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かたゆきさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1922
性別 男性
年齢 48歳
自己紹介 自分なりの評価の基準は、
10・超大好きな作品。完璧。映画として傑作であるばかりでなく、自分の好みと見事に合致している。
9・大好きな作品。完璧に近い完成度。手放しに歴史に残る傑作といっていい。
8・好きな作品。本当に面白い。欠点があるかもしれないが、それも含めて好き。
7・少し好きな作品。普通に面白い。欠点もあるかもしれないが、そんなに気にならない。
6・普通の作品。可も無く不可も無く。最後までストレスなく観られる。面白いけど、心に残るものはあまりない。
5・少しつまらない作品。最後まで観るのにちょっとストレスを感じた。面白い部分も多少はあった。
4・つまらない作品。最後まで観るのが苦痛だった。ほとんど面白いところが感じられなかった。
3・かなりつまらない作品。最後まで観た自分を褒めてあげたい。観終えた後に、怒りのあまりDVDを割りそうになった。
2・超つまらない作品。時間と金を返せ。観終えた後に、怒りのあまり製作者全員を殴りに行きたくなった。
1・絶望的につまらない作品。最低。観終えた後に、怒りを通り越して死にたくなった。
0・死霊の盆踊り。

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1.  リコリス・ピザ 《ネタバレ》 
1970年代のアメリカを舞台に、恋に仕事に夢にと充実した毎日を送る若者たちの成功と挫折をほろ苦く描いた青春ドラマ。監督を務めるのは、ハリウッドでも今や特異な地位にいる鬼才ポール・トーマス・アンダーソン。主演には、彼と何度も一緒に作品を創り続けてきた名優、故フィリップ・シーモア・ホフマンの息子であるクーパー・ホフマン(これがデビュー作らしい)。特に何事が起こるわけでもない平凡な若者たちの取るに足らない日常を淡々と描いているだけなのに、なんだろう、最後まで心地よく観ることが出来ました。「ここが凄く良かった!」と声を大にして言える魅力は特にないのに、観終わったときには変な満足感。ここらへんはやはりアンダーソン監督の長年培ってきた力量がなせる技なのかな。脇を固める何気に豪華な役者陣――ショーン・ペンやブラッドリー・クーパーも短い出演時間ながら、心に残る印象的な演技を見せてくれます。正直言って脚本が良かったわけでもないし、映像もそんなキレイでもなかったし、主演2人も特に魅力的だったわけでもないし、ホント何が良かったか分からないけれど、なんか良かったです、これ。自分でもよく分かんないです(笑)。
[DVD(字幕)] 7点(2023-08-14 09:51:50)
2.  竜とそばかすの姫 《ネタバレ》 
世界中のほとんどの人が利用しているというネット上の仮想現実空間「U(ユー)」。そこである日、その唯一無二の歌声で新世代の歌姫として人気を博してしまった平凡な女子高生すずの恋と冒険を独創的な映像で描いたアニメーション。監督は、昔から僕とはどうにも相性の良くない細田守。と言う訳で、自分は全然観る気はなかったのですが、何故か海外でそこそこ評判がいいのと今回地上波でノーカット放送されると言うことで、「まぁただで観れるならいいか」と今回鑑賞。ただで観ておいてこんなこと言うのもなんですが、正直さっぱり面白くなかったです。映像はとてもシャープでポップで充分に洗練されていて劇中歌もそこそこ耳に残るし、このきれいな映像に引っ張られて最後まで観ましたが、肝心の脚本の方はかなり独りよがりでつまらない。監督の頭の中だけで成立しているのだろうストーリーがひたすら強引に展開してゆくので、観客は最後まで置いてけぼりを喰らったような感じになります。主人公のお母さんが亡くなるシーンも具体的な状況が全く分からないので説得力が欠片も感じられない(子供が溺れてるのに、周りの大人たちがボーッと見てるだけってさすがに不自然すぎるでしょ!)。伏線もなにもあったもんじゃない竜の正体なんて、「は、なにそれ?」ってもはや頭ポカーン状態。あと、好きな男の子に見つめられて顔が真っ赤になる女の子という、昭和のおっさんが妄想しそうなステレオタイプな女子高生とか見ていて痛々しいので止めていただきたい。まあ映像と音楽はそこそこ良かったのでギリ5点。
[地上波(邦画)] 5点(2022-10-03 05:36:48)(良:1票)
3.  リトル・シングス 《ネタバレ》 
