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かっぱ堰さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1246
性別 男性
自己紹介 【名前】「くるきまき」(Kurkimäki)を10年近く使いましたが変な名前だったので捨てました。
【文章】感想文を書いています。できる限り作り手の意図をくみ取ろうとしています。また、わざわざ見るからにはなるべく面白がろうとしています。
【点数】基本的に個人的な好き嫌いで付けています。
5点が標準点で、悪くないが特にいいとも思わない、または可も不可もあって相殺しているもの、素人目にも出来がよくないがいいところのある映画の最高点、嫌悪する映画の最高点と、感情問題としては0だが外見的に角が立たないよう標準点にしたものです。6点以上は好意的、4点以下は否定的です。
また0点は、特に事情があって採点放棄したもの、あるいは憎しみや怒りなどで効用が0以下になっているものです。

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261.  さとうきび畑の唄〈TVM〉 《ネタバレ》 
森山良子氏の著名な持ち歌を取り入れたドラマで、最初と最後の現代パートは歌詞のシチュエーションを映像化したものである。ここでは歌の主人公のほかに態度の悪い女子高生もついて来ていたが、これは新しい世代にも伝えていきたいとの趣旨だろう。この歌は情景イメージを含めて時代の記憶を伝える力を持った優れた音楽作品であり、後世に残ってもらいたいというのは自分としての願いでもある。これを見たあと自宅にあったCDを引っ張り出して聴いてその思いがさらに深まった。  ドラマ本編に関しては、歌の主人公(新生児)も出て来てはいるが、全体的に騒がしい感じのため歌に喚起されるイメージとの間でかなりのずれがある。しかし歌自体のドラマ化が目的ではなくネタとして使っただけだろうから、合うとか合わないとかを問題にしても仕方ない。また悪玉にわざわざ過激なことを言わせておいて、そこに善玉が「同じ人間じゃないですか!」などと当たり前のことを突っ込んでみせるような安手のドラマだが、それもまあテレビだから仕方ない。 劇中の主張の中では、学徒動員の青年の考えは普通に理解できる。また親は戦争で死ぬために子を産んだのではないというのもその通りだが、しかし「戦争のない国を作って下さい」というのは具体的に何をどうすればいいと思うのか。戦争がない方がいいというのは平和な市民社会の誰もが願う当然のことだが、相手があることなので自分の国だけでは決められない。むしろ戦争を起こさないために、現実的な対処として何が必要なのかをシビアに考えることが大事であり、そこに沖縄戦の記憶を伝える意味もあるだろうと思われる。 ちなみにこのドラマでは主人公夫妻が関西出身という設定もあり、結果的に“沖縄の利害は国内他地域と相反する”といった分離主義的な印象が強くなかったのは幸いだった。もっとも制作当時は東アジアの国際情勢が現在と異なっており、この時点でそんなことはほとんど誰も考えていなかっただろうが。
[DVD(邦画)] 2点(2015-05-05 00:09:24)
262.  天使がくれたもの 《ネタバレ》 
原作は著名なケータイ小説とのことで、この映画も対象年代の心理を丁寧になぞる形になっていると想像される。これで女子高生などに絶大な支持を受けているというのもわからなくはないが、そのせいでかなり観客を選ぶ映画にはなっている。 個人的にはとにかく理性とか客観性といったものの欠如した世界が赤裸々に描写された印象があり、部外者としてはかなりの心理的距離感を覚えざるを得ない。何しろ劇中で心から共感したのは「あんたはアホか!」という台詞だけという有様だったが、ただし少し面白いと思ったのは登場人物が妊娠・出産するとGAME OVERになり、以後は苦悩から解放されて安定状態(涅槃?)に達するように見えていたことで、これは対象年代の視野の限界を示しているものと思われる。 見ている側としては、そんなことをしている以外に何か打ち込むことはないのか(スポーツでも音楽でも何でも)、と言いたくもなるが、あえて突き放して見れば興味深くもあり、また中高生向けケータイ小説というものの雰囲気を窺い知ることができて少し勉強になった気もする。点数は主にそういった教材的価値に対して付けておく。  ところで主人公は清楚な感じの外見だが、実際の行動や劇中世界との間にギャップがあってイメージの整合が困難である。そもそも登場人物がヤンキー風大阪弁をしゃべる純愛ストーリーというのは結構ユニークな気がするが、出演者も主人公役の清水由紀(愛知県出身)以外はけっこう地元出身者を揃えていたようで、ここで人物登録されている範囲では鍵本輝が奈良県、ほか徳永えり、宮下雄也、滝裕可里、飛鳥凛、原西孝幸が大阪府内の出身だったようである。若手の中ではやはり徳永えりの存在感があった。 以上、この映画にこれほど真面目なコメントを付ける自分をほめてあげたくなるが、これが対象年代にとってのリアルということなら、一応ちゃんと見てやらなければと感じさせるものもなくはない。
