Menu
 > レビュワー
 > 鉄腕麗人 さんの口コミ一覧
鉄腕麗人さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2598
性別 男性
ホームページ https://tkl21.com
年齢 43歳
メールアドレス tkl1121@gj8.so-net.ne.jp
自己紹介 「自分が好きな映画が、良い映画」だと思います。
映画の評価はあくまで主観的なもので、それ以上でもそれ以下でもないと思います。

表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(投票数)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
【製作年 : 2000年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
評価順1234
投稿日付順1234
変更日付順1234
>> カレンダー表示
>> 通常表示
1.  花よりもなほ
「時代劇」は数多く観てきたが、これほどに“おもしろい”時代劇はなかなか無いと思う。貧乏長屋を舞台にした人情劇。そこに住む人々の、何気なくもあらゆる意味で“雑多”な生き様が、笑えて、泣ける。 「仇討ち」が賞賛された時代、しかしそれは同時に、「武士」という生き方自体に“疑問”が生まれ始め、見直され始めた時代だったのだと思う。そんな中において、「仇討ち」という行為の是非をある面では滑稽に、そしてある面では真摯に描き上げたユーモラスかつドラマ性に溢れた“新しい時代劇”の姿がここにあると思う。 武士道の美談として語られる「赤穂浪士」にしたって、実情がどうだったかなんて本当は誰も分かるハズはない。もしかしたらこの映画は、「武士」という時代そのものの人間性をリアルに切り取ったドキュメンタリーなのかもしれない。そう考えると、是枝監督初のストーリー映画である今作も、実に彼らしい映画だと思えてくる。
[映画館(字幕)] 10点(2006-06-07 17:33:53)
2.  バタフライ・エフェクト/劇場公開版
サスペンス映画で、これほど切なく、涙がじわりと溢れたことは初めてだと思う。 ストーリーの完成度が物凄く高い。主人公の能力についてのアイデア自体も斬新だが、それもよりも、物語としての整合性と全編通してのバランスが素晴らしい。「何が起きているか分からない」緊迫的な“恐怖感”溢れる導入部から紡ぎ出し、テンポのよい“緊張感”と“謎”を展開しながら、“切なさ”溢れるラストへと結びつける。作品のテンションにふさわしい、秀逸に練られたストーリーテリングだった。 日本公開され、DVDがレンタルされるようになってから少し経つが、今の今まで観ていなかったこと自体が悔やまれる“傑作”だと思う。 
[DVD(字幕)] 10点(2005-12-27 22:18:03)
3.  花とアリス〈劇場版〉
6年ぶりに観たこの映画は、もはや「感動」なんて通り越す。そのあまりに眩しい映画という「結晶」に対して、悶え、嫉妬じみた感情すら覚える。  6年前、自分自身の結婚を控えた頃にこの映画を観ていた。 劇場鑑賞時から大好きな映画なので、それ以前もその後も事あることに“花とアリス”のことは思い出す。 そして、今日、自分の愛娘が幼稚園に入園した日に、またこの映画を観た。 なんだか、嬉しさも、憂いも、いろいろなことが入り混じって、たまらなかった。  最初から最後まですべてが名シーンなのだが、“親”というものになって数年経ち、愛娘の成長をまさに目の当たりにした日においては、蒼井優と平泉成との父娘のシーンが、無性に愛おしかった。 この映画は、恋と友情の間を奔走する少女たちの物語であり、少女たちの自立の物語であり、彼女たちを取り巻く家族の物語でもあるのだと思えた。  蒼井優と鈴木杏、今やこの世代を代表する女優となった二人の“競演”は、彼女たちの確かな実力を踏まえても、「奇跡的」だ。 こういう類いの「奇跡」を幾度も見せてくれた岩井俊二という映画監督は、やはり自分にとって特別な存在なのだと思える。   この映画の少女たちの人生はまだ始まったばかりで、映画の中で泣き笑うことなんて、ほんとに些細なことだけれど、その一つ一つにひたすらに向き合い、エネルギーを注ぎ、くよくよしたり、晴々したりする姿に、問答無用に感動する。 ユーモラスで眩しいノスタルジーと、そこに不意に垣間見せる厳しく切ない現実。それらすべて含めて彼女たちの日常。   嬉しいことも、辛いことも、楽しいことも、悲しいことも、みんなひっくるめて少女たちは生きていく。  その純粋で、無防備で、ひたすらな姿に、胸が熱くなる。僕はこの映画に対して、この先も何度も、“ウォーアイニー”と呟くだろう。
[映画館(字幕)] 10点(2004-04-09 22:37:49)(良:2票)
4.  バーバー
寡黙な男の身の上にあくまで淡々と繰り広げられる人生の破綻模様が非常に秀逸なテンションで描かれる。不気味なほどに自然に流れる時間の中で、静かに崩壊していく男の人生。それは限りなく異常でありながら、その男の運命であったと確信させる。この映画、すべてが無関心な空気感の中で、無駄なものは何もない。主演俳優ビリー・ボブ・ソーントンの顔に走るひとつひとつの皴ににまで明確な意思があるような、そんな何とも言い難い説得力に満ちた映画世界から、なかなか抜け出すことが出来なかった。
10点(2004-01-13 15:57:15)
5.  ハッシュ!
