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アンドレ・タカシさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2127
性別 男性
自己紹介 2022/3/26に以下のような自己紹介文をアップしました。
ロシアのウクライナ侵攻が始まってひと月経過。
映画は観ていますが、侵略戦争のせいでレビューする気になれません。
私の映画レビューと戦争は直接関係しませんが、
楽しく文章を考える気分じゃない、ってことですね。
ロシアが撤退するか、プーチンがいなくなったら再開します。


そして、
侵略戦争が膠着状態に入り、
いつ終わるか識者にも判断できない状況になりました。
まぁ正直、痺れを切らしたので、レビューを再開します。
ウクライナ、頑張れ!

2024年3月17日更新

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1.  ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル
興奮しました。正月映画の本命として期待を裏切らない面白さでした。どこまでがCGなのか、どこまでがスタントマンなのかは分りませんが、主演が体を張って取り組んでいる熱が伝わって来ます。次々に繰り出されるハイテク装置というよりも、それらを使っても巻き起こるトラブルへの対処が見どころで、潜入ミッションもカーチェイスも捻り方が尋常じゃない。さらに、そのトラブル対処に登場人物たちの個性や感情が上手く織り込んであります。毎回監督が変わってそれぞれの持ち味を発揮しているこのシリーズ。本作は「Mr.インクレディブル」のブラッド・バード。初の実写作品ですが、彼のアニメ作品以上にエキサイティングでシリーズ最高だと思います。ドバイの世界一高いビルのシーンでは、慄いて思わず声を上げてしまうほどハラハラしました。ちょっと大袈裟ですが、エンタテイメントの領域で、ただのスパイアクションでは語れない次元まで行ってしまった作品だと思います。高所恐怖症の方は観ない方が良いでしょう。
[映画館(字幕)] 9点(2011-12-17 14:32:11)(良:1票)
2.  未知との遭遇
すでに30年前の映画になりました。いまさらレビューを書くとなると、なかなか難しいものです。公開時に劇場で観たとき、自分はまだ中学生でした。不思議な映画でした。以降、今日まで自分の中で特異なポジションを維持している映画です。この作品は、数あるスピルバーグ作品の中でも、というか、他の全ての映画を含めても異色だと思います。何が、というと恐らく手法とテーマのミスマッチ。一応、主人公はリチャード・ドレイファスなのでしょうが、複数の登場人物のまわりで起きる事象が誰に感情移入させるでもなく、ドキュメンタリー的なタッチで描かれて行きます。ドキュメンタリー風の映画って、通常は社会問題を扱ったものや個人の伝記などが多いけど、そこに宇宙人とのコンタクトを持ってきた。あくまで架空であるものを、ドキュメンタリー的に描くってどーいうこと…、というのがこの作品特有の匂いになっていると思います。宇宙船に乗るリチャード・ドレイファスを羨ましくも感じるけど、家族のことがあるので共感までは行かず、観客は一歩引いたところから事の成り行きを見守る観察者になる。いや、第三種接近遭遇を体験することになる、と言った方が良いのでしょう。観せる、というよりは、ちょっと距離を置いて体験させる。それがこの映画から匂ってくる特別な魅力だと思います。感動に涙するようなストーリーではありませんが、地球外生命体との接触を叙事的に描いた力作であるというのが自分の評価です。当時、まさしく日の出の勢いがあったスピルバーグ監督ですが、演出力は傑出していたと思いますね。冒頭、メキシコの砂漠に新品同様で現れた戦闘機が二次大戦中に失踪した機体だと知った瞬間の通訳のお兄さんの???の感じとか、航空管制センターで会話とレーダー画面だけで未知の飛行物体が現出した違和感を表現する手腕は凄いと思います。公開当時はまだ民放で「UFOを見た!」的な特番が年に何本か放送されて視聴率を稼いでいた時代だから、この映画は随分と先を行っていたとも思います。
