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とらやさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2102
性別 男性
自己紹介 善人が苦労が報われて幸せになるハッピーエンドの映画、
悪人が出てこないゆる~い世界観の映画、
笑いあり、涙ありの人情喜劇が好きです。

2008年11月19日の初投稿から、早いもので10周年を迎えました。
この間、みんシネのおかげで出会ったいい映画もいっぱいありました。
管理人様、レビュワーの皆様、いつもお世話になっております。
これからもよろしくお願いいたします。
2018.11.19

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201.  ヤング・アダルト・ニューヨーク
ニューヨークに暮す40代と20代のカップル。共にクリエイティヴに、自由に、オシャレに生きている。 でも、そんな風に生きるのに、あるいはそんな風に生きているように見られるために、色々無理している様を滑稽に描く。 インテリぶった会話もそんなニューヨーカーの人間模様の描き方も、色んな意味でウディ・アレン風。 特に40代夫婦が若い夫婦に仕事のことなど色々影響を与えているつもりが、気が付けば若い彼らから色々影響を受けている様が可笑しい。 そんな痛いおっさんを情けなく演じるベン・スティラーが好演。 その他のキャストでは出番は少ないけど何ともお久しぶり、年取ったなあ・・・。と感じざるを得ませんが、 大好きだったチャールズ・グローディンの健在ぶりが見られたことも嬉しい作品でした。
[DVD(字幕)] 6点(2017-02-10 21:29:45)
202.  プロヴァンスの休日 《ネタバレ》 
パリっ子の思春期の兄と妹、そしてうんと年が離れたまだ幼い弟。 3人のきょうだいが親の事情で南仏プロヴァンスの海辺の田舎町に住む、疎遠になっていた祖父母の元に預けられた夏休み。 優しい祖母とは正反対、孫と一切打ち解けようとしない祖父(ジャン・レノ)と、そんな祖父と打ち解けようとしない孫たち。 でも、最後はきょうだいにとって忘れられない夏休みになるんだろうな。と誰もが思うその通りに話が進んでいく。 夏の日差しが降り注ぎ、オリーブや果実の匂いが漂ってくるかのよう。ゆったりと流れる時間に癒される。 大きな出来事は終盤に祖父が孫娘を救出に向かうことくらい。 何気無い田舎町の夏休みの日々を綴りながら少しずつ祖父と孫達の距離を縮めていく。 ゆったりとした時間が流れる作品でありながら、作品のテンポはいい。 すっかりじいじの役が似合う年齢になったジャン・レノは勿論ですが、3人の孫達もいい演技を見せる。 中でもまだ幼い末っ子がいい仕事をする。特にラストの和解。 ローズ・ボッシュ監督。前作「黄色い星の子供達」は戦時下のユダヤ人の悲劇を描いたシリアスな実話ものでした。 一転して本作は祖父母と孫達の心の交流を描いたハートフル・コメディ。どちらもいい映画。 ローズ・ボッシュ監督作はこの2本しか見ていませんが、これからも名前を覚えておきたい監督です。
[DVD(字幕)] 7点(2017-02-07 18:55:43)
203.  ブルックリン 《ネタバレ》 
アイルランドからニューヨークのブルックリンへの移民、 ブルックリンでの出会いと帰郷後の出会い、2つの国のはざまで揺れ動く、まだ若い1人の女性のドラマ。 序盤の不安に包まれながらのアメリカへの船出と、ラストの確信に満ちた2度目のアメリカへの船出。 「入国管理局ではアメリカ人のように毅然とふるまうのよ。」最初の船出とは立場が入れ替わったかのよう。 アメリカでの暮らしと、最愛の姉の死や帰郷後の出来事を通して、そこには強く成長した彼女の姿がありました。 1950年代、その時代を感じさせる作品の色と空気感が素晴らしく、 何気無い日常を静かに淡々と綴っていきながらも彼女のドラマから目が離せなくなる見事な物語の構成に、 挿入される寮での食卓や、結婚することになるイタリア系移民の男の家族との食卓でのユーモアのある人間描写もいい。 短い言葉を交わし抱き合う母との別れと、何も言葉は要らないラストの夫と抱き合う彼女の姿。 凛として芯の強さを感じさせるシアーシャ・ローナンの目と、その表情がすごく印象的。 彼女が「ラブリーボーン」の女の子であったことは鑑賞後に分りました。
