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ひと3さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 253
性別 男性
自己紹介 直接的に「内容」に向かうのではなく、「スクリーンへの現れ方」を語る言葉(技法論的な言葉)をなんとかめざしたい。

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181.  ミラーズ(2008) 《ネタバレ》 
鏡ものサイコホラーなのだが、鏡から何か恐ろしいもの(beyond reality)が出るという発想は、お化け屋敷的に怖いことは怖いが、本質的な怖さではない。鏡のほんらいの怖さは、お互いを映し合う相対性の泥沼たる鏡面、鏡の外には出られないことにある。だから例えば『上海から来た女』(ウェルズ)は、凄い。 
[DVD(字幕)] 4点(2012-07-26 20:32:06)
182.  ドレミファ娘の血は騒ぐ 《ネタバレ》 
「あらゆる熱気の去ったあと」みたいな黒沢清の作品はいつも何もわからない。たまには「熱気」の中心に向かえよと言いたい。この作品もわからないが、洞口の登場の仕方が非常にいい、「やって来ました吉岡さん」、そして横移動 (この平面性がいい)。音がまさに乾いた、熱気無きもの。やっぱりわからない作品だが、不思議に凄くいいと思えるのは、80年代の「戯れ」映画の文脈にもよる。
[映画館(邦画)] 7点(2012-07-21 23:17:41)
183.  パルプ・フィクション 《ネタバレ》 
死んだはずのトラヴォルタがドアを通り抜けて出て行くというエンディングがいい。「オラは生き返っただー」はいい。だから、時間編集に別の「良さ」が付け加わるのが素晴らしいのである。ちなみに同系の『運命じゃない人』もずいぶん頑張っているし、何度も見返してしまうような「良さ」にあふれている。
[映画館(字幕)] 7点(2012-07-16 20:11:18)
184.  鳥(1963) 《ネタバレ》 
結局、母(姑)の嫉妬の表現としての鳥の攻撃ということなのだ。ヒロインが鳥に襲われる様は『サイコ』に酷似するし、瀕死の傷を負ってこそ姑に赦されるエンディングである。息子を嫁に奪われる母(姑)の不安や嫉妬を外的なパニックで表現するのは無理があるはずだが、ヒッチコックという人のマザコンぶりが暴発しているのであろう。
[DVD(字幕)] 7点(2012-07-16 13:14:52)
185.  17歳の夏 《ネタバレ》 
フランス映画らしい長回し手法で、人物配置やプロットもシンプルな造りながらも見事に充実している。中年になったあの風采の上がらないドニ・ラヴァン(かつての「アレックス」役俳優)にうら若き乙女が死に至る恋をしてしまうのである。これについて十分に納得のいくように構成されている、と言いたいところだが、やはり彼女が死ぬことはないから、その点では無理があるかな。とにかく、一瞬の厭世的なラディカリズムの罠といったところ。 
[DVD(字幕)] 6点(2012-07-07 13:21:07)
186.  古畑任三郎ファイナル 今、甦る死<TVM> 《ネタバレ》 
世評が高そうなこの作品より、フルハタは、堺正章の巻が最高だろうと思う。あれなら8点である。フロイト的な意味で、「主体」は抑圧の上に成り立っている。完全犯罪を目指す主体だが、そもそも主体(大いなる無意識を抱え込む)はとうてい「完全」ではないのにその自覚がない(自覚がないから表面上は気楽に暮らせる)。「主体」(堺正章)は裏方さんの仕事内容を知らない。犯罪の主体は、「主体」である限り不可避に犯罪の痕跡(「主体」にとっての死角)を残してしまい、古畑のエジキとなるわけ。 
[DVD(邦画)] 5点(2012-07-05 20:09:48)
187.  エスター 《ネタバレ》 
