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アンドレ・タカシさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2127
性別 男性
自己紹介 2022/3/26に以下のような自己紹介文をアップしました。
ロシアのウクライナ侵攻が始まってひと月経過。
映画は観ていますが、侵略戦争のせいでレビューする気になれません。
私の映画レビューと戦争は直接関係しませんが、
楽しく文章を考える気分じゃない、ってことですね。
ロシアが撤退するか、プーチンがいなくなったら再開します。


そして、
侵略戦争が膠着状態に入り、
いつ終わるか識者にも判断できない状況になりました。
まぁ正直、痺れを切らしたので、レビューを再開します。
ウクライナ、頑張れ!

2024年3月17日更新

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1.  パシフィック・リム
東宝チャンピオンまつり世代です。バカバカしいスケールと重量感で、あの頃の興奮が蘇りました。スタッフに感謝します。
[映画館(字幕)] 10点(2013-08-19 21:47:33)
2.  パリ、テキサス 《ネタバレ》 
ライ・クーダーのギターが終始同じ調子で奏でられる。でも、呑気に聴こえるシーンもあれば緊張を湛えるシーンもある。ストーリーに照らすと、あの不思議な響きは無常の象徴だった。最後の覗き部屋の会話まではテーマが見えない構成なのに興味が途切れなかった。男が再び無責任に居なくなるエンディングなのに、ある種の感動があった。それは恐らく、再び一緒に家族で暮らすことへの不安と恐怖がある程度は理解できるからだ。4年前に突然失踪した男の行動は確かに極端ではあった。でも、愛しているが故に葛藤を繰り返していたはずの女への愛が無くなったと自覚したとき、「逃げ出したくなった」と言った男の言葉に虚飾はない。強く愛していることの裏側にあった不安が喪失に変わって男の心を飲み込んだ。それは純粋な愛情が確かに存在していた証であり、同時に人生の無常でもある。こんな想いは、程度の差こそあれ、誰にでも覚えがあるのではないだろうか。少なくとも自分には刺さりました。一度は無くなった心をゆっくりと修復して行く男。今作はその様子を追い続けた心のロードムービー。でも最後のピースが嵌らず、心の旅は終わらなかった。彼は今、どの辺りを彷徨っているのだろう?
[CS・衛星(字幕)] 9点(2010-01-08 01:58:22)(良:1票)
3.  花とアリス〈劇場版〉
観ていて楽しく、面白い。いい感じの映画です。強いメッセージやテーマは見えないけれど、主演の二人の少女のやりとりの機微に引き込まれる。この、特に何も言っていない映画のどこがそんなに魅力的なのか? 自分はあだち充のマンガに似ているな、と思いました。あだち充の作品はキャラの大半が高校生。基本的に運動神経が突出している男の子が主人公だけど、作品のテーマはほとんど総て高校生のラブストーリーであり、好き嫌いの感情が台詞ではなく彼独特の記号表現とユーモアで描かれる。感心するのは、その描写の中で友情や約束といったデリケートな概念をとても大切に丁寧に扱っていることだ。突飛な喩えになったけど、この映画の主人公たちの日常を切り取る様は、あだち充の文法を彷彿させました。オーバーアクション気味の芝居や感情の抽出の仕方も良い意味でマンガ的。観ている方が恥ずかしくなるような青さに満ちている。でも微笑ましい。いや、大笑いもたくさんあった。それに合わせて、映像も出来る限り生々しさを排除し、ファンタジックな世界観でまとめている。自分の愛すべき映画がひとつ増えました。見応えという意味では、やはり蒼井優ですね。バレエの下地が「フラガール」のダンスシーンに繋がっていたことも分かりました。間違いなく若手女優のトップを走る彼女の原石部分が覗えます。
[CS・衛星(邦画)] 9点(2009-10-28 14:28:04)(良:1票)
4.  バンド・オブ・ブラザース<TVM> 《ネタバレ》 
