1. メランコリア
《ネタバレ》 「ネタバレのイントロダクションなど不要!」と言いたいところですが、『100日後に死ぬワニ』方式の演出と捉えれば納得できます。何気ない日常も「まもなく地球が消滅する」枕詞が付けば別物に変わる。実際ジャスティンの態度は一般的なマリッジブルーの症状と何ら変わりなく、彼女が抱えていた「憂鬱」の正体を知らないままでは、詫びも寂びもあったものではありません。真実を見通せる能力を持つ彼女いわく、地球は宇宙で唯一生物が存在する惑星とのこと。我が身可愛さで嘆くような次元の話ではなく宇宙規模の大事件。「イチからゼロ」に変わる運命の瞬間が迫っているのだとしたら憂鬱度も一層増すというものです。とはいえ地球が消滅しようと自分だけが死のうと、自意識レベルの結末は同じ。たぶんジャスティンは「大して変わらない」と思い、クレアは「全く違う」と認識している気がします。人間らしいのはクレアの方。一方ジャスティンは「悟りの境地」とも言えますが、真実を誰とも共感し合えない孤独の先に行き着いた心境でもあり、どこか哀れに思えます。彼女が最後に考えたキャッチコピーが「無」というのも、さもありなん。 終末世界を描く映画の中では刺激度はかなり低めだったと思います。暴動や略奪、集団自殺なんて物騒な描写はありません。これは民衆に破滅が予告されていなかったせいです。もちろん天文学者がこの結末を予想できないはずがなく、各国政府が事実を隠蔽していたと推測されます。しかしこれは「嘘も方便」の類。こんな時に「知る権利」が発動していたら地獄絵図は不可避でした。唐突に、抗う術がないから救われる。それが「死」の本質という気がします。ここから尊厳死の意義について考えるのは飛躍し過ぎでしょうか。木の枝で組んだ魔法陣は気休めの象徴。大した覚悟も無く迎える最期というのも悪くないのでは。 私が今まで観てきたラース・フォン・トリアー監督作品の中では、最も「観易い」映画でした。鬱度はさほど高くありません。ただこの監督の場合、これが誉め言葉にはならないのがユニークなところ。貶しているつもりはありません。でも些か冗長だったとは思います。大監督が制約無く創った芸術作品とでも申しましょうか。歓迎すべきなのでしょうが、多少制限があった方が客観的に「良いもの」が出来たりして。「名作は2時間超が当たり前」の風潮ですが、2時間以内に収めてくれていたら8点でした。 [インターネット(字幕)] 7点(2023-11-28 19:29:49) |
2. メン・イン・ブラック3
《ネタバレ》 『2』が個人的にイマイチだったので本作『3』は長らくスルーしていたのですが、最新作『インターナショナル』鑑賞を機に遅れ馳せながら観てみることに。いやはや、こんなに面白いとは全くもって予想しておりませんでした。某三谷幸喜監督は新作が出る度に『最高傑作!』なる誇大広告が出されますが(失礼)、本作こそ掛け値なしのシリーズ最高傑作で間違いないでしょう。『タイムトラベルもの』としても相当に優秀です。そうくるか、こんな使い方があるのか、ここに繋がるのかと感心することしきり。切なくも心温まる納得感ある結末こそタイムトラベル映画の大正義と考えます。MIBテクノロジー進化の過程をみるのも面白かったなあ。それにしても若き日のエージェントKを演じたジョシュ・ブローリンのキャスティングは神業レベルでした。こんなハマり役見たことないです。もっともエージェントOの方は脳内補正が必要な並業キャスティングであり「歳月は女性を大いに変える」というメッセージが込められているのだとしたら、誰かに少し怒られたらよいでしょう。それが真実だとしても。 [インターネット(吹替)] 9点(2022-05-04 21:28:20) |
3. メン・イン・ブラック:インターナショナル