とある事件がきっかけで地方の保安官へと左遷された、かつての優秀な殺人課刑事ディーコン。正義感に燃えていたあのころの情熱などもはや涸れはて、今やその日を平穏にやり過ごすことだけを目的に生きていた。そんなある日、彼は上司からロサンゼルスまでの出張を頼まれる。すぐに終わる簡単な仕事のはずだった。だが、彼はそこで最近起こっている凶悪な連続殺人事件を捜査する若手刑事バクスターに声を掛けられる。懸命に捜査するものの犯人逮捕の糸口すら見出せないバクスターは、経験豊富な彼の意見を聞きたいというのだ。当初はしぶしぶ協力していたディーコンだったが、事件の概要を知るうちに過去に彼が追っていた未解決殺人事件との繋がりが明らかとなり……。若い女をさらっては拷問の末に殺害するという猟奇的な連続殺人事件の犯人を巡って、それぞれに追い詰められてゆく捜査員たちの苦悩を描いたサスペンススリラー。ベテラン俳優デンゼル・ワシントンと『ボヘミアン・ラプソディー』での熱演が記憶に新しいラミ・マレック、そして様々な作品で名バイプレイヤーとして活躍するジャレッド・レト。この三人のオスカー俳優が豪華共演ということで今回鑑賞してみました。しかも監督は、実話を基にしたお話で幾つもの佳品を手掛けてきたジョン・リー・ハンコック。これはもう観ないわけにはいきますまい。結果は……、ちょっと期待が高すぎたのか、正直イマイチな出来でしたね、これ。この監督らしからぬ、全体的な演出がちょっと雑な印象を受けてしまいました。まず、肝心の連続殺人事件の全体像が何とも掴みにくい。犯人が何処で誰を捕まえ、そしてどのように殺したのかが最後まで観てもよく分からない。なので犯人を懸命に追う主人公たちにいまいち感情移入できないんですよね。さらにはデンゼル・ワシントン演じる主人公の地方に左遷されるきっかけになった過去の出来事も最後までよく分からないまま終わっちゃいました。殺人事件の真相もすべて明らかにされず、心にモヤモヤしたものが残るという爽快感ゼロなラストも肩透かし感が半端ないですし。この重苦しいダークな世界観は凄く良かっただけに、この細部の演出の詰めの甘さが何とも残念。この監督ってやはり、実話を基にした映画じゃないとその実力を発揮できないんじゃないでしょうか。
[DVD(字幕)] 4点(2022-02-08 17:33:25)(良:1票)
4.  リリーのすべて 《ネタバレ》 
世界で初めて性転換手術を受け、男性から女性となったリリー・エルベの生涯を描いたヒューマン・ドラマ。そんな世界初の〝女性〟を演じるのは実力派として着実に実績を残してきたエディ・レッドメイン、彼を献身的に支える妻役には人気女優アリシア・ヴィキャンデル。監督は、昔から僕とはどうにも相性の良くないトム・フーパー。確かに役者陣の繊細な演技や抑制の効いた丁寧な演出、そして20世紀初頭のヨーロッパを忠実に再現した画の美しさ等々、全体的な印象としてはなかなか好感が持てるもののやはり自分とは今回も合わなかったですね。うーん、なんだろう。この人の映画って基本善人しか出てこないんですよね。まだまだ性的マイノリティに根強い偏見が残るこの時代にここまでカミングアウトしたら、きっと物凄く苛烈な差別と偏見の嵐に遭うと思うんですけど、そんなものはほとんど描かれない。せいぜい通りすがりのナンパ男に絡まれボコられるくらい。〝彼女〟のかつての初恋の相手である画商も女だと思って口説いてきた友達も実質的に裏切られた形の妻もみんな彼の告白を聞いてすぐ親身になって応援してくれるって、正直、ホンマかいなって思うんですけど!よく言えば、あくまで人生の肯定的な面に目を向けてるんでしょうけど、それって結局キレイごとなんじゃないかってひねくれ者の自分なんかは思っちゃいますわ。終始品の良い雰囲気やキレイに纏まられた脚本など映画としての出来の良さは素直に認めますけど、自分の好みとはやはり真逆の監督なんだと再認識した次第です、はい。
[DVD(字幕)] 6点(2021-03-27 00:35:17)
5.  リチャード・ジュエル 《ネタバレ》 
1996年、アトランタ五輪中に起こった爆弾テロ事件でベンチに置かれた爆弾を最初に発見した警備員リチャード・ジュエル。異変を察知した彼はすぐさま上司に報告し、迅速な対応で多くの観客の命を救うことに。だが、一夜にして英雄へと祭り上げられた彼は、その三日後には今度はテロ事件の最重要参考人として大々的に報道されるのだった。それまで母親と慎ましく暮らしていた平凡な生活は、瞬く間にどん底へと突き落とされてしまう。警察もFBIもマスコミも誰も自分を救ってくれない。果たして彼は疑惑を晴らすことは出来るのか?本作は、そんな実際にあった事件を基に、テロ被害を最小限にとどめた英雄から一転、容疑者となった男のドラマを描いたもの。監督は、もはやハリウッドの生ける伝説、クリント・イーストウッド。