[映画館(字幕)] 9点(2009-01-20 00:23:09)(良:1票)
3.  宮本武蔵 一乗寺の決斗 《ネタバレ》 
まず、ロケシーンを褒めたいです。原作通りに三十三間堂を使ったと思える伝七郎との決斗。長い廊下をフルに使う描写が闘いの緊迫感を盛り上げます。そして朝靄の下り松。書割と見紛うほど、絵画的な美しさを湛えています。その後に起こる事に是非も無くのめり込まされる情景でした。 伝七郎戦と下り松のギャップが本作のテーマだと思いました。遊郭からお遣いにでも行くように出かけて、伝七郎を殺して帰ってくる武蔵。死を覚悟し、お通さんに心情を吐露した後でも、生き延びる為に泥の中を這いまわって逃げる武蔵。この落差は「本気度」の違いです。伝七郎戦は勝ってあたり前。武蔵の底が見えません。下り松の必死の状況で、生への執念を見せる武蔵が実像なのだと思います。「死中に活を求める」と云う言葉があり、下り松の武蔵はまさにその通り。でも、その姿は決してカッコ良いものではありません。「我、事に於いて後悔せず」とか言いながら観音像を彫る。後悔アリアリです。彼は「兵法者」としての矜持を貫いたのだと思うけど、闘いの後に訪れる虚無感までは思い至らなかったようです。それはここまでの4作を見て、通底している概念だと思いました。 余談です。吉岡一門は武蔵を殺したいだけ。武蔵は何をもって勝利と捉えるかを考え子供を殺しました。両陣営の目的が完全にすれ違っています。こういう場合は概して「泥仕合」になります。私はそこに、かつての「異種格闘技戦」を見る想いでした。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2014-02-17 23:18:11)
4.  ミシシッピー・バーニング 《ネタバレ》 
タイトル通り、たくさん燃えてました。人種差別を扱った映画の中でも、かなり強烈な部類に入る作品です。組織的な暴力で黒人を迫害するKKKに対し、官憲が大掛かりな捕り物を行う。実話が元になっている作品のようですが、一度はこういう「戦争」をやらないと、差別の大勢は変わらなかったのだと思います。 凶悪な差別描写と並行して、性格と方法論が異なる二人の捜査官の対立と協調が映画的な面白さを担保しています。問題を提起する社会派作品でありながら、エンタテイメントとしても一級品。映画の醍醐味が味わえる逸品だと思います。 劇中、南部に住む人は「差別」を教えられて育つと語られます。「差別」と「イジメ」の違いは、歴史的な背景の有無だと思いました。歪んだ教育は未来への禍根になります。横道に逸れますが、現在の東アジアの情勢を見ていて、歪んだ教育の愚に思い至ります。
[ビデオ(字幕)] 8点(2013-08-14 18:24:44)(良:1票)
5.  ミッドナイト・イン・パリ 《ネタバレ》 
タイムトラベル的な要素があるけど、SFではなくファンタジーです。全体がマイルドに、温かくまとめられています。その雰囲気に包まれ、とても楽しい時間を過ごしました。 パリが最も輝いていた(と主人公が思っている)時代の芸術家たちがゾロゾロと出てきます。美術的知識が乏しい私でさえ、名前くらいは知っている人ばかり。そして、みなさんとても個性的。彼らのアクの強さが可愛いく思えるのは過去の人として評価が定着しているからでしょう。本作は、そんな芸術家たちが集った街としてパリを捉えています。時間を越えてそこを訪れる主人公と、パリの空気感の中に息づく芸術家たちとの交流が愉快で刺激的。「芸術の都」の美術品めぐりではなく芸術家めぐり。その構成が秀逸です。 懐古に対する皮肉もチクリと効かせます。芸術は常に現在進行形の葛藤の中から生まれて来たということです。でも、そんなお題目がテーマということでは無く、単純にパリを魅力的に見せたい映画だったという印象が残りました。冒頭のパリのスナップが情緒に満ちています。特に演出されなくても絵になるところに、改めて感心した次第です。 NY以外は認めない人だと思っていたウデイ・アレンは、その反動なのか、このところは〝世界いい街発見〞で楽しんでいるようです。日本も撮って欲しいです。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2013-02-21 13:05:26)(良:2票)