《ネタバレ》 主要キャストを一新した人気シリーズの続編。主役の性別変更は、昨今の世相を反映したものでしょうか。設定や世界観、ストーリーは慣れ親しんだMIBのそれで、続編の制作手法としては何も間違っていないと思います。ただ物足りないとすれば、ひとえに愛すべき彼らが居ないから。燻し銀のエージェントK、お気楽ニキエージェントJ。過去3作に渡りシリーズの顔として活躍してきた主要キャラへの愛着は捨て難く、彼らと比べると本作の主役コンビが見劣りしてしまうのも仕方のないこと。シリーズ映画は「思い入れ」によって成り立っています。新キャラのミニ宇宙人ポーンはいい味を出していましたが、kとJ不在の穴を埋めるほどの存在感はありませんでした。本作単品なら6点、MIBの続編なら5点です。あれ、私そんなにこのシリーズ好きだったかしら? [インターネット(吹替)] 5点(2022-05-02 18:55:17) |
4. メガ・シャークVSクロコザウルス<OV>
知的むっちり美女にメロメロ。 [インターネット(字幕)] 3点(2020-07-20 18:54:50) |
5. メガ・シャークVSジャイアント・オクトパス<OV>
《ネタバレ》 私の投稿鑑賞環境は、ここ最近『インターネット』で埋め尽くされています。これは某『〇マゾン〇ライムビデオ』のこと。悪魔のサブスクに手を染めた経緯は『キャッツアイ(実写版)』の感想(https://www.jtnews.jp/cgi-bin/review.cgi?TITLE_NO=1548)で報告しておりますので、ドキュメンタリーとして(嘘)お読み頂ければ幸いですが、本作は完全にバカ映画狙いで鑑賞しました。『メガシャークVSグレートタイタン』のサムネイルに釣られ、どうせなら1作目からと思い本作を選んだ次第。“旅客機襲撃”の例を取っても、本作がバカ映画であることは疑う余地がありません。間違いなく狙ったバカ映画。しかしバカ映画であってもコメディではないので、基本笑いはありません。ここに非コメディ系バカ映画のジレンマがあると考えます。笑わせるのではなく笑われる。コメディなら恥とされる概念も、バカ映画では正義です。おそらくこの域に達している一流のバカ映画は私が知る限り『死霊の盆踊り』と『シベリア超特急』くらい。テクニック、運、そしてパッション。全ての要素が合わさって、初めて一流のバカ映画が誕生すると考えます。本作の場合、ポイントはメインエベントの大サメVS大タコの一戦にありました。試合巧者でもないくせにグラウンド(オーシャンか?)の展開に終始する試合展開は、玄人を気取る素人ファンには受けても(酷)、本物を知るファンの目は誤魔化せません(呆)。太古の深海生物同士だから塩加減が濃いのだ!では済まされないしょっぱい試合、いやタコだから泥ならぬ墨試合に辟易しました。両者リングアウトで許されたのは、昭和の時代までと知るべきでしょう。88分と短尺ながら、後半1時間は起きているのが非常に辛かったです。これは普段よりキツ目の肉体労働した日の深夜鑑賞、ベッドで横になりながらというシチュエーションだけでは説明がつかない事態と考えます。残念ながら本作は1流になりきれないバカ映画でありました。 [インターネット(字幕)] 3点(2020-07-20 18:53:35)(笑:1票) |
6. メタルカ-METALCA-