齢90歳になろうかと言う彼の演出はいまだ衰え知らずで、淡々としていながらも最後まで観客をぐいぐい引き込む力は素晴らしいものがありました。このリチャード・ジュエルと言う主人公、変わり者で少しズレた正義感の持ち主で周りから少々浮きがちと言う、いわゆる〝空気を読めない〟人として描いたところは非常に巧い。おまけに銃器マニアとくれば多少は疑われても仕方ない面はある一方、でも憶測だけでここまで一人の男の人生を無茶苦茶にする権利は誰にもないはず。改めて国家権力とマスコミの怖さを思い知りました。彼を献身的に擁護する弁護士役を演じたサム・ロックウェルや、突然の悲劇に身も心も押し潰されそうになる母親を哀切に演じ切ったキャシー・ベイツも見事な仕事ぶり。あまりにも淡々とし過ぎていてもう少しドラマティックでも良かったような気もしますが、それでも充分見応えのある作品に仕上がっていたと思います。にしてもイーストウッドは何処までそのキャリアを積み上げたら気が済むんでしょうね。こうなったらもう100歳過ぎてもこれまで以上の大傑作をものにしてほしいと期待して待っております。
[DVD(字幕)] 7点(2020-08-31 05:04:29)
6.  リヴァプール、最後の恋 《ネタバレ》 
ジュリエットを演じるには、私は歳を取り過ぎてる?――。1981年、リヴァプール。長い下積み生活を続ける売れない役者ピーターの元にある日、一本の電話が掛かってくる。過去にオスカーを獲得したこともある、かつての人気女優グロリア・グレアムが公演中の劇場で突然倒れたというのだ。何故か彼女は病院でも家族の元でもなく、ピーターのアパートに運んでほしいと訴えたらしい。戸惑いつつも彼は、両親や弟夫婦も住む自らのアパートへと彼女を連れてきてもらう。胃にガスが溜まっただけですぐに良くなるというグロリア。彼女との再会は、この数年間のともに過ごした濃密でかけがえのない日々を彼に蘇らせるのだった。運命的な出会いと初めてのデート、還暦に近い女性と28歳の自分との歳の差を越えて過ごした幸せな月日、そして愛に満ちた情熱的なセックス――。だが、いつまで経ってもグロリアに回復の兆しは見られない。主治医と連絡を取ったピーターは、彼女の本当の病名を知ってしまう…。実話を基に、往年の名女優と売れない役者との30歳もの歳の差を乗り越えて紡いだ愛の日々をドラマティックに描いたラブ・ストーリー。いつまでも女としての誇りを失わなかった、そんなかつての人気女優を演じるのは同じく還暦に近い名女優アネット・ベニング。本作の最大の見所は、いつまでも若々しい彼女のチャーミングな魅力に尽きると思います。確かに四人も子供がいる年相応の見た目なのですが、やはり女優と言う職業柄なのか、終始凛とした彼女の美しさに思わず惚れ惚れしちゃいました。そして、二人の大胆なラブシーンにちょっとびっくり。でも、きっと撮り方もあるのでしょうけど、終始上品で美しく、また実に官能的で大変良かったです。普段は若い子のばかり見てる僕でも、たまには熟女ものも見てみようかななんて思ってみたり(笑)。また回想シーンへの入り方も凄く凝った撮り方をしているのも印象的でした。と、ラブストーリーとしてはすこぶる王道で充分及第点ではあるのですが、その分物足りなさを感じたのも事実。あまりにもオーソドックス過ぎて、こちらの想定した範囲を一切越えてこないんですよね、これ。まあ原作がこの青年の回想録と言うことで、かなり思い出美化フィルターが掛かっているからなんでしょうけど、ちょっとあまりにキレイごと過ぎたのが僕的にはちょっぴり不満でした。もう少しこの青年の打算的なずるい部分(恐らく経済的な)にも踏み込んで欲しかったですかね。そしたらこのきれいごとなお話にピリリとした隠し味が利いて、より深みのある物語になったと思うのですが。まあでもそこは好みの問題。どんなに歳を取っても男と女でありたいと思わせる、なかなか美しいラブストーリーでありました。
[DVD(字幕)] 6点(2020-04-10 23:42:36)
7.  リンクル・イン・タイム 《ネタバレ》 
宇宙の彼方に消えた父親を追って、五次元世界を旅する少年少女を描いた冒険ファンタジー。あのディズニーが制作、なかなかお金が掛かっていそうな内容と何気に豪華な役者陣共演なのに世間では全然話題となっていなかった本作、どんなもんじゃろと今回鑑賞してみました。結果は……、え、これって本当にディズニー制作なんですか?どこかの新興宗教の勧誘ビデオかと思ったぞ。ひたすら続くスピリチュアルな展開と、やたらと愛を強調する説教臭いストーリーに終始あくびが止まらなかったんですけど!それにビジュアル・センスもダサすぎます!なんなんですか、この原色を多用した気持ちの悪い世界観は。こんなに早く終わってくれと思いながら観た映画も久しぶりでした。あと、おばさんたちのコスプレ七変化は見ていて痛々しいからやめてください(笑)。
