2541. 刑事コロンボ/歌声の消えた海<TVM>
《ネタバレ》 手袋が荷物に入っていなかった事が巡り巡って犯人を降参させます。動機が浮気の清算なのも因果応報を感じます。船が到着するまで一人でさっさと解決しています。同様にさっさと本が書かれて撮影されたかのようなオーソドックスな作品です。私も観終わってさっさとレビューを書き上げ一丁上がりという具合です。1週間後には内容を忘れている気がします。 [DVD(字幕)] 5点(2009-05-11 14:29:54) |
2542. 刑事コロンボ/ビデオテープの証言<TVM>
テープを使ったトリックはテープが致命傷となる事は想像がつき、警部と共に私も両画面に目を凝らしましたがわかりません。観終わって犯行後の部分を再度確認すると確かにソレを持って出かけています。妻が椅子の上に見えた物の件と併せて理詰めな警部の思考に今更ながら感心させられます。今作のお目当て、私の敬愛するジーナ・ローランズは、やはり気品が漂っており圧巻のラストシーンに流石と満足しました。 [DVD(字幕)] 8点(2009-05-11 02:26:06) |
2543. 太陽がいっぱい
《ネタバレ》 本作をたまたまテレビ鑑賞したことがきっかけで映画の世界に引き入れられ、アラン・ドロンに中学生になるまで夢中になりました。約40年を経ての鑑賞です。当時は理解できなかった「太陽がいっぱいだ」という一言から満ち足りた表情で電話の呼び出しに向かうラストシーン。夢と命の終焉を告げる音楽はやはり切ない響きがありますが、「願いが成就した時が終わりであること」の幸福さを感じました。陽の光を浴びたいという狂おしい程の一念を青い瞳に宿したアラン・ドロンは今観ても一世一代の名演技でした。 2024.8.19追記 ドナルド・サザーランド 88歳、アヌーク・エーメ 92歳、ジーナ・ローランズ 94歳、アラン・ドロン 88歳 皆さん逝ってしまわれました。 悲し過ぎます。 合掌。 [DVD(字幕)] 8点(2009-05-10 23:57:07)(良:1票) |
2544. ニノチカ
《ネタバレ》 男女の小粋な会話は上滑りすることなく二人の心情を表しており、彼女が骨抜きにされてしまう過程には酔ってしまいました。その後のよろめき加減に白けていきましたが、17時40分の便で帰国したのには参りました。統率力、愛国心、誇り高さを失わない彼女に敬意を表します。出来すぎ感のあるラストですが、絶妙の存在感のある同士三人組が心地良い余韻を残してくれました。 [DVD(字幕)] 7点(2009-05-10 16:46:50) |
2545. 刑事コロンボ/黄金のバックル<TVM>
姉への遺恨の部分に重きを置いたストーリーを興味深く見ていましたが、結末に拍子抜けしてしまいました。姉への復讐になっているのかも疑問です。 [DVD(字幕)] 6点(2009-05-10 02:55:29) |
2546. 刑事コロンボ/殺しの序曲<TVM>
《ネタバレ》 今作で「頭が良い事」について考えさせられました。IQだけで頭の良さのみならず人間の優劣も測り常に他人を見下す犯人が、刑事になった経緯を語る警部との最後の対決で、我を忘れて口走ってしまった事に、一瞬「こんな事が起こり得るのか」とあっけにとられましたが、頭の良さの質の違いがもたらした結末なのだと納得しました。 [DVD(字幕)] 8点(2009-05-10 02:26:16) |
2547. シャレード(1963)
予備知識はヘップバーン出演と音楽。初鑑賞。25万ドルの行方は、犯人は、2日間で3回名前が変わるグラントの正体は?全貌が明らかになるまでの展開は見応えがあり、マッソー・コバーン・ケネディの一癖も二癖もあるキャラクターの味わい深さも併せて、サスペンスものとして見事な出来映え。一方、作品の最大の魅力であろう主役二人のロマンス部分は、小粋な会話が上滑りしているように感じ、いまひとつ。その部分を差し引いても作品全体としては満足のいくものでした。センスの良いオープニングとエンディングが印象に残ります。 [DVD(字幕)] 7点(2009-05-03 15:57:08) |