《ネタバレ》 内田監督の作品を観るのは本作で3作目ですが、毎回幼少期に虐待を受け心に傷を負った人たちが登場します。そして皆さんハッピーエンドとは言い難い結末を迎えるようです。何事も最初が肝心と考えるなら、ごもっともな結論ではあるのですが、連続して観るのはキツイものがあります。とはいえ、本作は原則ゾンビコメディ。深刻度合は低めの設定。なので内田監督作品の入り口としては丁度良いかもしれません。もっとも逆に言うなら「ゾンビもの」の制約が足枷となり、監督の真骨頂である“人生に対するエグイ踏み込み”を浅くしているとも言えます。作風的には園子温監督に近いものを感じますが、園監督が死に至る猛毒なら、内田監督は『体に良くないよ』くらい。過剰摂取をしなければ大丈夫でしょう(無責任発言)。良いか悪いかは別として、内田監督の人間観(人生観)は理解できますし、演出や表現方法にも魅せる部分があり、嫌いではありません(もう少しで好きと言えそう)。それはそうと、劇中ではゾンビを感染症と捉えた「緊急事態宣言」が出されておりました。私が鑑賞したのは2020年の春。まさか新型コロナウィルスでリアルに「緊急事態宣言」が出される世の中になるとは。映画の中の社会は「3つの密」を避けるのではなく、むしろ密集して生活した方が安全なんでしょうけども。ちなみにタイトルは『メタル・オブ・ザ・デッド』が一般的なのでしょうね。 [インターネット(邦画)] 6点(2020-06-05 18:57:47) |
7. 名探偵コナン 紺青の拳
《ネタバレ》 二女(小4)の付き添いで劇場鑑賞。シリーズに対する知識や思い入れ等ない立場での感想であることをご了承ください。また一番投稿もご容赦くださいませ。 TV放映されていた『ゼロの執行人』をチラ見して、あまりの大人向け路線に度肝を抜かれていた矢先に本作を鑑賞したのですが、先述の作品程ではないにしても、かなり大人観客を意識したつくりであったのは間違いありません。というより、子どもに対する配慮が薄いというか。冒頭から延々字幕。確かに映画館内の客層をみれば特に問題無いのかもしれませんが、子ども向けを堅持しつつ大人をも満足させることを目指している『ドラえもん』や『クレヨンしんちゃん』等の長寿アニメシリーズとは明らかにスタンスが異なると言えましょう。今回の舞台はシンガポール。通常TV放送よりスケールをグレードアップするあたり、いかにもTVドラマの劇場版という感じですが(キムタクの『HERO』みたい)、その為にレギュラー陣の出番が削られたのでは意味が無いような。確かにスペクタクルは割り増しですし(世界的にも有名なあの建物の“アレ”を絶対に落としたかったんですよね!)、劇場版ならではの特別感はるものの、本来メインであるはずのサスペンスやミステリーとしての面白味は弱く、何よりレギュラー、ゲスト共にキャラクター造形に魅力を感じませんでした(金持ちばかりでいけすかない!!)。一見さんの大人観客を満足させるのは難しいかもしれません。ただし、ファンにはファンならではの見方があるのでしょうし、あくまでニワカの参考意見という扱いでお願いします。 [映画館(邦画)] 5点(2019-05-02 16:58:48) |
8. メイズ・ランナー 最期の迷宮
《ネタバレ》 『ロード・オブ・ザ・リング』が足かけ3年、『マトリックス』が同じく5年、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』が6年、そして『ゴッドファーザー』が19年(!)。シリーズ3部作が完結するまでに要した年数です。LOTRのように最初から三部作として企画されたものもあれば、好評につき続編が製作され結果的に3部作となったパターンもあるようで。本作の場合は前者のケース。5年をかけて物語を完成させました。1作ごとに独立したストーリーなら、基本設定や主な人間関係を把握できていれば問題なし。続編まで多少時間が開いても苦になりません。というより、魅力的なシリーズは繰り返し鑑賞したり反芻したりするので、記憶に残るワケです。しかしそうでない場合、時間経過は命取り。特に記憶力が衰えてきたオジサンには正直ツライのであります。本作は3作トータルで5年。2作目から3作目は3年近く開いてしまいました。もう連続した物語として把握するのは厳しいです。かといって、復習する気もなく。