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フィンセントさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 202
性別 女性
自己紹介 閲覧&良票を入れて頂いた皆様ありがとうございます(*^-^*)
良票を頂けると励みになります!作品に対する意外なヨミと、読んでいて楽しいレビューを心がけています。楽しんでいただければ幸いです☆

ジャンルを問わず鑑賞していますが、ホラーを観るときは手で目を覆って指の隙間から観ますw

★好きな俳優★
M.ファスベンダー、E.マクレガー、J.ロウ、D.クレイグ、O.ブルーム、ジョナサン・リース=マイヤーズ・・・・・はい、そうです。イギリス俳優好きですw
さらには、ドナルド・サザーランド、S.ブシェミ、M.フリーマン、フランコ・ネロ、B.ウィリス、H.ジャックマン、C.イーストウッド、女性では、ユマ・サーマン、M.ジョヴォビッチ、C.セロン、A.セイフライド・・・などが好きです。

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1.  ものすごくうるさくて、ありえないほど近い 《ネタバレ》 
強い絆で結ばれていた父が9.11で亡くなり、その父との絆を強く求めて、父の遺品だと思われたカギで開けられる場所を必死で探す精神障害の少年。  そういうスタートを切ったのであれば、この物語は、少年がカギを開ける場所に到達し、その場所に、少年の心に光を照らす何かがあって、ハッピーエンドで終わるべきではないだろうか?  しかし。  必死にカギの場所とそこにある父の影を探し続けてきた少年の前につきつけられた答えは、   「その鍵は、見知らぬオッサンの父親の貸金庫を開ける鍵」  ということだった。  結局、この物語で”感動”をもたらすエンディングとして提示されたエピソードは  カギで父が遺したステキな何かを発見して少年の「あの時、父からの電話に出られなかった後悔をクリアしたい。お父さんとの失われた8分を取り戻したい」という思いが成就することではなかった。  精神障害の息子とイマイチ深く関われていなかった母親が、息子のカギ穴探しの旅がスムーズにいくように密かに根回し活動をし、 後日「エッ、オカンが裏で支えてくれてたん?」と知った息子が母と和解するということであり、それによって心がクリアになった息子が9.11のトラウマを乗り越え、父に誘導されても乗れなかったブランコに乗れましたとさ、めでたしめでたしということであった。  確かに、”謎のカギ”や”冒険”という、けっこう小説では使われがちなテーマは、一歩使いかたを間違えると、よくありがちなパターンになって「オチ読めたし、つまんねー」と、否定されやすい。  父親からの息子への手紙とか、生まれたばかりの息子を抱く父とか、そういうテッパンのアイテムが カギで開けた箱に入ってたら、それはそれで評価ダダ下がりだっただろう。  だからあえて、カギの先にあるものと父親をリンクさせるという真正面からの真っ向勝負に出なかったのでは?  しかしながら、カギの先を探している過程で意外にも祖父との距離が縮まりました、とか、カギの先を探すサポートをしてくれた母親と和解できました、という、サイドストーリーを持ちだして  「はい、実はこっちが感動エピソードなのでした。意外でしょ?えへ、なかなか面白いプロットでしょ?」  と、やってやったぞ感に満たされてストーリーを書いていたとしたら、非常にタチが悪い。  貸金庫の話も煮詰めないまま突然終わらせ、そのカギの持ち主が離婚したはずの妻となぜかヨリ戻してるワンシーンを意味もなく見せ、祖父の死んだ息子や孫への気持ちもよくわからないまま「はい終了」で、誰が感動できるというのだろう?   (この映画にガマンならないので、あの開いた貸金庫には100億ドルの金塊が遺されていて、それに目がくらんだ元妻が遺産狙いで「やっぱりまた夫婦に戻りましょう」と色目を使ってカギの持ち主の男とモトサヤに持ち込んだに違いないと、いぢわるな解釈してやる。)  相撲の勝ち方で批判を浴びていた白鵬にたとえるならば 「勝てばいい」とばかりに、まっこう勝負に出ず、立会いの変化によって、ふいをつかれた相手を倒すという勝ち方と同じではないか。  この映画は、「はっけよーいのこった!」の声で立ち上がり相手に向かって突進するそぶりを見せて、ひょいと身をかわし、相手を「おっとっと!」って土俵際まで勢いづいたまま行ってしまったその背後から背中をポンと押して「はい、勝ちました」と言っている様な映画ではないか。  どうりで、ゴールデングローブ賞、全米映画俳優組合賞でも かすりもせず、アカデミー賞では作品賞&”しゃべらないオジイチャン”が助演男優賞でノミネートされただけで、オスカーは渡っていない。  9.11、精神障害、謎のカギ、探検・・・なんて、ずうずうしく並べて、いかにも「みんな、感動してくれ!」って感じなところとか、かえって毛嫌いされたのに違いない。  しかも「オスカーをくれ!」といわんばかりに、主人公にオスカーとか名づけている時点で、もうアウト。(実際そのつもりで名づけたかどうかは知らないが)  とにもかくにも、9.11と精神障害の少年という、最強のヒューマン映画臭を漂わせながら、カギという誰もが興味を強く惹かれる思わせぶりなアイテムをチラつかせてきたくせに、カギでまっこう勝負をしてこない、本当に卑怯な物語である。
[DVD(字幕)] 1点(2022-02-05 17:57:41)(笑:1票) (良:3票)
2.  THE GUILTY ギルティ(2018) 《ネタバレ》 
あぁもうつまんなかった…  拉致されたというイーベンは、しょっちゅう電話かけてくる。  いや、拉致した男、拉致したら普通まず最初にスマホとりあげるだろ。  すでにそこで気持ち冷める。  結局夫が暴力で元妻を拉致ったとミスリードさせておいて、実際は弟を殺したのはイーベンだったわけだが それならそれで、なんで拉致するの笑  警察に電話が先でしょ、いくらなんでも、暴力をふるった経歴があったって、 自分が拉致してどうする気? 殺す気だったなら、それこそ警察に通報されたりしないように、いのいちばんにスマホ取り上げて 誰にも追跡されないようにするでしょ。  アスガ―も、犯人と電話で「自首しろ」って…おいおい、たとえば目の前に犯人がいて 「抵抗するな!」ってピストルつきつけて追いつめられている状況ならともかく 電話してるだけの状況でそれを言って  「わかりました」  なんて言ってもらえると思ってるわけ?  息をしてないのが一目瞭然なほど切り裂かれてるという弟が家にいることを プライベートで彼女の家に行くように頼んだ友達から電話を受けたときも  「息をしてるか調べろ!」  って感情的になってたけど、いやあんた、そんなことしてないで さっさとこの事件に関して他の警察の人達と連携して取り組めよ!ですよ。  「なんてこった」て表情されたって、こっちが「なんてこった…」って気分。   とにかく、いちおう最後まで見たけれど、ずっと心のなかで  「またリアリティのない展開になってるよ」の連続でした。  最後に、イーベンが自殺しそうなところを確保したっていうことになったけど それもアスガ―が問い合わせしないとアッチからは確保したよって知らせないというシステムもどうなの。  とにかく、警察側もイーベン一家も、全員やることなすことイライラする。  アスガ―が最後、部屋から出て電話をどこかにかけてたけど  ウーバーイーツで、ラーメンでも頼んだんじゃないかっていうくらい、お粗末な映画。