[DVD(字幕)] 9点(2017-02-05 00:00:15)(良:1票)
204.  シング・ストリート 未来へのうた
ジョン・カーニーの音楽映画を見るのは本作が3本目。いずれもハズレが無い。本作もいい映画でした。 本作は過去の2作の落ち着いた味わいがある"音楽と大人のラブストーリー"とは異なり、 ベタな青臭さも魅力の躍動感あふれるロックと恋の青春映画の秀作です。 ジョン・カーニーの青春時代の実体験がベースになっているというこの作品、 キャメロン・クロウが同じく青春時代の実体験を映画化した「あの頃ペニー・レインと」のテイストが好きな方、 また、僕は40代のおじさんですが、80年代に洋楽を聴きまくった同世代の方にもぜひお勧めしたい作品です。 ジョン・カーニーもまた同世代。作品の至る所にロック愛がにじみ出ている。 台詞の中に次々とあの頃ヒットチャートを賑わしていたグループやアーティストの名前が出てくる。 The Cureの曲も挿入されていますが、主人公の少年のメイクした姿なんて、もろにロバート・スミスです。 また、主人公の少年が初めて出会うメンバーが何となくジョン・レノンを髣髴とさせる。 2人が作曲を始めるシーンは、かのレノン=マッカートニーもこんな風に曲を作っていたのかな?と思わせます。 こんな風にジョン・カーニーの思惑を想像しながら見るのも面白いと思います。 終盤のライブでの、ロック魂あふれる"校長に捧げる歌"など、オリジナルの曲も素晴らしい。 他のメンバーのキャラがほとんど立っていないのは残念ですが、主人公の少年の兄貴が実にいいキャラです。 ちょっと前のアメリカのロック映画ならジャック・ブラックがこういう役を演じて散々作品をかき回すところでしょうが、 ブッ飛び具合と落ち着き具合が絶妙で、この兄貴を演じた俳優さんを本作のMVPとしたいですね。 ラストは邦題"未来へのうた"の通り、希望を胸に未来へ向け、彼女と一緒に大海原へ飛び出していく。まぶしすぎる2人の姿。 そのラストに続く、エンドロール前の「すべての兄弟たちに捧げる」がなんか良かったな・・・。
[DVD(字幕)] 8点(2017-01-21 21:27:29)(良:1票)
205.  ロングトレイル! 《ネタバレ》 
リース・ウィザースプーンが「わたしに会うまでの1600キロ」でパシフィック・クレスト・トレイルを歩いたのに続き、 この時79歳のレッドフォードと74歳のニック・ノルティがアメリカ東部を縦断するアパラチアン・トレイルを歩くロードムービー。 悪天候や滑落や熊との遭遇など危険な目に遭っても、難なく解決。徹底的にゆる~くまとめられた2人のじいさんのアドベンチャー。 ほとんど2人芝居の作品となっていますが、もっと若者との交流などがあっても良かったと思います。 2人がああでもない、こうでもないと語り合いながら、ひたすら森の中を歩く。そしてその合間に訪れる町で羽を休める。 美しく雄大な大自然に感動するといった場面もほとんど無く、ロードムービーとしての醍醐味は薄い。 2人の全盛期の映画をそれなりに見ているので、2人とも年をとったなあ・・・。と思うし、 若者達が軽い足取りで追い越していく描写は哀しくもあるけど、まだまだ元気なところを見せてくれる。 アラ探しをするまでもなく、アラだらけのようなじいさんを魅力いっぱいに見せてくれたニック・ノルティ。 年はとったと思うけど若い頃と同じく笑顔は素敵な、カッコいい79歳のレッドフォード。 若者の旅と違い今更自分探しも無いだろうし、2人の掛け合いを見ているだけでもほんわかした気分になる。 残念ながらアパラチアン・トレイルの全行程踏破はなりませんでしたが、本作に関してはそれも良しだと思えました。
[DVD(字幕)] 6点(2017-01-15 22:35:51)
206.  誘拐の掟 《ネタバレ》 
リーアム・ニーソンの渋い魅力炸裂のハードボイルド・サスペンス。 ある事件を契機に警官の職を辞し、過去を引きずりアルコール依存と闘いながらも、今はモグリの私立探偵稼業で食っている。 ガヤガヤしたところが全く無い、この乾ききった世界観。ニーソンの醸し出す雰囲気、佇まい、全てがピタリとはまっています。 ニーソンといえば、どうしても最近の「96時間」シリーズのような最強オヤジもののイメージがあるので、 いつもの通り最後はニーソンの怒りの鉄拳炸裂でもスカッとしたかもしれませんが、 本作のニーソンの弱さも感じさせる人間臭いキャラクターにそれは似合わなかったと思います。