[DVD(邦画)] 2点(2014-09-07 09:21:21)
263.  たそがれ清兵衛 《ネタバレ》 
まず劇中では同じ藩内の上流部だけで餓死者が出ていたようだが、これは飢饉にあっても当局は手をこまねいていたという意味のようで、民衆が苦難にあえいでも権力者は知らぬ顔、という前世紀の歴史観そのままらしいのは鼻白む。悲惨な状況でも殿様は人のよさそうな顔をして徳を語るのを皮肉に思えということなのか。一般大衆向けの映画だから権力は悪で庶民が善というステレオタイプはそのままで、ただ貧乏な下級武士を権力側でなく庶民扱いにしたというのがこの映画の新しいところらしい。世の中それほど簡単ではないだろうと思うが。   また主人公に関しては、まずは風呂くらいまともに入れと思う。不潔なのは貧しいからではなく無精なだけだろう。映画では終業直後に帰宅する理由も含め、何から何まで小理屈つけて貧乏のせいにしていたようで見苦しいが、前妻が言っていたように出世して家族の生活が楽になるならそうすればいいはずで、能力があるのにそうしないのは無気力な人間だからとしか思われず、立身出世に関心がないというのも言い訳にしか感じられない。 また主人公が再婚話を断る理由にも説得力がないのだが、それは前妻が悪妻だったのに懲りた、とはっきり言わないせいだろう。このために映画では、主人公がわざわざ不利な道を選ぶ愚かな人物と印象づけられてしまい、それならいつまでもこのまま浮かばれないだろうと突き放したくなる。そんな人間が唐突に告白などするものだから単なる馬鹿かと思うわけだが、それでいて最後は相手がちゃんと待っていてくれるというのは著しく都合のいい話である。 ほか上意討ちの場面も、全体のストーリーと無関係ともいえないが話が濃すぎて不調和に思われる。結局、登場人物の違う3つの短編から適当に切り貼りしたため辻褄が合わなくなり、統一的な理解が困難になっていると感じられる。   一方で最後はめでたくハッピーエンドになっており、その後は全てがうまく行きました、父のことは誇りに思っています、というのだから文句のつけようがない。しかし途中までは世間の厳しさを出そうとしたようにも見えていたのに、最後は結局生ぬるいばかりの世界になってしまったようで締りがなく、自分としてはどうも受入れがたいものがある。 そういうわけでいい点は付けられないが、ただし同名の原作は読めばほのぼのと涙する短編であり、できれば多くの人に読んでもらいたいものだと思う。
[DVD(邦画)] 2点(2013-11-25 18:58:22)(良:1票)
264.  おくりびと 《ネタバレ》 
大変申し訳ないが率直に書かせていただくと、基本的には登場人物が泣くのに合わせて観客を泣かす作りの映画と感じられる。序盤のコミカルな箇所は気に障るが、まあこういうのがないと娯楽映画として成り立たないのだろう。  ところで劇中では人間の生死に関する複数のエピソードが並列的に出ているが、そのうち映画の構成上は全編の最後、父親の遺体の場面が最重要なのだと考えられる。ここは単純な親子の情愛(和解)の表現にとどまらず、人間の“生の意味”を伝える場面、つまり子(主人公)が生きて、さらにその子(胎児)に生を受け継いでいくことが、父親(峰岸氏)の生きた意味にもつながることを主人公が悟る場面だろうと思われる。 しかし映像を見ていても“これをこうすればこう見えるはずだ”といった説明的な印象しかなく、意味はわかるという以上のものではない。鮭の遡上風景はこのラストにつながる布石ということだろうが、これも貧弱な造形物のため多少の脱力感なしには見られない場面だった。“一度きりの人生だから個人の生を輝かせなければ”という、何か強迫的にも思われる観念が一般化している今日、もう一度根本に立ち返って生の意味を問い直すはずの場面が印象的に見えていないのは、個人的にも残念に思う。  それから主人公の妻の問題発言については多くの人が唐突と感じるだろうが、これはまあ当該個人の意識の問題と取れなくもない。しかし地元在住の旧友その他の一般住民までが蔑視を当然のものとし、かつその感情を当人に向けてまともに表出することをためらわないというのはいつの時代のどこの話なのかと思う。必ずしも詳しい事情がわかって書いているのではないが、単に田舎だからで済ませられる話でもなく、少なくとも個別地域の社会事情と無関係にストーリーの味付け程度の感覚で軽々に取り扱っていい問題のような気はしない。  以上のようなことで、自分としてはあまり高く評価する気にならない。今さら何点付けようが大勢に影響はないという前提で、思い切って低い点を付けておく。