[インターネット(字幕)] 1点(2021-11-11 15:08:37)
3.  メッセージ 《ネタバレ》 
あの宇宙人たちは未来が分かり、3000年後に自分たちの星がえらい目に遭うから、地球人に助けてもらいたいので、 今のうちに地球人に”武器”を与える。  その武器とは抽象画みたいな墨文字。  それが読解できるようになると、未来が分かるというシステムらしい。    「さぁ人類の皆さん!ぜひ我々の言語をマスターして、その力で無事3000年後まで生き延びてくださいね♪」    かくしてあの言語の解読に成功したヒロインは、未来が見えるようになりましたとさ。 めでたしめでたし・・・ってなんじゃそらああああああッ!!!!!   つまらない。 いやほんとつまらない。ツッコミどころ満載。   特にあの宇宙人のタコ。ふざけてる。なめてる。  墨出して一緒にお話ししましょとか、もうコレってギャグの領域。   ヘプタポッドだと? 7本足で、ヘプタは7を意味するからヘプタポッドっていうのは、オクトが8を意味するから8本足のタコがオクトパスっていうのっぽくて面白いでしょみたいな、タコ偏愛主義者の自己満足なムードがイライラする。   そもそも未来が分かる言語を人類が理解できるようになったら、ヘプタポッド語の参考書とかドリルが出てバンバン売れちゃうだろうし、 カルチャーセンターで”ヘプタポッド語講座”で教えたりして世界中の人々が未来が見えるようになっちゃったら、占い師は全員廃業でしょう。    宇宙人どもは未来危機に陥る自分たちを助けて欲しいから地球人に未来予知能力を与えたけれど、 人類にとっちゃぁ、よそ者の宇宙人のことより 未来予測を使って金儲けに走るだけに決まってる、っていう未来を読めないのかこの宇宙人ども。  ヒロイン以外のジェレミーとウィティカにも、きっと何か後ですごい働きするって期待してたんですけど、特に何もなく。 存在感も薄い。  それこそジェレミーは「28週後・・・」での滅私的な活躍に涙しましたし、ウィティカは「パニックルーム」みたいな、優しい黒人を演じさせたら光るしで、この二人が軍人側として登場するなら、絶対、ヒロインを守って何かやってくれるぞ、と、タコに失望した自分は彼らに望みを託して期待をしていたのですが、最後まで特に、何もなく。   全体的に静かな雰囲気ですが、静かすぎて  「あなた、何を期待していたんですか?宇宙人とのファーストコンタクトの話しだと思ってたんですか?言語読解のプロセスで魅せる映画だと思ってたんですか?これは、もっと内省的な作品なんですよ・・・フッ」  って言われたようで、イライラする。  未来を知ったヒロインが、ジェレミーと結婚してもいずれ離婚することも、子供が生まれてもいずれ病死してしまうことも分かったうえで、あえてその未来を受け入れるという姿を見せ  「ヒロインのこの選択すごいでしょ、あなたにはできる?考えてみてよ。どうなの?え?」   っていうのが、この映画が言いたかったコトなわけですが、彼女の決断すごいでしょ、なかなかできるもんじゃないでしょ、というこれみよがしな主張も、それと価値観を同じにする人たちでなければ共感できない主張。     いや、私だったら、あえて別離ルートなど選択せず、 別のひとと結婚して、健康な子供を産んで孫まで抱きたいと思いますがね。   実際にもう生まれてきてしまった後ならば、誕生後に余命を知ってしまっても、生まれてきた以上は腕に抱く子に愛着が芽生え育っていくから、生んだことを後悔しないけれど まだ頭の中に見える未来図の映像としてでしか見えていない子供に愛着は生まれないだろう。  実際におなかに9ヶ月宿して苦しんで産み落として、この腕に抱き触れ合ったわけではないので、特に思い入れは生まれないはずだ。  そのあたりの女の思考回路を分かっていない、でも女の思考を分かってるつもりでいる、母性を神聖視しすぎちゃってる男の原作者が勝手にイメージし、提示する”母性”は、まったくリアルではなく、妄想と虚像でしかない。   淡々としたSF映画で思い出すのは「ガタカ」で、あちらは相当お気に入りだが「メッセージ」は思わせぶりなだけで説得力もなく、トリッキーなパズル構成とスノッブなところだけがハナにつく。  ヒロインの娘の名前がハナだけにね。
[CS・衛星(字幕)] 2点(2021-10-08 08:43:35)(良:4票)
4.  パワー・ゲーム 《ネタバレ》 
ゲイリー・オールドマン。  悪役俳優としても有名。  でも本人は「悪役ばっかりはイヤ!」と、悪役オファーを断るようになったものの、自身が製作・脚本・監督を担った渾身の「ニル・バイ・マウス」を作ったものの大コケしてしまった後は、その借金を返すためにその後連続3作(フィフス・エレメント、エアフォース・ワン、 ロスト・イン・スペース)で悪役を演じる辛酸をなめた。  だが彼も年齢を重ね「悪役は絶対イヤ!」とゴネることもなく、来るもの拒まず・・・というスタンスなのか、悪役もぼちぼちこなしている様子。  そんな近年の悪役作品が「パワーゲーム」だ。  しかし、年齢を重ねたゲイリーの悪役は、渋みと重厚な雰囲気のみで、若かりし頃に見せたあのエキセントリックでサイコちっくな悪役の彼はそこにはいない。  FBIに逮捕され、パトカーに押し込まれる彼のラストシーンは、若かりし頃に見せたあのインパクトの大きな退場シーンと比べてなんと印象の薄いことか。   私は間違いなくゲイリーには、若い頃の作品で見せたような”爆弾の束で爆死”、”パラシュートに首をからませて落下死”とか”流砂に吸い込まれてフェイドアウト”といった、まぶたに焼き付いて離れない強烈なラストシーンを求めていたのだろうと思う。  ・・・といいつつも、「パワー・ゲーム」においては”権力を牛耳る悪いオジイサンたち”として、かつて「エアフォースワン」で敵対しあったゲイリーとハリソンの戦い第2ラウンド!ということで、「今回の勝敗はいかに!?」という視点で楽しむことはできた。  (結果は引き分け)  「権力やカネよりも、”家族”、”友情”、”恋人”が大事ダヨネ!」  というもっとも至極なことを、大御所俳優を駆使して大作仕上げになっているし、実際のところ面白く見ることはできた。  ただ、イケメン主人公が会社をクビになった仲間同士と、どこからカネをひねりだしたのか高層ビルの一室に事務所を設立して、 カノジョともヨリを戻してビルのエントランスでイチャイチャチュッチュなんていう  「ボクにはハッピーエンドな未来しかありません♪」  …的な終わり方はちょっと都合が良すぎるのではという不愉快さ。  せめてあのイケメン主人公が、下町のさびれたスーパーでエプロン姿でうなだれながらレジ打ちをしているところにカノジョが現われ「まずはお客と店員からはじめましょうか」くらいの、明るい未来を暗示する程度の場面で終わってほしかったところである。