[DVD(字幕)] 7点(2017-01-15 14:23:40)
207.  マイ・ファニー・レディ 《ネタバレ》 
何ともお久しぶり、ピーター・ボグダノヴィッチの新作です。 ですが、"cheek to cheek"のフレッド・アステアの歌声から始まるオープニングといい、 矢継ぎ早に小噺のようなシーンを挿入してくるニューヨークを舞台にしたラブコメ群像劇的作風といい、 断片的に幾つかのシーンを見せられて、「ウディ・アレンの最新作です」と言われれば納得してしまうくらいに ウディ・アレン・タッチのコメディとなっています。 また、高級ホテルの部屋を登場人物が出たり入ったりは、ボグダノヴィッチ監督作である 「おかしなおかしな大追跡」を思い出します。 ボグダノヴィッチの代表作である「ラスト・ショー」と「ペーパー・ムーン」でスターの座を掴んだ、 シビル・シェパードとテイタム・オニールが顔を見せてくれます。別に誰が出てもいいような役でのご出演ですが、 この2人にとっては恩人ともいえるボグダノヴィッチの久々の新作に声がかかったのは嬉しかったんじゃないかな。 フレッド・アステアに、さりげなく台詞の中に登場するオードリー・ヘプバーンにラストには巨匠ルビッチが・・・。 ボグダノヴィッチがその昔、夢中になって見ていたのであろうハリウッドのレジェンドへのオマージュも。 90分の中に色んなお楽しみが挿入された名匠ボグダノヴィッチの久々の新作、一番楽しんだのはボグダノヴィッチ自身なのかもしれません。
[DVD(字幕)] 6点(2017-01-11 21:38:38)(良:1票)
208.  ザ・ビートルズ~EIGHT DAYS A WEEK ‐ The Touring Years(2016)
作品の時間の大半は彼らが最も輝いて見えた、彼らがツアーで世界中を駆け回っていた時期を取り上げています。 彼らの周りで熱狂していたものも次第に変わってくる。ビートルマニアの熱狂の渦の中でいつも笑顔で溌剌としていた頃から、 ツアー中止に至る頃には日本やフィリピンでの混乱に、「キリスト」発言がアメリカ社会に与えたインパクト。 その影響の範囲はビートルマニアからこの世界の隅々にまで及んでいく。 本作は音楽的なことにとどまらず、当時の社会や政治、思想と彼らの活動や発言を重ね合わせていく。 1963年から64年頃にかけてあっという間に世界中で人気が沸騰し、60年代が終わる頃には解散してしまったビートルズ。 決して長くはなかった活動期間でしたが、本作が主に取り上げているのは、その中のほんの数年間。 今までに見た幾つかのビートルズのドキュメンタリー作品とは異なり、彼らがツアーをやめて以降の扱いは実に素っ気無い。 「サージェント・ペパーズ~」が絶賛され、その後はあっという間にラストのルーフトップ・コンサートまで時が進んでしまう。 ビートルズが世界を席巻していた60年代に10代を過ごしたロン・ハワードも多くの若者と同じくビートルズのことが大好きだったのだろう。 メンバー間の関係がギクシャクし始め、解散に至るまでの後期に関しては自身の作品では触れたくなかったのかな・・・。
[DVD(字幕)] 8点(2017-01-07 19:12:48)
209.  キリマンジャロの雪(2011)
ヘミングウェイの小説も、それを基に製作された同タイトルの映画も、無関係の作品です。 本作の”キリマンジャロの雪”とは、作中でも歌われますが、フランスのヒット曲のようです。 共にリストラで解雇されることになる、労働組合の委員長のベテラン社員とまだ若い社員。 主人公は労組の委員長の方。この人が絵に描いたような善人であることは、 冒頭のくじ引きでリストラ要員20名を決めるイベントでよく分かる。 不況、会社の業績不振、リストラ。労働者にとって生き辛い今の世の中。 まさに貧乏クジを引かされたこの2人の男のリストラ後の生き方とは・・・。 以降も、この委員長のいい人ぶりが最後まで続きます。 残された2人の子どもの扱いなんて、さすがにこんな人いるか?という域に入ってくるけど、 こんな時代だからこそ、映画の中でくらいこんな人がいたっていいじゃない。 彼の奥さんも家族や周りにいる人も、み~んないい人ばかり。 本作のキーアイテムであるコミック誌を使ったユーモアのあるラストにもほっとさせられます。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2016-12-23 11:30:03)