[DVD(邦画)] 2点(2013-10-15 22:52:49)(良:2票)
265.  闇の子供たち 《ネタバレ》 
まず題名については「子供」でなく「子ども」と書く方が適切である。社会問題を扱っているつもりなら言葉には気を使って当然だろう。 解説文によるとこの映画は「社会的なドラマ」とのことであるから、やはり何らかの社会的メッセージを観客に投げかけることが製作目的と解される。そのような前提で書いておくと、個人的感覚としては臓器売買や「幼児売買春」(字幕より)が実在すること、及びその前提として、人間を叩き売り(切り売り)可能なモノとしか見ない輩がこの世界に存在すること自体は否定できないと思っている。 しかしこの映画はあくまでフィクションであるから、劇中に出たような「日本人に」「タイ人の」「子どもの」「心臓を」「移植」といった各要素を限定的に、かつ密接不可分なものと捉えるのは適切でないと考えられる。例えば「大人の」「腎臓を」なら劇中にも出ていたが、これだと意味が違って来るだろうし、あるいは「某国の」「死刑囚の」臓器という例の存在も考えられる。 またタイ以外の国で、インド洋大津波(2004)の孤児が人身売買の犠牲になっているとの噂が立ったこともあり、問題がタイ限定という気はしない。売買春に関しても、劇中では日本人と英語・フランス語・ドイツ語を話す白人の客しか出なかったが、他にもカネのありそうなアジア系外国人でも出せばもっと真実味のあるものになったと思われる。問題は国籍・民族の違いよりまず所得の大小だろうと思われるからである。 これを見た観客が映画の内容を丸呑みにして終わりにするのでなく、劇中世界をこえた国際社会のさまざまな出来事に広く思いを致すようであればいいとは思うが、しかし実際にこの映画が影響力を及ぼすのは主にこういった問題が存在すると思ってもみなかったナイーブな人々に対してだろうから、果たしてどこまで期待できるものか。初めから趣旨に賛同している人々なら喝采するだろうが。表向きは正論を掲げておいて実はわが国の名誉を貶めようとするかのような行動は卑劣である。  ところで最初の方で、タイ人の男が車を運転しながら歌っていたのは昭和の日本アニメ「タイガーマスク」のエンディングテーマだったようだが、この歌は最後まで聞くと素直に泣ける。極貧でも矜持をもって生きるのが厳しいのは日本でも同じだったのであり、これが指摘されている点では案外良心的な映画なのかも知れないと思える。
[DVD(邦画)] 2点(2013-10-15 22:52:45)
266.  絵里に首ったけ 《ネタバレ》 
冒頭でいきなり「岸和田少年愚連隊」(1996)を連想させるものがあるが、キャストも一部共通しているのでわざとだろう。またその後に教師が女性の魅力で男子生徒を奮い立たせるという展開は「おっぱいバレー」(2009)と同じではないかと思うわけだが、制作年代については明らかにこっちが早いので、何やら「岸和田少年愚連隊」と「おっぱいバレー」をつなぐミッシングリンクを発見したかのような印象があった。ネタの出所がどうなっているのかはわからないが。  ところで映画の全体像としては、笑って泣ける青春映画のようなものを目指したのだろうと想像される。しかしそれは理屈で考えるとそうだろうということであって、実際そう感じられたわけではない。まず前半に頻出するギャグは贔屓目に見ても5回に1回程度しか笑えない。個人的にはいかにも人工的なギャグより、たこ焼き屋のおばちゃんとのやり取りのような日常生活からにじみ出るものの方がかえって可笑しいのだが。また全編を通じてコメディ部分とシリアスなストーリーとのかみ合わせが素直に納得できず、どこをどれだけ真面目に見ればいいのか真意を図りかねるため、泣こうにも泣けないというのが正直なところである。特に役者の年齢のせいか、登場人物がワルぶってはいても根は純情な高校生という雰囲気になっておらず(男女とも)、いい歳の連中が茶番劇をやっているようにしか見えないことが困惑の原因のような気がする。 それと、こういう品性下劣な映画に子どもを引っ張り出すのはやめにしたらよかろうと思う。  そういうわけで、少なくとも個人的には取り柄のない映画に思える。 ただ主演女優に関しては、胸がどうかは別として本当にすらりと背が高い人なのが印象深く、服装とメイクを変えて出たラストの場面では柔らかな雰囲気で心なごむものがあった。またDVD特典の舞台挨拶(対談)では、酒気帯びの男ばかりの中で、この人が司会役になって爽やかに場を和ませていたのが好印象だった(あとは監督含め全員悪印象だった)。
[DVD(邦画)] 2点(2013-09-09 19:58:02)
267.  月の砂漠 《ネタバレ》 
