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目隠シストさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2251
性別 男性
ホームページ https://twitter.com/BM5HL61cMElwKbP
年齢 52歳
自己紹介 あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

2024.1.1


※映画とは関係ない個人メモ
2024年12月31日までにBMI22を目指すぞ!!

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81.  パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち
本家ディズニーランドのアトラクション『カリブの海賊』にどれほどの初期設定があったのか存じませんが、映画用にイチから設定を考え、物語を組み立てたのだとしたら、なかなかのモノだと思いました。呪われた海賊、連れ去られるヒロイン、金貨の秘密。冒険モノの定番をしっかり押さえています。そして何と言ってもジャック・スパロウ。この人気キャラクターを生み出したことが、シリーズ化されるほどヒットした最大の要因でしょう。悪者をファミリー映画の主役に据えるのは難しいこと。イイ奴じゃなきゃ観客は好きになれない。でもイイ奴は悪いことなんかしない。この矛盾をどう処理するか。本作では「いい加減な奴」という要素でクリアしています。アニメで言えばルパンⅢ世。日本のタレントなら高田純二のようなキャラ。ちょっと違うかな(笑)いずれにしても、「なにか憎めない」という称号を手に入れたキャラクターは強いです。本当はもう少し高い点数を付けたいのですが、アトラクション性がやや弱いと感じたのでこの点数で。
[DVD(字幕)] 6点(2008-02-27 19:58:43)(良:1票)
82.  ハムナプトラ/失われた砂漠の都 《ネタバレ》 
日本語吹替えを担当した声優さんが上手だったのか、裏切り者がそんなに悪い奴に思えなくて。根っからの悪人というよりも、単なるお調子者。だから、悲惨な結末をを与えたのは、少々可哀想な気がしました。お仕置きにしてはキツ過ぎたかなと。冒険映画のお約束がちゃんと守られていたので、安心して観ることが出来ました。TV地上波吹替えにはもってこいの作品。
[地上波(吹替)] 6点(2008-01-27 21:10:51)(良:1票)
83.  バイバイ、ママ 《ネタバレ》 
わが子には苦労させたくない。誰からも虐められることなく、純粋な心で真っ直ぐ育って欲しい。母親は子を社会から隔離する道を選びます。何故なら、他人は息子を傷つける存在だから。息子を愛してやれるのは自分だけ。それが息子への愛だと信じています。でも勘違いだと思う。愛しているのは息子ではなく、彼女自身だったのではないか。母親は自分が傷つくことを恐れているだけだと感じました。それほどまでに、少女期に負った心の傷は重症だったのでしょう。傷を治療せずに大人になってしまったのが、悲劇の始まり。確かに人は人を傷つける。でも、かけがえの無い財産を与えてくれる存在でもある。きっと彼女も受け取ってきたと思う。(じゃなきゃ、大人になれない。)でも心の傷が忘れさせてしまったのでしょうか。忌み嫌ったであろう両親と同じ道を辿る母親。やるせない結末です。母親から教わった素敵なことは財産にして、息子には強く生きていって欲しいと願うばかりです。子供を強く育てたいなら、まず親が強くなること。子供の何倍も泣く覚悟がないと、親にはなれないのだと思いました。
[DVD(字幕)] 7点(2008-01-13 19:56:15)(良:1票)
84.  半落ち 《ネタバレ》 