210.  ハッピーイヤーズ・イブ
日本未公開なので、当然日本では全く話題にならない作品。よくDVD化してくれたと思います。 こういう映画は何かお目当てでもなければ、まず見ようとは思わない。 グイ・ルンメイが出ていなければ見ることは無かったであろう作品です。 3人姉妹、それぞれのラブストーリー3話からなるオムニバス。 長女は宇宙飛行士。末っ子は人気女優と華やかな人生を歩んでいる。 一方、真ん中の次女は内向的で、無職で現在職探し中という1人地味な設定。 しかし、その次女を演じたグイ・ルンメイの存在感は想像通り抜群でした。 地味な役を地味に演じて圧倒的存在感を出す。他の作品でも見られる彼女ならではの魅力。 中華圏では絶大な人気を誇る彼女ですが、日本ではまだまだ未公開の作品が沢山あるのが残念です。
[DVD(字幕)] 5点(2016-12-19 21:12:42)(良:1票)
211.  若葉のころ
時代や演じる俳優は変わっても、台湾の青春映画には詩情豊かで独特の瑞々しさがある。 現代を生きる女子高生と、80年代、彼女の母親の女子高生時代、2つの青春ラブストーリーが同時進行する。 この2つの時代のピュアなラブストーリーで2役を演じた女の子が印象的。いかにも台湾の青春映画らしいヒロイン。 原題「5月1日」のとおり、降り注ぐ初夏の日差し、木々の緑と木漏れ日に、雨や吹き抜ける風。 巨匠ホウ・シャオシェンのかつての青春映画の影響を感じるのですが、 こんな台湾の風景、気候風土に青春の風景がとてもよく似合う。 ラストは原題どおりのビージーズの名曲に重なる2人の姿と台詞、そしてそれに続く青春の風景が美しかった。
[DVD(字幕)] 7点(2016-12-12 23:58:15)
212.  スポットライト 世紀のスクープ 《ネタバレ》 
カトリック教会の性的スキャンダルというタブーと言える領域に切り込んだ、 ジャーナリストと事件の関係者達の姿を描いた、実話をベースにした作品。 地味に冷静に彼らの姿を追いながらも見応え十分、久々に硬派な社会派ドラマを見たという思いです。 次から次に神父や弁護士などの関係者の名前が出てくるのですが、 ボストンの新聞社の精鋭チームが丁寧に緻密に地味な作業を進めていくかのごとく、 緊張感を常に保ちながら、実に丁寧に緻密にストーリーが展開していく。 作品は当然ジャーナリストの側に立ちながらも、その過程の中でジャーナリストとしてのあり方にまで言及していく。 トム・マッカーシーは本作の前の2作はコメディを発表してきましたが、 その前の「扉をたたく人」や本作のように社会派の作品でも今後、期待したい人です。
[DVD(字幕)] 7点(2016-12-11 16:07:04)
213.  神様メール 《ネタバレ》 
パソコンが必須アイテムになってしまった現代社会。そのあたりの事情は神様と言えども同じのようで・・・。 何となく可愛い感じの邦題にDVDのパッケージ。新感覚の宗教映画といったところですが、 この映画、結構挑戦的。ブラックユーモアではあるのですが、 主人公の女の子は神の子ども。ということは父は何と神様。その神様が一番病んでいるように見える。 この娘が父のパソコンにイタズラして、下界の人間にあるメールを一斉送信してしまったから、さあ大変! まず娘が下界にやってきて、次に神様である父もやってきての騒動が描かれるのかと思っていたら、 娘が出会う人間達とのエピソードは予想に反し真面目に作られています。 もっと娘が地上の人間社会を冒険するアドベンチャー的要素があっても面白かったかとは思いますが、 親父が地上で散々な目に会う笑いドコロがいいアクセントになっています。 地上にやって来た神様と人間の交流を通して描かれる一風変わった現代社会への皮肉が面白い。
[DVD(字幕)] 6点(2016-12-04 14:11:09)(良:1票)
214.  マダム・フローレンス! 夢見るふたり 《ネタバレ》 