2548. 刑事コロンボ/パイルD-3の壁<TVM>
《ネタバレ》 警部から嫌疑をかけられていなかったら、死体はあの場所においたままだったのでしょうか?大きな疑問です。警部を利用して完全犯罪を目論んだしたたかな犯人でしたが、したたかさにおいて警部の右に出る者はいない事を確認させられます。グロッキー状態でタップ間近を装うさまは悪党レスラー並み。そんな警部も必殺技「たらい回し」には成す術なしなのが笑えます。 [DVD(字幕)] 6点(2009-05-03 02:36:12) |
2549. 道(1954)
《ネタバレ》 自己を不必要に低く評価し、好きになる事・好かれる事に生きる意義を求め、どんな扱いにもひたすら従順なジェルソミーナ。壊れてしまった都合のいい女を持て余し見切りをつけたザンパノ。支配する者とされる者の恋、上下の隔てのある恋をまざまざと見せつけられました。「好きだ」の一言をかけてもらえなかったジェルソミーナの胸中は察するものがあります。砂浜に突っ伏するザンパノの姿は、何の痛痒も感じぬ事に比べ救いがあるのかもしれませんが、お前はこの先どのように生きるのかと作者が問うているように見えました。 [映画館(字幕)] 8点(2009-05-02 23:37:27)(良:1票) |
2550. 戦艦ポチョムキン
人海戦術を駆使した映像並びに音楽の凄まじい迫力にただただ圧倒され、観終わってからも暫くの間、頭がク~ラク~ラしていました。かの有名なオデッサの階段シーンは一見の価値がありました。「超ド級」「一大スペクタクル」「気合だーっ」の異様なハイテンションは国策映画ならではなのでしょう。容認出来ない内容なのですが、今まで映画からこれほどまでにエネルギーを感じた作品はなかったと言うところにこの点数です。 [映画館(字幕)] 7点(2009-05-01 02:52:24) |
2551. サンライズ
《ネタバレ》 こんなに古いサイレント作品であることも知らなかった予備知識が皆無の作品です。教会に辿り着くまでの世も末かという重苦しさ、教会を出てからのユーモアをちりばめたみずみずしい喜びに溢れる楽しさ、帰路の悲劇とハッピーエンドの結末。ありきたりで分かりやすいストーリーですが、最後まで見入ってしまったのは、主役2人の演技力ときめ細かい演出によるものなのでしょう。私も教会の神父さんの言葉にホロリとさせられました。悪女がもう少し絡んでくれればよかったのですが、美しく清純で可憐な奥さんと対決させるなどというのは罰当たりな事であって当時では考えられなかったのでしょう。 [映画館(字幕)] 8点(2009-05-01 01:05:39) |
2552. 死刑執行人もまた死す
《ネタバレ》 冒頭、「死刑執行人」ハイドリッヒのゲスの権化ぶりに、どのようにして亡き者にされるのか期待した途端、銃撃され程なく逝ってしまいました。犯人探索におけるゲシュタポと地下組織及びプラハ市民の対決は、テンポのよいスリリングな展開を経て思いもよらぬ結末に至る上質なサスペンスと戦時下における多様な人間模様に、瞬時も目が離せませんでした。ごく普通の庶民のごく普通の肉親への情を持つマーシャが、八百屋の老婆の最期、父の遺言に触れて芽生えた民族の誇り。戦時中の当時に監督が訴えたかったのでしょう。売国奴チャカの末路に同情は出来ませんが、「自由を勝ち取るための戦い」の名の下に人が人を陥れる陰惨さを感じました。 [映画館(字幕)] 7点(2009-04-30 00:24:17) |
2553. 刑事コロンボ/白鳥の歌<TVM>
シリーズのセールスポイントである、状況証拠を1つ1つ積み重ねて犯人を追い詰めていく「じわりじわり感」を堪能できます。今回、警部の寄り倒されそうになりながら、勝ちを収めたうっちゃりは鮮やかでした。余談ですが、葬儀屋さんのセールストークの絶妙さにうなってしまいました。 [DVD(字幕)] 6点(2009-04-26 17:31:31) |