結論としては非常に良い映画だと思った。同性愛という個性は今の日本の社会ではどんな奇麗事を言っても虐げられているというのが実状だと思う。その中でその個性を特に主張するわけでなく、ただナチュラルに生きていこうとする主人公たちの苦悩に感慨深さが残る。ただ自分らしく生きていくことの難しさ、それは何も彼だけに起こり得る問題ではなく、すべての人における深遠な問題ではなかろうか。
9点(2004-01-27 19:07:25)
6.  8人の女たち
非常にクセのある映画だけど、ここまで個性的な映画でありながら、これほどまでに完璧な映画はなかなかない。小気味良く印象的なミュージカルとともに展開される8人の女たちの真実と、衝撃的なサスペンス。そしてこの映画の最大の魅力はまさに8人の女たちである。それぞれの告白を彩るミュージカルシーンには8人の女優の魅力が溢れている。楽しく、色っぽく、衝撃的に映画の新たな可能性を高めた傑作。
[映画館(字幕)] 9点(2004-01-26 19:15:27)
7.  バイオハザード(2001)
最新作“パート4”の劇場公開に合わせるように、テレビ放映されていた今作をチラリとだけ観た。 民放のカットだらけの吹替え版を観るつもりは毛頭無いので、本当に一瞬しか観なかったのだけれど、その一瞬のミラ・ジョヴォヴィッチが、あまりに若く麗しかったので、翌日、ブルーレイディスクをレンタルしに走った。  2001年の公開時に映画館で観てから何度か観直したとは思うが、かなり久しぶりに観た感覚で、やはり主演女優の初々しさが印象的だった。  “バイオハザード”シリーズの一作目である今作が、正味のところどんな映画かと問われれば、ずばりこう言いたい。  麗しいヒロインの”半裸”で始まり、“半裸”で終わる映画である、と。  今作は、世界的な大ヒットテレビゲームをスタイリッシュな映像美と卓越したホラー性で見事に映画化した秀作である。 監督のポール・W・S・アンダーソンのエンターテイメント映画作家としての力量は本物だったと思う。  ただし、この映画の成功における最大の要因は、主演女優の存在に他ならない。  ミラ・ジョヴォヴィッチの類い稀な“セクシーさ”と、アクションの体現との合致が、この映画を人気シリーズに発展させ、アクション映画における“スーパーヒロイン”の価値を確立したと言える。  “人気シリーズ”とは言いつつ、残念ながらこの一作目の満足度の高さに対して、他の作品は遠く及ばない。  その原因は様々あるとは思うが、今回改めて今作を観てみて、最たる原因が分かった。  それは、“エロさ”の圧倒的な欠如だ(大真面目)。  元来、ホラーにエロスは付き物だということは、長い映画史を振り返っても明らかである。   ミラ・ジョヴォヴィッチも子を産み、年齢的には既に“熟女”であるが、彼女が再び一肌脱げば、この“パート1”を越える”パート5”も充分に有り得ると思う(熱望)。   ※追記 “最終作”の「6」を観た直後に再鑑賞。 アリスがカワイイ!ミラ・ジョヴォヴィッチが若い!! 最終作のラストは、再びこの赤いドレスを纏って締めてほしかったな。
[ブルーレイ(字幕)] 9点(2004-01-18 02:38:49)
8.  パンドラの匣
月末の多忙さから逃避するかの如く、平日の深夜、偏頭痛を片手で押さえながら、この映画を観始めた。  この映画は、「違和感」に埋め尽くされている。 まず、明らかに作為的なアフレコの演出に大いなる違和感を感じ、戸惑った。 主人公のモノローグと映像と微妙にズレた台詞が交じり合い、違和感は更に深まり、冒頭からどこか奇妙な世界に放り込まれたような感覚に陥る。  そして、「やっとるか」「やっとるぞ」「がんばれよ」「よーしきた」と、まるで“記号”か“暗号”のように繰り返される言葉に対して、軽薄さを感じる反面、妙な居心地の良さを感じ始めた時、鑑賞前の偏頭痛はどこかに消え失せた。  太宰治の原作は未読だが、独特の繊細な心理描写を根底に敷き、彼ならではの“根暗”で、だけれども不思議な“陽気”さを携えた青春小説を、見事に映像化しているのではないかと感じた。  