戦争の時代に活動した伝説の音痴の歌手、マダム・フローレンスを演じるメリルが初めて歌うシーン。 ”ハッホッハッホッホ~~~~~!!”思わず笑ってしまいました。 メリルが極めて高い歌唱力を持つ女優さんであることは、「ハリウッドにくちづけ」などの映画でも明らかです。 そんな彼女の音痴っぷりは必見ですが、変わることのない彼女のパワフルな歌声は見事でした。 メリルはこの実在の人物を実に大らかに楽しそうに演じています。近年の作品では「ジュリー&ジュリア」の彼女を思い出します。 メリルの独壇場の映画と言いたいところですが、パートナーを演じるヒュー・グラントもまた良かった。 これまでにもラブコメを中心に、ちょっといい加減だけど憎めないキャラを演じれば抜群だったヒューさん。 本作で演じる役は微妙な役どころですが、ラブコメでこんな役を演じ続けてきた彼ならではの良さが出まくっています。 彼女の歌を絶賛する音楽愛好家の人々。その一方で彼女の知らないところでは常に彼女の歌声を嘲笑する人々もいる。 彼女が歌うと思わず笑ってしまうのですが、この2通りの人々を見ていると、途中からは複雑な気持ちにもなる。 それでも、病気と闘いながらも音楽を心から愛し、自分の歌を愛してくれる人のためにレコードをプレゼントし、 命を懸けて戦場で戦った兵士達のためにカーネギーホールで歌おうとするフローレンスと フローレンスの周囲から批判や嘲笑を徹底的に遮断し、彼女を守り支える夫。 そんな2人の姿に切なさも感じるのですが、ほっこりした気持ちにもさせてくれる夫婦の奮闘記でした。
[映画館(字幕)] 7点(2016-12-01 21:12:28)(良:1票)
215.  トレヴィの泉で二度目の恋を 《ネタバレ》 
映画が始まり、最初に聞こえてきた声「マルチェロ!」。そしてTVに流れているモノクロの映画。それは「甘い生活」。  シャーリー・マクレーン演じる虚言癖がありちょっとブッ飛んだところもある、それでいてチャーミングなばあさん。 年は取っても彼女のパワフルなコメディエンヌぶりには全く衰えなしです。 そしてクリストファー・プラマー演じる偏屈だけど、それでいて品を感じさせるじいさんの2人の恋。 想像していた以上に2人が笑わせてくれる。しかしそれでいて品を感じさせ見る者をホロリともさせてくれる。 2人の味わい深い共演が素晴らしい。 近年でもRアッテンボローの「あの日の指輪を待つきみへ」で2人は共演しており、息もピッタリな所を見せてくれます。 終盤に2人はローマに旅立つ。そしてあのトレヴィの泉へ・・・。 あの名シーンのマストロヤンニとアニタ・エクバーグに、プラマーとマクレーンの姿が重なり合う。 2人の世界がモノクロに変わる。何とも素敵な、「甘い生活」に捧げられたオマージュ。 その後すぐに突然訪れるラスト。多くを語らないのもまた良かった。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2016-11-15 21:29:25)
216.  ある過去の行方
ある女と彼女の2人の娘、その女と再婚しようとしている男と彼の1人息子、 その女と離婚しようとしている男。1つ屋根の下、あまりにも複雑な事情や思いが絡み合う数日間のドラマ。 大人達、思春期の娘、まだ幼い子ども達。それぞれの微妙な心理の変化や、噛み合わないそれぞれへの思い。 それはサスペンス的であり、終盤に再婚相手の男とその妻の過去を明かしていく過程はミステリー的要素を含みながら、 抑揚の少ない作風ですが、その中に少しずつ彼らの思いを浮き彫りにしていくその様は時に鋭さすら感じさせる。 自らこの素晴らしい脚本も手掛けたファルハディ監督の卓越した手腕を感じます。 まだ40代半ばと若く、これから先どんな傑作を世に送り出してくれるのか目が離せない監督の1人です。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2016-10-31 23:10:36)
217.  オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ
アダムとイヴの一風変わったラブストーリー。2人は人間ではなく吸血鬼。 ジャームッシュ流、新感覚のヴァンパイア映画。 現代のヴァンパイアにもスマホはもはや欠かせない日常生活のアイテムの1つであり、 you tubeも欠かせない娯楽の1つか。しかし彼らにとっても現代社会は決して過ごしやすくはないようです。 生きにくい現代社会への皮肉に、ジャームッシュ独特の音楽のセンスに心地よいオフビート感とユーモアは本作でも健在。 ある意味だらだらと綴られていく、彼らの夜の闇に包まれた日常。 そんな彼らの日常に途中から投入されるお茶目でおてんばの妹、ミア・ワシコウスカの存在も効いています。 全く異なった趣を見せるデトロイト、タンジールの人気の無い深夜の街の風景。 それは美しくも、彼らの孤独感を表しているようでもあります。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2016-10-19 16:34:42)(良:1票)