[DVD(字幕)] 5点(2021-10-01 08:53:11)(良:1票)
5.  ゲット・アウト 《ネタバレ》 
車で向かった人里離れた土地…そこにいる人たちはどこか変…という「ステップフォードの妻たち」の舞台設定に  「招かれざる客」の白人と黒人カップルという人種問題を盛り込んで、  主人公が怪しいと思っていた人たちは実は…という「スケルトンキー」の、謎の真相の中身を足して3で割って、  そこに、「性奴隷だー!」という失笑モノのレベルの低い下ネタをぶち込んでミキサーにかけてドロドロに出来上がった、非情に低レベル映画。  これがアカデミー脚本賞?笑わせますね。   自宅で、あんなチャチイ手術器具と部屋で、人の精神を別の人の体に移植できるわけないでしょう。  あのお母ちゃんがティーカップをチンチン鳴らしたり、スプーンでクルクルすだけで、相手がコテンっと寝ちゃうとか、いくらなんでも説得力ゼロ。  それならそれで、テリーギリアムが作るSF映画みたいに、全体がハチャメチャなムードで作らないとダメです。    コメディー出身の映画好きな黒人のジョーダン・ピール監督が、  「黒人は優秀な遺伝子で、白人が黒人の体を乗っ取りたいと思うほどすごいんだぜ!」ということを描きたいがために   過去に見たお気に入りの映画の中身をツギハギして低予算で作ったら、それだけでオスカーもらえちゃうなんて、悪いジョーダンだろと思いました。
[インターネット(字幕)] 2点(2021-09-30 19:41:36)
6.  ホテル・ムンバイ 《ネタバレ》 
「スラムドッグミリオネア」でその顔を知られることとなったデヴ・パデル(アルジュン)が、この映画の主人公。  だから彼に死亡フラグは立たない。 最後まで活躍して最後まで死なずに、心配してる妻子と再会してめでたしめでたしになろうことは予想がつく。   テロリストの首謀者は、リアルにどいつこもこいつもタチの悪いイジメっこでして、「神は偉大なり」の一言で少年を洗脳してテロリストに仕立てるのも、彼らにとっては日常のちょっとしたお遊びみたいなものなのですよね。   とにかく無差別に殺してショッキングな感じを楽しんだり、 気が向けば金持ちを生け捕りにして、ちょっと身代金要求しちゃおうかなとか、 ダメならストレス発散に殺して、関係者を苦しませちゃえとか、 その場のノリでやることを決めるので、本当にタチが悪い。   それにしても、この映画は実話だそうだけれど 赤ちゃんを連れて逃げてたあの女性が最後まで無事だったっていうのはホント?  あの年齢の赤んぼなんて、ずっと寝てるか、オムツ濡れてるかミルクが欲しいときだけ目ざめて泣きわめくのに、 あんな状況でベッドにも寝かせてもらえず、それが何日も続いてたんですよね?ミルクどうしてたん?オムツどこに替えあるん?  あんな真っ暗で狭いクロゼットに入っただけでも、一発で泣き出しますやん。  どうも赤ん坊を殺すのは悲惨だから生かしておきたい気持ちはわかるけど、そこはリアリティがなかったですね。    でも実際、ホテルの従業員がお客さんのために居残って殺害されてたなんて。   生き残った金持ちは、金があるから守られたってことですよね極論を言えば。   ちゃんと金持ちたちは、死んだ従業員の一生分のチップを遺族に払ってやらないと死んだ従業員に呪われますよ。
[インターネット(字幕)] 6点(2021-07-21 20:25:48)(良:1票)
7.  アナイアレイション -全滅領域- 《ネタバレ》 
アーティストな才能をもった宇宙人が地球上に壮大なインスタレーションを創作しようとする映画。   ほんと、この宇宙人すごくアートの才能あるよ。  シマーというアトリエの中では、美しい花々をひとつの株に咲かせるという斬新な作品、人間の形をした植物という作品…。  廃墟となった基地の中には、人間の体を破壊していろいろな素材で飾り立てた華麗なるウォールアートを残し、 灯台は灯台の色であるオフホワイトに合わせて、オフホワイトを基調としたコケのようなものを漆喰のようなもので装飾している。  浜辺のガラス状の樹々は美しく、ヴェントレスおばさんの口から出てきたイルミネーションアートもなかなかのレベルだ。  人間の声をまねる熊さんや、生まれたての超合金みたいな宇宙人がレナやレナの夫の見た目をまねて見た目も動きも本人になっていくという行為は、地球上生物へのオマージュだろう。  灯台の中でレナとあらゆる動きをシンクロさせている様子は、アヴァンギャルドな舞踏芸術。   そう、この宇宙人は、地球にやってきてアートで一旗揚げたかったのだ。   ただ、描写していることに一貫性がないのがいまひとつ。  生き残ったはずのレナの夫はオマージュ作品だが、レナもどうやらウィルス感染みたいに、宇宙人に体をのっとられている。 オマージュ作品を作るプロセス(あの鋼鉄みたいなボディから人間に変化する)だけでなく、ウィルス感染みたいなことも起きていて どっちつかずになっている  エイリアンみたいに卵から産まれたフェイスハガーが人間の顔にくっついたらお腹からエイリアン生まれちゃう、とか、 ゾンビ映画みたいにかまれたり血を体内に入れたらゾンビになっちゃうとか、プロセスは印象的なものを1つだけに絞らないと、 全体のまとまりがよくないです。  ビデオの中でお腹の中に蛇らしきものが蠢く映像が映っていたが、エイリアンみたいにお腹に謎の生物が寄生するという現象を見せておいて、その後同じ現象が誰にも起きないってのも、じゃぁなんのために「後から来る隊員へ」なんて書いてわざわざメモリーカードを残すのかっていうことになります。   そこをきちんとやっておけば、アート好きな宇宙人が地球で個展を開こうとして奮闘しているドラマなんだなと受け止めることができたのに、残念です。  (とりあえず、宇宙人となったレナ夫と、宇宙人に体をのっとられたレナは 宇宙人のアートの才能を受け継いで、今後は夫婦でアート作品を続々と作り出して、世界的に有名なアーティスト夫婦として知られることになるでしょう、たぶん。)
[インターネット(字幕)] 4点(2021-06-24 08:38:45)
8.  嵐の中で 《ネタバレ》 
