221. マーズ・アタック!
《ネタバレ》 最初のブロスナンのわざととしか思えないかっこつけパイプと、グレン・クロースやアネット・ベニングのあからさまな悪趣味メイク&ヘアを見た時点で、ある程度は予想がつくわけですよ。しかし、まさかここまで痛快に徹底してくれるとは思いませんでした。豪華キャストのほとんどはまったく活躍の場面なく容赦なく抹殺され(大統領まで!)、しかもそれを行っているのは露骨に安っぽい描写の宇宙船&火星人。見事です。しかし、もちろん、すでに指摘されているとおり、「友好と見せかけての虐殺」「先住遺産に対する破壊」、そして何より「侵略の相手方に対する嘲笑的・侮辱的態度」は、「建国」の過程以来のアメリカ自身の行為そのものでもあります。あと、個人的には、この面々の中で生き残ったのがルーカス・ハース君というのが嬉しい。最後の直接的すぎるスピーチは余計だったけどね。 [DVD(字幕)] 6点(2007-03-30 03:28:37) |
222. 最後通告
《ネタバレ》 ラストのインパクトはなかなか強力でしたが、それまでの経緯と比較して若干不親切な点は否めませんでした。あのように持っていくのであれば、捜査の過程だの各親とのやりとりだのを延々と流すよりも、それに向けた前振りがもう少し必要なんじゃないのかな・・・。素材としては面白いので、そのへんの練り不足が少々残念です。あと、邦題はもう少し考えようよ。 [地上波(字幕)] 6点(2007-03-09 03:37:33) |
223. アンジェラの灰
人物描写や映像はしっかりしていると思いましたが、希望もなければ意志もない貧窮生活を、これでもかというくらいひたすら延々と見せつけられても・・・。制作者は一体何が表現したかったのでしょうか。エミリー・ワトソンの堅実な演技に免じて6点。 [DVD(字幕)] 6点(2007-01-29 02:43:03) |
224. スリング・ブレイド
ビリー・ボブの迫力が突出しすぎて、他の人たちが置いていかれ気味なのが気になるが(特に、一番大事な母子の存在感不足が痛い)、主人公のたどった軌跡を飾らずに盛り上げずに素朴に追い切った好作品。ただし、まわりの人の設定がみんな善悪問わずステレオタイプなのは不満が残るし、全体の尺ももっと短くできたと思う。 [DVD(字幕)] 6点(2006-12-23 03:19:27) |
225. ローサのぬくもり
《ネタバレ》 荒廃しかかっている家族の僅かずつの変化を撮りきっていて、起伏には乏しいのですが、じっくりと楽しめます(多少、眠くなる箇所もありますが)。ただし、終盤の着地の仕方にはびっくり。あのオッサンがそんな強引な(おいしい?)解決の主役になるとは・・・。 [DVD(字幕)] 6点(2006-12-13 03:53:22) |
226. デッドマン・ウォーキング
《ネタバレ》 死刑囚と贖罪という難しいテーマに正面から切り込んでいった制作者の姿勢は評価したいが、前半は突っ込み不足が明らかで、見ていてイライラした。コミュニケートが困難な相手に対する精神的な救済の第一歩は、まず辛抱強く「聞く」こと、その状況に相手を持って行くこと(「話させる」こと)から始まるはずなのだが、主人公はほとんどそれをしていない。他方、冤罪云々を伺わせる描写が出てくるが、これはテーマでも何でもないミスリードなのだから、かりに入れるとしても、もっと無理筋主張なのがはじめから明らかになる描写をすべきだった。また、遺族宅を訪問して話を聞いてみせるシーンがあるが、死刑囚のために動くべき立場の人間が目的を明示せずにそんなことをすべきではない(結果、当然のように遺族の一方とはトラブルになっている)。などなど、不満点はいろいろあるのですが、ラスト10分の緊張感溢れるシークエンスは非常に優れていたので+1点。 [DVD(字幕)] 6点(2006-11-27 00:28:30) |
227. 宋家の三姉妹
政治の動きの方は流れを分かりやすく整理しているが、逆に肝心の人間ドラマの方が未整理で、どこがポイントなのか今ひとつはっきりしていない。ミシェル・ヨーやマギー・チャンも、実力の発揮のしようがないという感じ。現在の部分の出し方も中途半端だと思う。本来は映画よりも連ドラ向きの作品。 [ビデオ(字幕)] 6点(2006-09-24 02:40:24) |
228. 青いパパイヤの香り
映像は十分に綺麗なのですが、ストーリー性があまりにもなさすぎるのがちょっと・・・。ヒロインの女性の表情や仕草も、今ひとつ美しさが欠けていると思う(幼少時・成人時ともに)。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2006-09-03 01:33:09) |
229. ぼくの美しい人だから
もっとほのぼのした無邪気なラブロマンスを勝手に想像していたので、予想外に暗い雰囲気と、いきなり無意味に激しいベッドシーンに突入する展開にびっくり。ただし、後半の、スペイダーが友人に紹介するかどうか逡巡する部分は、じっくりとした描写で良かった。サランドンの方の「迷い」の部分をもっと明確にしてくれたら、なお良かったのだが。 [DVD(字幕)] 6点(2006-07-25 01:44:48) |
230. テルマ&ルイーズ
《ネタバレ》 サランドンとデイビスの確実で丁寧な演技のおかげで最後まで安心して見られるが、この内容で130分は長すぎる。100分くらいで何とかならなかったのだろうか。ジミーがルイーズを追いかけてくる場面など、全然必然性がないばかりか、主人公2人の旅の距離感(=日常からの離脱感)を削いでしまって、逆効果だったと思う。距離感といえば、ハーベイ・カイテルの刑事は一体どういう移動をしていたのだろうか。州を4つぐらいまたいで登場していたような気がするのだが。 [DVD(字幕)] 6点(2006-07-13 01:04:19) |