6.  南の島に雪が降る(1961) 《ネタバレ》 
まだ小学生の頃にテレビで観たのが初見。そのとき、子供心にも訴えてくるものを感じて記憶に残っていたタイトルです。改めて観ると、これは紛れもない名作だと思いました。まず出演者のスペックが凄い。芸達者が揃っていて兵士たちを惹きつける芝居にも説得力がありました。でも本作の意義は、これが加東大介の体験に基づく実話だということ。大人になった自分の目には、南太平洋の戦地にまで来て演芸でしか戦いを支援できない彼らの虚しさのようなものを感じました。あの戦線は大本営の無策・愚策の果てに多くの将兵を餓死(戦死ではなく餓死)させたところです。それを知らないと観賞視点がずれる。米軍の主な作戦行動が本土寄りに移行した後に取り残された陣地で、観劇に訪れる部隊の兵士たちに悲愴感と諦観が見て取れる。あれは「もらった元気で米軍をやっつける」ではなく、「(死ぬ前に)良いものを観させてもらった」という表情です。自分たちの戦闘がすでに戦局を左右するようなもので無いことを自覚したうえでの出陣は、後の特攻に繋がって行くような情景なのだと思います。それに不満不平を言わない兵士たちの心情が忍ばれる。戦闘シーン無しで戦場を描き、その戦場のリアルを浮き彫りにした作品です。加東大介のナレーションで語られる戦況の概容は軍令部に対する恨み言などは一切無くて潔いのだけど、演芸部隊がいたニューギニア以東の兵士たちのほとんどが愚かな作戦のために死んで行ったことを意識して観る映画だと思いました。
[地上波(邦画)] 8点(2010-08-09 21:46:00)
7.  ミクロの決死圏
子供の頃、新作映画の特集として「少年マガジン」か「少年サンデー」のどちらかが本作をとり上げていて、食い入るように読んだ事を覚えている。映画自体を観たのは暫く後のことだったけど、自分にとって初めての「SF映画」はたぶんこれ。ファンタジーやスペースオペラが渾然と「SF」に分類される商業映画の風潮のなかで、60年代に「センス・オブ・ワンダー」で勝負している本作は尊敬に値すると思います。体内に入る前に見せられる大仰な装置や丁寧なミクロ化の手順。最終段階は注射器と一緒に縮小するような描写に感激する。久しぶりに観て驚いたのが、探査艇のデザイン。40年以上前のものとは思えないほど洗練されたフォルムです。原題を大胆にアレンジした邦題もファインプレーだと思っています。今となっては、さすがにドラマ部分の淡白が気になるものの、全編を通した旺盛なチャレンジ精神がSFマインドを刺激してくれる逸品です。
[地上波(吹替)] 8点(2010-07-17 20:42:41)(良:2票)
8.  Mr.インクレディブル
奇抜な発想とそれ定着させる技術はジャパンアニメとは違う方向性で完成していると思います。ラスティガールが可愛かったっす。
[映画館(字幕)] 8点(2008-09-22 00:04:55)
9.  宮本武蔵 般若坂の決斗 《ネタバレ》 
シリーズ第二作。「剣豪」に向けてストーリーが転がり始め、初作に比べて面白さがグッと増した印象。凝ったカメラワークと丁寧なライティングの妙味に、古き良き邦画の色気を感じました。細かい話だけど、蝋燭の灯りの表現に神経を使っていて、そんな細やかな絵作りに好感を持ちました。錦之介さんも初作からガラッと変わって、決め台詞の迫力はなかなか。楽しめました。 城太郎は連れ歩いてもお通さんはNG。原作通りなんだけど、そのシーンに違和感を覚えました。連れて行ってあげれば良いのに、と思った訳です。はたと考えると、近年のスポーツや武道ものは身近な異性の存在を否定していない、むしろ奨励している印象です。梶原一騎世代の自分でさえ武蔵のストイックな姿勢を「やり過ぎ」と感じたことに、時勢の流れを覚えた次第です。 以下余談。旅立つ際に「どこまで人間として己を高められるか」と言う武蔵にも違和感を覚えました。原作や本作より先に読んだマンガ版で「強い奴を全員ぶち殺したら俺がイチバン」なんて言ってる印象が強いからです。マンガ版の武蔵には姫路城に籠る3年間が無いことによる落差で、これは原作の根底を覆すほど激しい変更ですが、違和感なく展開させている。本作を観ながら、マンガ版のアレンジの秀逸さも感じていました。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2014-02-06 02:19:54)