ヒロインのベラは夫ダビドとラブラブ。娘グロリアもかわいい。幸せいっぱい。  でも、その世界では、20年前にある少年ニコが、近所のおっさんの妻殺し現場を見てしまい、あわてて路上に飛び出して車に飛ばされ死をとげている。  ところがある嵐の夜、ベラは古いTVとカメラを通して、そのニコと対話できちゃう。 「今外に出ちゃだめ!死んじゃうから!ダメ!絶対!」と死を回避させちゃう。  設定は無茶ですけど、結果としてニコ少年は死ななかったが、ニコ少年が死ななかった世界(厳密にいえば、ニコ少年が死なないままニコ青年に成長し、そしてヒロインと結婚してるという展開になってる、トンデモな平行世界)で 死なないで済んでそのまま大人になったニコと暮らしていた、平行世界の別の自分と入れ替わっちゃう、もとの世界のほうのベラ。  なんで結婚してるの? と思ったら、ニコ少年はTVを通して見た20歳くらい年上の女性(ベラ)を慕って いつまでも駅のホームで待っていたのだ。  その駅は、古いTVを通して話した彼女の背後に見えた駅名が書かれた看板(盗んだもの笑)のあった駅だったから、彼女とつながるものはそこしかないと信じ、そこで待っていたのだ。   彼はやがて30近くなる。すっごいイケメンに。 (そして、そのイケメンは、この平行世界に肉体転送されちゃった、ニコが死んでる世界に生きていたベラを助ける刑事の男だと判明してビックリ)  そして見つける。20年前TVで話をしたその女性を。 (でも、この女性は、ヒロインが過去を改変したせいでできた平行世界の住人なので、少年の死亡事件もないし、なんの少年との接点もない。知ってるのは青年ニコだけ。)  平行世界では、イケメンになった彼が、20年前に対話し命を救ってくれた女性と愛し合い、結婚して、幸せに暮らしていた。  (で、イケメンニコ青年の妻である、平行世界のベラは、もととなっている世界のベラと、相互転送になっちゃったからさぁ大変。   もとのベラは、「ダビドどこ~!グロリアどこ~!」って混乱してましたが、平行世界のベラだって、もとのベラの世界に送り込まれて「ニコどこ~!ダビドってだれ~!」ってなってたでしょうね。そこは描かれてませんでしたが。   ニコの死亡事件にからむ、近所のおっさんの殺人事件(近所の主婦と再婚するために、妻を殺して死体を隠ぺい。それが成功)の解明につながり…そして、さらに、ダビドには浮気癖があっていつも同じホテルを利用していることも判明。  かくして嵐の夜再びベラは平行世界から、もといた世界に戻…  ってなーい!!!笑  なるほどこっちの世界は2つ目の平行世界ですか…。   この2つ目の平行世界は、もとの世界ととても同じなところが多い。  ベラはダビドの妻という立場だし、娘グロリアもいる。 そして近所のおっさんは殺人の隠ぺいに成功して不倫相手と再婚してる。 そこらへんはもといた世界と同じ。   しかしベラは、夫の浮気癖を知った(ホテルの棒マッチの伏線と回収はうまい)ので、おそらく夫の浮気を離婚事由にして娘を連れてシングルマザーになるだろうなという雰囲気。 そして近所のおっさんが隠した妻の骨のありかも、平行世界でチェック済みなので、自ら見つけて警察に通報。  浮気夫に、不倫&妻殺し夫、悪者を一掃するというすがすがしい2つ目の平行世界…。  しかもこの2つ目の平行世界には死なずに青年になったニコが刑事として生きている。   つまり、もとの世界のベラは、1つ目の、ニコ青年と結婚してる世界から脱出したけど、もとの世界に戻れたのではなく もといた世界と酷似したまた別の平行世界に転送されたんですね。  この2つ目の平行世界では、この刑事ニコは、ベラのことを知らない様子。 おっさんの妻殺し事件は起きたけど、ニコはそれを目撃したりうっかり事故で死なないで済んでいた、ラッキーな世界?   グロリアは、1つ目の平行世界ではダビドとグロリアがいないことに困り果てていたけれど ダビドが浮気性のクズだと分かった時点で、グロリアさえ取り戻せればいいっていう感じだったんですよね。  だから、別にもといた世界に戻れてなくても、グロリアがいれば2つ目の平行世界でもOKってことですか。   それにこの2つ目の平行世界では、1つ目の平行世界でちょっと惚れかけていた(でもグロリアに会いたくて、さよならした) イケメンニコ青年がいる。  最愛の娘を取り戻し、浮気性のクズ夫の本性をあばき離縁、そしてイケメン年下ニコ青年と人生やり直し。  これはもう、もとの世界よりこっちにいた方が断然ベラは幸せですね。
[インターネット(字幕)] 7点(2021-06-22 20:31:07)
9.  グリーンブック
ドクは、黒人っていうだけでなく、ゲイでもあったわけなんですね。  でもトニーは黒人であることもゲイであることも、気に留めない。   イタリア系移民っていうことで、すでに差別されているせいか、弱いものの気持ちが分かってるのかなと。   トニーにだんだん下品にされていく(フライドチキンとか、聞く音楽とか)ドクと  ドクにだんだん上品にされていく(手紙のセンス磨きとか)トニー。  普通に心地よい作品だった。   アカデミー賞の授賞式は見ましたが、オクタヴィア・スぺンサーが作品賞受賞のときに舞台に上がっていて 「え?彼女出てたっけ?」と思ったら、エグゼクティブ・プロデューサーだったんですね。  貫禄ついてきましたねぇオクタヴィア。
[インターネット(字幕)] 8点(2021-06-07 11:31:47)
10.  1922 《ネタバレ》 
なんで主人公の男がここまで不幸にならなくちゃいけないの?  妻めちゃくちゃワルもんだよ。  父から引き継いだ土地は私のもんだと。  その態度がイライラ。  父の土地なんて、お前が苦労して築いた財産じゃないだろう。  それをたまたま偉そうに、それを武器に、土地も貯金もない夫をナメまくってる。  だから、  「土地を売るわ。その金で都会に行くの。洋服屋さんを開店するわ。あなたがついてきたくないなら結構。離婚するわよ。 金ならあげる。でも息子は私が連れてくからね・ え?息子が近所に彼女ができたから、別れたくないから都会には行きたくない? 冗談じゃないわよ、そんなことに私を巻き込まないで。 彼女なんてどうでもいい。それより、できちゃった結婚とかしないようにね。あんたの父親みたいにね笑」  なんてことを、勝ち組の表情で言い放つ。  最低女。  夫の気持ちも、息子の気持ちも、自分中心の思考で聞く耳すら持たない。 さらに息子の前で父親を侮辱。  100回死んでも許されないタイプの女。   いや、ほんと、あなたは死にふさわしい。あなたみたいな自己中人間は死んだほうが世のためだ。  私ははっきりそう思った。  殺人は悪い。 でも殺人まで追い詰める悪人は殺人者よりもっと悪い。  この妻はまさにその悪者。  彼が手を下さなければ、この悪妻は、土地を売り、金と息子を連れて好きなように人生を生きちゃう。  夫は何も悪いことはしていない。 愚直に畑を愛し、息子を愛し、息子を立派に農民に育てるために汗を流して頑張ってきた。  息子もそうだ。 まじめに働き、この土地で骨をうずめる気持ちで、地主の娘とも仲良くなれて幸せの渦中にあった。  それをすべて自分のエゴで、奪おうとしてる。 自分の努力で築いたものではない、土地と金で。  なんてごう慢な女。死にふさわしい。死んだあと井戸でネズミに食われてきたなくなるのにふさわしい。    それなのに、なぜこの主人公がここまで苦しまなくてはいけないのか。息子も苦しめられるのか。不条理すぎる。   息子の彼女シャノンの家庭では、逆に夫が金があるせいか傲慢で、まさに主人公の妻の逆。 主人公のようにシャノンの父に従わされてガマンしている。  だから最終的には、家を出ることで、シャノンの母は夫に復讐したのだ。   主人公も長年、金と土地をふりかざす妻に従わされたのだから、復讐して何が悪いというのだろう。  私は金と土地を持っている配偶者に、金と土地がないゆえに、ナメられるという状況が本当に許せない。   主人公、がんばれ、悪い妄想に悩まされずに、逃げきり、がんばって生きてほしい。  当時のことを紙に書いて、カタルシスして、悪夢から目覚めてほしい。   ネズミ恐怖症も治りますように。そう願うばかり。