2554. 刑事コロンボ/愛情の計算<TVM>
シンクタンクの装備には隔世の感がありますが、子供に対する盲愛は時代を超えた普遍的なものがあるようです。今回の警部の詰めの一手はダーティですが、勝つために一番の泣き所を突くのは止む無しです。チェス盤をひっくり返すMM7に、父とはさみ将棋をして負けると盤をひっくり返して泣いていた幼い時の事を思い出しました。 [DVD(字幕)] 5点(2009-04-26 16:57:40) |
2555. 犬神家の一族(1976)
《ネタバレ》 本作で記憶にあるのは、金田一が石坂浩二、音楽、逆立ち死体、喋る偽スケキヨ、お琴の師匠の5点。30年を経ての鑑賞となりました。インパクトのある猟奇の演出は表面上の恐ろしさであり真の恐ろしさは肉親との愛憎から人は鬼になれる事を見せ付けた松子です。演ずる高峰美枝子に圧倒され胃にズシリと堪えました。金田一探偵の飄々さは胃薬のようで縋ってしまう私がいました。余韻の残る去り方は作品全体の味わいを深めるもので見事さに唸らされました。 [DVD(邦画)] 8点(2009-04-26 03:19:30) |
2556. ナチョ・リブレ/覆面の神様
小学生の頃からのプロレスファンです。マスカラス対デストロイヤーの一戦を記憶しています。多少の期待があったのですが、しょっぱい作品でした。脚本と俳優と映像から漂う薄汚さとヘタレ感、笑えぬギャグ、見所のない試合模様。早送りしたいのを堪えながらの鑑賞でした。上映時間の短さに免じて1点です。 [DVD(字幕)] 1点(2009-04-24 22:21:34) |
2557. リスボン特急
小学生の頃に観たいと思ってからウン十年、念願の初鑑賞となりました。犯行時に犯人達は一言も語らず非常ベルや列車の音のみが響いています。丹念な描写とあいまって見入ってしまいました。 そして全編を通じて登場人物全てが必要最小限しか語りません。しかし、その胸の内の溢れ出そうな想いは分かるのです。犯人一味のリストラされた重役とその妻、頬を黒い涙が伝っているゲイの情報屋、スコッチを空けるコールマン、シモン、カティのスリーショット等々。監督の力量と言えるのでしょう。 「刑事が人間に抱く感情は疑いと嘲りだ」と言い放つのとは裏腹さで現実を受け入れているラストシーンのコールマン。「因果な商売だが、これが私の仕事」との胸の内が想像されました。子供時分に抱いた憧れは薄れていますが、本作のドロンは素敵でした。 [DVD(字幕)] 7点(2009-04-19 15:07:50)(良:1票) |
2558. 刑事コロンボ/美食の報酬<TVM>
うわべは上品かつ知的でありながら腹のうちはとてつもなく狡猾。私好みの見応えのある犯人ですが、墓穴を掘ってしまった最後には拍子抜けしました。全編に亘ってカロリーの高そうな料理を食している警部に「肥えるよ」という思いと、被害者の友人達の心意気も味わっているのかもしれないという思いが浮かびました。 [DVD(字幕)] 6点(2009-04-15 15:35:59) |
2559. 刑事コロンボ/死者のメッセージ<TVM>
《ネタバレ》 記憶に残っていない作品でした。高名な推理作家との対決で、情の部分では警部のスピーチ等見るべき点はあるものの、知恵比べの部分では釈然としない点が幾つかあり、また、彼女の犯行だと感づいていた秘書と弁護士も中途半端な存在で終わり、盛り上がりに欠ける作品でした。 [DVD(字幕)] 6点(2009-04-15 13:24:42) |
2560. 007/慰めの報酬
前作の終了直後の設定と言う事なので、駆け出しのままの007です。私怨を抱くなとのMの言葉が耳に入らないのは当然なのでしょう。派手なアクションは洗練されていない粗野な感じが良く出ていましたが、大掛かりな陰謀の幾つかで意味不明な点があり、今ひとつ面白さに欠けました。風貌からポランスキー監督が思い浮かんだグリーンは、今後の作品を考え、敢えて線が細い悪党としたような気がしました。 [映画館(字幕)] 6点(2009-02-01 22:49:33) |