10.  ミレニアム2 火と戯れる女 《ネタバレ》 
売春組織を摘発するストーリーかと思っていたら、そこにリスベットの生い立ちが重なって行く。なんと、探し求める黒幕が肉親だったという展開。唐突ですが、ルークとダースベイダーを思い出しましたよ。一作目同様にリスベットが出てくると何かをやらかしてくれる期待感があり、本作でも裏切られなかったです。ミカエルとの共同調査は無いけど、お互いを意識している繊細な距離感描写はシリーズならではの見どころでした。 ひとつ感心したのはハリウッド作品では感じられない緊迫感。例えばカーチェイスシーン。ハリウッド作品では派手に車が吹っ飛んでも、主人公がクラッシュするような不安を覚えないのだけど、コチラの作品では路肩の人を轢き殺しかねない危うさを覚えます。瀕死状態で地中から這い出たリスベットが懸命に意識を保とうとしている様子なども迫真性がありましたね。楽しめました。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2013-05-30 23:57:31)
11.  ミスター・ノーバディ 《ネタバレ》 
珍しく2回観ました。複雑な内容を吟味したかったこともあるけど、それ以上に感じるものがあったからです。誰しも、過去に通過した「選択局面」に対して、悔恨に似た想いを抱えているのではないでしょうか。本作は、そんな想いに対する処方箋のような映画だと思います。 劇中には、ざっと数えただけで10前後の人生がありました。ボケたジジイの回想なのか、子供の想像なのか、それは大きな問題では無いと思います。どの人生も完璧に良いことばかりでは無く、また、絶望だけで終わる訳でも無い。一長一短があるんですね。つまり、それぞれの人生にそれぞれの意義と味わいがあるということです。クルマと一緒に溺死したり、風呂で撃ち殺されたりする人生は、ジジイのフィクションでしょう。だって、ジジイは生きてましたから。 本作の語り口に反するようですが、現実の人生は可能性の収束だと思います。そして、収束は偶然では無く必然です。例えいきなり30歳ほど若返っても、私は同じ局面で同じように悩み同じ「選択」を繰り返すのだと、最近は思っています。ただ、あの時こうしていればと夢想することは自由です。時間を巻戻してあり得なかった「選択」をイメージし、今後の「選択」の幅を広げることには意味がある。また、そんな夢想自体も晩年の人生には「リアル」の一部になるのだと思います。 私ごとですが、歳を重ねるほど「選択」に対する悔恨は減衰しているようです。直接的な痛みが風化することもありますが、「一度しかない人生」こそが大切で、「選択」の後にやってくる「体験」の方が愛おしく思えます。ジジイの間延びした笑い声はそんな気分を表現しているのだと思いました。 ちなみにジジイはアンナに最も執着していたようです。その気持ちは良く分かる。アンナ(=ダイアン・クルーガー)がイチバン美人です。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2013-03-14 23:04:38)(良:3票)
12.  ミッドナイト・ラン 《ネタバレ》 
登場人物たちの利己主義がバランスよく絡み続け、本作をレベルの高いエンタテイメントに仕上げています。内容的にはハードボイルドだけど、要所で挟まる軽妙な音楽がそれを中和し、ロードムービーを喜劇風にまとめます。 賞金稼ぎは、なぜ会計士を逃がそうと思ったのでしょう。それは念願とも言える仇敵の逮捕機会を会計士が提供してくれたからです。賞金稼ぎなりの感謝の印でした。でも、会計士は賞金稼ぎのことを思ってアクションした訳ではありません。そのまま別れたら、賞金稼ぎは会計士にとって「恩人」になってしまいます。だから30万ドルを贈りました。稼ぎ損ねた賞金を補填してあげたと云うより、貸し借りなしの対等な関係になりたかったのだと思います。対等な関係とは、つまり「友人」です。それに気付いた賞金稼ぎが振り返った時、友人の姿は消えていました。彼らの再会はいつか叶うと思います。