嘱託殺人。その罪から逃れられないのは当然です。執行猶予がつかない判決が出たのも妥当だと思います。ただ、単なる人殺しでは片付けられないと思う。殺人が犯罪だからという理由では、真の意味では裁けない。「私を殺してって頼んだら、私を殺せる?」鶴田のこの言葉にハッとさせられました。もし自分が、寺尾の立場だったらどうかと考えます。多分殺さない。いや殺せないと思う。呵責の念に耐えられないから。結局自分がカワイイからです。愛が無くては、妻の願いを聞き入れる事は出来ない。ただ、もうひとつの側面も忘れてはいけません。妻の介護に疲れた。苦しむ妻を見るのが辛かった。そういう理由も少なからずあったでしょう。妻のために殺した。自分のために殺した。どちらも真実だと思う。精一杯寺尾に同情する一方、彼は間違っていたとも思います。個人が、家族が、社会が、求める幸せや正義は必ずしも一致しないのではないか。自分には何が正しいのか分かりません。だから単純に考えることにします。臓器移植で救われた青年が寺尾に叫んだ言葉「生きてください」。それが今の自分の“基準”です。誰でも必ず死にます。だからそれまで生きよう。生きる努力をしようと思います。心の琴線に触れるお話でした。ただ、このテーマを扱うには、けれんみが強すぎる。吉岡のキャラ付けはウソ臭いです。それに最後の守山直太朗の歌がいけない。良い歌ですが、初っ端から強い歌声が入るのは余韻を壊します。『たそがれ清兵衛』のエンディングに匹敵する選曲ミスだと思いました。未読ですが、原作はもっと素晴らしいであろうことは容易に想像がつきます。
[DVD(邦画)] 7点(2007-12-29 17:05:52)
85.  バトル・ロワイアルⅡ 鎮魂歌 《ネタバレ》 
銃撃戦の手ブレ画面が不快。これは本当に観づらい。デジタルっぽい質感の映像と相まって、頭がクラクラしてきます。見せ場となるアクションの度にテンションが落ちるのだから辛いです。物語の構想もピントがずれている。顕著な例が、「男子○番 ××××死亡 残り○名」というキャプション。『バトルロワイアル』では最後の一人になるまで殺しあえという指令が出ていたから意味があった。ところが本作ではそんな設定ありません。煽るなら、「ターゲット(七原秋也)まで○メートル」のほうが正しい。“子供同士の殺し合い”という意味では、確かにバトルロイヤルの要素はあります。でも現実は紅白戦です。しかも後半はそれさえ無くなる。代わりに提示されるのがVS大人という概念やアメリカ批判。説教臭い。おまけに浅い。1作品として、出来は良くないと思います。さらに続編としての罪がある。『バトルロワイアル』の後日談として最悪です。命の大切さを身にしみたはずの七原が、テロリストに堕ちるとは。革命が必要なのは分かる。ただそのために命が失われても構わないなら、彼は先のゲームで何も学ばなかったことになってしまう。彼が忌み嫌った大人と何も違わない。全ての大人に宣戦布告する?笑わせてくれる。ただ、前田愛のキャスティングに前作を補完する意味(教師キタノが中川典子に執着した理由説明)があったこと、困った息子を持つ母に『三田佳子』という配役が神レベルだったので、その分加点します。
[DVD(邦画)] 1点(2007-12-22 18:21:54)(良:2票)
86.  バトル・ロワイアル 特別編
「中学生同士が殺しあう」というセンセーショナルな設定ゆえ、良識ある大人から批判を浴びてしまうのも仕方が無い。自分も子供に積極的に見せたいとは思いませんし。ただ自分が観る分には全然OKでした。IFの世界だから。どんな無茶苦茶な設定だってあり得ます。それに本作は、殺し合いを是としていない。主人公たちは、ルールに盲目的に従うことを拒否しています。善悪の判断を他人に委ねていない。これって重要だと思う。ですから本作には肯定のスタンス。また原作ファンという立場で感想を述べます。バトルロイヤルの特徴は、ルールはオモシロイが実際にやるとツマラナイということ。これは本家プロレスのバトルロイヤルを観たことがある人ならよく知っている。戦いの焦点が定まらず散漫になりがち。しかも映画の場合、2時間程で40人近く殺さなくてはいけません。そもそも無理がある。その点を考慮すると、何人かの主要キャラを中心に上手くエピソードを重ねていると感じました。配役も概ね良好。映画オリジナルの教師キタノも、物語に一つの軸を提供しています。エピソードの扱い方や演出に不満が無い訳ではありませんが、よく纏めたなと。オリジナル公開版よりも本作のほうが、より強くそう思います。(感想はこちらに書いたので、オリジナルの書き込み消去。ちなみにオリジナルの点数は6点です。)
[DVD(邦画)] 7点(2007-12-19 18:33:53)
87.  バーティカル・リミット 《ネタバレ》 