218.  ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります 《ネタバレ》 
モーガン・フリーマンとダイアン・キートン、初共演になるのかな?異色の夫婦役ですが、まずはこの2人が実にお似合いです。 ダイアン・キートンももう70歳。しかし年齢を感じさせないパワフルなコメディエンヌぶりに衰え無し。 とにかく、彼女がよく喋る。それを温かみと品のある演技で受け止めるモーガン・フリーマンがまたいい。 ブルックリンのエレベーターが無いアパートの最上階。40年間の思い出が染み付いた部屋だけど、さすがに階段が辛くなってきた。 という訳でこのアパートを売って、新しいアパートに引っ越そうという数日間の騒動を描いたコメディ。 さてアパートを売るという段階になって内覧会も決まって矢先、近所でテロ騒動が起こる。 TVのニュースは連日連夜、過敏なほどにこのニュースを報じる。事件は売却価格にも影響を及ぼす。 頻繁に挿入されるTVのニュースがしつこくも感じられるのですが、 ニューヨーク市民にとって忘れることなど出来ない9.11を思い出さざるを得ない。 また、若い頃の2人の姿も頻繁に挿入されます。40年前。まだ黒人と白人の結婚を禁じていた州も多かったという。 2人が出会って、この部屋と苦楽を共にし、NYで様々な出来事も乗り越えてきた40年。 演じる2人の魅力に頼る部分も大きい作品ですが、軽くサラリと、共に歩んだ時間の重みを感じさせるいい結末だったと思います。
[DVD(字幕)] 6点(2016-10-10 20:55:49)(良:1票)
219.  レヴェナント 蘇えりし者
まずは冒頭、先住民との戦いを見せるアクションシーンから圧倒されまくりの作品でした。 その後も熊の襲撃や、死んだ馬の内臓を取り出しその体内に入って暖をとる等のサバイバル描写は壮絶の一言。 撮影のルベツキは本作で実に3年連続のアカデミー賞受賞となりました。 自然光を巧みに利用し、過酷な大自然の中で苦闘する人間を執拗にとらえ続ける。まるで彼らの苦闘を間近で見ているような臨場感。 太古の昔から変わらぬ営みを続けてきた、厳しくも美しい大自然の偉大さと、憎みあい殺しあう人間。 そんな人間を壮絶に演じ、ディカプリオは欲しくてたまらなかったオスカーを遂に手にしました。 ストーリー性よりも、作品全体のスケールの大きさに圧倒される。映画館で見ておきたかったと思う作品です。
[DVD(字幕)] 7点(2016-10-07 23:13:30)
220.  ハドソン川の奇跡 《ネタバレ》 
「このニューヨークで、飛行機が絡む事件で久々にいいニュースを聞いたよ。」という関係者の台詞。 そして何度か挿入される、飛行機がNYのビル群に衝突する機長の悪夢。 アメリカ市民の心から消え去るこの無い9.11を思い出さざるを得ませんでした。 感動をあおるような演出や音楽はかなり控え目で淡々とハドソン川の奇跡を振り返る。 しかし作品のために本物のエアバス機を購入し、撮影に使われたボートも実際に救出に使われたものが使用されたという。 当時を忠実に再現した、空からはヘリが、沿岸からは船が救出に向かう迫力ある描写や、 これも控え目に挿入される、救出される乗客のドラマも印象に残ります。 近年のイーストウッドはまだそんなに遠くない過去のアメリカや、実在した人物を数多く取り上げていますが、 本作では勇気ある決断を下し英雄となった機長、副機長以外にも、乗務員、乗客、救出に向かった人々など、 ハドソン川の奇跡に関わった、全ての実在する名も無き人々をたたえる。 今回の修羅場を実際に経験した現場の叩き上げの2人に対し、机上の計算を基に査問する最後の公聴会。 その顛末も、副機長のユーモアも、ラストは実に気持ちがいい。 本作はエンドロールが始まってもすぐに席を立たないでください。 当時の実際の映像と、ハドソン川の奇跡に関わった人々の姿が感動的です。
[映画館(字幕)] 9点(2016-09-28 20:22:40)(良:1票)
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