[ビデオ(字幕)] 7点(2013-01-27 00:24:10)(良:3票)
13.  未来を生きる君たちへ 《ネタバレ》 
分かり易く、よく出来たドラマでした。解釈の仕方に依りますが、際どいことを言ってると思います。二つの出来事が教訓を伴って強く心に残りました。 ひとつはアフリカの難民キャンプでの出来事。暴君を見殺しにして自己嫌悪に陥るエリアスの父。医者は「裁く」のでは無く「救う」職業であるという信念を自身の「行動原理」にしていたが、暴君へのリンチを間接的に容認してしまう。馬鹿を殴り返さなかった件は「行動原理」を貫く意思の強さの確認でもあったが、それが崩れます。 もうひとつはクライマックスである車の爆破にまつわるクリスチャンの心の動き。不条理な出来事に対する彼の反発心は、純粋な感受性が成さしめた部分が多いが、母を失ったやり場の無い憤りのはけ口でもあったようだ。それが行動をエスカレートさせた。 エリアスの父に関して。「行動原理」の限界を見せてもらいました。そもそも、機関銃を持って乗り込んで来る奴らに自身の考えを主張して引き金を引かれたら、その瞬間に全てが終わります。これは、殴り返さないだけは解決しない局面です。だから、覆せない不条理は存在するということです。意志の力の限界とも言えます。同時に「行動原理」の範囲に収まらない怒りもある。「憎しみ」は制御が出来ても、瞬発的な「怒り」は制御できない。だからって訳でもないけど、妊婦をゲーム感覚で殺していた暴君は然るべき道を辿ったと考えて良いと思いました。エリアスの父がどのように整理するかは彼の問題でしょう。 クリスチャンに関して。彼の反発力は尊ばれるべきだと思いました。エリアスを苛めていた奴は、クリスチャンの1回の反撃で大人しくなりました。悲しいかな、人は他者への攻撃に快楽を覚える側面がある。だから、学校がどんな施策を講じても「イジメ」は無くならないと思う。「イジメ」などの不条理には反発しないと舐められる。図に乗らせたらエスカレートする。これが現実です。だから、やり返すことは間違いではない。(「イジメ」だけに関して言うなら、いじめっ子は概して安全なところで快楽に溺れている根性ナシが多いので、やり返せば収束します、経験的に) ただし、反発にもやり方と程度がある。やり過ぎると、その矛先はもろ刃の剣となって自身に降りかかる。それが車爆破事件の教訓かなと思います。 以上、あくまで私の個人的な感想と解釈です。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2012-10-19 03:48:11)
14.  ミッション:8ミニッツ 《ネタバレ》 
バーチャル・リアリティって言葉を聞かなくなったように、仮想現実の世界を提示されるだけでは物足りなくなった昨今、本作はかなり捻りを効かせた作品でした。事故死した男の最後の8分の記憶に主人公の意識を送り込み、その8分間を追体験させる。メモリーした時点から何度でもやり直せるアドベンチャーゲームのようでした。鏡に映った自分が別人の顔をしているシーンは、設定を理解させるうえで有効かつ秀逸な演出でした。そのシーンの後も彼(ジェイク・ギレンホール)の顔のままストーリーが進行する。あくまで主人公は彼の意識である。テロを防止するプロジェクトの目的からテーマはスライドして彼自身にフォーカスして行く。主人公自身が何者であるかを探求する流れは観る者を引き付けます。そして問題のラストシーン。彼が見た8分より後の世界とは何なのか。それを考えるのは楽しかった。元の世界から多元宇宙の一つへ分裂したのか? 肉体の呪縛から解放された「ゴースト」(「攻殻機動隊」参照)が終わらない夢を見ているのか? あるいは「あの世」の情景か? 色々な解釈ができる。いずれにせよ、彼は死んだ男の記憶にあった世界の延長上であの世界を手に入れた。そこに実体が存在するかどうかは、実は大きな問題では無いとも思う。我々が脳内の信号によって世界を知覚するように、それがリアルに感じられればその者にとって紛れもなく「リアル」であるから。本作はそこに至るトリガーとして「生きたい」「愛したい」「守りたい」といったの意志の力を提示し、人間の可能性を示唆する。この邦題も悪くないけど、プログラム名である原題はオチに直結していますね。ダンカン・ジョーンズ監督はこの2作目で本物を証明しました。観る側の興味を引き付けるストーリー性、足元が瓦解するような不安感を煽る語り口、そして人間の本質に回帰するテーマ性など、卓越したセンスを感じます。