雪山の描写は迫力があり、迫り来る危機を回避していく様はスリル満点。エンターテイメント性バツグン。ただ設定は無茶過ぎた。ニトロなんて、アクシデントを呼ぶためのアイテムでしかない。アホバカ映画の烙印を押されても仕方が無いと思います。ただ「命の重さ」については真剣に考えさせられました。本作で一貫しているのは、命の重さは平等ではないということ。そこが興味深かった。3人の遭難者のうち、助かったのはたった1人。その一人を助けるために、救助隊4人の命が失われている。どうしても計算が合いません。では最初から見殺しにすれば良かったのか?二次遭難を避けるのは鉄則。爺さんが言う「雪山で死にかけているのは、死んだのと同じ」は正論です。常職で考えれば、救助に行くべきではなかったと言えるでしょう。しかし兄にとっては違う。妹が助かる可能性が残されているなら、自分の命を賭ける価値があった。もちろん遭難者の方は何としても助かりたい。雪山を知り尽くしたリーダーでさえ、自分が犠牲になることを拒否しました。ただ生きたい。それだけです。本音だと思う。“自分の命≧家族の命>>>他人の命”という図式が見えます。それはもう嫌らしいくらいに露骨です。生き残った兄妹の能天気ぶり。誰が死のうと、自分と家族が助かればよし。2人にとってのみ、この救助活動は意味があったということです。正直、いい気はしません。でも人間ってそんなものかもしれない。それだけに爺さんの偉大さが際立つ。冷静な判断力で2人の命を救った。雪山を知り尽くした男の決断でした。極限状態でこそ人間の本当の価値が見える。爺さんは誰よりも上等だと思いました。自分はハッピーエンドが好み。でも無謀な救助が成功しても白けてしまう。雪山の恐ろしさを明確にするためにも、この結末でよかったと思う。
[DVD(字幕)] 7点(2007-12-12 18:43:42)
88.  バブルへGO!! タイムマシンはドラム式 《ネタバレ》 
17年といえば2昔弱前。当時を過ごした人にとっては懐かしく、そうでない若者にとっては目新しい。何時の時代もそうですが、少し前の文化風俗は笑うには丁度いいネタ。バブル経済崩壊の後遺症が癒えつつある今、本作のような作品の登場は必然だった気がします。プロットは極めてオーソドックスな「タイムトラベルもの」。ですから安心して楽しめる。バブルのノリそのままにライトに仕上げています。ドタバタも面白かった。ただし、オチの付け方は全然ダメでした。正直キライです。“今”を完全否定したエンディングだから。確かに国の財政破綻は目の前。地獄の淵にいるのかもしれない。でもそれは明日の話。これから変えられる。変えなきゃならない。それに景気低迷の中、必死に生きてきた人たちの苦労が報われない。フィクションだからと受け入れるには、17年間は長すぎる。リアル過ぎる。やはりタイムトラベルの“お約束”は大事です。通達阻止は叶わず。バブル崩壊は食い止められなかった。でも伊武は失脚みたいな流れなら締まったと思います。広末が序盤に手にした200万円で、彼女は当面の借金生活から開放される訳ですし。それくらいのご褒美で十分だと思いました。本作は一見、能天気なハッピーエンド。全てが丸く収まったよう。でも発想は後ろ向き。自分は手放しで喜べませんでした。
[DVD(邦画)] 6点(2007-11-30 21:29:31)(良:4票)
89.  バニラ・スカイ 《ネタバレ》 
単純かつ下世話な言い方をすると、「淫夢とセックスならどちらが良いですか?」という話。主人公が出した答えは「やっぱりセックスがいい!」というもの。自分も賛成です。ただ超イケメンのトム・クルーズに言われてもなぁと思う。素寒貧になったって、どうせモテモテでしょ、とちょっとやっかみ。怪我後の顔で復活を望んだのなら大拍手だったのに。冗談はさておき本題へ。本作の欠点は主人公の最後の決断に、感動が不足していることだと思います。まず問題なのが主人公の設定。トムは生まれながらの大金持ち。いわゆる“勝ち組”です。世間の厳しさを知らないから、簡単に現実を生きるなんて選択できるんじゃないの?と思えてしまう。さらに胡散臭いのが冷凍保存会社。何故トムは夢で混乱してしまったのか。会社の説明では、トムの潜在意識が作用したとのこと。確かにもっともらしい。でも本当でしょうか?冷凍保存の維持管理には大変な費用がかかるはず。トムに莫大な資産がある間ならともかく、資産が底を尽いたお坊ちゃんを繋ぎとめておく理由はありません。冷凍保存会社は、巧妙な手段で彼に目覚めを促したのではないかと推測します。何のことはない、彼は“自ら起きた”のではなく、“起こされた”だけ。だとすると、ますます決断の価値が薄れてしまいます。ビルの屋上から飛び降りるトム。フラッシュバックされる過去の記憶。このシーンは好き。胸が熱くなります。もっと大きな感動に繋がれば傑作になったのではないかと。それだけに惜しいと思いました。
