2101. ドラえもん のび太とロボット王国
諦め半分で何年かぶりに映画館にドラえもんを観に行ったが、やはりその落ち込みぶりに落胆してしまった。ロボットといえば藤子・F・不二雄がもっとも愛した題材であり、独創性溢れる作品を続出したものなだけに、あまりに安易なロボットの世界観に辟易してしまった。 2点(2003-11-27 18:18:52) |
2102. ドラえもん のび太と翼の勇者たち
テレビ版も含めて近年のドラえもん作品におけるCGの多様には大いに違和感を覚えている。藤子・F・不二雄先生亡き今、ストーリーの軽薄さに対して映像的なもので攻めようとう気概も分からないではないが、それは明らかにドラえもんの方向性としてはふさわしくないと思う。ドラえもんの存在が不滅なのは嬉しいが、今の子供たちには昔のドラえもん作品も観て欲しいと切に思う。 3点(2003-11-27 18:13:58)(良:1票) |
2103. ドラえもん のび太のねじ巻き都市冒険記
知能を持ったおもちゃたちの世界という題材は、いかにも藤子先生らしいものだが、そこから展開するストーリーの構築には陳腐さを感じざるをえず、藤子先生の存在の大きさを感じずにはいられなかった。この後のドラえもん映画の駄作ぶりを考えると、今作できっぱりと終わりにしてほしかったと思う。 4点(2003-11-27 18:08:51) |
2104. ドラえもん のび太と銀河超特急
単行本のエピソードの題材を映画化しているので目新しさが無かったことは否めない。正直、ネタ切れという感は拭えないところである。単行本のエピソードはミステリアスな秀作だっただけに、そのサスペンスフルなテイストで作り上げて欲しかった。 5点(2003-11-27 18:05:10) |
2105. ドラえもん のび太の創世日記
これまでのドラえもん映画と異なりドラえもんファミリーが揃って冒険をしたり、悪と闘ったりする展開がないということにおいては、異色的であるし他のシリーズ作とは一線を画すものと言えると思う。しかしストーリーの本質自体はまさに藤子・F・不二雄ワールドであり、真髄とも言えるテーマである。派手さはないことは確かだが、藤子・Fファンには充分に楽しめる作品でクオリティは極めて高い。 [ビデオ(字幕)] 8点(2003-11-27 18:01:09) |
2106. ドラえもん のび太と夢幻三剣士
昼寝好きののび太のキャラクター性の影響も大きいが、ドラえもんでは夢を題材にしたエピソードは極めて多い。その集大成とも言えるものがこの映画で、ネタ的には単行本のエピソードに被る部分もあるけどもファンタジーと映画ならではの迫力には富んでいる。夢と現実が曖昧になったり、夢の中とはいえのび太が一度は死んでしまうという展開にいささかの恐怖感がある。 7点(2003-11-27 17:51:52) |
2107. ドラえもん のび太とブリキの迷宮
明らかなロボットの支配という設定はよくあるけど、そのロボットをおもちゃ風にすることでファンタジー感を高めると同時に、おもちゃならではの不気味な雰囲気を醸し出していると思う。ナポギストラーや大迷宮の入り口などデザイン性にも優れていて楽しい。ドラえもんが半ば登場しないことでのび太たちの必死さと人間の非力さが際立つ。 8点(2003-11-27 17:46:29) |
2108. ドラえもん のび太と雲の王国
雲の上の世界というのはドラえもんの中ではすでに出尽くしている感があるので若干のネタ切れ感は拭えない。地上人の環境破壊をモロに押し出したストーリーもこれまでのドラえもん映画と比べると独創性に欠ける。しかしキー坊やドンジャラ村のホイ君など懐かしいキャラクターの登場にはファンとして楽しめる部分が大きい。 7点(2003-11-27 17:38:50) |
2109. ドラえもん のび太のドラビアンナイト
確かにしずちゃんの扱いが酷いね。普通の小学生の女の子じゃあとても耐えられないよ。敵役の存在が中途半端なので中盤の盛り上がりには欠けるが、アラビアンナイトの世界を表現した世界観はファンタジーとアドベンチャーに溢れていた。 7点(2003-11-27 17:35:11) |
2110. ドラえもん のび太とアニマル惑星
動物たちの世界を中心に描くことで、SFファンタジーに包まれてはいるが、ニムゲは明らかに未来の地球人の状態を暗示するものであり真剣に見るべきところは大きい。環境破壊をテーマにしているだけに説教臭くなりがちなところを藤子・F・不二雄ならではの創造性で娯楽性豊かに仕上げている。 8点(2003-11-27 17:25:22) |
2111. ドラえもん のび太の日本誕生
ドラえもんファンの中では見慣れた感もある石器時代ではあるが、日本の誕生を軸に未来人ギガゾンビとの攻防は見応えがある。若干独創性には欠けるが、のび太が作り出したペガたちの存在やドラゾンビのコスチュームなど楽しいエッセンスは多い。 8点(2003-11-27 17:15:25) |