[DVD(字幕)] 4点(2021-05-28 09:51:48)
11.  バード・ボックス 《ネタバレ》 
目隠ししてサバイバル…この設定はかなり面白い。   闇を抱えてる人たちは、自殺病にならずに、目隠しなしで生きていける(そして健常者を襲う)という設定も面白い。   肝心の、目に見えないヤバいあいつは、落ち葉を扇風機でバアアアーっと吹き上げたり、木の枝葉をスタッフが見えないところでワサワサ動かすだけで、低予算(多分)なのに設定でうまく作ってる。  でもあのラストはなんなんですか。  盲学校だからなるほど、あいつらを見ないで済んで助かったんですねと言いたいけれど そんなに単純じゃないでしょう  食料はどうやってじゃぁ今まで手に入れてきたの?  成長していく子供たちの洋服は?  犬までいるけれど、ドッグフードはどこで手に入れてるのこの5年間も…?笑  盲学校だから罹患しない人がほかの場所より多かったでしょうけれど 説得力がちと弱い。  天井は緑で目隠しされているが、バラの花みたいなものが所々咲いていて、なんかあまりにも出来すぎてる。  中庭にいる人たちはみんな幸せそうにニコニコしてるけど、こんな状況で5年間も過ごしてきて あんな別世界だから幸せです~っていうテンションになれるとも思えない。  ここだけ、こぎれいなファンタジー映画を見せられてる感じになっちゃって白けてしまった。  他のレビュアーさんの言う通り、視力を失って助かるっていうくらいのオチじゃないと これまでのグロテスクな修羅場を潜り抜けてきた後のオチとしてふさわしくないんじゃないかな。
[インターネット(字幕)] 6点(2021-05-01 18:45:39)
12.  サウンド・オブ・メタル -聞こえるということ- 《ネタバレ》 
はい、またネット映画ですよ。  Netflix映画がアカデミー賞で幅を利かせ始めて以来、昨年のコロナの影響で近年調子あげまくりのネット映画ですよ。  いえね、ネット映画は悪いとは言わない。  でもなんだろう…昨今の映画の、小粒感…  面白いけど歴史に残るかっていうほどでもない佳作が多いこと多いこと…。  そしてネット映画の最大のデメリットは、配信サイトと契約しないと見れない敷居の高さもあって レビューサイトの感想が少なかったり、レビューページの開設が遅いこと。    見たい映画だけ見るためにお金を払ってはい終了っていうのと違って、「『サウンド・オブ・メタル』を見るために、アマゾンプライムに契約しないといけないのかぁ…」ってなってる人も少なからずいると思うんですよね、二の足踏んでるみたいな。  まぁ、コロナと一緒で、いやがおうにも適応していかないとダメな時代なんでしょうけど。いやな時代ですね。   特にこの映画、アカデミー賞で音響賞を取ったくらい、音が命。  聴覚障害の主人公の音の聞こえ方(素の状態での人の声や物音の聞こえ方、収音マイクの聞こえ方など…)が作品の見どころのひとつなので、劇場公開なしで家のTVやPCで見ろってのも、もったいないですしね。  WOWOWの授賞式の放送で、ゲストのケンティーが「ぜひヘッドフォンで聞いてほしいです」って言ってたけど 新作でアカデミー賞2冠の作品を、ちっこい画面でヘッドフォンで聞かなくちゃいけないなんてね。  うちはYAMAHAのスピーカーをTVとは別に入れているので、ある程度いい音では聞けますけど、やっぱり見るなら劇場のほうが いいでしょう。  …と一通りぼやいたあとで。  作品の内容はまぁまぁです。  耳が聞こえなくても何とかドラマーを続けたがる主人公。無茶な男です。  聴覚障害者のコミュニティに入る際は、外部といっさい連絡禁止なのに コッソリと運営者のオフィスに侵入してPCで恋人と連絡とっちゃう。我慢ってものをできない男です。  気持ちのもちようをどうにかするんじゃなくて、手術で治したいって、音楽機材もトレーラーも売り払い 手荷物ひとつになってでも、なんとしても手術を受ける。短気で強引です。こうと決めたら頑として気持ちは変えられない。  でも収音マイクで聞く音は、雑音のように不快…人生は思うようにいかない。  彼女のもとへ戻ったけれど、彼女は彼なしの、金持ちパパのもとで裕福で何不自由ない生活の中で、腕をかきむしる自傷行為もストップしていて そこそこ幸せそう。もはや彼女を貧乏生活の道連れするわけにもいかない。   ”こうと決めたらやり抜く”性格で突っ走っても、その勢いで壁を突き破ることはできない。  壁にぶち当たり、どんなにあがいても聴覚を失ったことで、音楽も恋人も失うという現実に抗うことはできない。   自分は主人公と性格が似てるから、その気持ちよくわかる。  無茶して、それが後で無駄になって、途方にくれる。   ラストシーンでは、現実にうちのめされ、街中のベンチに座るルーベン。  人の足音、声、車の音…街の喧騒が、収音マイクを通して耐え難い雑音として響く。  美しい教会の鐘の音も、不気味なほどの不快な音となる。   ふと彼が収音マイクをとると、映画から音がさっと消え…スケボーで遊ぶ子供たちや、風にゆらぐ木の葉っぱが映し出される…   そうだ、収音マイクで雑音にすがって聴覚を持つより、 収音マイクを頼らず、物を見て ”音を心で感じる”ことのほうが、幸せかもしれない。   おそらく彼はそう気づいた瞬間。   シーンはここで終わるが、たぶん彼はまたコミュニティに戻るだろう。  彼はそこでは歓迎される。 運営者の右腕になるか、先生になってほしいと言われていたのだから、あらたな生きがいをそこで見つけられるだろう。  アリシア・ディキャンベル似のあのコミュニティにいた女性とも、けっこう仲良しモードだったから おそらく彼女が新恋人になるだろう。  いくつかのハッピーな展開を想像させてくれる伏線を中盤でばらまいておく、なかなかうまい構成ではあった。    でもね、劇中にレズビアンな女性をモブとしてぶっこんできてるけど、LGBTに対して偏見ありませんみたいな 優等生っぽい作りにしてるなって感じて、そういうのがいちいち気になるんですよね。    あと、収音マイクでは雑音に聞こえるっていうことを、映画でさんざん有名にさせちゃったから 世界中の収音マイクインプラントをやってる病院の、営業妨害になってると思う笑
[インターネット(字幕)] 4点(2021-04-30 09:53:29)