[DVD(字幕)] 7点(2007-11-10 18:03:18)(笑:1票) (良:2票)
90.  パプリカ(2006) 《ネタバレ》 
夢と現実が交錯する物語の場合、その区分が曖昧になることが多い。そこから派生する幻惑・幻想・酩酊感がウリだったりもする。本作も、後半にかけて夢と現実の境が無くなっていきます。でも夢か現実か、あるいはその混合世界か、自分が何処に立っているのかは判断できます。戸惑いはあっても、迷子にはなりません。物語の骨子は明確で、物語のナビゲーションは丁寧でした。これは勿論プラスの要素。ただその反面、面白味には欠けます。夢は所詮個人の思考の産物。「一見制約が無さそうで、しっかり制約のある世界」を真面目に描きすぎたかと。この辺のさじ加減は難しい。地図とコンパスが無かったら目的地には着けないけど、保護者同伴の冒険旅行にワクワク感はありません。もう少し乱暴でも良いと思いました。点数は8点。私的には高得点です。でも「8点止まり」という感じ。凄くもったいないと思いました。ちなみにオチは世の男性に“夢”を与えるもの。あの超おデブのボクちゃんが、クールビューティーなパプリカ本体をゲットするとは!でも彼は天才でもあるしなぁ。やっぱシビアな結末なのかも。
[DVD(邦画)] 8点(2007-10-24 17:20:44)
91.  ハード キャンディ(2005) 《ネタバレ》 
2人のキャラクターが明確にならない序盤、男は被害者で女は加害者です。感情移入しやすいのは、当然男のほう。自分は男性なので尚更です。彼に自分自身を投影させて物語に臨みました。これが運の尽き。彼の身になってしまうと、もう大変です。悪夢としか言いようが無い。最初は猛烈な怒りに支配されます。とにかくムカツク。あの小娘、ただじゃ置かないと歯軋りします。次ぎに襲われるのが不安と恐怖。そして惨めさ。自尊心がズタズタにされます。最後に待っていたのは絶望。負の感情の大盤振る舞い。去勢手術の件なんかシャレになりません。本気で震えます。縮み上がります。得体の知れない汗がにじむ。出会い系サイト以外にも、各種ぼったくりや美人局等、男の下心に付け込む奸計は数多ある。でも自分は大丈夫。女遊びはしない(出来ない)し、怪しい場所には近づかない(近づけない)から。そもそも女がらみの危険なチャンス?に巡り合わないのです。(あ、なんか泣けてきた。笑)そんな自分でさえ、本作のシチュエーションに怯えます。自分にも下心はあるから。どんな聖人君子でも、男なら同じような状況に追い込まれる可能性はある。だから他人事ではいられません。ラストに明かされる男の本性。そして少女の目的。彼女は正義の味方気取りの異常者ではなく、正当な復讐者でした。男も復讐されて当然の人間だった。客観的にみれば少女のほうに理があります。でもこの期に及んで、男への感情移入を解くことなど出来ません。彼と同様に、やるせない感情にまみれて死にます。(以下、極めて個人的な事情)実は、あの娘の顔は自分が一番嫌いな上司(50代・女性)の顔にソックリ。少女とその上司の顔がダブって仕方ありませんでした。あの神経を逆撫でするイヤミな言い回しや、冷酷なところまで似ています。幸いにも今年の異動で、その上司と顔を合わせる機会は減ったものの、かつての記憶が蘇ってきてムカツキ度200%増し。とても冷静ではいられませんでした。その分のめり込んで楽しめたとも言えますが、心に負った傷はでかい。後味は最悪です。ホラー映画として7点。
[DVD(字幕)] 7点(2007-10-04 18:45:19)
92.  バッシング 《ネタバレ》 