第二次大戦を描いた映画は何本も観たけど、ノルマンディー前から終戦まで、一本の線で見せた物語はこれだけで、随分と理解が深まると同時に、その構成力に感服した。繰り返しレンタルした作品は久しぶりでした。道徳的反戦感を前面に出しておらず、英雄譚でもない。語り口は平静。だからこそ“そこにいた人たち”がしっかりと描かれていたと思います。毎回、最初に出てくるおじいちゃんたちがこの戦線に参加した人たちだとは思っていたけど、最終話で人名を入れた演出には拍手。このひとがウィンターズか! それまで展開されてきた数々のシーンが一瞬にして紛れもないノンフィクションに転化しました。
[DVD(字幕)] 9点(2008-12-24 02:27:30)
5.  パットン大戦車軍団 《ネタバレ》 
主人公は戦車の残骸や多くの戦死者が野ざらしになっている戦場跡を見て「これが好きだ」と言いました。そのひと言で、普通の人とは違う感覚を持った人物だと分かります。自国の利益のために戦うと云うより、目の前の戦闘での勝利だけに興味があったようです。味方が死ぬことよりも、敵を殺すことに意識が向いていました。そんな「戦場でしか生を全う出来ない人物」の伝記として、とても良く出来ていたと思います。前線から離れた場所にいる者からは頼りになる将軍でしょう。でも、その人の配下で戦えるかと問われると尻込みしそうですけどね。 「失言」がもうひとつのテーマになっていました。思ったことを全て口にする。それが災いになり不遇へ落ちる。私は同情しましたよ。確かに「失言」なんだけど、本人の思惑から離れたところで言葉が独り歩きしている部分もあったと思います。 余談。官僚の失言がマスコミを賑わす昨今。パットンさんじゃないけど「失言」のほとんどはメディアの紙面や放送枠を埋めるためだけの揚げ足取りだと思っております。いや、確かに正真正銘の失言もたまにはありますけど、野党は政策論で戦うことを放棄しているとしか思えません。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2018-04-24 02:52:28)(良:1票)
6.  パーマネント野ばら 《ネタバレ》 
ラスト、いきなり「シックス・センス」になってマジでびっくりしました。そこまでは一貫して、ダメな男を引き当てた不幸な女たちという論調で、男の自分としてはちょっと僻みが入っている視点に疑問符でも付けたい気分でした。「男運」という言葉を使っていましたが、選んだ本人の自己責任でしょう。でも、傍観役と思えた菅野美穂も精神を病んでいたことが分かるオチで見方が変わりました。つまり、ロクデナシを掴んで苦労する女もいれば、真っ当な人を亡くして彷徨う女もいる。共通しているのは彼女たちにとっての男の影響力。良くも悪くも、人生に占める男との関係の大きさみたいなものがテーマだったのかと思います。そう考えると、小池栄子の台詞がとても重たい意味を持って響きます。「私、狂うてる?」という菅野美穂。それは、男に引きずられているか?と同義です。「そんなんやったら、この街の女はみんな狂うちゅう」と答える小池栄子。それに続く彼女の台詞は女性の精神的な自立を促す言葉でした。不幸そうな人がたくさん出てくる作品ですが、陰惨な物語にせずに見応えを担保したコメディ調にまとめたことを評価します。ちなみに、山奥の婆さんは山姥(やまんば)ですよね。彼女だけは文字通り男を「食い物」にしていたようです。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2012-05-31 00:15:38)(良:1票)
7.  パンドラの匣 《ネタバレ》 