やはり3部作なら、LOTRくらい短期間にまとめてお願いしたいのが本音。本作単独作品としてなら、SFアクションサスペンスとして及第点はクリア。救出劇としてもレジスタンス映画としてもそれなりに見応えはあります。ただ、個人的にあの結末は感心しません。これでもかとご都合主義の展開を観させられた挙句、クライマックスだけは逆に無駄死で劇的さを演出。なんともちぐはぐな印象を受けます。主人公が犠牲になり、ヒロインが世界を救うパターンならサプライズとして解りますけれども。最近は洋邦問わず、ハナから連作が多い気がしますが、深刻な原作ネタ不足という事なのでしょう。基本的には2時間程度で纏める制約部分が、映画の醍醐味のひとつと考えます。 [ブルーレイ(吹替)] 6点(2019-02-15 18:24:40)(良:1票) |
9. メアリと魔女の花
《ネタバレ》 キャッチコピー「魔女、ふたたび」。エンドクレジットの「高畑」「宮崎」「鈴木」氏への謝辞。過去ジブリ作品へのオマージュの数々。そして何より「ジブリ印」のキャラクターとエピソード。本作は、のれん分けした後継者の“本家ジブリ宣言”と見て取れます。つまり、ジブリ作品を観たければ、今後はスタジオポノックへお越しくださいということ。これはまるで故三沢光晴氏が旗揚げした「プロレスリング・ノア」と同じ。当時全日本プロレスのエースだった三沢が、ほとんどの選手とフロントスタッフを引き連れ、新たに立ち上げたのが「ノア」でした。“明るく、楽しく、激しい”全日のプロレスが観られるのは「ノア」の方。ただし全日本プロレスの創始者・故ジャイアント馬場の妻、元子夫人が社長を務めるのは残された「全日本プロレス」の方。さて、どちらが正統な「全日本プロレス」なのでしょう。私自身は、全日に残った川田選手のファンだったため並行してどちらの団体も観続けましたが、旧全日ファンは基本的にノアに流れたと記憶しています(ひいきの選手がいる団体を応援するのは当たり前ですしね)。おっと、無駄話が過ぎました。話を戻しましょう。スタジオジブリとは何ぞや?と問われるなら、それは「宮崎駿」であり「高畑勲」でしょう。宮崎駿のキャラが空を飛び、自然環境保護を叫びながら、ウルトラアクションをこなせば、=ジブリ作品とはなりません。それは『ゲド戦記』で確認済み。『ジブリ作品』か否かのポイントは“監督は誰か”に尽きると考えます。『ドラえもん』だろうが『鷹の爪』だろうが『ポプテピ』だろうが、宮崎駿が監督すれば『ジブリ作品』です(あるいは故高畑勲監督)。勿論これは私個人の判断基準。レシピ通りであれば、それで満足という方もおられるでしょう。私の感覚では、本作のジブリ再現度は80点。一般的には充分合格点です。でも、模倣80点はオリジナル50点に劣ると考えます。本家ジブリ路線はビジネス的には正しいかもしれません。でも作家が目指すべきは、やはりパイオニア。元祖ポノックを望みます。もっとも、本家がいつの間にか元祖を凌ぐことも、ままあることではあります。さて、ポノックの行く末や如何に。 [DVD(邦画)] 5点(2018-08-10 19:56:38)(良:2票) |
10. メッセージ
《ネタバレ》 巨大宇宙船、タコ型地球外生命体、そして“未来の記憶”。トラディショナルなTHE・SF映画の体裁です。ストーリーは“異星人との意思疎通”にほぼ終始するという極めて地味な展開ながらも、情感たっぷりのヒューマンドラマを孕み、見応は十分でした。最終的には親子愛という普遍的なテーマに落とし込むあたりも、王道中の王道のSF作品。個人的な好みで言えば『コンタクト』や『インターステラ―』と甲乙付けがたい傑作SFとの認識です。 [CS・衛星(吹替)] 8点(2018-03-20 19:59:44) |
11. メイズ・ランナー2 砂漠の迷宮