エスターの主観ショットとして揺れる画面の恐怖、動物虐待から人間へと移行する暴力、嘲笑される安手の精神分析という無力な審級、異常な事態に鈍感である者が真っ先に犠牲にならねばならないプロットの運び、すべて常套であろうが、こういうホラー・サスペンス(つまり観客に暴力的な危険の存在がいち早く知らされるハラハラもの)の強制的なありようには疲れる(ヒッチコックのサスペンスはそこが違う、と言ってもせんないが)。日常生活の平穏さというものはもろもろの不快・不安を抑圧する蓋の上にあり、この蓋をつついてしまったためにそれが開くとき元の不快・不安が巨大に膨れ上がって噴出する、というホラー映画の本格的な精神分析的・哲学的なコンセプトを、 もっと明瞭にしてもよい。「アメリカ白人中産階級の欠けるところない家庭の幸福」の表象が必然的に引き寄せるホラーなのである。
[DVD(字幕)] 6点(2012-06-28 09:55:12)
188.  蟻の兵隊 《ネタバレ》 
この映画を観ながら私は、比較の意味で、アイヒマンを扱った映画『スペシャリスト』を思い浮かべていた。個々人としてはみな小心で凡庸なのに集団としては残虐なことをしてしまう、とは『スペシャリスト』の認識で、そういうふうについ言ってしまうが、そういう理解の仕方ではものの役には立たない。もっと正確には、集団の上下関係の残虐性ということなのだ。集団の上下関係の残虐性に歯止めを掛けるような仕組みを制度化すること(いかにして可能か?)が必要だ。ターゲットは中国人というより、ひょっとしてむしろまず日本人下級兵だったとしたら?このことをあの『ゆきゆきて神軍』も強力に取り上げたのだった。これは過去のハナシではなく、集団の上下関係の残虐性が現在の日常において批判的に検証されているかどうかが問題なのである。  
[映画館(邦画)] 7点(2012-05-28 19:00:09)
189.  ゆれる 《ネタバレ》 
吊り橋の文字通りのサスペンス(宙吊り)が効果的であったとは言い難い。西川監督作品は『ディア・ドクター』のほうがいい。
[映画館(邦画)] 3点(2012-04-22 21:02:20)
190.  レインマン 《ネタバレ》 
ロードムービー部分が作品の「いのち」であろうしそこをもっと充実させてもいいかもしれないが、甘口のエンディングにしないようなんとか「ふみとどまっている」だけでも、さすがダスティン・ホフマン映画である。ダスティン・ホフマンが皆の一方的な「見た目」(客体)であって「切り返し」で 見返す主体ではないということ、これはこの映画の露出した特徴になっている。
[DVD(字幕)] 5点(2012-04-22 20:48:29)
191.  グラン・トリノ 《ネタバレ》 
上手に無駄無く一本制作したという感じ。手慣れたものである。ところで、銃社会では老人でも銃を手にすれば本格的な暴力主体となりうる、ということの裏返しで「丸腰」の結末はある。
[DVD(字幕)] 7点(2012-04-14 13:23:28)
192.  サンザシの樹の下で 《ネタバレ》 
チャン・イーモウももはや「ザ・権力」なので『初恋の来た道』のような好意的な受け止め方をしないゾとこちらは身構えるところがあったのだが、やはり巧い。きちんと計算の行き届いた配置、とくに川をはさんだ別れのシーンはほんとうに深い感じで入っているとおもう。
[DVD(字幕)] 7点(2012-04-10 09:55:59)
193.  ロング・グッドバイ 《ネタバレ》 
カラーのフィルム・ノワールがいい、夜のシーンが多くて黒っぽいがそれもいい。フィルム・ノワールらしく長回しでそれこそタバコの煙ばかりで、とぼけた味もあっていいのだが、主人公が突然自分の判断で人を殺すのには驚く(これもフィルム・ノワール的な常識か、死刑廃止的な観点から見ているとびっくりすることになる、銃社会アメリカ)。アルトマン好き、なんだけど、少々登場する暴力シーンの重さは、かつてのフィルム・ノワール(40~50年代)では回避されたのである。
[DVD(字幕)] 7点(2012-04-09 10:37:43)
194.  ブラック・スワン 《ネタバレ》 
女性同士の競争という話題が狭苦しい感じだし、親からの遅延した自立という話題も安易かな。 とにかくこれはもうホン(スジ)の問題。1スジ 2ヌケ 3ドウサ と言われる(マキノ省三)。
[DVD(字幕)] 4点(2012-04-09 01:23:21)
195.  ナイト&デイ 《ネタバレ》 