「パビリオン山椒魚」という、私的には途轍もない駄作がありました。その駄作ぶりは全部監督の責任と言えるような内容でした。本作はその冨永氏が撮った作品なのだけど、これが同じ監督の作品かと驚きを禁じ得ない。演出の個性やアイデアが、映像作品の個性として見事に昇華されている。時折り挟まれる主人公の独白が面白い。その独白は映像の説明不足を補うナレーションではなく、連なる映像にさらに1カット分の意味作用をモンタージュしたような効果をと味わいを生み出している。文学とは元来、状況や感慨を文字に置き換えて概念世界に広がりを持たせる作業だが、こちらは映像と独白によって映画世界に見た目以上の広がりを持たせている。文学作品の映像化として良く練られた演出が成功していると思います。主人公の達観した視線に太宰らしい自己中な個性を覚えるが、自らを「新しい男」などと規定することが実はギャグで、そのズレ加減が可笑しい。若造がカッコ付けて素直になれず、結局は気になる女(竹さん)を取り逃がすという、実に他愛ない話なのだが、純文学的な風格を感じるほど真面目な体裁に仕上げたところが本作の味わい。「やっとるかぁ?」~「よ~しきた!」の定形コミュニケーションとその変奏も本作の個性を際立たせる。これ、レビュー数は少ないですが、テレビドラマの延長戦のような邦画に「ドラマで充分」というレビューをしている方々におススメしたい。映画らしい映画です。収穫でした。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2011-07-21 22:17:58)
8.  パレード 《ネタバレ》 
ぼーっと観ていると流れて行ってしまうような薄味のストーリーなんだけど、不思議と引き込まれました。居候を含めてマンションの一室に同居している5人の男女は表面的には見えにくい傷や弱みを持っている。一方でその傷の中味を見せ、一方でお互いに侵食しない関係性を見せる。都市生活の基本である表層の付き合いと匿名性が、同居している者同士の中でも成立している。テーマはその距離感で、何気なく重たいことを言ってます。どこが良かったか明確に言えないんだけど放っておけず、珍しく2回見直した作品でした。タイトルの「パレード」だけど、行進する面子と観客の間にはその場を共有していること以外に必然がありません。場は賑やかでも、他人の関係性の中で距離を取って眺めているのがパレードです。都市生活者はたとえ同居人であっても、パレードの主体であり、客体である。原作は読んでいないので自信ありませんが、そんな意味なのかなと思いました。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2011-06-23 21:38:43)(良:2票)
9.  PERFECT BLUE
今敏氏が逝去されて追悼番組で初めて観賞しました。面白かったです。公開当時、すでに「アイドル」の全盛は過去のもの。私の思春期が「アイドル」の隆盛と重なっているからか、廃れ行く偶像へのレクイエムのような印象を受けました。今氏は同世代人ですので、同じような思いがあったのかも。制作からさらに十数年後に観たことによって、社会学的にアイドル文化を振り返るような気分にもなりました。ショッピングセンターのアイドルショー、追っかけ、脱アイドルとヌード、それを飯のタネに群がる業界人たち、オタクとストーカー、などなど。それらの事象を散りばめながら、アイドルから女優への転進を目指す女性の現実と心象と出演ドラマがオーバーラップする構成は巧みで見応えがありました。「女優としての必然で脱ぐ」のではなく「脱ぐことで女優になる」人たちの時代は確かにありましたね。演技の質はそっちのけで、スキャンダル性を最終兵器にして生き残りへの賭けに出たアイドルたち。そんな一種の転落を覗き見るようなストーリーはまるでワイドショーを見ている感もあって、観賞側の視線も二重構造になっている気がします。それが複雑な見応えを醸しているのだと思いました。ちなみに、AKB48の騒ぎっぷりとかを見ていると、私が疎くなっているだけでアイドル事情って昔とあまり変わっていないのかもしれませんが、少なくとも「女優になる=ヌードになる」というレールは無くなったような。人気に応じて売り方を変える不経済を、AVとかグラビア・アイドルとか、「見られ方」の細分で合理化したような印象です。「女優としての必然があるのに脱がない」人を時々見かけますが、見習ってほしい映画です。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2010-09-26 10:01:16)(良:1票)