[DVD(字幕)] 2点(2020-01-06 22:00:19)
8.  リミット・オブ・アサシン 《ネタバレ》 
世界中で暗躍する巨大な犯罪組織、レッド・マウンテン。長年、その組織でプロの暗殺者として働いてきたトラヴィスは、去年の不幸な出来事により今は一線をしりぞき義父とともに穏やかな生活を送っていた。そんな彼に再び組織のエージェントが接触してくる。警察に寝返り重要な証言をしようとしているかつての仲間を速やかに始末しろというのだ。高額の報酬に惹かれ依頼を引き受けた彼は、さっそくターゲットが滞在しているという南アフリカへと飛ぶのだった。だが、警護を担当する女性捜査官の返り討ちに遭い、トラヴィスはあえなく命を落としてしまう――。心臓を撃ち抜かれ完全に死んだと思われたトラヴィス。しかし、組織の最先端をゆく科学技術のおかげで彼はすぐに復活を遂げるのだった。戸惑う彼に、組織の人間は更なる驚愕の事実を告げる。蘇生は一時的なもので、明日になれば彼の命は再び失われてしまうらしい。タイムリミットは今から24時間。果たして彼は無事にこの危機を脱出し生き延びることは出来るのか?復活した凄腕の暗殺者のぎりぎりの逃避行を国際的なスケールで描くクライム・アクション。イーサン・ホーク主演で送るそんなB級感満載のエンタメ作品、頭空っぽにして楽しもうと今回鑑賞してみました。と、思ったのですが、さすがに突っ込みどころが多すぎて、自分はいまいちノレませんでしたね、これ。だいたい設定に無理があり過ぎ!!死んだはずの暗殺者が復活するというのはまあ許容できるのですが、何故組織は彼に24時間で死ぬという安全装置を組み込む必要があったのでしょう?腕に分かりやすくデジタル表記の残り時間を表示させるというのもサービス満点すぎちゃいまっか(笑)。対する彼も、何故わざわざ自分を殺そうとした女性捜査官を全力で守ろうとするのか意味不明。アクションもけっこう頑張っていたとは思うのですが、なんか全体的にキレが悪く、後半になるにしたがってどんどんとショボくなってしまうのが残念過ぎます。特にクライマックスのグダグダ具合は見ていて痛々しいレベル。なのより致命的なのは、この命のタイムリミットという設定がほとんど活かされていないところ。最後の続編作る気満々のオチにいたっては、あまりにテキトー過ぎて思わず苦笑しちゃいました。イーサン・ホーク&故ルトガー・ハウアーの渋さに+1点!
[DVD(字幕)] 5点(2019-12-20 22:52:47)
9.  REVENGE リベンジ(2017) 《ネタバレ》 
砂漠の真ん中にある一軒の豪華な別荘。見渡す限りの荒野に囲まれたこの館に、ヘリコプターに乗ってとある男女がやってくる。女の方の名は、ジェニファー。どうやらこの別荘の持ち主である裕福なこの男と不倫の関係にあるらしい。誰も居ない砂漠の別荘で、彼女は男とともに優雅なバカンスを楽しむためにやって来たのだ。だが、その次の日、男の知り合いである二人の中年男も合流してくる。あからさまに嫌らしい目つきで自分を見つめてくる二人に、戸惑いを隠せないジェニファー。すると、その中年男は突然隙を突いて彼女をレイプするのだった――。当然彼氏に被害を訴えるも彼はジェニファーの訴えに聞く耳を持たないばかりか、なんと全てを水に流せと言ってくるのだった。「こいつら、きっとグルだ!」。男たちの隙を突き、別荘から逃げ出したジェニファー。だがすぐに捕まり、彼氏に崖下へと突き落とされてしまう。瀕死の重傷を負いながらかろうじて生き延びた彼女は、卑劣な男どもに復讐を誓うのだった……。美しき復讐者と化した若い女と男の嫌らしさの権化のような三人の男ども、彼らの命を懸けた闘いが今、幕をあげる。いかにも低予算で撮られたそんなシンプルな本作なのですが、これが映像が凝りに凝っていて絵的に充分楽しませていただきました。レイプしようと彼女にすり寄って来る男の嫌らしさを存分に強調した映像は、もうぞくぞくするほどエキゾチック(あのお菓子をねちょねちょ食べる男の口元アップ映像は鳥肌もんでした!)。崖下に生えた木に突き落とされ串刺しとなったジェニファーの血が、地面を這う小さな蟻に降りかかるとこを大写しで撮るところなんかも、なかなかいいセンスしてます。まあ完全に死んだと思われた彼女が、その後、何故か奇跡の復活を遂げるという設定の無茶苦茶ぶりはご愛敬(笑)。お腹の傷を塞ぐために熱した空き缶を押し付けたらその鷹のマークがタトゥーみたいになっちゃうとこなんて、バカバカしいけどかっこいい!復讐の鬼と化した彼女と嫌らしい男どもの闘いも、どれもエッジが効いていて大変グッド。最後の別荘での闘い、男、取り敢えずパンツ穿けよ(笑)。ただ、あまりにもストーリーがシンプル過ぎるのが本作の弱点かな。もうひとひねりあればなお良かったけど、それでも今から次作が楽しみな才能に出会えました。監督はこれが長編デビュー作となる、フランスの新進気鋭の女性監督コラリー・ファルジャ。うん、覚えとこ。
