1. ブラックホーク・ダウン
これが政治的なプロパガンダという方にかなり異論。何に対してのプロパガンダ??だってソマリア紛争は明らかな失政であり、言ってしまえばアメリカはソマリアに介入してはいけなかったんですから。むしろ超大国ヅラしたアメリカの失政(と戦術の致命的な失敗)をダイレクトに本質的に伝え、また当時CBSで流れた、米兵の死体が引きづり回されるショッキングな映像に対する包括的で極めてジャーナリスティックな回答だと思いました。監督もイギリス人であるリドリー・スコットであるという事に対しても、プロパガンダ的な戦争映画と捉えられない最大の考慮をしている、とさえ感じたくらいです。(余談ですが、人種差別を真っ向から捉えたミシシッピーバーニングもイギリス人であるアラン・パーカーだから撮れた映画だと思ってます) 8点(2002-11-24 12:07:20) |
2. フォレスト・ガンプ/一期一会
この映画がヒットした頃、アメリカではガンプイズム = 無垢なものは美しい という新しい価値観が芽生えたのだけれども、ダブルスタンダードを振りかざすアメリカそのものが正しく欠けている部分(アフガン戦争なんていい例)。同時多発テロ後の雨後の筍のような戦争ムービーは、明らかにイラク戦争へ向けた政治的な煽動を感じるけれどある意味この映画がこの頃にやっていたら逆にとても反戦的なインパクトを与えていたかも、と感じる。ところで個人的にはこの映画のような「Life goes on ~そして人生は続く~」的な映画に弱いです(他には「道」とか「ギルバートグレイプ」とか「ストレートストーリー」とか)。ガンプの言葉を借りれば「人生はチョコレートの箱のようなもの、開けてみるまで何が入っているか分からない」。この映画を観終わった以後、ちょっぴり自分もワクワクしながら自分の(人生の)チョコレート箱を開ける(迎え入れる)事ができるようになったと思う。それ位意味深い映画でした。 9点(2002-10-28 00:07:07) |
3. ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ
フィデロ・カストロは実は自国民を深く愛する(世界で有数の出生率の高さを誇る)、そして自国の文化保護についてもとても理解のある指導者でもあり、それは知られるところでは野球、葉巻、そして音楽の方面で最高の「産出国」でもあります。この映画での、ピュアで愛らしいキューバンアーチスト達を見ると、「音楽こそが世界は救う」という事は決してただのセンチメンタルなイデオロギーでは無い、真実の言葉として響いている気がしました。もちろん純粋に音楽を楽しむ映画であるけれど、自分みたいな「ポスト・ロック」世代にとってはむしろ音楽がいかに人を魅力的にするかというパワーに、深い感動を覚える作品です。ブルース一辺倒だと思っていたライ・クーダーがこんなに引き出しの多いアーチストだったという事も一つの嬉しい発見。 8点(2002-10-27 18:59:24) |
4. フルメタル・ジャケット
戦争は狂気と美しさの2面性があって、前半が「狂気」、後半が「美しさ」がテーマとしてキューブリックは捉えたのだと、個人的には確信してます。さしずめ一番最後のミッキーマウスのマーチのシーンはその2つのテーマの融合か!? 8点(2002-10-06 17:53:57) |
5. フェイス/オフ
ジョン・ウーーーーー!!!な作品ですね。二丁拳銃と、スローモーションの銃撃戦と、撃たれて派手にぶっ飛ぶのはもう飽きた。MI2でも相変わらずやっているし。 3点(2002-10-06 17:48:19) |
6. フィッシャー・キング
ロビン・ウィリアムズが「妻を亡くした教師(もしくは医師)」を演じる数多い映画の一つ(笑)。テリー・ギリアムにしてはちょっとハリウッドにすり寄った感じではあるけれど映像の美しさと脚本の深遠さは相変わらず。こんなシュールな映画なのに全キャストがリアルな演技をしているのがこの映画が奇跡的に傑作な一番の理由だと思います。 10点(2002-10-06 14:53:17) |