《ネタバレ》 巨大迷路攻略という超強力なギミックを、1作目で早くも放棄してしまったシリーズ映画は、第2作目にして“世紀末ゾンビサバイバル”というお馴染みの設定に移行した模様です。もっともゾンビ要素はあくまで添え物。物語のアイデンティティは、ゾンビ治癒研究機関?WCKDとの戦いにありました。人類滅亡の危機に同種内で揉めている場合か!とも思いますが、モルモット側にしてみれば、研究者の狂った実験に付き合う道理もなく、この流れは必然と考えます。まあ、基本設定が脆弱なのでドラマをシリアスに捉える必要もありませんが。それにしても『ハンガー・ゲーム』といい、本作といい、最初にデカい花火を上げるやり方って流行っているんですかね。粗品無料プレゼントでお客を集めて、最終的に布団を買わせるみたいな。特段面白いと思っていない私も続編を観ているワケですから、まんまと欲しくもない布団を買わされている気分です。 [DVD(吹替)] 5点(2017-04-30 21:43:37)(良:1票) |
12. メイズ・ランナー
《ネタバレ》 予告編だけなら結構面白そうなんです。でも見進めていく程に、状況が判明していく程に、最初に在ったワクワク感がどんどん目減りしてゆきます。これはツライ。同類設定を有する『CUBE』と比べてみると、その差は歴然。マジックの種明かしは厳禁だという事がよく分かります。さて、本作は3部作とのこと。正確な評価は続編を観てからにさせて頂きたいのですが、期待感は『ハンガー・ゲーム』並みといったところでしょうか。 [DVD(吹替)] 5点(2017-04-25 22:46:57)(良:1票) |
13. 名探偵コナン 戦慄の楽譜
伏線は沢山張られていますし、脚本の出来自体は悪くない気がします。でもミステリーの根幹を担うトリックや犯行動機がお粗末な印象でした。タイトルはダジャレでしょうか。 [地上波(邦画)] 4点(2015-01-12 18:52:21) |
14. 名探偵コナン 11人目のストライカー
《ネタバレ》 狙ってクロスバー直撃のシュートが撃てる日本人ストライカーがこんなにいたなら、ワールドカップ予選なんて楽勝でしょうに! [地上波(邦画)] 5点(2013-04-30 18:34:55) |
15. メガマインド
《ネタバレ》 善VS悪の戦いを、悪の視点から描くという切り口は、物事の裏側を想像するのが好きな自分の趣向に沿うものでした。所詮善悪は相対的な価値基準。相対する側から見た“正義”の姿に興味があったのですが、コレは期待外れに終わりました。主人公は空気を読んで、ヒーローの敵役という“社会的役割”を演じているだけ。彼の思想(主義主張)が“悪”に染まっている訳ではありません。いわば悪の雇われマスター。そもそも、お眼が純真無垢ですもの。ですからあの結末にサプライズは無く、見終えてみれば他のドリームワークス作品と変わらぬ印象を受けました。勿論悪い意味ではありません。相変わらずアニメーションの出来栄えは素晴らしく、映像だけでも観る価値があると思います。なお、悪者が主役という設定に興味を惹かれた方には、日本が誇るフラッシュアニメ『秘密結社・鷹の爪』シリーズをオススメしておきます。伏し目がちに(笑)。以下余談。バイキンマン、タイムボカンシリーズの悪玉トリオといい、ヒーローよりも悪者の方が優秀なパターンは結構多い気がします。みな努力家ですし。でもどんなに頑張っても、正義の御旗の前に屈してしまいます。もっともあれだけ優秀で勝ち組に回ってしまったら、可愛く無いのかもしれませんが。 [CS・衛星(吹替)] 6点(2013-04-18 18:29:02)(良:1票) |
16. 名探偵コナン 天空の難破船