2112. ドラえもん のび太のパラレル西遊記
正確には大長編ドラえもんシリーズとは一線を画し、ストーリーの原作は藤子先生ではないのだけれど、西遊記とタイムパラドックス、ドラえもんの道具を巧みに組み合わせた見事なストーリーに仕上がっている。何といっても、他のドラえもん映画とは一味違った極めてダークな世界観が素晴らしい。そのくせ基本的にはドラえもんの王道的なノリも忘れていないところが今作の質を高めている。藤子先生の原作がなくてもこれくらいのクオリティの作品が出来たのだから、藤子先生亡き後のドラえもん映画ももう少し何とかならないのか……。 10点(2003-11-27 17:00:31)(良:1票) |
2113. ドラえもん のび太と竜の騎士
大長編ドラえもんならではの知られざる世界として描かれた地下世界の想像は見事だった。その世界で繁栄したのは恐竜族で、その発端となったのがドラえもんだったというタイムパラドックス的な展開も藤子ワールド満載でとても興味深い。SFとアドベンチャーに満ちた秀作。 9点(2003-11-27 16:51:16) |
2114. ドラえもん のび太と鉄人兵団
ロボットが登場する映画や漫画は数多く存在するけど、藤子・F・不二雄ほど独創性と説得力に溢れたロボット世界を生み出すことのできる作家はいないのではないだろうか。そこに妙に現代的な気取りはなく、普遍的な人間の精神を描きつけるあたりに彼の漫画家としての信念とプライドを感じる。最後の最後で人間の心を得たロボットのリルルがしずちゃんの手の中で消えていく。あの瞬間こそ藤子・F・不二雄がロボットに対し永遠に夢見たものだったに違いない。 [ビデオ(字幕)] 9点(2003-11-27 16:44:59) |
2115. ドラえもん のび太の宇宙小戦争
F先生(藤子・F・不二雄)の「スター・ウォーズ」好きは、「ドラえもん」に限らず彼の作品でモチーフにされていることからも明らかだ。 代表的なところで言うと、ドラえもんのエピソード「天井うらの宇宙戦争」は、登場するキャラクターたちの造形も完全に「スター・ウォーズ」のパロディであり、キャラクターたちが“小人”である設定は、本作「のび太の小宇宙戦争」に直結するものだった。 その他にも、“SF・異色短編集”に収録されている「裏町裏通り名画館」で登場する「ヌター・ウォーズ」は、オリジナルで言うところのストームトルーパーに“徴兵”される若者たちの悲しき青春を、第二次世界大戦の特攻隊になぞらえて皮肉たっぷりに描いた問題作だった。 同じく、傑作短編「ある日……」に登場する「スター・ウォーク」は、スターデストロイヤー的な超巨大宇宙船に“勤務”するストームトルーパー風の兵士たちが、長距離を徒歩で移動しなければならない不便さに不満爆発させるというコメディだった。 他にも随所に「スター・ウォーズ」のパロディやオマージュ的な描写はF先生作品の随所で見受けられる。 そして、その“SW愛”の極みとも言えるのが、大長編ドラえもん「のび太の宇宙小戦争(リトルスターウォーズ)」だろう。 のび太たち少年少女たちが「宇宙戦争」に参戦するなんて無茶苦茶な話だ。 けれど、登場する惑星の異星人たちそのものを“小人”にすることで、惑星を丸ごと独裁する軍事国家との対決を可能にした設定がF先生らしく、流石である。 とはいえ、のび太たちも“小人”になってしまうわけで、「決死」の危険極まりないアドベンチャーであることは間違いないのだけれど、ギリギリの局面を「超強化プラスチック」や「スモールライトのききめ」という各種設定を上手く利用して回避するあたりも、無論漫画的ではあるが同時にSFとして論理的であった。 特に、スモールライトの“ききめが切れて”大逆転を巻き起こすという展開は、ドラえもん達がピリカ星に潜入する中で使用する“かたづけラッカー”や“チーターローション”のききめが切れてピンチに陥るというくだりが伏線としてよく効いており、ストーリーテラーとしての上手さも光る。 ここのところ、自分の子どもたちと共に、新旧のドラえもん映画をよく観ているが、F先生原作の大長編ドラえもんの映画化作品と、先生死後のオリジナルストーリーによる映画化作品との違いは、そういうストーリー展開の妙によるところが大きい。 新世代のアニメクリエーターたちによる昨今のドラえもん映画も、精力的にクリエイトされているとは思うが、F先生信者のオールドファンとしてはストーリーテリングに対して物足りなさを感じることが多い。 偉大な漫画家、そしてこの国を代表するSF作家としての藤子・F・不二雄の凄さを改めて感じる。 [ビデオ(邦画)] 8点(2003-11-27 16:28:06) |
2116. ドラえもん のび太の魔界大冒険