主人公と彼氏のやりとり。「私が迷惑をかけた?誰に?」「みんなにさ!国中のみんなにだよ!」。この部分に問題の本質が隠されています。彼女の認識も確かにおかしい。でもより問題なのは彼氏のほう。彼は決して「自分が迷惑した」とは言いません。なぜなら迷惑していないから。問題解決のために日本政府が払ったコストも、元をただせば私たちの税金。だからみんなが迷惑した。理論上は正しい。でもそれは理論武装のための理屈。多くの人たちは、実感として迷惑していないと思います。彼女のせいで晩のオカズが1品減ったわけではない。もっとも彼の場合は、マスコミに追われて本当に迷惑したかも知れない。でもそれなら「オレは迷惑した」と言えばいい。彼は巧妙に、いや無意識に、主語を「みんな」に換えている。そこにバッシングの本質がある。彼が自分を主語にしない理由は一つ。責任を負いたくないから。自分ではない“誰か”の批判を請け負っているだけ。だから心が痛まない。父親の自殺も彼女のせい。だから私たちは悪くない…。本作は、現実に起きた『イラク日本人人質事件』にまつわる“バッシング”をモチーフにしています。でもあえてその背景に踏み込まず、一般的な事例として扱っています。それが作品の“惹き”を弱くしている。また、主人公が叩かれるに至った経緯を省略したために、悲劇のヒロインのような印象を受けるのもフェアではありません。でも日本という“村社会”の有り様はよく分かる。私たちは、子供の頃からどっぷりその社会に浸かっています。どうしたらイジメに遭わないで済むかに、心を砕いて生きてきた。「攻撃は最大の防御」は常職です。攻撃している間だけは攻撃されない。だからいつでも生贄を探している。いなければ、仕立て上げてでも。それが現実だと思う。でもそんな醜いことをしているなんて、誰も思いたくない。私たちは善人に違いない。しかし突きつけられて心が痛むのは、それが真実だから。私たちは自身の姿を見つめなくてはいけません。本作は自身を映す鏡にはなる。最後にひとつ。彼女には非があります。生き方は不器用。でもそんな人間でも受け入れてあげる社会であって欲しい。彼女が明日の自分の姿で無いとは、誰も言い切れない。
[DVD(邦画)] 7点(2007-08-24 18:23:35)(良:1票)
93.  花とアリス〈劇場版〉 《ネタバレ》 
花の極悪非道っぷりに大笑い。恋する乙女ってホント罪深い(笑)。今どきの娘らしい身勝手さ全開の花に比べると、アリスの方は随分と大人です。その家庭環境の分だけ、彼女のほうが花よりも少しだけ先を歩いているようです。オーディションで自らが進む道を切り開くアリス。その見事なバレエは、見る者のこころを掴みます。もち、パンチラという意味ではなく。花のほうも今回の件で少し成長したようです。先輩にウソをついていた事を告白するシーン。顔はぐしゃぐしゃ。ちょっとやり過ぎです。でも先輩に直接顔を向けてはいないので、不自然ではありません。そのぐしゃぐしゃは彼女の心そのものです。自分で蒔いた種を刈るのは当たり前のこと。でも意外とそれは難しい。逃げるほうが遥かに簡単だから。彼女は勇気を見せてくれました。2人の心が伝わってくるから、他愛のないお話にでも共感できます。「ハートのトランプを見つけた時にだけ私を思い出して」なんて、安いドラマの見すぎです。2人の恋愛は“ごっこ”のレベル。でも胸の痛みは本物です。苦しい気持ち、切ない思いを沢山経験して、みんな大人になっていく。もっとも本作で一番傷ついたのは、花でもアリスでも寿限無先輩でもなく、下ネタで玉砕した“なんつって”師匠だと思いますが。
[DVD(邦画)] 8点(2007-08-06 18:11:56)(笑:1票)
94.  ハサミ男 《ネタバレ》 
原作既読。とは言いつつも、随分前に読んだので細かい部分はすっかり忘れていました。ですから物語自体は新鮮に楽しめました。ただし、本作の目玉である“仕掛け”については忘れるはずがない。どう表現するのかと案じていると、冒頭から麻生とトヨエツの並び立つ姿が。「なるほど、そう来たか!」という感じ。でも考えてみれば、この方法以外無かったとも言える。あとはいかに観客に対してフェアに(嘘をつかずに)、かつ無理なく物語を進めていくかを注視することになります。この点については十分満足。ヒントも小まめに出ていましたし、致命的に不自然な描写は見受けられませんでした。繊細な気配りが感じられました。麻生久美子もこういう役にはうってつけ。トヨエツもいい感じ。キャストについて不満はありません。画の質感も好き。ただしBGMは趣味じゃない。それにネタバレ以降の展開がまどろっこしい。主人公のパーソナリティについて、カタをつけないといけないのは分かります。でも言い訳がましい。個人的には、父親の代わりに殺した娘の人格と今後はやっていくというのが面白いと思いました。