《ネタバレ》 ズバリ本作のポイントは、蘭ちゃんと怪盗キッドのロマンス。特に問題なのはラストの2人のキスシーンであると考えます。接吻の方は一応未遂で済んでいるものの、お尻へのタッチはどうだったのでしょうか。蘭ちゃんは“工藤新一がしない事をキッドにされた”と証言しています。それに死角にある男の手を未然に防ぐのは、塚原ト伝でもなければ無理な話。さらにサブタイトルの難破船はナンパの暗喩で間違いないでしょう。蘭のお尻はキッドに“触られた”と推測出来ます。それもアクシデントではなく、触る気満々の、いやさ、揉みしだく気ビンビンのチャラ男にお尻を揉まれたワケです。どうですか。コレ許せますか。我らがアイドル、蘭ちゃんを汚した罪は重いッス。 [地上波(邦画)] 4点(2012-08-19 02:38:42) |
17. 地下鉄(メトロ)に乗って
《ネタバレ》 評価が芳しくないのも納得。タイムスリップはルール無用だし、時代設定も変。そして何より岡本が最後に取った行動の酷いこと。「人生を無しにしたいから、今のうちにあなた死んで」未来の自分にそう言われて納得する人はいない。お前が経験した楽しいことも嬉しいことも私には経験させない気?死にたきゃ、勝手に死んでくれと思う。それに父や母の気持ちはどうなるの。正直ガッカリしました。ただ、そんな作品を面白く解釈するのが自分の趣味。誤読の場合はご容赦ください。堤が体験した一連のファンタジーは、彼の恩師との出会いを起点終点としています。この老人が全ての鍵。彼の背景を推測することで、見えてくるものがありました。冒頭、堤とのやり取りを思い出してみましょう。教え子をよく覚えている先生はいます。でも彼の記憶の確かさは尋常じゃない。堤の旧姓のみならず、現在の姓まで知っていた。それに堤の兄の命日に想うところがある様子。老人は長谷部家に相当執着している。次に大沢。千人針をくれた娘とのささやかな幸せを願っていた彼が、家庭を顧みなくなったのは何故か。終戦後の荒廃が彼を変えたのでしょうか。でも闇市でバーを営んでいた頃と、その後とではまるで別人。大沢の中で決定的な何かが崩れたとしか思えない。そこで思い当たったのが母の告白でした。もともと彼女が好いていたのは大沢ではなく、書生だったという事実…。長男の父親は、大沢ではないと仮定してみます。この時代にはよくある話。そう考えると納得がいく。大沢が変わってしまった理由も、長男の死に涙を流さなかった訳も。ここまで来れば、行き着く答えは一つ。長男の本当の父親は書生。後に堤の恩師になる男。妻になるはずの女を奪われ、さらに息子まで殺されてしまった。そう彼は考えたのではないか。復讐のために堤と岡本を利用した。実の子を失う痛みを大沢にも与えてやった。彼らの間にどのような経緯がったのかは分かりません。でもみんな生きるために必死だったのだと思う。そういう時代でした。だからこそ、この復讐は惨過ぎると思う。書生よりも、母よりも、大沢と常盤に同情します。ちなみに末っ子も大沢の子じゃない気がする。ますます悲惨です。面白く解釈しようとしたら、もっと気分が悪くなってしまいました。失敗。いずれにしても、感動とは程遠いお話だと思います。 [DVD(邦画)] 4点(2008-03-06 18:52:34)(良:1票) |
18. メリーに首ったけ
《ネタバレ》 テッドの身になってやきもき。濃いネタの数々に爆笑。そして最後はスッキリハッピーエンド。確かに「メリーに首ったけ」なストーリーでした。まず大切なのがヒロインのキャスティング。男を惹きつける魅力に溢れていること。その点キャメロンは文句なし。彼女よりも美形の女優は大勢います。でも美人であることと、男にモテることは違う。彼女のルックスには親しみがある。男が“どうにかなるかも”と思う上限。清潔感アリ、性格○。茶目っ気もある。モテないはずがありません。メリーを取り巻く危ない野郎たち。そんな中で、テッドがメリーを射止めたのは何故か。元彼を連れてくる潔さアピール。