10.  ハルフウェイ 《ネタバレ》 
ストーリーの中身はかなり幼稚。手持ちでブレブレのカメラワークも最低に近い。北乃きいのアップダウンが激しい性格設定などは、高校3年生にしては我がまま過ぎる。早々にクソ映画の烙印を押しかけたが、途中からさほど悪くもないと思い始め、鑑賞後に自分の心情がじんわりと温かくなっていることに気付きました。自分は理屈で映画を観るタイプなので、内容に納得しない限り低めの点数を付けるのが普通ですが、そんな仄かな温かさを覚える作品も希少価値として評価すべきと思った次第です。実は何が良かったのかが明確に言えないんだけど「花とアリス」を観た直後も似たような気分だったことを思い出しました。たぶん高校生の恋愛感情のピュアな部分だけを強引に抽出して、それ以外は切り捨てるような作り方を、一種のファンタジーとして受け入れたのだと思います。すると劇中の日常が、役者たちの表情も含めてすべて輝いて思い出せるから不思議なものだ。以前に「幸福な食卓」のレビューで北乃きいのことを、美人過ぎないところが良い、などと書いたのですが前言撤回です。色んな意味でグッと存在感が増しました。なにより演技の質で、今後さらに期待できるポテンシャルを感じました。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2010-03-10 21:02:24)
11.  バベットの晩餐会
淡々と進むお話の最後にあったオチは、ひとつの真理です。うまい食い物は人を幸せにする。
[ビデオ(字幕)] 8点(2008-12-18 05:49:25)(良:1票)
12.  パンズ・ラビリンス 《ネタバレ》 
つらい現実に身をおいた少女が幸せな妄想のなかで死んで行く話です。似たような話はたくさんあるような…。でもこの映画はかなりイケてます。その辛い現実の描き方が冷徹です。ゲリラ掃討の任を負った義父にあたる大尉が一直線に残忍な奴で、過激な暴力を振るいまくります。彼女が夢見る王国も楽しいだけの世界観ではなく、たどり着く為にはかなり厳しい試練が課されます。それぞれの描写にしっかりとした骨格があり、この映画を筋の通ったファンタジーにまとめています。辛党の人にもチョコパフェを食べさせるようなハリウッド映画とは違って、鑑賞後の感触がとてもスッキリしていました。映画全体のトーンの勝利だと思います。おかげで、悲しい終わり方ではあるが主人公の少女は現実に未練を残さず最期を迎えられたようです。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2008-12-06 01:11:39)
13.  初恋のきた道
なんでもないお話だけど、風景とそこに溶け込んだ人の純朴さと気持ちのゆらぎが見事に表現されていてちょっと感動。着膨れのチャン・ツィイーが色気を前面にだしていたらこんなにまとまらなかっただろう。
[DVD(字幕)] 8点(2008-09-07 00:06:15)
14.  白鯨 《ネタバレ》 
初見は放送で観た吹き替え版。40年以上昔で小学生だったと思う。子供ながらに、とても重々しいものを感じました。自分の死を悟った銛打ち大男に他の船員がイタズラするシーンや、白鯨に磔にされたエイバブの手招きシーンが強く印象に残っていました。久しぶりの再見で感じたのは、「白鯨対エイハブ」は「自然対人間」の代理戦争なのかな、と云うこと。人は自然の猛威には敵いません。でも、人の歴史とはそれを克服しようとした努力の積み重ねとも言える。エイハブの場合は努力と云うより恨みと執念でしたけど、それも人のエネルギーのひとつで否定したくはない。付き合わされる船員には同情しますけどね。 それと、昔の船乗りの文化、特に捕鯨文化が映像で観られる意味で貴重な作品だと思いました。鯨を狩り、脂を搾り、港に戻って家々に明かりを灯す。人はそうやって生きてきたのですね。 余談。私は小学校の給食で鯨の肉を食べて育ちました。特に美味しいとは思わなかったけど、あの頃はあたり前に食べていました。現在は鯨をはじめとした一部の哺乳類を食することを極端に糾弾する方々がいますけど、じゃあ、牛や豚はいいのか、と思っています。野生の鯨と食用に飼育される動物は決定的に違うのだろうか? 小さな手羽先ふたつで命がひとつ。そんなことを考えながら飲み屋で手羽先を注文する人はいない。私は手羽先も牛肉も豚肉も好物です。まとまりナシ。