[DVD(字幕)] 7点(2019-10-18 15:20:55)
10.  リップヴァンウィンクルの花嫁 《ネタバレ》 
自らの主体性というものを強く持ち合わせておらず、周りの人間によって何処かへと流されるままに生きているような若い女性、七海。社会が提示する「こうすれば君も幸せになれるよ」という空気感に抗うことなく、彼女は出会い系サイトで知り合った男性と恋に落ち、あっさりと結婚してしまう。だが、そんな七海へと忍び寄る怪しげな男、安室。彼の策略により、七海の幸せだと思われていた結婚生活は次第に綻びをみせるようになり、やがて彼女のちょっとした愚かな行動により全てを失ってしまうのだった。残酷な社会へとたった独りで放り出されてしまった七海を救ったのは、再び安室という謎の男だった。彼に言われるまま、七海は大きな屋敷の住み込みのメイドとして働き始める。同僚として一緒に働くことなった自由奔放な女性、真白と次第に仲良くなってゆく七海。だが、真白には誰にも言えない深い秘密を抱えていた――。現実なのか、空想世界なのか、都会の片隅にひっそりと開いた秘密の扉を開けてしまった可憐な女性、七海。彼女が辿ることになる摩訶不思議な運命をリリカルに綴る大人のための残酷なファンタジー。日本が世界に誇る天才映像作家、岩井俊二監督の新たな代表作とも言えるそんな本作、3時間にも及ぶ長丁場ということで今回気合を入れて鑑賞してみました。なのですが、そんな僕の先入観など軽く吹き飛ばすほどの傑作でした。もう全編に渡り、監督の映像センスが炸裂しています。ストーリーの見せ方もそれぞれのキャラクターの描き方も一切無駄がなく、何よりこの唯一無二のカメラワークが最後までとても心地よく、3時間を一切長く感じさせません。本当にセンスの塊ですね、この人。また、聖なる愚者とも呼ぶべき純粋可憐なこの主人公を演じた黒木華がまさに嵌まり役で、とても素晴らしかったです。夫により新居から追い出された彼女が、大きなキャリーバックだけを手に何処でもない場所を彷徨うシーンはあまりにも切なく思わず涙。そして後半、彼女が辿ることになる現実感のない展開も最後にきちんと説明がなされ、観終わった後、僕は更なる感動に包まれていました。素晴らしい!正直、観終わった直後はちょっと長すぎかなとも思ったのですが、思い返せば思い返すほどじわじわと心に効いてきて、この長さはやはり必然だったのだと改めて納得。真白も安室も考えてみれば酷いキャラクターなのですが、結果的に七海にこんな幸せな記憶を与えてくれた。こんな残酷で酷い社会でも、生きていればこんな素晴らしい出来事があるかもしれないと思わせる希望と再生の物語。僕にとって特別な作品がまた一つ増えてしまいました。
[DVD(字幕)] 9点(2019-08-01 23:14:37)(良:1票)
11.  リグレッション 《ネタバレ》 
実の父親による娘への性的虐待事件を捜査するうちに、社会の背後で暗躍する悪魔崇拝教団の存在を嗅ぎつけた刑事。高度な催眠療法を駆使する精神科医とともに事件の核心へと迫ってゆくのだが、社会の闇の中に強固な繋がりを持つ狂信的な信者たちに逆に追い詰められてゆくというお話。男臭い刑事を演じるのは嵌まり役のイーサン・ホーク。父親から性的虐待を受けたという娘役に人気女優エマ・ワトソン。監督は、『オープン・ユア・アイズ』や『アザーズ』で有名なアレハンドロ・アメナーバル。というわけでけっこう期待して今回鑑賞してみたのですが、正直微妙な出来でしたね、これ。なんだか事件の概要が漠然としすぎていて、主人公である刑事が何を目的に捜査しているのかいまいち分かりづらいんです。おまけに相棒となる精神科医の催眠療法で過去を探るという捜査手法の扱いも極めて中途半端。ラストで明らかとなる事件の真相も分かったような分からないようなで全然すっきりしません。集団ヒステリーや社会的な不安心理、そして何人かの人々の利己的な嘘がありもしない悪魔崇拝教団を作り上げていた?そうかもしれませんが、ちょっと説得力が…。この監督らしい、ダークで陰鬱な雰囲気は良かったので5点。
[DVD(字幕)] 5点(2019-05-09 19:30:59)
12.  リメンバー・ミー(2017) 《ネタバレ》 
死者の国に迷い込んでしまった少年とその家族の物語。もう王道のピクサーアニメで、練れれた脚本、美麗な映像、魅力溢れるキャラクターたち、普遍的なテーマと、どれもこれもが素晴らしい出来でした。もう言うことなし!9点!!
