221. 他人の顔
包帯巻いてる前半が顔とアイデンティティーとの関係を中心とする内面的な問題を扱い、包帯取れて他人の顔になってからは自己と他者との関係を中心とする外面的問題を扱うという2段構えの構成で、かなり哲学的なテーマに取り組んている印象ではあるが、映像化するとどうしても説明が多くなって冗長になってしまうという難点はある。これをきっかけに「顔の哲学」に興味関心が沸くようなら、原作やレヴィナスを読んでみて、自分なりに考察を深めていけばよいのかと。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2022-09-12 14:47:58) |
222. 女系家族
21年ドラマ版(4時間)を見ていたせいか、尺的な少々物足りなさはあるし、演技はこっちの方が抑制的。時代を経るに従い演技はオーバーで仰々しくなっていくものなのかもしれないが。でも、昔の女優には現代の女優にはないよさがあるし、愛人役は宮沢りえよりも若尾文子の方がしっくりくるかな。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2022-09-12 14:33:01) |
223. ペンギン・ハイウェイ
『夜は短し歩けよ乙女』は京大理系院卒原作者の屈折したインテリ感が受け付けなかったが、これは主人公が少年ということもあって「研究者あるある」感が素直に出ていて、その「タマゴ」の成長物語として評価できる内容になっている。凡庸なのび太系でもなくあえて出来杉君タイプを主人公にするのはヤンキー文化が主流の日本ではある意味チャレンジではあるようにも思えるが、アニメならオタク系として受け入れやすくもあり、ある層にはマッチしやすのかもしれない。難点はお姉さんのキャラと声が合ってない、西島秀俊は棒読み、ウチダ君の声が少女過ぎた等々、声優陣のミスマッチかな。 [地上波(邦画)] 8点(2022-09-12 01:31:17) |
224. 千と千尋の神隠し
少女≒正義とはいえ、あまりにも主人公に都合よく物語が展開しすぎだし、理屈で映画を見る自分にとっては意味不明な部分が多々ありで中々世界に入り込めず。貪欲さや金銭欲等々社会批判的な部分は少々説教クサイし、労働による他者承認という労働の美徳を賛美しているように思える点にも疑問が残る。映像的には工夫が感じられるものの、やはり基本的にジブリ作品は合わないことを痛感。 [DVD(邦画)] 3点(2022-09-09 00:27:34) |
225. レイクビュー・テラス 危険な隣人
保守(共和党支持)とリベラル(民主党支持)との対立、黒人女性と白人男性の格差婚や人種問題等々が複雑に絡み合った隣人トラブルだが、ここまでエスカレートすることは稀だとしても、昨今はコロナによる在宅で隣人トラブルも増えているようで、それなりのリアリティーをもって見ることができる。賃貸ならスグに引っ越せばよいのだろうが、買うとそう簡単でもないだろうし、持ち家リスクについても考えさせられる。 [CS・衛星(吹替)] 6点(2022-09-07 11:36:20) |
226. 10日間で男を上手にフル方法
ずいぶん中身の濃い10日間だなあ。脚本は中々よく出来ていると思うが、ヒロインがカワイイとは思えなかったのが難点。 [CS・衛星(吹替)] 6点(2022-09-03 17:26:15) |
227. クーデター
政治ネタかと思ったらパニックものだった。が、緊張感が継続するのでそれなりに楽しめる。子供はカワイイんだが、イライラもして定番のスパイスに。ピアーズブロスナンは何かウラがあるだろうとは思ったが、こういうことだったとは。でもこれは今や中国が一体一路でやっていることであり、それはそれで結構リアル。という意味ではあながち荒唐無稽でもなく、暗に中国批判になっているようにも思える。 [地上波(吹替)] 6点(2022-09-02 11:40:38) |
228. オンリー・ザ・ブレイブ
30程度カットされたものを鑑賞。実話がベースだから仕方ないが、盛り上がりに欠けやや退屈。ノーカットだとさらに退屈したのかも。が、この話は知らなかったので参考程度にはなる。結局、この結末は不可避だったのか否か。その検証がなされていないので、安易な英雄視もどうなのかと思う。 [CS・衛星(吹替)] 5点(2022-09-01 11:54:44) |
229. マラヴィータ
ベッソン&スコセッシだとこうなってしまうんだなという印象。結構ブラックだしクライムコメディとして楽しめるのかと言えば微妙。アクションとしてもイマイチでいろんな意味で中途半端だが、デニーロパワー?で最後まで飽きずにみられるから不思議。トミー・リー・ジョーンズがもうちょっと活躍するのかと思ったがオマケみたいな扱いなのは残念。 [地上波(吹替)] 5点(2022-08-31 12:12:26) |
230. ザ・インターネット
当時としては意欲作だったのだろうが、今見てもそれなりに楽しめるレベル。PCイジルだけではさすがに地味になってしまうので、多少のドンパチが必要なのは仕方ないだろう。今や気が付かない間に個人情報が抜かれるというのは当たり前の世界なので、そういうリスクすらわかってない人には教訓的な作品にもなりえるような。 [CS・衛星(吹替)] 6点(2022-08-30 11:49:54) |