13.  マダム・フローレンス! 夢見るふたり 《ネタバレ》 
カネがあれば、へたくそな歌をほめてもらえる!  カネがあれば、カネ目当ての連中にちやほやしてもらえる!  カネがあれば、悪評の新聞も買い占められる!  カネがあれば、カーネギーでも歌える!  カネがあれば、だんなの愛も買える!  カネがあれば、伴奏者にもこっちの言うことを聞かせられる!  カネがあれば、自主制作でレコードだって作れちゃう!   では、歌わせていただきます。コホンッ   ♪アァ~~~~~あたしも彼女みたいにカネが欲しいィ~~~  カネが欲しいよォ~~~~  カネがあればぁーーーーあ~~あ~~カネがあーれーばあああああーーーーー  ハッハッホホッホッ・・・ハッ!(ここ、オペラ風に)
[CS・衛星(字幕)] 2点(2021-04-24 20:04:59)(良:1票)
14.  アデル/ファラオと復活の秘薬 《ネタバレ》 
ちょ!ちょっと待てい!評価が低すぎてビックリなんですがッ!!  いや、リュックベッソンてのは、そもそもはこういうハチャメチャアドベンチャーが大好きなんだと思う。  「フィフス・エレメント」も、彼が子供のころ作った話で、リュックは そもそもああいった「なんじゃそら!」的なヒロイン活劇がお好みなんだろう。  で、このアデルの話にしても、そういった問答無用のハイテンション冒険ストーリーに仕上がっていて、フィフスエレメントと同じくらい大好きな作品。  留置されている教授の脱走を手助け出すために、アデルが食事係や修道女や医者に変装してしのびこんでは失敗するシークエンスは何度見ても彼女がキュートで仕方ない。  教授がギロチンにかけられる寸前に、翼竜にサっとつかまれて救出されたその勢いでうっかりギロチン台に頭を乗せてしまった死刑執行人の上にギロチンの刃がドーン!って、ブラックすぎて強烈だ(笑)  ヒロインの妹の傷を治してもらうべくルーブル美術館にしのびこんだ場面では、傷あとを巻く包帯のために、仲間のミイラが巻かれた包帯をほどかれてクルクル回るところは、時代劇で悪代官に帯をほどかれて「あ~れ~・・・おたわむれを~!」ってやってる着物娘みたい。  ドサクサにまぎれてアデルの妹が覚醒する前にチュっとするとか、おちゃめな色ボケじじいのファラオも笑えるではないか。  そのファラオが従者たちと共に”散策”で美術館の外に出て、中庭を眺めながら「ここにピラミッドを建てると良いな」などとさりげなく言うのだが、実際今のルーブル美術館の中庭にガラス張りのピラミッドがあるので、「実はこのピラミッド、ファラオの命令だった!?」なんていう時代を超越させるギャグにも心底笑った。  この映画はそもそもドタバタ・ハチャメチャ・アドベンチャーコメディ。  アデルに品性や誠実性を求めてどうする!  (第一、アデルは最初から誠実キャラではない。それを証拠に、最終的には自由人アデルは一人旅に出かけ、彼女に片思いしていた青年は彼女の妹とハッピーエンドになる予感をさせる形で終わっている)  とにかくこの作品はつべこべ言わずに無心でャグの荒波に乗っかったもの勝ちだ。さぁあなたは乗れるかな?
[CS・衛星(字幕)] 10点(2021-04-24 20:04:01)(良:1票)
15.  エクス・マキナ(2015) 《ネタバレ》 
劇中のセリフに「プロメテウス」というワードが入れられている。  このプロメテウスは、そのまま「プロメテウス」という映画があるくらい、あるいはディズニーシーのフォーカルポイントになっているあのお山もプロメテウス火山と名づけられているくらい、けっこう意味深に使われるワードである。  プロメテウスはギリシャ神話の神様で、ゼウスが人類から火をとりあげたにも関わらず、「人類は火がないせいで暖をとれなかったり温かい料理が作れないのがかわいそう」と、独断で人類に火を与え、結果的に人類はその火で武器を作り戦争を起こし誤った道に進むようになり、プロメテウスはゼウスに罰として山頂のはりつけられ、鳥に肝臓をついばまれる苦痛を、不死がゆえに生きたまま味わい続ける拷問を受けることになったというストーリーの持ち主。  この映画では、まさにケイレブがプロメテウス、そして社長がゼウスだといえる。  ゼウスは、あちゃこちゃの女神や妖精とイチャイチャしている女好きなスケベおやじ。まさに社長と一緒だ。  ケイレブは、ルールを破り独断でAI娘に火もとい”自由”を与えた。まさにプロメテウス。 その罰は、あの部屋にとじこめの刑ということか。  かくして、プロメテウスから火を得た人類が核爆弾さえ作ってしまったように、ケイレブから自由を得た彼女は相当よからぬ世界を作り出してしまうような不吉な予感を鑑賞者に与えながらこの映画は幕をとじる。   おそらくこの作品、オサレな視覚効果と、このオサレな哲学的ニュアンスのおかげで、実際以上にイメージが良くなってる。 やっぱり、見た目と雰囲気で、トクするのってありますよね。アリシアディキャンベルのAI娘が、まさにそれ。  映画もAIロボットも、見た目と雰囲気で七難隠せます。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2021-04-07 10:27:57)(良:1票)
16.  チューリップ・フィーバー 肖像画に秘めた愛 《ネタバレ》 
ヒロインの不倫がメインテーマですけど、まずなぜ画家が好きになったかの理由づけに説得力がなく、その時点で感情移入できない。  「ピアノレッスン」のように、夫が性格が悪くてヒロインをぞんざいに扱っているなら、優しくしてくれた男に惚れていくのは分かる。  あるいは「マディソン郡の橋」のように、夫の性格は普通でもそれが退屈で、趣味の話しが合う男に惚れていくのも分かる。(キーツの詩を理解するとか)  しかしこの映画えは、夫(クリストフ・ヴァルツ)はひたすら優しくヒロインをお姫様のように大事にしてるのでダメだ。 画家と話しが合って惹かれたわけでもないからほんとダメだ。   つまりは、”おじいさんの刺激のないエッチより、若い男の激しいエッチのほうが、すっごくイイわぁ…”っていう、うすべったさ。  だから、ヒロインが死んだフリして画家と駆け落ちをするつもりが、急に熱が冷めたのもよく分かります。  だって画家とは、ただエッチが良かっただけですもんね。  そんな相手のために、エッチがムードがないとはいえ自分に尽くしてくれた真面目な夫をだまして、 召使の子供をヒロインの子だとだましたあげく、夫にその赤子をヒロインの子だと押し付けて、 死んだフリして、駆け落ちしようなんて、若い男とエッチざんまいの日常を手にするだけのためにそこまでするかい…って どんな単細胞な脳でもわかりますよね。  そもそもあの画家、頭相当悪いし。 (彼女との駆け落ち資金を、彼女を育ててくれた修道院からチューリップ盗んでお金にしようとか、もう人としてアウト)   状況次第で高騰したり暴落するチューリップは、まさにヒロインの気持ちの象徴だと思えば このなんの感情移入できない作品も、あらての不倫映画としてはアリといえなくもない。   ヒロインに裏切られても、ヒロインとグルになって自分をだました召使と、その彼氏の魚売りの魚くさい男に いきなり家と資産をあげちゃう人の良さは意味不明だし  その家にのうのうと居座って 元魚売りの男と夫婦になって、おしゃれな洋服を着込んで子供をワラワラ生んで生活してるマリアも、まぁ調子がいいこと…って意味不明。  (マリアの性格がピュアで優しいならともかくとして マリアが妊娠したことをヒロインに告げたら「もし私を追い出したら、あなたの不倫を旦那様にばらすぞ」って ゆすりをするような、雑草みたいにたくましくていやらしい貧困層の女ですからね)    ラストシーンでは、修道院で、絵の仕事を頼まれてやってきた画家が、修道女になっていたヒロインと再会したわけですが まぁあのヒロインの性格からして、修道院の夜の庭でまた画家とめくるめくエッチを楽しんで  「やっぱりまた死んだフリして今度は修道院から逃げ出してあなたと一緒になるわ!ひゃっほ~!」  ってなりそう。