[DVD(字幕)] 9点(2018-10-26 12:30:06)
13.  リザとキツネと恋する死者たち 《ネタバレ》 
日本の妖怪・女狐をモデルにした、なんとも不思議なテイストのファンタスティック・コメディ。制作したのは日本とはあまり馴染みがないハンガリー、だからなのか片言の日本語で昭和歌謡もどきのポップスを歌うトミー谷なる怪しげなムード歌手が、主人公にだけ見えるユーレイという設定で全編に登場します。このトミー谷なる歌手が歌う楽曲がなんともいい味を出していて、観終わった後もしばらく頭に残ります。お話はとても単純。日本の三文恋愛小説をこよなく愛する引きこもりがちの三十路女性リザが、運命の彼氏を見つけようと悪戦苦闘するもののいい感じになりそうになると相手の男性がことごとく変死するというお話。真相を巡って刑事やアパートのオーナーたちがどたばたとナンセンスな騒動を繰り広げます。まあコメディなので細かいことは気にしちゃダメなんだろうけど、こういうセンスで勝負の映画ってだからこそ細部が大事なんだと改めて気づかされた映画でもありました。具体的に言うと、脚本が練られていないせいでストーリーがちっとも頭に入ってこないのです。せっかくこの独特の雰囲気に思うまま酔いしれたいのに、そこのところが気になって僕はさっぱりでした。あと、トミー谷以外のすべてのキャラにいまいち魅力がないのもいただけない。特に主人公リザのキャラクターが完全にトミー谷に負けてしまっている。こういうのを観ると、いかに『アメリ』が優れた作品であったかが再確認できますね。全編に漂うこの独特のゆるーい雰囲気はけっこう良かっただけに残念です。
[DVD(字幕)] 5点(2017-03-13 12:18:05)
14.  リベンジ・オブ・ザ・グリーン・ドラゴン 《ネタバレ》 
1983年、世界中から様々な人々が集う人種の坩堝ニューヨーク。独自の習慣と閉鎖性に支配された中国人たちの街チャイナタウンには、今日も本国から色んな人々が夢を求めてやって来る。幼いころに中国から越してきた不法移民の子サニーとスティーブンは、ずっと兄弟同然で過ごしてきた幼馴染みだ。だが、ふとしたきっかけで、彼らはその地で警察よりも強大な権力を有する凶悪なギャング組織〝青龍(グリーン・ドラゴン)〟の一員となるのだった。麻薬密売、レイプ、拷問、殺人…。何でもありの無法者集団の中で過ごしてゆくうちに、2人は一人前のギャングへと成長してゆく……。生々しい暴力が渦巻く80年代のチャイナタウンを舞台に、生きるために犯罪者とならざるを得なかったそんな青年たちの青春をエネルギッシュに描いたクライム・ドラマ。大御所マーティン・スコセッシが製作を務めたくらいの情報のみで今回鑑賞してみました。さすがスコセッシ御大が絡んでるだけあって、なかなか見応えのある骨太のギャング映画に――幾分か問題があるとは言え――仕上がっていたと思います。実話を基にしていることもあり、いつ殺されてもおかしくないような狂った世界に生きるギャングたちの、まるでこちらまで汗の匂いが漂ってきそうなほどの生々しい迫力には素直に圧倒されました。中華料理の脂っこい臭いや麻雀牌が掻き回される雑多な音が充満する街の中で、餓えた野犬のように生きる男たちの生き様は観ているだけで火傷しそうなほど。全編に漲るこの熱量はなかなかのものでした。ただ、実話を基にしたからなのか、お話がけっこうごちゃごちゃしてて、いまいち分かり難かったのが本作の欠点。具体的に言うと、登場人物がやたらと多いうえに彼らが組織内でどのような立場で誰とどういう関係にあるのかいまいち理解しづらい。なのに、お話自体はどんどんと進んでいってしまう。途中、僕は何度か置いてけぼりを喰らってしまいました。映画として、これは大きなマイナス・ポイントと言わざるを得ないでしょう。もう少し丁寧な演出を心掛けてほしかった。ほとばしるような生命力を感じさせるエッジの利いた演出は凄く冴えていただけに残念です。
[DVD(字幕)] 5点(2016-07-08 21:33:37)
15.  リピーテッド 《ネタバレ》 
「私の名はクリスティーン。今夜も私が眠りにつくと今日の記憶は消えてしまう。そう、1日の全てを忘れてしまうの。朝、目覚めると頭の中は若いころの私。そう、この映像をいま観ているだろうあなたのことよ、クリスティーン」――。その日、ベッドの中で目を覚ましたクリスティーンは見知らぬ中年男性の腕に抱かれていた。鏡を見るとすっかり歳を取った自分の顔。男はそんな彼女に「戸惑うのも無理はない。僕は君の夫だ。君は10年前に事故に遭い、眠りに就くとその日の記憶を全て失ってしまう障害を負ってしまったんだ」と告げるのだった。戸惑いつつも、これから会社へと向かうという夫を見送り、過去を知ろうとアルバムを見直していた彼女の携帯に電話が掛かってくる。電話の相手は精神科医、夫に内緒で自分のカウンセリングをしていると言うのだった。その証拠に、クローゼットの靴箱の中に隠してあるカメラの映像を見ろと言う。そこには、昨日眠りに就いて記憶を失う前の自分が、今の自分に向けて残したメッセージが収められていたのだった……。果たして夫を名乗る男は本当に彼女の夫なのか?どうして彼女は眠ると記憶を失う身体となってしまったのか?精神科医を名乗る男は本当に彼女の味方なのか?本作は、記憶が一日しかもたないある女性とその過去をミステリアスに描いたサイコロジカルなサスペンスだ。