231. パーフェクト・ゲッタウェイ
2回見ないとわからない、ドンデン返し系が好きな人にはいいのかもしれないが、終盤まであんまり盛り上がらないし、オチの付け方がちょっとどうなのって気はする。 [地上波(吹替)] 4点(2022-08-29 10:56:11) |
232. 宇宙戦艦ヤマト2199 星巡る方舟
現代版にしすぎたせいか?ちょっと変な方向に行ってしまった印象。ヤマトに説教クサイ難しい話は不要。 [CS・衛星(邦画)] 3点(2022-08-28 23:07:00) |
233. 日本の熱い日々 謀殺・下山事件
朝日記者の他殺説の原作がベースなので、後半は記者の「想像」が入り込んでいるものの、ほぼ実話の「陰謀事件」として描いた作品であり、それなりの見ごたえはある。古めかしさを出すために多少過剰演出な部分はあるし、80年代の風景が入り込んでしまったりと難点もあるのだが(この時代に駅に点字ブロックはないでしょう)、戦後昭和のミステリーとしてはとても興味深い事件なので、こういう映像作品を通じてもっと関心がもたれてもいいように思える。結構複雑な「事件」なので多少あらすじや概要を頭に入れてから見た方がいいかもしれない。もっと長尺で丁寧に描いた方がよかったのかも。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2022-08-25 11:54:04) |
234. 最高の人生の見つけ方(2007)
日本版リメイクの方を先に見たせいか、それとの比較になるのだが、死生観とか家族観といった所謂文化的な話になると、やはり日本的なものの方がしっくりくるような気がした。こっちはこっちでムダがなくてスッキリしていていいんだが、逆に言えばちょっとアッサリし過ぎなような気も。日本版がウェットというわけでもないんだが、まあ文化の違いというか。 [DVD(吹替)] 6点(2022-08-23 14:14:25) |
235. ソルト
《ネタバレ》 2重なのか3重?なのか。アメリカ人は殺さないし主人公がロシアのスパイのまんまなわけがないので3重だろうということはわかるんだが、上司はどこまで知っているのか?グルなのかどうか?等々モヤモヤしながらの鑑賞が続く。改心?した理由は夫との愛情ある生活で骨抜きにされて、マジメなCIA職員として生きて行こうと覚悟を決めたからってことでいいのかな。露大統領暗殺偽装は、忠誠心を疑われているので、拉致された夫救出のための演出なのかと。等々、ストーリーは少々わかりにくいとはいえ、ノンストップアクションは見ていて飽きないし、最後まで緊張感が継続して楽しめる。 [地上波(吹替)] 7点(2022-08-23 12:40:54) |
236. 宇宙戦艦ヤマト2199 追憶の航海
リメイクされているのはなんとなく知ってはいたが、旧作のイメージを壊されたくないという思いからなのか、特に興味も湧かず敬遠していた。よってどうせたいしたことはないだろうと期待もせず鑑賞。よく悪くも昨今の事情を反映してか所々設定が異なっていたり、現台風なキャラに少々違和感もあったが、思ってたよりそんなにヒドクはなかった。なんと言っても音楽が同じなのでその力が大きく、懐かしさが込み上げてくる。旧作ファンもギリギリ許容範囲ではないのかと。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2022-08-22 02:04:12) |
237. 岸辺の旅
「夫婦とは何か」を問う作品だと思うのだが、死別してからでは遅いということだろう。死別しないとわからないこともあるんだろうが、後悔しないように生きてる「今」を大切にするしかないのかと。テーマ・設定は興味深いが、作品としてはイマイチかな。 [地上波(邦画)] 5点(2022-08-19 22:26:16) |
238. 渋滞
バブル時代の作品ではあるが、あまり華やかさはない。あらためて振り返るとこういう時代だったのかなと思わせられる。日本の家族を描く題材としては悪くないが(監督・脚本の人は山田洋次を師としているようなのでちょっと『家族』を意識しているようにも思える)、少々盛り上がりに欠ける。もうちょっと工夫すれば面白い作品になりえたと思うが。清水美砂には存在感があった。 [地上波(邦画)] 5点(2022-08-18 11:24:15) |
239. コネクテッド
オリジナルよりもアクション度は高いような。とはいえ、あらすじは既知なので緊迫感は下がるが。主演女優は榮倉奈々に似ているね。 [地上波(吹替)] 6点(2022-08-18 10:00:45) |
240. 長いお別れ
原作は著者40~50歳までの実体験がベースになっているようだが、本作では親の認知症介護するには演じる娘2人が若いし、そのせいか全体的に明るい雰囲気で、少々違和感がある。一般的には介護の現場はもっと壮絶だろうし、世話する中高年女性ならではの苦悩があるように思えるのだがそういったところが省かれている印象。とは言え、登場人物たちの演技そのものは悪くはないので、それなりに楽しめる。ただし、山崎務が認知症老人になるのは昔から見ている者としてはちょっと複雑な気持ちにもなる。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2022-08-16 12:14:20) |