231. デルフィーヌの場合
主人公が、不本意な道を選んだ悲劇のヒロインというよりは、周りが見えていない単なるわがまま娘にしか見えないのが難点。しかし、主題のインパクトに寄りかかることなく、それ以外の部分の日常生活の1つ1つを地道に積み重ね、余計な脱線をしていない作り方には好感が持てる。 [DVD(字幕)] 6点(2006-06-19 01:54:59) |
232. ゲッタウェイ(1994)
前に見たときは特に何の目新しさもない完コピリメイクとしか思っていなかったのですが、改めて見てみると、なかなか悪くなかった。どうしてもマックイーンとボールドウィンが比較されてしまうわけですけど、この主人公って、決して格好良いわけではなく、仕事の手際はいいんだけど、プライベートの方ではいろいろじめじめ引きずってぱっとしない、という、会社では評判いいけど私生活はグダグダのビジネスマンみたいな感じの人なんですよね。であれば、スーパーヒーロー的な活躍を期待してしまうマックイーンと比べても、むしろ小市民的な表現も器用にできるボールドウィンも悪くないのではないかと。それからキム・ベイシンガー姐さんも、生活に疲れました系のちょっと荒んだ色気を出させれば右に出る人はいないわけで、アリ・マッグローよりも合っています。ただまあ、脚本については、フライドチキンネタとかコインロッカーネタまでオリジナルをコピーしているのは、そこまでせんでも・・・とは思いましたが。 [DVD(字幕)] 6点(2006-05-25 02:28:31) |
233. ストレイト・ストーリー
《ネタバレ》 何百キロも離れた街にトラクターで旅に出てしまうという発想自体が感動ものだが、それを許してあげる(しかも2度も)娘や、到達したときに大騒ぎせず自然に受け入れている兄が何とも素敵。背景の説明ほとんどなしなのも潔くて良い。原題も含めて、タイトルに何も工夫がないのが残念。 [DVD(字幕)] 6点(2006-03-18 16:38:05) |
234. 星願 あなたにもういちど
《ネタバレ》 「ゴースト」大好きな私としては、当然楽しみながら見ることができたが、気になる点もいくつか・・・(1)そもそも、盲目かつ喋れないという設定にする必要はあったのか?むしろ、復活後の方が「自分の正体を名乗れない」「外見まるで違う」という重大な「障害」があるのだから、むしろ死亡前はそれとの対比で一般の状態にするべきでは?(2)「流星群が出ると戻る時間」というのはラストで突然出てきたような気がするが、これは最初から明らかにすべきでは?(3)プールサイドの言い合いのシーンはなかなかぐっときたが、その後に2人座っているところで、変に流れが落ち着いてしまった(実はこの後ハッピーエンドになるのかと思ったくらいだ)。(4)天国の部分、セットがしょぼすぎ・・・よって、4点減点。 [DVD(字幕)] 6点(2006-02-07 01:37:33) |
235. シベリアの理髪師
《ネタバレ》 前半はとにかく長すぎ、関係ない話が多すぎ。その割に、肝心の2人の愛情醸成場面はかなり適当。これだけだったら駄目作品だったのだが、主人公の拘留から連行場面がもたらす迫力、そしてシベリアでの訪問場面でのじっと息をひそめるような重苦しさの演出はなかなかで、一気に印象的な作品となった。 [地上波(字幕)] 6点(2006-02-06 04:29:33) |
236. クアトロ・ディアス
ブラジルで実際に発生した大使誘拐事件を基にしているのだが、誘拐の場面にしろその後の仲間同士のやりとりや人質とのやりとりにしろ、変に粉飾せずにごく単純に描かれているため、かえって現実の生々しさを伴って訴えてくる。クライマックスの場面も、アイディアは単純だが、そのスリリングさはなかなか。ラストの結論がもたらす妙な余韻も印象的。 [地上波(字幕)] 6点(2005-12-24 02:32:28) |
237. 天使にラブ・ソングを2
面白くないわけではないのだが、1で自ら作り上げた世界に寄りかかりすぎて、新鮮味が何もない。人物の設定が安直で、先が全部読めてしまうのもマイナス。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2005-11-20 13:07:49) |
238. マイ・フレンド・フォーエバー
終盤近くまで、特段目新しくもないエピソードが積み重ねられているだけであり、しかも主人公のしていることは客観的にはかなり無茶だったりして、さほど感動はできないと思っていたのだが、ラスト8分間の美しくも力強い収束で、一気に作品の価値が高められている。 [DVD(字幕)] 6点(2005-11-04 01:08:18)(良:2票) |
239. リトル・ヴォイス
《ネタバレ》 最後は歌いまくってハッピーエンド、にならないところがイギリス的でひねくれていてよろしい。主役の彼女は、あれでは単なる引きこもりにしか見えないので、その奥にあるはずの「意思」をきちんと表現してほしかったところでした。演技上の主役は、人の良いおじさんだったのがだんだん傲慢になってきて、最後はきっちり体を張ったオチまでつけてくれたマイケル・ケインでしょう。 [DVD(字幕)] 6点(2005-09-20 02:54:06) |
240. エド・ウッド
《ネタバレ》 こんな変な人の人生を、全力で真面目に描写しているところが良い。主人公がやっていることは滅茶苦茶なのですが、芸術で大事なことは、周囲の視線とか段取りなどは無視した、こういう初期衝動であり、対象への愛情なのです。最後、主人公の周りに集まってきた変な人たちのその後の進路をいちいち説明してくれるオタク魂に笑いました。 [DVD(字幕)] 6点(2005-09-11 02:14:09) |