[映画館(字幕)] 7点(2011-11-06 10:45:56)(良:2票)
15.  ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女 《ネタバレ》 
ドラゴン・タトゥーの女=リスベットが謎めいていて凄く魅力的です。ミカエルと彼女の連携が映画的な面白さを醸しています。さしずめ、ミカエルがホームズなら、リスベットはホームズより優秀なワトソンと云ったところか。女性が虐げられる描写が多く、その被害者の一人でもあるリスベットの活躍が事件を究明する構成で、彼女の容赦の無さは加害側全体に対する復讐的な色彩が強い。女性の恨みを晴らす、一種のダークヒーローですね。これを観たら、もっとリスベットが見たくなります。シリーズ化された理由が分ります。身近に残虐な殺人鬼がいたというオチは地元警察の無能さの証明みたいな内容だったけど、40年も昔の失踪者の捜索が終盤で別の事件の謎解きに繋がり、犯人を特定し、さらに失踪人も見つける展開のスピード感が劇的で爽快でした。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2011-10-30 02:05:58)(良:1票)
16.  未成年 続・キューポラのある街 《ネタバレ》 
「キューポラのある街」が1962年で今作が1965年の製作。劇中でも同じだけの年月が経っている設定のようでした。メインの役どころの配置はそのままで、演じる人が何人か代わっています。前作は未来への希望を醸して終わった記憶があるけど、今作はとびきりハードな内容でビックリ。吉永小百合演じる主人公ジュンは18歳。カメラ工場の組み立てラインで働きながら、定時制高校に通い、大学進学の為の学費をコツコツ貯金する日々。いきなり同じ工場で働く友人の妊娠騒動から始まり、職場でのイジメ、親父の失業、朝鮮の友人との接触から政治思想を持っていると睨まれたりもする。唯一の希望に見えた幼なじみの浜田光男が興した会社も倒産し、問題ばかりが山積して行く。その底流に、貧困で子沢山な家庭が横たわっている。どうやって決着をつけるんだ、と心配していたら、ジュンは1年を残して定時制を中退し、夜も働いて家族を養う道を選びます。大学へ行き、稼ぎの良い仕事に就いて、親元を離れて自活するという夢は、つらい現実の前に霧散しました。働きながらでも学ぶことは出来る、と自分に言い聞かせ、この場所で、川口で生きて行くと胸を張ります。それは、貧困を含めた多くの問題に正面から挑むことが、自らの宿命と悟ったかのような決意でした。でも、このラストシーンに流れる音楽が不協和音を轟かせていて、ジュンの前向きな意思とは裏腹に、どうしても禍々しい運命を連想させる。自分はこの映画から、希望を感じることは出来なかった。つい最近の映画「百万円と苦虫女」では、主人公は幸せを求めて何度も引っ越します。自己実現手段の変化は時代の隔絶。遠い昔を映していました。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2009-09-28 00:15:14)
17.  ミラクル7号 《ネタバレ》 