[DVD(邦画)] 6点(2007-07-15 18:41:32)(良:1票)
95.  ハイテンション 《ネタバレ》 
「こういうホラーが観たかった!」と声を大にして叫びたいくらい面白かった。叫びながら逃げ惑ったり、安易に敵にアドバンテージを与える展開のホラーに辟易していただけに、ガッチリハートを掴まれました。ほんと面白い。男を仕留める瞬間は爽快感すら感じました。それだけにあのオチには腹が立つ。全てが茶番と化してしまいます。整合性も取れているとは言いがたい。でもタネ明かし手前まではホントに楽しめたので、結果的にはアリということで。満足満足。
[DVD(字幕)] 7点(2007-07-07 19:26:32)(良:1票)
96.  ハルク
ある年代以上にとって『ハルク』といえば、テレビドラマの『超人ハルク』。そうは言っても自分の場合、怒ると緑色のマッチョに変身という設定以外あまり覚えていません。CGの無い時代ですから、ハルクは全身を緑色に塗ったごく普通のムキムキ男。アクションもそれ相当のものでした。そんなドラマ版と比べると、本作のハルクは「凄まじい」の一言。大地を蹴って大ジャンプ。戦闘機に飛び乗って大気圏突破。その爽快感は素晴らしい。アメコミをそのまま実写化したような演出も面白いです。ただ物語に中身がない。主人公は何を受け入れ、何を放棄したのか。特異体質を手に入れた若者の苦悩が見えてきませんでした。映像は確かにスゴイけど物足りないです。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2007-07-02 18:03:26)
97.  バックダンサーズ! 《ネタバレ》 
サクセスストーリーでありながら、障害を乗り越えていく感覚に乏しいのがツライです。苦悩は見えても、努力が描かれていません。解散したバックダンサーズが再び集う場面。彼女たちは「悔しい」と涙を流します。その想いは確かに伝わってきます。とくにサエコのブサイクな泣き顔が素晴らしいです。(基本的にカワイイから許される顔。彼女に比べると他の娘たちの泣き顔はまだ甘いかな。)彼女らが選択したのは、オーディションを兼ねたダンスコンテストに出場すること。イチからやればいい。ただ踊りたい。そう決断したのだと思いました。ただ、ここからの展開がいただけません。ステージ終了後、主人公は元マネージャーに訴えかけます。「私たちをなんとかして」と。彼女たちに他意は無いのでしょう。でもそれならば「私たちは踊りたい」が相応しいのでは。「なんとかして」という言葉からは、タレント意識が垣間見えてしまいます。落ちるところまで落ちていないから、這い上がる爽快感が薄いのです。最後のステージに向けて、サポート側の苦労はきちんと描かれています。でもその一方、彼女たちはほったらかし。レッスンに汗を流す姿をきちんと描くこと。丹念な描写の積み重ねが、最後の感動に繋がると考えます。正直、物足りません。でもキライってわけじゃありません。まあまあ好き。いや、はっきりと言いましょう。気に入りました!だって4人ともカワイイのですもの。平山は普通に可愛いし、サエコはギャル可愛いです。ソニンはマッチョ可愛いし、hiroはスピード可愛い。演技はイマイチでも許せてしまいます。主題歌の『いつか2人で』が何気にいいじゃないですか。劇中でバックダンサーズと陣内のバンドがセッションするシーンが、クライマックス以上にステキだったりします。
[DVD(邦画)] 7点(2007-06-29 19:03:23)(笑:1票)
98.  バッドサンタ 《ネタバレ》 