[インターネット(字幕)] 2点(2021-04-01 09:36:52)
17.  メリー・ポピンズ リターンズ 《ネタバレ》 
正直いってつまらない。  「シカゴ」で名声を得た監督だったが、材料が偉大すぎてどうしても「メリーポピンズ」と比較して「つまらない」という結論になってしまう。  終盤で「メリー、時間を戻せる?」と言われて「もちろん!」とメリーが余裕ぶっこいた顔を見せるも、その方法は特に魔法を使って世界の時間軸すべてを過去に戻すのではなく、街灯係の男どもに  「おい、君たち!ビッグベンの時計の針を、手動で5分前に戻してこいや!」  と命じるという超アナログ(しかも他力本願)な方法。  さらには、街灯係の男たちにハシゴで命がけの作業をさせたあげく「時計の針に手が届かないよー」となげくジャックを前に「しょうがないわね」と傘を使って空を飛ぶメリー本人が針をひょいと5分前に戻すという「だったら最初から自分でやれよ」とツッコまないではいられない、しょーもない台本というありさまである。  それ以上にしょーもなかったのは、ジャック役の俳優だ。  エミリー・ブラントはツンツンしたメリーポピンズのイメージは継承できているとして、バートと同等の立ち位置といえるメリーの相棒ジャックを演じる男優があまりにも華がなくショボショボでイモっぽい。  ビジュアル的に洗練度に欠け、表情も乏しく野暮ったくて見るに耐えないのが、この映画を根底から台無しにしていると感じた。  「メリーポピンズ」の世界観を壊さないよう、随所に配慮が感じられるのは評価できる。  たとえば冒頭のジャックの登場&歌唱シーンは、そのまま「メリーポピンズ」でバートの登場&歌唱(チムチムチェリー)のシーンを踏襲したものだと一見して分かる。  しかしその肝の場面で、バートが完璧にやってのけてたように”冒頭からイッキに映画の中に観客を引き込むパワー”があったかといえば、ないと言わざるを得ない。  もし彼がかつての「メリーポピンズ」でバートを演じていたディック・ヴァン・ダイク級の イケメンかつキュートで洒脱で、表情豊かで生命力あふれる俳優だったら・・・と返すがえす口惜しい。  ディック・・・ディック・・・やっぱりディックがいなくちゃメリポピは成立しない・・・  そんな私の気持ちを察してくれたのか、「メリーポピンズ」で登場した銀行家のミスタードースじいさんの息子という設定の、 ミスタードースジュニアを演じていたのが、なんとそのディックだったという!  それがこの映画の唯一の見所だと言えるだろう笑  デスクにヒョイとお茶目に飛び乗り、オントシ92歳の彼がおどけた少年のようにタップを踏みながら歌う。  その数分のためだけになら、この映画は見る価値があると思う笑  ところで今さら知ったのだが、ディックはメリーポピンズでバートだけでなく、ミスタードース爺さんも一人二役で演じていたという衝撃。 どれだけ素敵な人なんだディック・・・
[映画館(吹替)] 5点(2021-03-14 18:20:22)(笑:1票) (良:1票)
18.  レディ・プレイヤー1 《ネタバレ》 
疾走感がスゴイ。  もう、力技で引っ張られてく。   あの企業の悪いおっさんが、自分のパスワードを書いたメモを貼っておくのはありえないけど許そう笑  企業の存亡をかけた仕事をするあの装置のある部屋に、誰もが簡単に入ることができて、防犯カメラもないのもありえないけど許そう笑  それに主人公の男の子と、その子とくっつく女、そして友達の3人…  全世界で利用者がいるこのバーチャルゲームで、アバターとして知り合ってるこの5人が、世界中の遠く離れた国々に散らばっていてもおかしくないのに、なぜかすぐに会える超至近距離に住んでることも許そう笑   とにかく全部許そう笑   それにしても、過去の映画作品やカルチャー全般のオマージュの量は半端ない。  内容はどうでもいいんじゃない?  SNS映えするお菓子みたいなもの。  中身のスポンジはよくある味でいいから、外側にレインボーカラーのクリームを分厚く塗りたくって、チョコスプレーをぶっかけて、 フルーツを盛り付けて、イチゴソースをだらだらと垂らしたお菓子。それがこの映画。   それにしてもスピルバーグは、ほんとスゴイ。  「シンドラーのリスト」を作った同一人物とは思えない。  かたや白黒の重くて深い映画。  かたやカラフルで軽くて楽しい映画。  どういう脳みそしてるんだろう…。
[インターネット(字幕)] 8点(2021-03-12 13:22:16)(良:1票)
19.  キャプテン・フィリップス 《ネタバレ》 
前半は、貨物船における、船長VS海賊の心理戦と、船員VS海賊の必死の攻防で、ダブルの面白さ。  後半は、貨物船パートが終わり、救命艇パート。  ここでは船長VS海賊の心理戦に、新しくアメリカ海軍VS海賊との心理戦という構図も加わり、それもまた見ごたえあり。   海賊は4名いて、このそれぞれのキャラはノンフィクションじゃなくて、たぶん映画としての面白さを作るためにフィクションなところ(性格や年齢)があると思う。  落ち着きがあるボス、やたらとキレる横暴な男、気弱な少年、なんとなくいる存在感が石な男。 この4人の個性があるから、最後まで面白く見られたというのもある。    そしてアメリカ映画らしく  「アメリカは強いんだぞ!アメリカってみんなの憧れなんだぞ!」  っていう、アメリカ礼賛映画になってるあたりもアメリカらしくて、清々しい笑    海賊のボスは、「アメリカに住んで、車が買いたいんだ」なんてポロっと言ったりして アメリカへの憧れを口にする場面とか笑  アメリカ海軍の人質救出作戦の技術も存分に披露されて、アメリカ海軍天下無敵感いっぱいで、ビバ!アメリカ!っていうノリがまた心地いい笑    それにしても勉強になった。  ソマリアの海賊って、  「海賊やって一儲けしようぜ!」   って意見の合った仲間がつるんでやるものではないのですね。   貧しい漁師の村の漁師たちが、みかじめ料として変なおっさんたちに脅されて仕方なく行かされている。  