ドンパチにより死体でうようよの機内シーンで早くも『ショアー』における「死体の山」を思い浮べた。野暮は承知でやはりあえて言っておかなくてはならないでしょう、ひたすら快適な娯楽映画だからといって排除の暴力に無関心であっていいはずがないこと(もちろん「無関心」だからこそ「ひたすら快適」なのだが)や、どんな殺し合いがあってもおとがめなしに無傷で生き残る主人公はアメリカというものの隠喩であること、などを・・・というように受け取るよう挑発している映画だとはいえ。
[DVD(字幕)] 5点(2012-03-15 20:09:33)
196.  青春群像 《ネタバレ》 
模索中の若者(劇作家志望、「師匠」の後についていくうちになにやら「ぞっとして」身を引く)に強い風が吹いているシーンの風がいい。フェリーニと風といえば『81/2』の記者会見のシーンの強い風、あれも良かったな。
[DVD(字幕)] 6点(2011-10-17 13:59:52)
197.  熱い夜の疼き 《ネタバレ》 
クラッシュ・バイ・ナイトのこの邦題はどうかな、誤解を呼びそう。フリッツ・ラングのアメリカ時代作品の白眉。ひょっとしたらフィルム・ノワール作品よりもこういう恋愛ドラマのほうが得意だったのかも知れない「ドアの映画監督ラング」。人妻バーバラ・スタンウィックの住居の中のドアを押し開けて観客の目に触れるのが、間男ロバート・ライアン、もうそんな仲だったのかという完了形をふりまいて。抑圧の心のドアを押し開ける欲望。
[映画館(字幕なし「原語」)] 10点(2011-10-10 14:16:12)
198.  カッコーの巣の上で 《ネタバレ》 
この世のせいで精神を病める人が、この世から病院へ逃亡しても、病院がまたこの世の縮図であるという悪夢。ところで、特定の人物を悪者として描くのはいうまでもなく問題の単純化である。
[映画館(字幕)] 5点(2011-08-27 15:19:30)
199.  気狂いピエロ 《ネタバレ》 
この映画を二度目観た映画館は、京都の『松竹座』で、この映画館も今はもう無い(というか、シネマコンプレックスに建て替えられた)。サミュエル・フラーも出ていること、海はシネスコの横の広がりに合っていること、ワンシーン・ワンショットを執拗に追求しラストは溝口健二へのオマージュのパンで終わること、ランボー絡みのアナーキーな内容が映画の快楽の炸裂であること、等々、いい気持ちになれた映画だが、もっといい気持ちになってもいいはずの映画である。だがそうならない、なぜだろう。ゴダールはエクスタシー向きのシネアストではない。
[映画館(字幕)] 7点(2011-08-27 15:17:40)
200.  しとやかな獣 《ネタバレ》 
『還って来た男』からすでに十八年(いや戦後十七年)経って、川島雄三の『しとやかな獣』(1962)が作られる。戦後の復興目覚ましく、都会も巨大になる。旧「海軍中佐」伊藤雄之助の一家が住んでいるのは新興公団住宅の高層集合住宅で、それも「エレベーターがない」安い方のタイプである。高い階に住んでいるので長い階段を上らなくてはならず、次の階に通じる階段が鬱陶しく入口に覆い被さっている。したがってこの階段は相対的な貧しさの証ではあるが、しかしまた一昔前の本物の窮乏からの段差であると呼ぶこともできる。家長としての威厳がほとんど地に落ちている伊藤雄之助だが、家族を一喝する言葉においてのみ圧倒的に存在する。 「おまえたちはまたあの時のような生活がしたいのか、雨漏りのするバラックで雑炊ばかり食っていた生活が」  この頃を境に日本映画から貧乏というテーマが消えてゆくのであって、同年に作られた浦山桐郎『キューポラのある街』では、貧乏だから人間がだめになるのか人間がだめだから貧乏になるのかなどといった問いかけが、記念碑的に響いている。そうすると『しとやかな獣』の家族は日本そのもの(隠喩)であり、空虚な「豊かさ」への昇格を体現する。この昇格は落下への不安を伴い、事実この建物から落下して死ぬ人物も出てくることになる。高度経済成長期の物象界にあってどこでどう階段から足を踏み外す羽目になるかは、もう誰にもわからない。そういうサスペンスでもある。因みに、男たちを手玉に取る「獣」若尾文子のヴォイス・オーヴァー(野心を吐露)が入るのは、秘かな長い階段を上るショットにおいてである。 
[映画館(邦画)] 10点(2011-08-27 12:04:09)
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