[地上波(吹替)] 7点(2018-03-28 01:26:33)
15.  her 世界でひとつの彼女 《ネタバレ》 
肉を持たないコミュニケーション対象に恋愛感情は芽生えるか? そんな命題を持った映画でした。これ、答えはYesだと思いますが、本作の結末は肉を持っている側には複雑に残響していましたね。 ヒトの愛情とは種の保存・保持から発している(はず)。異性を選ぶ目は強い子孫を残すための審美眼であり、その目的に叶う相手との性交が愛情と同義だった。家族愛は外敵から子孫を守るため遺伝子が命じる防衛衝動だったと思う。飢餓に陥らない程度に物質が溢れ、国家レベルの共同体によって生命の安全がほぼ保証された現代は、愛情は種の保存から自由になった。つまり、強い子孫を残す必要なく誰とでも性交できるし、愛情を注ぐ相手が何であっても周囲は困らない。個人の自由なのです。そんなことをオツムの中で再確認(笑)。 で、ヒトで無い相手に愛情は芽生えても、それが成就するかどうかは話は別。そもそも何をもって成就とするかも分からない。でも、地域コミュニティが崩壊し未婚率も高くなった現代社会で、一人で過ごす時間が多い孤独な人々にとって本作のOSさんは理想的なパートナーとなり得る可能性も見させてもらいました。 8000人と同時に会話し、そのうち600人(だっけ?)に恋愛感情を持てる。「AIもの」としてのオチも、想像の外側にあって斬新でした。ヒトは愛情と肉欲を切り離して考えられないけど、AIが肉欲に興味津々だったことが面白い味付けでした。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2018-03-24 22:36:02)
16.  ハドソン川の奇跡 《ネタバレ》 
本人は長年の経験に依る確信を持ってその局面を乗り切ったはずだった。でも、違う視点を持った人達から過失の可能性を指摘されると不安になる。そりゃそうだ。彼には様々な手法をじっくり吟味するような余裕は無かったのだから。200秒あまりの僅かな時間のなかで150人の生死を預かり必死だっただけなのだ。 緊急時に最良と判断した対応が色褪せた時に覚える不安と自身を肯定したい意識の描写。そして、その不安からの解放。一種のヒーローものでありながら、ものすごく地味な部分をテーマに据えてその映像化に成功しています。 自分が交通事故に遭ったときのことを思い出しました。私には過失ゼロの案件でしたが、相手に言わせるとそうでも無い(無茶苦茶な)主張が飛び出したりもする。レベルは違えど、本作の主人公のように不安になります。そんな経験に照らした側面もありますが、とても響く作品でした。 ひとこと言わせてもらうなら「奇跡」を謳う邦題が気に入らん。プロがプロなりの仕事をした結果と見ました。人命が救われたことへの賛辞かも知れませんが「奇跡」としたらサリーさんに失礼かもね。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2018-01-13 23:17:58)
17.  バクマン。 《ネタバレ》 
原作は大好きで何度も読んでいます。そして、読むたびに少し涙腺が緩むほどに揺らされています。いい歳したオッサンがジャンプのマンガに、です。平成の原作ですが、昭和のスポ根的なストレート描写に惹かれている自分が意識されます。 そんな原作ファンから見ても、本作は上手に映画化されていると思いました。省略はあるけれど、それが気にならないくらいにエッセンスの抽出が秀逸でした。エイジとの漫画対決の映画的解決には感心しました。キャストも良かったと思います。特に川口たろう役のクドカンと福田真太役の桐谷健太。敢えて云うなら蒼樹紅が丸ごとカットされたことは残念でしたケド。 映画の評価じゃないのですけど、原作が「漫画の編集者」の仕事内容に光を当てたことをもの凄く評価しています。コンテンツ産業を支える裏方的な仕事でありながら、しっかり作品の内容にコミットして作者たちと共に歩む。あの原作を読んで漫画の編集を志す人が増えたと思います。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2017-05-14 01:21:53)