そもそもは、仲里依紗目当てで食指が動いた映画だった。ただ、拭いされない大いなる危惧もあった。 それは、監督が冨永昌敬という人だったからだ。彼は「パビリオン山椒魚」という映画で、結婚前のオダギリージョー&香椎由宇を主演に配し、あまりに倒錯的な酷い映画世界を見せつけてくれた監督である。  今作も、ある部分では倒錯的で、間違いなく“変てこ”な映画である。 ただし、今回はその倒錯ぶりが、太宰治の文体と絶妙に交じり合って印象的な世界観が生まれていると思う。非凡な映像センスと、独特の編集力が、純文学という創造性の中で見事に融合している。  明日はまた朝から仕事だけれど、深まる秋の夜長、こんな夜更かしも悪くはない。 そう思わせてくれる意外な秀作だと思う。
[DVD(邦画)] 8点(2010-10-01 01:33:14)
9.  ハート・ロッカー
イラクの戦場、日々尽きることの無い爆弾処理の最前線を描いた今作が、アカデミー賞を勝ち取ったことに対して、個人的には若干穿った見方をしていた。 果たして、本当にアカデミー賞にふさわしい映画なのかどうかと。  その理由は、この数年のアカデミー賞作品賞受賞作品には、手放しで賞賛を贈れる映画があまりに少ないということ。そして、9.11以降、アメリカという国の価値観は、人間の混迷や混沌を描いた映画を安直に崇拝する傾向が強すぎる気がしてならないからだ。  もちろん、世の中の数多の「不安」に対して、それを批判したり、影響を受けた映画が作られることは必要だろう。が、それがイコール「良い映画」であるかどうかは、当然別問題だ。  なので、元夫婦対決を制し、「アバター」をかわして、キャスリン・ビグローが女性監督として史上初のアカデミー賞受賞を果たしたこの戦争映画にも、素直に期待出来ないものがあった。  映画は、最前線の爆弾処理チームの3人を中心に、仰々しい展開を廃し、ドキュメンタリータッチに淡々と展開していく。端役でレイフ・ファインズやガイ・ピアースが登場するものの、主要キャストは無名俳優ばかりで安易な盛り上がりは一切無い。  少々疲れ気味の休前日の深夜の鑑賞で、さて眠気が耐えられるかどうか。という危惧は一瞬生まれた。が、そんな危惧は即座に消え失せた。  盛り上がりも、娯楽性もほとんど無い。あるのは、あくまで淡々と過ぎていく戦場の気持ちが悪くなるほどの緊張感だった。  その緊張感は、単に“いつ死ぬか分からない”というものだけではなく、「戦争」という日常に身を置く兵士たちが、静かに静かに精神が蝕まれていくことに対する“あやうさ”のように思えた。  決して、面白味に溢れた映画ではないと思うし、観る人によっては誤解を受けやすい映画であるようにも思う。 それはこの映画が、今この瞬間の「戦争」の表面的な狂気や悲劇を描いているのではなく、まだその実態さえも検証されていないリアルタイムの“混沌”を表現しているからに他ならない。  観終わってみて、「映画」として面白かったのは断然「アバター」なので、アカデミー賞の受賞はやっぱりジェームズ・キャメロンがふさわしかったと思わなくはない。 ただし、この濃厚すぎる程の戦争映画を撮り切った女性監督の“力量”は、間違いなく半端ない。
[DVD(字幕)] 8点(2010-09-23 02:03:14)(良:1票)
10.  母なる証明 《ネタバレ》 
 休日の深夜、この映画を観て就寝した。 すると、この映画に満ち溢れる「不安」を如実に反映した夢を見て、非常に目覚めの悪いウィークデーの始まりの朝を迎えてしまった。今も、どこか気怠く、眠い。  韓国映画には、その善し悪しは別として、ねっとりとまとわりつくような「不安」に溢れた作品が多い。それは映画のジャンルに関わらず、ドラマ、アクション、サスペンス、ラブストーリー、更にはコメディにまで至り、映画を生み出すそもそもの“根底”に備わっている要素のように思える。 何本もの韓国映画を観ていると、時にその“厭な雰囲気”に対して、嫌悪感を抱いてしまうことも多々ある。 