そして、気の合ったもの同士で組んで計画的に行くのではなく 日本でいえば、ホームレスたちを働かせる労働場所へ向かうバス(それが海賊船に該当)があって、 そこに乗せる人員をつのる場所に来た日雇い労働者の顔とか適当に見て責任者が   「じゃぁ、君と、君と…あとソコにいる君…」  って、めちゃめちゃテキトーに選んでバスに乗せちゃうノリと同じ。   そして必死で金を盗んできても、漁師たちにはお金は入らず 全部みかじめ料としてもっていかれちゃう。  この現実は知りませんでした。   漁師たちはかわいそうなんだ。  救命艇の中では、先ほども書いたように「アメリカに行って車を買いたい」発言もしていたし それに、海賊のボスは、フィリップス船長が当初渡した現金だけじゃ足りないと言って、もっとお金を取るためにフィリップス船長を身代金のために人質にしたわけだけれど  海軍に追い詰められて困っていた海賊のボスに、船長が「欲を出さなければ、おおごとにならなかったのにね」と言うと  「ボスがいるから仕方ない」  って言っていたのも心に刺さった。    映画冒頭で、漁師たちが、みかじめ料を取るおっさんたちに  「先週海賊やったばかりだから、行かなくてもいいだろ」的な発言をすると  「ボスはもっと金がいるんだ!」  と怒鳴りつける。  海賊のボスの上に、みかじめ料をとる中ボス、そのみかじめ料をとるボスも、またその上に、みかじめ料とってこいって怒鳴る大ボス…   ボスボスボス…本当に、その末端の人間が結局つらい思いをする構図だ。   面白いのは、この時そのセリフを聴いたフィリップスが  「誰にもボスはいる」  と言ったセリフ。   そう、丸腰で、危ない海域を行かせて、輸送費削減とスピード配送最優先を命じるボスの下にある立場ゆえに こんな災難に巻き込まれたわけだから、そうボヤキたくもなるでしょう。  悪いのは、海賊じゃない。 いろんな意味で感慨深い映画だった。   現在服役中の海賊のボスは、服役のあとは心を入れ替えて、アメリカに移民として暮らせて、車が買えるといいね。
[インターネット(字幕)] 7点(2021-03-07 10:47:38)
20.  ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド 《ネタバレ》 
リックとクリフの、日常会話的な特に緊迫感もないダラダラとしたやりとりが延々と続き、 クリフがヒッピーの牧場でグダグダしているあたりで、  「これっていつまでこういうテンションのままなんだよ…」  と思い、途中放棄しそうになって一時中断。  (タランティーノ作品は結構好きなほうなので、。どうでもよさそうなグダグダ話は慣れてはいるのですが…苦笑)   「でも放棄する前に、みんなの評価はどうなのか見ておこう?」  と、こちらで感想を拝見。 すると、シャロン・テート事件を知っておくべきとのご意見多数。 それならばと、いったんその事件について調べてから、あらためて続きを鑑賞することに…。   するとまぁあら不思議!  ただのキレイなねーちゃんだと思っていただけのシャロンの一挙手一投足に  「あぁ、間もなく惨殺されるのに、何も知らず可哀そうに…」と、いい感じに気持ちが入り始めたではないか。  シャロンが自分が出ている映画を見て、自分の登場シーンの会場のウケ具合にうれしそうにしたり、 夫のために「テス」の初版本を本屋で買うという、なんということもない場面さえ、シャロン・テート事件を知っておくと、すべて  「あぁ、間もなく殺されちゃうのに…」  と、どんなシーンでも感情移入。    そして、運命の時間へのカウントダウン開始!! (めっちゃ気持ち入る笑)  シャロン・テートとお友達セレブご一行のホームパーティーの様子と、 場末のダイナーで飯を喰らってダべってるリック&クリフの行動が、交互にテンポよく映し出されていくのが小気味いい。   このあたりからは、まばたき一つできないほど一気にグワーっと引き込まれた。   「あぁ…いよいよ惨殺始まるよ…タランティーノ仕立ての、血みどろグチャグチャのマーゴット・ロビーを見ることになるよ…」   ところがどっこいのタランティーノ笑  まさかの”家違い”で、ポランスキー・ハウスのお隣さん、リックのおうちにポランスキー宅を襲うつもりのヒッピーがやってくる笑   そして、ヒッピーにやられるどころか、LSD漬けの葉っぱでラリったクリフが、愛犬と共に、やつらを血みどろグチャグチャにするわ、リックは気が狂ったヒッピーを火炎放射器でこんがりローストにしちゃうわ…   史実を軽やかに変え、伏線回収も鮮やかな、最高にウケる見せ場を持ってきてくれました笑  ”落ち目の俳優と、連れのスタントマンの物語”  ”シャロン・テート事件を扱った映画”  という2つのヒントだけ観客に与えつつ  ”シャロン・テート事件”は”落ち目の俳優と連れのスタントマン”によってなかったことになるという、ストーリー上の大どんでん返しではなく  「当然、シャロンは殺される」という観客の思い込みをひっくり返す、変化球的な大どんでん返しで来るとは…タランティーノってやつはまったく…笑    (wikiの映画説明でも、”シャロン・テート事件を背景に”という、この映画では彼女は事件に遭わないという肝の部分までは分からないぼんやりとした説明の書き方の理由が、この壮大な大どんでん返しのネタバレ回避のためだと後で合点)  タランティーノ監督の代表作のひとつ「イングロリアス・バスターズ」では、”ナチスに恨みを持つヒロインが映画館でヒトラーを焼き殺す”という、史実と異なるヒトラー惨殺の見せ場を作ったくらいなので、今作の”シャロン・テートの隣人宅に間違って押し入った犯人たちが逆に惨殺される”という脚本も、問題なくスムーズに楽しめた。    「イングロリアス・バスターズ」に出演したブラピと「ジャンゴ~繋がれざる者」に出演したレオのW主演の今作。 それぞれの出演作では、ワルを殺す見せ場をメラメラと燃え上がる炎(前者は劇場、後者は邸宅)で演出していましたが、今作でもばっちり火炎放射器でメラメラと印象的な場面を作ったわけですね。   そして最後に訪れるシーンも秀逸。 リックがポランスキー邸に遊びに来ていたシャロンの男友達としゃべっている時に、シャロンがゲートについているインターホンで、普通にリックと話し始め、一緒に飲みましょうとゲート内に招き入れて、玄関前で抱擁…。  もし、あの日、カルト集団の殺人グループがポランスキー邸ではなく家違いで隣に押し入っていたら…?  もし、あの日、間違って押し入った家で待ち構えていたのが、筋肉隆々のスタントマンの体育会系男子(しかも葉っぱでラリってる)と、あのおっかない犬と、火炎放射器プレイヤーだったら…?  そういう想いが胸をめぐらずにはいられない、感傷的にさせるラストシーンだった。
[インターネット(字幕)] 8点(2021-03-02 11:05:04)(良:3票)
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