“STAY HOME”なGWも最終日。我が家では、家族そろってドラえもん映画を観て午後を過ごした。 2007年公開のリメイク版「映画ドラえもん のび太の新魔界大冒険 ~7人の魔法使い~」は、適切な“改変”を含めて、1981年生まれのオールドファンも納得せざるを得ない良作だった。 改変ポイントは多岐に渡っていたが、それらの殆どが、オリジナルのストーリー性をきちんと踏まえた上で、F先生(藤子・F・不二雄)の原作漫画ですら描き切れていなかったウィークポイントを精力的に補っており、思わず感心してしまった。 特に、見事だったのは、パラレルワールドとして生み出された「魔法世界」の危機と並行して、現実世界においても地球規模の危機を描き、二つの世界が相互に影響しあっているというSF的な整合性を、極めて簡潔に表現していたことだ。 それにより、あの“フェイクエンディング”におけるのび太の決断の価値が殊更に高まっていた。 ただし、その一方で、オールドファンにとっては拭い去れない“物足りなさ”も存在していた。 それはずばり「魔界大冒険」ならではの「恐ろしさ」や「不気味さ」の欠落であり、言い換えるならば、「魔法」や「悪魔」に纏わる歴史文化に対するF先生の「趣向」そのものが薄れていたことに他ならなかった。 この1984年公開のオリジナル映画や、原作漫画(大長編ドラえもん)には、それらの文化に造詣が深いF先生ならではの魅力的な設定や造形で満ち溢れていた。 “実はゲストヒロインの○○だった”なんて裏設定など皆無で只々不気味で恐ろしい“メジューサ”をはじめ、肉食角クジラの恐怖や、帰らずの原の絶望感、魔界のハイエナ、人魚、大魔王の心臓等の印象的なビジュアルの数々には、F先生の“魔法(悪魔)愛”と、それに伴う独創性が詰め込まれていた。 そして、今回久しぶりにこのオリジナル映画を再鑑賞してみると、当時の録音技術ならではのくぐもったような音声と、それによる一つ一つの台詞までもが、自分の脳裏に張り付くように残っていたことに気づいた。 それは本作が、幼少時、VHSが擦り切れるくらいに何回も観たアニメ映画の一つであることの証明であり、そういった“感覚”の一つ一つを含めて、この映画の価値が揺らぐことはないのだろうと改めて思った。 それはもはや、オリジナルとリメイクのどちらが良い悪いという話ではないのだろう。 20数年の時を経て制作された二つの「のび太の魔界大冒険」は、両作とも原作をリスペクトし、精力的に生み出された優れたアニメ映画である。 30年来のファンとしては、自らの子どもたちと共に、それぞれの作品を楽しめるという「幸福」を、素直に噛みしめるべきだろう。 ああ、あとそれと、やっぱり最後の“銀のダーツ”はジャイアン(名投手)に投げさせなきゃね! [ビデオ(字幕)] 9点(2003-11-27 16:17:38) |
2117. ドラえもん のび太の海底鬼岩城
名作揃いの大長編ドラえもんシリーズの中でも特に鬼気迫り、感動的な傑作であると思う。海底世界を舞台にしているだけに、その緊迫感とサスペンスフルな展開は秀逸そのもの。海底でのハイキングから自然な流れで壮大な世界死守へとつなげて行く辺り、さすがドラえもん、さすが藤子不二雄と言うしかない。海底人の存在、世界を破滅に導く狂気的なコンピューター、魔のバミューダ海域の秘密と独創性と斬新さに溢れるアイデアに感服する。 10点(2003-11-27 16:04:46) |
2118. ドラえもん のび太の大魔境
大長編ドラえもんシリーズでは知られざる世界というものを舞台にしている物語が多いが、今作における犬の世界というのは中でも特に異色で斬新だったと思う。犬が立って喋るというアイデアは誰しも考えそうなものだが、それが成立する説得力のある環境を作り出すことが藤子不二雄の凄さだ。藤子ワールドらしいクライマックスの展開やジャイアンの男らしさなど見応えがある。 [ビデオ(字幕)] 8点(2003-11-27 15:56:28) |
2119. ドラえもん のび太の宇宙開拓史
映画シリーズの中では若干地味な印象はあるけど、ストーリーのクオリティは極めて高い。畳を開けば遠い宇宙とつながるという設定は藤子不二雄らしいファンタジーに溢れている。ギラーミンを筆頭に悪役たちのアウトローぶりも印象深い。加えてエンディングで流れる武田鉄矢の主題歌も感動的だ。 [ビデオ(邦画)] 8点(2003-11-27 15:51:38) |
2120. ドラえもん のび太の恐竜
WOWOWで、「37作一挙放送!史上最大の映画ドラえもんまつり」という「流石!」な企画があり、ここぞとばかりに全作を録り溜めている。 早速、この記念すべき第一作を子どもたちと共に鑑賞。 タイムトラベル、恐竜世界(異世界)、未来人の横暴……F先生によるドラえもん映画ならではのスペクタクルの要素は、この一作目から既に確立している。 鑑賞後にすかさず、本棚から原作漫画の「大長編ドラえもん」を引っ張り出してきて読んだが、たった一冊の普通サイズの単行本にこれ程の大冒険を詰め込み、成立させるF先生のまさに“神業”に改めて驚く。 そして、鑑賞後3歳の息子が拙くも「面白かった」と言った。 僕にとっては、それがすべてだ。 [CS・衛星(邦画)] 9点(2003-11-27 15:44:40) |