しかし、もはやそれは韓国という国が発する文化性であり、外国の映画を鑑賞する以上、否定できないことだとも思う。 そして、その“厭な雰囲気”を包み隠さずぶつけてくるエネルギーがこの国の映画にはあり、それこそが韓国映画の魅力だと思う。  そのエネルギッシュな韓国映画界において、トップランナーであり続けているのが、今作のポン・ジュノ監督だろう。 力強く、美しい映像世界の中に、人間の滑稽さと愚かさを上質な情感をもって表現する術に秀でた彼の最新作は、“母親”が息子を愛する揺るぎない「本質」を生々しく、辛辣に描いた問題作だった。  殺人の容疑がかけられた息子を救い出すために、母親は雨の中昼夜を問わず奔走する。 そうして辿り着く真相、真相に対する母親と息子の言動……。  泥々としたミステリアスな展開の中で、ストーリーは二転三転する。 意外な展開に対してその都度息を呑むが、これがポン・ジュノの映画である以上、安直なカタルシスは得られない。  映画は、母親が無表情で踊り狂う様で、始まり終わる。  その様を、どういう心境で見られるか?この映画は、“厭な雰囲気”の中で、問答無用に問いかけてくる。
[DVD(字幕)] 8点(2010-09-21 11:08:50)
11.  パブリック・エネミーズ
自分の生きる“術”として、銀行強盗を続ける男と、その男を追い続ける男。 それぞれの信念を持って自らの人生を全うする二人の姿は、熱く、同時にとても脆い。 その「脆さ」こそ、この映画が描く本質だと思った。  この映画は、二人の男同士の対決を描いているのでもなければ、悪と正義の攻防なんてものを描いているのでもない。 一人一人の男の人生におけるある種の「無様さ」を描いている作品だと思う。  主人公の強盗を演じるジョニー・デップも、それを追跡する捜査官を演じるクリスチャン・ベール。 二人とも円熟期を迎え、人気と実力を兼ね備えた俳優だけに、抜群の存在感と巧さを見せる。 しかし、演じるキャラクターは、それぞれ決して格好良くはない。  自らの運命に葛藤し続け、苦闘し続ける。 そして両者ともが、最良の結果を得られない。  その両者の渦巻く内情こそが、この映画の核心であり、濃密なドラマ性だと思う。  マイケル・マンという監督は、相変わらず男の深い葛藤を描くのが巧い。 
[映画館(字幕)] 8点(2009-12-30 15:52:14)
12.  パコと魔法の絵本
Q:「下妻物語」、「嫌われ松子の一生」の中島哲也が、“ディズニー映画”を撮ったらどうなるか?  A:こうなる。非常によろしい。  独特の世界観とセンスに対し、やはり冒頭は面食らってしまうというか、“馴染む”までに時間がかかることは否めない。その時点で「ムリ」と言ってしまう人がいても否定はできないだろう。 でも、映画なんてものはそもそも創作者のエゴイズムの塊であって、良い映画というものは必ずそういう中から生まれてくるものだ。  知らず知らずのうちに、極めて特異な「絵本」の世界に引きずり込まれ、キャラクターたちの飾り気の無い言葉にただ感動し、気がつくとある種の居心地の良ささえも感じてしまっていた。 それは、作り手が、自分たちが作り出す「世界」をどこまでも愛し、揺るぎない自身を持って描き出しているからに他ならないと思う。  悲しいけれど、どこまでもあたたかく、メチャクチャな映画世界にひたすらにまっすぐな思いを詰め込んだ素晴らしい映画だと思う。 
[DVD(邦画)] 8点(2009-05-02 12:26:38)
13.  ハッピーフライト(2008)