18.  パンダ・コパンダ 《ネタバレ》 
東宝チャンピオンまつりで観ました。お目当てだったゴジラより印象に残りました。「特に竹やぶがイイ」を何度も繰り返すパパンダに、お行儀が良い優等生アニメとは一味違った捻りを感じていました。久しぶりに観たのですが、パパンダの胸に抱きつく(というか、くっ付く)パンちゃんやミミ子に「トトロ」の原型が窺えます。上手いなぁと思うのは理屈をすっ飛ばす部分と拘る部分の明快な使い分け。例えば、全く垣根を感じさせずにパンちゃんと仲良くなるミミ子の突破力と、パパンダの巨体が椅子を押し潰すような写実性の対比です。エンディングの弁証法的解決は格別の和み具合です。
[映画館(邦画)] 7点(2013-08-14 01:36:38)(良:1票)
19.  ハリー・ポッターと賢者の石
さきほど映画化が完結したこのシリーズ。初作は21世紀と一緒に始まったのね。公開時に劇場で観た際には、原作の記憶とイメージが強すぎて、端折りと駆け足感だけが気になった。なんとも狭量な観方だと反省もする。改めて観ると、原作の記憶が薄れている分だけ、素直に映画のストーリーに入って行けて楽しく観られたことに少し驚きました。古城のような全寮制の学校で魔法を教わる。ホントにそんなものがあるなら、人生やり直して入りたいと思える設定です。「生き残った人」として有名なハリーは優等生ではなく、積極的に規則を破るタイプ。このシリーズ1作目からその傾向が顕著で、枠をはみ出すことが一貫したテーマだったのかとも思います。特筆したいのはJ.ウィリアムズの音楽。魔法が飛び交うファンタジー世界の夢と不思議を、繊細な煌びやかさを纏った旋律で見事に音像化していると思います。巨匠の仕事です。
[映画館(字幕)] 7点(2012-06-16 14:34:36)(良:1票)
20.  ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い 《ネタバレ》 
邦題の副題にとても説明的な言葉が並んでいますが、その通りの内容でした。その字面がくだらない内容を想像させるので、少し損をしています。いや、実際にやってることはくだらないけど、映画としてはかなり上出来な作品です。トラ、赤ん坊、パトカーなどなど、酒とドラッグで記憶を失くしている間にしでかしたことの残骸を次々に並べて混乱させ、笑いで回収しながらエンディングに向かうストーリーに退屈する暇がありません。途中でマイク・タイソン(本人)にグーで殴られたりもしますが、ありえないと切り捨てるほど荒唐無稽でもないのが上手いところ。事態に対応する3人の個性を上手く使い分けて物語を転がすシナリオが良く考えられていると思います。マフィアみたいな中国人やスタンガン警官にひと泡吹かせてやりたかったけど、主人公たちがやったことを考えると天罰みたいなもんですね。残っていたモヤモヤを晴らすエンドロールの写真集も逸品でした。ニワトリだけが分かんねぇ。下ネタが多いので観る人を選ぶ内容かもしれないが、結婚式を控えた行方不明の友人を捜す真摯な必死さが、くだらないコメディとのバランスを取っています。いい歳した男どもの長年の関係が感じられることが私には好感でした。諸々の調整を経たバカ騒ぎだったのに記憶が無いのは勿体ないことですが、この騒動は間違いなく一生の記憶に残る。独身パーティーの目的は達成したのでしょう。自分にもそんなバカ騒ぎの記憶があります。やっぱり友人の結婚式がらみです。忘れたくても忘れられない。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2011-04-24 22:37:03)(良:1票)
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