リドリー・スコットが製作をつとめ、ニコール・キッドマンやコリン・ファースとなかなか豪華な役者陣が共演ということで、期待して今回鑑賞してみた。ところがこれがなんとも残念な出来で、僕は正直がっかりしてしまった。何が駄目かって、まずこの眠ってしまうと記憶がリセットされるという主人公の設定が単なる思い付きの域を出ず、物語に全く活かされていないところだろう。サスペンスを盛り上げるのにこんな素晴らしい設定があるにも関わらず、どうしてここまでのっぺりとした展開になってしまったのか。恐らくそれは、N・キッドマン演じるこの主人公が意外なほどあっさり現実を受け入れ納得してしまうところだろう。切迫感が微塵もなく、一切感情移入できない。サスペンスとして、これは致命的な欠点というほかない。最後に明かされる真相もかなり無理のある――というより殆ど破綻してしまっている点など、もはや目も当てられない。結論を言うと、ほとんど観る価値のない凡作だった。設定自体は面白いものだっただけに残念だ。
[DVD(字幕)] 4点(2016-05-06 22:30:59)
16.  リーガル・マインド 裏切りの法廷 《ネタバレ》 
「そう、彼女の罪は男を見る目がなかったこと。彼女は決して殺人などという大それた罪は犯していません。当初は私も疑ってました。確かに報道の記事を読めば彼女はまさに不良少女ですが、それは警察と検察、それに真犯人が作り出した虚像に過ぎません。彼女が終身刑で投獄されたのは、警察と検察が証拠を隠蔽し重要な証言を捻じ曲げ、不当な裁判を仕組んだからなのです!彼女の悲劇は誰にでも起こりえます。私にも、そして皆さんにも」――。仕事の重圧から酒に溺れ、仕事も大事な家族をも失ってしまった、かつてのエリート弁護士ケイト。愛する娘と再会するため、彼女はなんとか立ち直ることに成功するのだった。さっそく復帰第一号の仕事として、ケイトは第一級殺人罪で終身刑となった少女レイシーの再審請求を引き受ける。当時の関係者から事情を聴き、証拠も一から調べなおしたケイトは、次第に彼女が無実であることを確信していく。酒に溺れるきっかけとなった、過去に無実の男を投獄してしまったというトラウマを克服するため、どんどんと裁判へとのめり込むケイト。だが、最愛の娘とのすれ違う日々が増え、彼女は再び酒に手を出してしまう……。嘘と真実が交錯する、一人の少女の冤罪事件を巡る裁判をケイト・ベッキンセール主演でスリリングに描いた法廷劇。まず最初に言っておきたいのは、これってレイプされそうになった不良少女が起こした殺人が、冤罪であったかもしれないという事案を巡る裁判なんでしょ。なのにどうして、その肝心の事件のいきさつを映像で見せなかったのでしょう?事件の真相なんていくらでもぼやかして、普通に映像として観客に見せることが出来たはずじゃないですか。それを冒頭、登場人物のセリフだけで早口で説明されてもさっぱり頭に入ってきませんって。物語の重要な核となる事件がそんな感じなので、肝心の法廷劇がいまいち盛り上がりに欠けるんですよね~、残念なことに。それに、主人公によって冤罪で投獄された男が忍び寄ってきたり、裁判長がケイトに色目を使い性的関係を迫ってくるだとか、ちょっとエピソードを盛り込みすぎで、僕はストーリーに散漫な印象も受けてしまいました。K・ベッキンセールの弁護士役がなかなかさまになっていただけに残念です。
[DVD(字幕)] 4点(2015-06-07 21:54:51)
17.  隣人 ネクストドア 《ネタバレ》 
都会のアパートで恋人とともに平凡な生活をおくる青年ヨーン。だが、些細な喧嘩をきっかけに彼は思わず暴力をふるってしまい、当然のように恋人は部屋から出て行ってしまうのだった。まだ彼女のことが忘れられない失意のヨーンはある日、偶然エレベーターに乗り合わせた怪しげな隣人である若い女性に声をかけられる。「あなた、未だ彼女のことが忘れられないんでしょう?壁が薄いからずっと聞いていたわ…」。そう話す彼女に隣室へと招き入れられるヨーン。そこには、かつて3人の男たちに暴行されたという哀しい出来事をきっかけに引きこもりとなったという彼女の妹も居たのだった。何もかも分かったような怪しい言動を繰り返すそんな姉妹たちに、次第に心を掻き乱されるヨーン。まるで深い迷宮に誘われるように、彼はどんどんとその淫靡で怪しげな隣室へとのめり込んでゆく……。この後、「チャイルドコール-呼び声-」という、オチはちょっぴり残念賞だったもののその全編に横溢する暗鬱でミステリアスな雰囲気と全く先の読めないストーリーとでなかなか見応えのある作品を撮ることになる監督のデビュー作。こちらも低予算ながら、いかにもこの監督らしい練られた脚本と随処にセンスを感じさせる映像とで不穏な雰囲気が濃厚に漂うダークミステリーの佳品に仕上がっておりました。いやー、良いですね、これ。いったいこのアパートは何LDKやねん!ってくらいあり得ないほど部屋がいっぱいあるこの隣室で繰り広げられる、過去と現在、愛情と性欲、サディズムとマゾヒズムが複雑に交錯するストーリーは今回も見応え充分でした。良い意味で、嫌~な余韻が残る胸糞悪いラストシーンもグッド!ただ…、オチはやっぱり今回も容易に読めてしまう凡庸なものだったのが少々残念でしたけど。この監督さん、風呂敷を拡げるのは物凄く上手いのに、それをたたむのがちょっと下手みたい(笑)。でも、このデビット・リンチを分かりやすくしたような、この監督らしいシュールな世界観は今回もなかなか堪能できました!次はオチをもっと頑張ってね!!