この映画を10年前に観ていたなら、航空業界への就職を目指していたかもしれない。  国際線の機上と大空港の各部署で、それぞれに巻き起こるドラマ。 同監督の「ウォーターボーイズ」や「スウィングガールズ」のようなコメディ路線を想像していたけど、意外にもそれぞれのステージを丁寧に描いた小気味良い群像劇に仕上がっており、想像以上に感情がはまり込む映画だった。  主演の田辺誠一や綾瀬はるかが登場するシーンよりも、その他の登場人物たちのシーンに、より面白味があったことが映画の質の高さを物語っていると思う。 各部署における、それぞれの“シゴト”に対するプライドと真摯さがあってはじめて、一機の飛行機が飛ぶという群像の一体感が、この作品の最大の魅力だろう。  主要キャストから脇役まで、思わずほくそ笑んでしまう”何気に豪華”なキャスティングは、群像劇の精度を殊更に高めている。 “空の旅”にまつわる様々なハプニングとプロフェッショナルを、それぞれのキャストが愛着をもって演じることで、各シーンが愛すべき光を放っていると思う。  過剰なコメディ演出は控えた、ほどよい笑い、ほどよい緊張、ほどよい感動。 そこから紡ぎ出されたものは、まさに“ハッピー”なフライトだった。 
[映画館(邦画)] 8点(2008-12-02 00:29:10)(良:4票)
14.  パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド
もうこういう娯楽大作シリーズというものは、「好きな人はとことん面白い」、「嫌いな人はとことん面白くない」という二通りしかなく、どちらにしてもそれ以上のことは求められない。 クセっけたっぷりの海賊をジョニー・デップが心底に揚々と演じ、これでもかというほどに製作費をつぎ込んでつくり上げた「海賊世界」に没頭できるかそうでないか、詰まるところそれが全てだ。 そして、個人的には充分に“没頭できた”。それはとても幸福なことだろう。  前作はトリロジーの“つなぎ”的な性格もあったので、今ひとつ盛り上がりきれない部分もあったが、完結編である今作はもう本当に遠慮がなく仰々しすぎるほどにパワフルに創り上げられ……。  ……ああ、やはりこういう映画はもう言葉で評する意味などナンセンスだ。 3時間という時間を何も考えずに楽しむことができた。ほんとうにただそれだけのことだ。 
[映画館(字幕)] 8点(2007-05-27 18:15:31)
15.  バッドサンタ
12月に入るのを待って満を持して手持ちのDVDを観た。「ゴースト・ワールド」のテリー・ツワイゴフ×コーエン兄弟×ビリー・ボブ・ソーントン、この組み合わせだからこそ成立するブラックなクリスマス映画☆☆☆どこまでも下品で、どもまでも破滅的なのに、しっかりと「心温まる」映画なのが、スゴイ。 やはり、僕はビリー・ボブ・ソーントンを推したい。とことんまでグダグダでクタクタの文字通りの“バッドサンタ”を見事に体現し、そのくせ、たまらなくセクシー。彼のその希有な存在感がなければ、この映画はこれほどまでの完成度を見なかったであろう。
[DVD(字幕)] 8点(2005-12-03 03:05:27)
16.  バットマン ビギンズ
“バットマン”がその他のアメコミヒーローに対し明らかに異質であることが一つある。そうそれは、バットマンは“超人”ではないということだ。極限まで鍛錬はしているのだろうが、ヒーローとしての活躍はありとあらゆるアイテムによるところが大きい。そうなってくると益々重要になってくるのが、彼が超が付くほどの大富豪であるということである。そのキャラクター性のおかげで明らかに高級そうな様々なアイテムに不自由しないのもうなずけるというものだ。ではなぜ、そんな大富豪が夜な夜な闇に紛れ、己の身を呈してまでヒーローに徹する必要があるのか?しかもご丁寧にコウモリのコスプレまでして…。 と、つらつらと考えていくと、いくらダークヒーローだと言っても、これほどまでにその“出生”と“理由”自体が闇に紛れてきたヒーローはいない。近年のヒーロー映画ブームの流れの中で製作された作品であることは間違いないが、この“誕生秘話物語”はまさに描かれるべきして生み出されたと思う。 これまでのシリーズ作品とは一線を画し、ひたすらにダークに、ひたすらにブルース・ウェインの精神の底へ底へと掘り進んでいく映画世界、ストーリーが素晴らしい。その反面、バットマンという稀代のヒーローが持つ類まれな“高揚感”もしっかりと表現され、ストーリーの深さ同様、奥深い娯楽性を携えたヒーロー映画が完成した。