何作か観てきて認識したことだけど、チャウ・シンチーの残酷さと笑いのバランスセンスは独特だ。かなり酷いことをあっけらかんと描写する。邦画やハリウッド映画では見られないような、えぇ~と思わせるシーンが多々ある。それはゴキブリ潰しやウンチのグロさではなく、もっと精神的な残酷さ。今作では先生が主人公の男の子を汚れ物扱いするシーンなどが良い例。でも、思い切った笑いや、この映画で言うと7号の可愛さで相殺する。これは、香港映画の範疇というより、この人の個性だろう。自分は嫌いじゃないです。この映画は、確信犯めいた7号のチープな造形が面白い。指定された感情を表情にするシーンは、バカバカしいけど楽しく見させてもらった。それにしても、ここのレビューを見るまで、あの男の子が実は女の子だったなんて、全く気づかなかった。そのサプライズ・キャスティングにプラス1点。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2009-09-22 15:37:19)
18.  ミスト 《ネタバレ》 
これは良かったです。モンスターパニックものだけど、自分はモンスター以上に人間が怖かった。あの宗教おばさんにはぞっとしました。あんな馬鹿っぽいおばさんの弁舌に乗せられるということは、危機的状況に陥った人の心の弱さの表れなのでしょう。でもアメリカの映画ですね。葬式宗教国の日本では、あんなに簡単に帰依して行かないと思いますよ。モンスターも小型から超大型まで大きさはまちまちだけど、一貫したコンセプトでデザインされていて見応えありました。でも、今作に関しては人間ドラマを盛り上げるための良く出来た背景という印象です。問題のラストシーンは、子供を自らの手にかけるという意味でとても後味の悪い終わり方だけど、その前にガス欠くらいで諦めてしまうことの方が問題だろう。最後の最後まで粘っていれば、同じ終わり方でも印象は違ったと思う。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2009-05-19 04:15:53)(良:2票)
19.  ミラーズ・クロッシング 《ネタバレ》 
自分が見る限り、主人公のトムは重要な選択を2回しています。ひとつ目はヴァーナとの仲をレオにばらすシーン。ふたつ目はバーニーを殺さずに逃がしてやるシーン。これらの選択はトムの思惑を外れて悪い方向へ転がって行く。特に後者は自らを窮地に追い込みます。機転を巡らし運にも助けられて彼は生き延びますが、その手腕を見応えとする映画ではないですね。無残に死んじまってもそんな映画だと納得していたと思います。ミラーズ・クロッシング(ミラーの十字路)というタイトルは、主人公の行動の選択肢を象徴していると解釈しました。そしてミラーズ・クロッシングを転がる帽子は、個性も矜持も、はたまた愛情も、複雑な関係性のなかでは風に吹かれるように翻弄されるということでしょう。「諸行無常」は言いすぎ。「塞翁が馬」って感じでしょうか。そんな環境で頑張ってハードボイルドやっているトムがちょっと滑稽でもあり、可愛く感じました。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2009-05-13 02:55:43)
20.  ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション 《ネタバレ》 
フツーに面白い映画でした。褒めているつもりです。テーマ性などは特に無いのですが、全く退屈せずに楽しめました。そういう映画って実は稀少です。オープニングで飛行機から飛び去る際の切れ味と、バイクシーンのスピード感とハングオンが特に印象に残っています。 余談ですが、よく走る主人公に感心します。私、この方と同年の生まれ。私の方が少しだけ年上。今年は四捨五入で還暦になる歳ですよ。でも、若手のアクション系俳優と較べて遜色ないほどに走り回ります。だから最前線のハリウッドスターな訳ですけど、同世代の活躍からは励ましを貰います。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2017-05-14 01:48:46)
0170.80%
1462.16%
21316.16%
32069.69%
432315.19%
548322.71%
636917.35%
728213.26%
81758.23%
9733.43%
10221.03%

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