[DVD(字幕)] 7点(2014-07-28 09:11:30)
18.  リリィ、はちみつ色の秘密 《ネタバレ》 
1964年、公民権法が成立したものの、まだまだ人種差別の病根が色濃く残るアメリカ南部。農場で働く父親と二人で暮らす14歳の少女リリィにはとある秘密があった。それは4歳のときに、銃の扱いを誤って母親を殺してしまったという哀しい過去だった。以来、酒に溺れる父親の暴力に怯えながら暮らしてきたリリィだったが、とうとう我慢の限界を迎え、黒人の使用人ロザリンと共に家を飛び出すことに。ヒッチハイクしながらそんな二人が向かった先は、個性豊かな黒人姉妹たちが営むのどかな養蜂場だった。そしてそこは、リリィの母親が子供時代を過ごした地でもあったのだった――。美しい田園風景が拡がるアメリカの田舎町を舞台に、理不尽な現実に翻弄されながらも必死に生きる市井の人々の姿を瑞々しく描き出すヒューマン・ストーリー。いやー、この監督さん、予想だけどラッセ・ハルストレムの影響をかなり受けてますよね。彼の作風をこよなく愛する自分としては、この田舎の養蜂場を舞台に描き出された詩的で瑞々しい世界観はけっこう堪能できました。特にそれぞれ個性的な黒人姉妹たちの恋や葛藤やトラウマを優しい視線で描き出すこの手腕はなかなかのもの。ただ、ちょっとエピソードを盛り込みすぎてちょっぴりテーマが散漫となってしまったところが残念でしたね。母親を殺してしまったというトラウマを必死に乗り越えようとするリリィの物語なのか、はちみつをこよなく愛する姉妹たちの愛情物語なのか、人種差別と戦う黒人たちの葛藤の物語なのか、どれか一つに軸をしぼって描いた方がもっと良かったと思います。あと、ダコタ・ファニング、確かに美少女ではあると思うんだけど、世間の多くの老若男女に愛されるだろう子供の頃の安達祐実風優等生的美少女なので、残念ながら僕のロリコンレーダーにはそんなに響きませんでした。このころのクロエ・グレース・モレッツが主演してたらもっと点数上がったんだけどねー。クロエちゃんが、黒人青年の指に付いたはちみつをねっとり舐め取るシーンが個人的に見たかったっす(笑)。
[DVD(字幕)] 6点(2014-04-20 00:15:18)(笑:1票)
19.  リンカーン 《ネタバレ》 
奴隷解放にその生涯を捧げ、国民に多大な犠牲を強いた南北戦争を終結へと導びき、いまだアメリカという国の国是とも言うべき自由主義とあらゆる人種の枠を超えた団結の象徴として尊崇されるリンカーン大統領のその人間的な部分に焦点を当てて描かれたヒューマンストーリー。スピルバーグらしい、圧倒的なクオリティで再現された戦場描写と極めて分かりやすいストーリー展開でリンカーン大統領の波乱万丈の生涯を描いたエンタメ伝記映画だと思って鑑賞してみたら、まさかのとある法律の修正案(奴隷解放に重要な法案だったとはいえ)を下院で可決させようと奮闘したという史実一点のみをクローズアップした作品でありました。うーん、さすがにこれだけで150分の映画として成立させるには無理があったのでは。確かに、政治ドラマとして一定の水準に達しているとは思うのだけど、全体的に冗長で少々退屈だったという側面は否めなかったです。今回はスピルバーグの悪いトコが出ちゃったかなー。それでも、ダニエル・デイ=ルイス演じる胸に熱い情熱を秘めながらも、最後まで飄々とした優しげで人間っぽいリンカーン像はなかなか良かったです。アカデミー賞受賞も納得の熟達な熱演だっただけに惜しい作品でありました。
[DVD(字幕)] 5点(2013-12-25 18:15:38)
20.  リトル・フィッシュ 《ネタバレ》 
トレイシー、33歳、ビデオ店勤務、独身、母親と共に借家生活、子供なし、犯罪歴あり、そして薬物中毒だったという過去あり。そんな彼女のロクでもない家族との閉塞感漂う生活を淡々と描いた人間ドラマ。麻薬によってひたすら堕ちてゆく人たちを描いた、「レクイエム・フォー・ドリーム」のような悲愴感漂う映画だと思って鑑賞してみたのだけど、こちらは徹頭徹尾、人間的魅力に乏しい登場人物たちの、はっきり言ってどうでもいいお話がダラダラと最後まで続くという、とっても残念な作品でありました。恐らく意図して、彼らの悲惨な過去の出来事をぼかして描いているのだろうけど、完全に失敗。主人公のヤク中だった過去も、弟の事故のことも、親父が落ちぶれていく原因もなーんにも分からないままだから、まったくストーリーに集中できなかったし。地味に豪華な役者陣が非常に勿体なかったです。
[DVD(字幕)] 3点(2013-11-25 00:05:43)
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