[映画館(字幕)] 8点(2005-06-19 02:07:34)(良:1票)
17.  パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち
ディズニーランドに初めて行った小学生の時から、最も好きなアトラクションは「カリブの海賊」だった。 毒々しいほどの海賊たちが、飲めや歌え、そこかしこで銃や大砲をぶっ放す乱痴気騒ぎぶりは、子供には特に印象的で、他のメジャーでファンシーなアトラクションとは一線を画した独特な高揚感を覚えた。  その「カリブの海賊」が映画化され、その主演が大好きなジョニー・デップだと知っても、「あの乱痴気騒ぎを一体どうやって映画化するのだ?」と疑心暗鬼なまま映画館に足を運んだ。 ふたを開けてみると、ディズニーランドのアトラクションそのままの「カリブの海賊」の世界観が繰り広げられ、そこにジャック・スパロウというオリジナル性の高いキャラクターが所狭しと立ち回り、唯一無二のエンターテイメントに仕上がっていた。  久しぶりに観直してみても、面白さはまったく色褪せていなかった。それはこの映画が、正真正銘に優れた娯楽映画である証拠だろう。 月明かりの明暗の中でこまめに切り替わる“呪われた海賊たち”のビジュアルだったり、脇役はもちろん端役に至までしっかりと存在感を持たせる演出だったり、聞いていて飽きない台詞回しだったりと、細部に至るまでとても丁寧に作り込まれていることに気付かされた。  この映画が自分の好きな映画だということを再確認した反面、この後に製作されたシリーズ作に対してはそれほど愛着が無いことにも気付いた。 後のシリーズ作も、それぞれ決して面白くないわけではない。むしろエンターテイメントとしてのパワーは確実に膨らんでいる。 ただそこには、ストーリーが壮大になりすぎて、あのディズニーランドのアトラクション「カリブの海賊」の世界観が無くなっていた。  大人気娯楽大作シリーズのオリジナルの価値を確認した一方で、「カリブの海賊」に乗りたくなった。
[映画館(字幕)] 8点(2004-02-05 18:59:20)
18.  バニラ・スカイ
「結局はすべて夢」と言ってしまえる話かもしれないが、それもこれほどまでに上質な難解さをもって描けば映画としての深みがでることは必至であり、決して明瞭な映画ではないがそこに面白味を感じることは確実である。スペイン映画「オープン・ユア・アイズ」の完全なリメイクでストーリー的にはまったく同じだが、今作の方が映像的なクオリティには優れているので物語の世界に没頭しやすいと思う。
8点(2003-12-24 01:30:21)
19.  ハンニバル(2001)
「羊たちの沈黙」の続編である以上、観客が前作と比較して今作を観るのは仕方ないし、そういう見方をすればやはりマイナス点は多いと言える。だが、もし前作から距離をおいて観ることができれば、今作は非常にクオリティの高いサイコサスペンスと位置づけられるはずである。何と言っても、リドリー・スコットのよる崇高なまでの映像美は流石である。ヨーロッパの街並みを悪魔が暗躍していそうな怪しい美しさで包み上げている。そしてそこをまさに悪魔であるハンニバル・レクターが闊歩するシーンは怖ろしいまでの完成度の高さである。
8点(2003-12-16 19:52:15)(良:1票)
20.  ハルク
アメコミのヒーローものを映画化した作品は数多いが、この「ハルク」ほど実写で撮る、生身の人間で描くという行為にふさわしいキャラクターは他にないと思う。それはやはり、このキャラクターの深く斬新な人間としての葛藤に他ならない。己の中での多大な苦悩と怒りと共に文字通り体を爆発させるその様は、映像化にふさわしいインパクトとドラマ性に溢れている。哀しいまでに膨れ上がり、超越した緑色の体が大地を疾走する姿は、衝撃という娯楽性をも超越し感動的ですらある。
[DVD(字幕)] 8点(2003-12-08 16:42:34)
全部

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS