。サスペンスを楽しむ場合の王道です。その観点から本作は難アリと感じます。何故主人公はゲームをプレイすると決めたのでしょう。あまりに荒唐無稽な話ゆえ、警察に信じてもらえないと考えたのか。あるいはマリアに対する恋愛感情がゲームに乗る事を選択させたのか。いずれにしても、よく分からない。黒幕の“カエル”は、ただの狂人。プロフェッショナルの厳しさがありません。幾らでも反撃のチャンスがあった。にもかかわらず、ずっと奴の統制下に置かれている主人公にヤキモキする。上手く作品世界に入り込むことが出来ませんでした。
[DVD(字幕)] 5点(2009-03-22 20:50:03)
74.  罰ゲーム 《ネタバレ》 
(ネタバレあります。ご注意を。)双子の兄弟、スタンリーとサイモン。兄のスタンリーは投擲マシンマニア(!)で、弟のサイモンは知的障がい者という設定です。スタンリーは19歳の時、弟と両親を手にかけ、以後殺人鬼に変貌した。弟の人格を演じながら旅行者を狩り、ミイラとなった両親と共に食卓を囲む。スタンリーがヒロインを気に入ったのは、彼女に母親の面影を見たからです。頭をカチ割られたスタンリー。彼が死ななかったのは、頭蓋が鉄のように硬かった(あるいは本当に手術で鉄板が入っていた)ため。冒頭の8ミリフィルムの真相が明かされます。殺されかけた幼児は、サイモンではなくスタンリーの方だった。すると以下のような疑問が湧く。母親が言うようにサイモンは本当に純真無垢だったのか?スタンリーは家族を殺したとき何を感じていたのか?兄だけを悪者で片付けられない隠れたドラマの可能性に気づきます。ダメホラーの典型とも言える無駄アイテム「馬に乗った幽霊」にも意味があるのかも。ところが、本作のテイストはあくまで「B級スプラッター」。それ以上でも以下でもありません。目に付くのは体を切り刻む残虐描写と、毎度お馴染み“弱すぎアホ過ぎ”の犠牲者たち。鍵となる冒頭のフィルムも、「カメラマンは誰やねん」とツッコミたくなる。ある意味、バカ映画として潔い姿勢と言えますが、折角のドラマを活かさないのは勿体ない。なお、オチは流れ的には納得出来ますが、悪趣味過ぎて個人的にNG。マイナスです。でも「サイモン・セズ」ゲームの存在を本作で知ったので加点します。
[DVD(字幕)] 4点(2009-02-28 00:26:17)(良:1票)
75.  ハッピーフライト(2008) 《ネタバレ》 
涙腺を刺激されるシーンが多かった事に驚き。いやコレは観る人によると思う。仕事に行き詰っていたり、職場の人間関係に悩んでいたりする人ほど、感じるものがある気がします。本作のメインテーマは、“仕事とは何か”。思わず笑ってしまうような仕事の縄張りから、陽の目を見ない裏方さん、手順段取りの妙。そして厳しさ。若手整備士の迂闊な段取りを咎める先輩整備士。帽子を被らない副操縦士をたしなめる機長。「そんな些細な事」と思います。でもそれは勘違い。プロの仕事に“些細な事”なんて無い。それが人の命を預かる仕事であれば尚更です。そう、頭では分かる。口では立派な事が言える。でも素直になれない自分がいるのも事実なのです。つまらないプライドが邪魔したりね。だから整備士やパイロットが叱られている時は、まるで我が身のように痛かった。そして改めて思いました。耳に障る事を言ってくれる人ほど有り難いものは無いということを。本作で叱られていた未熟者たちは、みんな成長したと思う。成長させてくれた人に、その機会を与えてもらったことに、感謝しなくては。自分と照らし合わせて無性に泣けてしまいました。個人的な事情はさて置いても、全体的に笑いは少なめだったと思います。物語後半はシリアスモードなので、お気楽な前半でもう少し笑いを稼げると良かったかもしれません。また時任三郎や寺島しのぶ等、プロフェッショナルの存在感が強すぎて主役が目立たなかったのも惜しい。もっとも主役がかすむくらい脇キャラが立っている映画というのも面白いものです。またこの手の映画の定番でありながら、安っぽいモノになりがちな恋愛要素も「頑張っている人へのご褒美」に思えて嬉しかったです。劇場の座席を機内にみたて、大スクリーンで鑑賞するのがお薦め。良作だと思います。
[映画館(邦画)] 8点(2008-11-23 19:45:42)(良:5票)
76.  パンズ・ラビリンス 《ネタバレ》 
開始20分で、これは良い映画(自分に合う映画)だと確信しました。ポイントは2箇所。まずは主人公が廃墟の迷宮を目の前にした場面。彼女は手にしていた本を“落したまま”、ラビリンスへ駆寄ります。ドラマでよく目にする定番の表現です。“驚き”や“没頭”を意味する。でも実際にはそんなことしない。落とした物は拾います。普通は。これは演劇におけるある種の記号。リアルさを追求する映画なら使わないほうが上品です。でも本作の場合は効果的だと思いました。彼女のパーソナリティと作品の立ち位置が一発で分かります。大佐が兎狩りをしていた父子を尋問するシーン。酒瓶の底で鼻の頭をガツンガツンガツン!!!大佐の本性が顕となり、強烈な驚きと痛みが物語への求心力に繋がります。掴みが上手い。どんなジャンルの映画でも大切な要件ですが、殊更ファンタジーでは、早い段階で作品世界へ観客を引き込むことが重要と考えます。主人公が目にする幻惑の世界。予想通りそれは彼女の心が創り上げたものでした。人は辛い現実と常に向き合ってはいられない生き物。夢と空想、現実逃避を織り交ぜながら、現実と折り合いを付けていく。でも少女の場合は偏り過ぎた。その技術を身に付けられなかった。想像の世界の中で幸福に包まれるよりも、辛い現実の中に幸せを見つける事の方がどんなに価値があることか。この世の“真実”を知らずに死んだ少女が哀れでなりません。ただ、自分の幸福よりも弟の身を案じることが出来たことは救い。彼女がこの世界で見つけた唯一の真実だったのかも知れません。
[DVD(字幕)] 8点(2008-11-02 17:54:28)
77.  犯人に告ぐ 《ネタバレ》 
“連続児童誘拐殺人”や“劇場型捜査”という刺激的な題材を扱っていますが、メインは主人公が警察組織の中で味わう“理不尽”や“軋轢”。誰でも普段から感じていること。共感し易いと思います。主人公の境遇は身に摘まされるものでした。役者の力量も総じて高く、見応えのある作品でした。ただ、リアリティを欠く箇所が多いと感じました。劇場型捜査のデメリットは、犯人を刺激したことで、次の犯行を誘発してしまうこと。現実にこういった捜査が行われない所以です。しくじった場合の世間の風当たりは、警察が無策だった場合の比ではありません。主人公をスケープゴートにする算段があったにせよ、警察の幹部がそんなリスクを冒すとは思えない。劇場型捜査に踏み切る過程に説得力が欲しいところです。また、狙われる可能性の高い主人公の息子に、警護が1人も付いていないのは謎。その必要性を感じていなかった主人公にも疑問符が付きます。トップ自らが証拠捏造に関与していたのは失笑もの。上に登りつめた者ほど、自分の地位を守るために慎重になるのでは。なお、これはリアリティ云々の問題ではありませんが、先の誘拐事件の容疑者を指して、主人公が蔑んだ物言いをしたのは残念でした。彼にしてみれば、「あいつが犯人だ!」いう絶対の自信があるのでしょうが、観客はそこまで感じていない(犯行シーンは描かれていない)。警察の執拗な責めに気がふれたという可能性も否定できません。「社会正義」なる言葉を主人公が使いたいのであれば、死亡した容疑者はあくまで“容疑者”として扱わなければダメだと思います。どんなに悔しくても、です。総評は、「いい作品だけどワキが甘い」という感じ。これら短所を原作が補っているならば、多分それは傑作に違いないと思います。
[DVD(邦画)] 7点(2008-10-09 21:20:11)(良:3票)
78.  パーフェクト・ストレンジャー(2007) 《ネタバレ》 
筋立ては至ってシンプルですし、真相へ繋がるヒントも数多く出されています。だのに、何となくごちゃごちゃしている印象。その結果、どんでん返しのカタルシスが目減りしていると感じました。もったいない。物語の主軸を明確にして、スッキリと見せる工夫が必要だと思います。もっとも本作最大の難点は、疑惑の男ヒルが全然悪そうに見えないこと。B・ウィリスの配役に難アリ。
[DVD(字幕)] 5点(2008-07-13 19:45:55)
79.  パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド 《ネタバレ》 
本シリーズで最も配慮すべきは、ジャック・スパロウのキャラクターを活かすことだと思います。それに尽きるといっていいかも。そういう意味で、本作はつくり方を誤った気がします。前作の流れ上仕方が無いとはいえ、物語開始から30分間、主役が全く顔を見せないのは問題アリだと思います。さらに1作目と違い、アクの強い作風へシフトしていることも彼の活躍の場を奪っている要因だと思う。それでも前作は、アトラクション性とコメディパートが優れていたため、楽しむことが出来ました。しかし本作はどうでしょう。痛ましい描写ばかりが目立ち、楽しくない。冒頭の絞首刑シーンに必要性を感じません。殺伐としたアクションではなく、ダイナミックで見応えのあるアクションを。複雑でもの悲しい物語ではなく、シンプルでワクワクする冒険譚を望みます。クラーケンも出して欲しかったな。クライマックス、大渦巻きの決戦が面白かったので、どうにか6点は確保しましたが、満足度では前2作に及びませんでした。
[DVD(字幕)] 6点(2008-03-03 18:29:13)(良:2票)
80.  パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト 《ネタバレ》 
前作の設定やエピソードを十分に踏まえた良い続編だと思いました。犬、ラム酒、壊れたコンパス。刺身のツマ程度だったアイテムたちを上手く活用しています。『呪われた海賊たち』を鑑賞済みなら、思わずニヤリとしてしまう展開が満載。バカさ加減も加速していますし、アトラクション性が向上しているのも嬉しいところ。また圧巻なのが、伝説の巨大海獣クラーケン。触手で人間を巻き込み、船を破壊。その圧倒的なパワーに釘付けになりました。ただ、人を殺しすぎ。もう少し表現に配慮があってもいいかなと。タコ船長をはじめとする幽霊船の乗組員たちのルックスもちょっとグロい。もっとも、ファミリー向け娯楽作品からシリーズファン向けにターゲットを変えたために、このような作風になったのかもしれません。個人的には前作よりも楽しめました。
[DVD(字幕)] 7点(2008-02-28 19:19:28)
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