“昔はワルかったけど、今は更生したんです。偉いでしょ”的な元不良の美談は大嫌い。グレなかった人の方が100倍偉いから。本作にも、そういうニュアンスが無いとは言いません。ただ主人公の場合は、ワルというよりダメ人間。子供もいじめられっ子。ダメな人間の成長には、心を動かされてしまいます。それはもう理屈じゃなくて。どうしようもなく好きなのです。それだけでなく、あらゆる要素が自分のツボにはまりました。まずキャラクター。主人公、相棒、死にかけ(失礼)ばあちゃん、そして悪徳セキュリティ。性格だけでなく、ルックス的にも濃いキャラが揃っています。中でもピカイチだったのがデブの子供。その登場シーンのインパクトたるや絶大。規格外の体格に鼻水、透き通った瞳。パンチ風天然パーマ。チョコバーを持っていなかったのが不思議なくらい、典型的な白人デブ児童キャラです。でも、そこいらの子役とは格が違う。もう一目ぼれ状態でした。脚本もちょっと凄い。というかヒドイ(笑)。仮にも“サンタ”がタイトルに入っている作品とは思えない下品さです。ファッ○棒ですよ。○ァック棒!普段の生活では、まず出てこない単語ですもん。子供の「ア、ハーン」連発にクスクス。1%刻みの分け前交渉に爆笑。ばあちゃんのサンド攻撃には降参しました。そしてメインとなる主人公と子供の交流。彼らの境遇に同情はしません。結局ダメなのは自身に責任がある。ただ、一人で立ち直れというのも酷な話です。人の手を借りればいい。そういう人との出会いは大切です。主人公と子供は、互いに助け合ったのだと思います。それはクリスマスのプレゼント交換のようなもの。木彫りのピクルス(このセンス最高!)に、血染めのゾウのぬいぐるみ(結果的に紫っぽい!)。金銭的な価値はゼロでも、生きる力や勇気に変わるものがある。もうウルウルでした。ハッピーエンドというより甘々の結末。主人公があれで死んでないなんてウソみたい。でもクリスマスの奇跡に感謝します。あの天然パーマ君に謹んで10点を捧げます。
[CS・衛星(字幕)] 10点(2007-06-12 18:35:37)(良:1票)
99.  ハービー/機械じかけのキューピッド 《ネタバレ》 
車が感情を持つ設定は面白いですし、それに説明が無いのも気にしません。ただ、物語の主軸をレースにするのであれば、ハービーの自走能力は不要と感じました。主人公の存在意義が薄れますし、勝利の感動も生まれ難いから。競技性の無いストーリーのほうが良いと思いました。5点…と締めてもいいのですが、せっかくなので面白解釈(妄想)をひとつ。ポイントは、“ハービーはスペシャルなのか”ということ。少なくとも唯一無二の存在ではありません。ハービーの彼女?も自走していましたし。この事から“全ての車は感情を持っているし自走もできる。”という仮説を立ててみましょう。車たちはその事実を隠しているだけ。『トイストーリー』と同様の世界観です。だとすると、ハービーは単にルール違反をしている無法者か。レースのライバルカーたちは、「俺だって好きに走らせてもらえれば、負けねえのによ。」と内心歯軋りしていたのでは。カークラッシュショウの車たちは、異端者への制裁に快感を覚えていたかも。ハービー「やあ、そこのマブイ彼女、ハイオクしない?」イエロー(彼女の仮名)「そんな、わたし困ります。」ハービー「大丈夫だって。夜中なら誰も見てないし。」イエロー「でもお父さんに怒られるもん。」こんな会話があったかもしれない。あるいは、かつて車たちはみんな自己主張をしていたのかも。それを認める大らかさが人間側にはあった。でも利益を追求するようになった人間は、彼らを認めないようになり、やがて車たちも口をつぐんでしまった。人間と車が共生していた世代の生き残りがハービー。つまり彼はラストサムライ。こんな想像も出来てしまいます。それを許してくれる作品は好き。なので+1点でお願いします。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2007-06-01 18:29:18)(良:1票)
100.  春の日のクマは好きですか? 《ネタバレ》 
図書館の美術書に綴られた愛の言葉。携帯やメールで手軽に愛の告白が出来るご時世だからこそ尚更ロマンチックなのでしょう。ただ、図書館の書物である以上、不特定多数の人間が目にする可能性がある。メッセージが自分に向けられたものであると、主人公が確信する過程が重要になります。この部分にもう一工夫欲しいと思いました。主人公が安易に受け取り過ぎかなと。もっとも裏を返せば、それだけ彼女は“現実を見ていない”ということ。そんな夢みる乙女(いや「はすっぱ」かな)の目覚めには価値がありました。ステキとは少々言い難いものの、なかなか凝ったラブストーリー。個人的には、大好きなペ・ドゥナの魅力を堪能できて満足です。
[DVD(字幕)] 7点(2007-04-23 18:08:04)
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