弟くんが唯一心を許した件など、彼はポイントを稼いでいます。でもこれらは、観客が“彼を認める”要件にすぎません。メリーが彼を選んだ理由は単純です。“彼を好きだったから”。もともと彼はメリーのタイプ。学生時代、歯の矯正をしているブサ顔のテッドを、彼女は最高にチャーミングだと言っている。プロムに彼を誘ったのも、弟を助けてくれたお礼ではなかった。ヘタレ男のハッピーエンドを喜べるのは、そこに変な同情が無いから。ラブコメのツボを押さえた、巧みな脚本でした。お気に入りは動物ネタ。テッドVS犬の一戦には腹を抱えました。文字通り犬への“ブルドッキング”ヘッドロック。容赦無用の目潰し攻撃!そしてそれをかわす犬!!笑い転げました。動物ネタに限らず、下も障害者ネタも少々キツイ。眉をひそめる人もいると思います。でも自分はタブーを怖れない姿勢に、むしろ好感を覚えました。例えば、弟やニセ建築家ら障害者キャラを扱うのは、リスクを伴います。避けるほうが無難。でも現実には、知恵遅れの人も身体障害者も周りにいます。映画に出ていこないほうが不自然なくらい。彼らの存在に目をつむるほうが間違っている。可笑しいと感じたなら笑えばいい。それは偏見や蔑みとは逆ベクトルの行為だと思います。(本作では、徹底して障害者を平等に扱っています。ヒーリーが彼らに容赦が無いのもそのせい。)関係団体からお叱りを受けそうな動物ネタも同じ。”あり得ない”からオモシロイ。現実とフィクションを混同するのはナンセンスです。勿論、どんな表現にも配慮はあって然るべき。でも配慮が過ぎてもパワーを失ってしまう。バカコメディは、ヤリ過ぎくらいで丁度いい。「下品で、くだらなかった!」最高のほめ言葉を贈りたい。 [DVD(字幕)] 9点(2007-10-16 18:14:34)(良:4票) |
19. 名探偵再登場
数多くの名(?)探偵が登場した前作には、華やかさの点で本作は及びません。しかし会話の楽しさは堪能できました。この部分は前作よりも優れていると思います。主人公をはじめ登場人物の口から出る言葉に、まともな受け答えはありません。流れるように相手の問いかけを受け流す。ジョークによるかわし合い。まるで会話でダンスをしているようです。ただ、“ウィットに富んでいる”というよりは、“下世話な冗談”に近い。でも不思議と下品とは思いませんでした。“大人の会話”というやつ。もし日本で本作をリメイクするなら、「オヤジギャグ」の応酬になるのかな。自分は「オヤジギャグ」肯定派ですが、観てみたいような、観たくないような。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2007-04-04 20:30:56) |
20. メジャーリーグ3
設定は「2」の数年後。舞台がインディアンズからツインズ傘下のマイナーチーム「バズ」に移っています。宗教家セラノ、石橋貴明、実況アナなどお馴染みの顔は見られるものの、基本的に前2作とは別物。番外編や外伝といった趣です。でも、この手法はアリだと思いました。「2」をそのまま引き継いでも前作、前々作を上回るのは至難の業。このシフトチェンジは正解だと思います。“出演者のギャラを抑えて手軽に続編を作りたかった”感は否めませんが、そうだとしても良くできた方だと思います。メジャーからマイナーへ、そして主役を監督に移したことで全体的な派手さ薄れましたが、マイナー選手の希望や悲哀といったドラマ性は高まりました。練習シーンが増えた点も好感がもてます。キャラ設定の弱さや盛り上がりに欠ける展開など、不満な点も多々ありますが、全体的な印象は悪くないです。オチもいい。「2」よりはずっと好きです。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2006-11-12 01:31:06) |