自分としては最初の方に出た「中村さん」役の女優を見るために映画を見たのだが、そこ以外には出ないのだった。顔はあまり見えないがスレンダーな姿が印象に残る。 映画の内容については見てもよくわからない。家族がテーマだとすれば示唆するところは多いようだが、少し考えても通俗的な解釈しか出て来ず、特に感動するわけでもない。奥が深いのかも知れないが、あまり付き合ってもいられない気がする。 そういうことで、真価のわかる人にぜひ見ていただきたい。見る人が見れば価値のある映画なのだろうと想像している。
[DVD(邦画)] 2点(2012-07-27 21:28:00)
268.  オッパイ星人 《ネタバレ》 
新規登録から15年間誰も書いておらず、「まだレビュー数0の作品」に時々出るので社会奉仕的に見る気になった。 製作上の意図としては「脱力ショートコメディ」だそうで、平均3分程度で全15話の小話集のようなものだがオチはあったりなかったりする。宇宙人4人と安アパートの部屋をCGで作っており、演者の顔だけ実写を貼りつけているが、顔だけなので実物のオッパイを見せる場面はない(そういうのは別のところで見た方がいい)。アドリブを多用した回もあったようだが、基本的には出演者が適当にしゃべるのではなく脚本担当者がいて、見た人間を笑わせようとして作ったらしいが笑えない。人類社会のほとんどに無視されて終わったのも納得だった。 内容について真面目に語るのも憚られるが少し書くと、第5話と第10話は最悪ではなかった。また第4話で、本国からの入電を読んでいる奴は最後に噴き出さなくてもよかった。  以下余談的に、今の若い人ならわからないだろうことを書いておくと、まずオープニングが昭和TV特撮のウルトラシリーズを真似たシルエットを見せていると思ったら、各話の題名が明らかに「ウルトラセブン」(1967~68)をネタにしており、どれがどれに相当するのか容易に特定可能である。第11話「正解は誰れのために」はネタ元の第30話「栄光は誰れのために」で、「誰れ」という変な日本語(送り仮名は不要)を使っているのをそのまま真似ているので少し笑った。 製作側の説明では、本来は全16話のところ「諸般の事情により、第9話は欠番」とされているが、これはその方面の団体などから糾弾されたというよりも、ネタ元のウルトラセブンで第12話が本当に欠番になったのを単純に真似たようでもある(問題にされるほどまともに世に出たとは思えない)。ただし本来の欠番の題名「遊星より愛をこめて」が、これの第6話「惑星より愛をこめて」で普通に使われているのはとぼけた感じである。 ほか宇宙人が安アパートに住んでいるのも、ネタ元のウルトラセブン第8話「狙われた街」のイメージかも知れない。1部屋に4人まとめて住んでいるのがいかにも外国人のようだった。
[DVD(邦画)] 1点(2020-07-18 08:58:22)(良:1票)
269.  スペース・タイム 時空を超えた使命 《ネタバレ》 
フィンランド映画ということで見た。邦題はともかくとして原題と英題は「運命の書」である。 時代の違う5つのエピソードからできているが、一貫して「運命の書」なるものが存在する時空間の物語である。役者についても主人公とヒロイン役は共通で、時代の違う人物が同じ運命線上にいることが表現されている。各エピソードは下のような構成で、一つの映画で各種ジャンルが楽しめるという趣向らしい。 Episodi 1「トランシルバニア 1773年」吸血鬼映画 Episodi 2「アリゾナ州 1883年」西部劇 Episodi 3「フィンランド カレリア地方 コッラー川 1939年」戦争映画(冬戦争)白黒 Episodi 4「フィンランド タンペレ市 2003年」スパイ映画またはアクション映画 Episodi 5「宇宙 2124年」SF映画またはスペースオペラ なお登場人物は全てフィンランド語を話している(宇宙人含む)が、西部劇でフィンランド語というのは外国人にとってはさすがに違和感があった。  最初のうちは一応真面目に見ていた(特に3は茶化すわけにはいかない)が、しかし4でシュワルツェネッガーが出たところでもうどうでもよくなった。5ではキャラ設定自体がコメディ調になり、どうせまともな宇宙モノなど作れないのをふざけてごまかした印象になっている。 結果的には軽薄なパロディ映画または各種分野の習作見本市のようだったが、それでも一応真面目に語るとすれば、運命はあらかじめ定められているようでも結局最後は本人の行いで決まるのだ、という意味に取れる。さらにいえば“終わりよければ全てよし”ともいえるが、しかしエンドロールの後に、幻の次回作の予告編が出たのを見て真面目に考えたこと自体がアホらしくなり、最初まで遡って全否定したくなった。この映画自体が終わりをぶち壊しにしている。 ちなみに原案は学生の作だったようで、それを映画にした脚本家と監督も若かったらしい。予算も十分ではなかったようで、そのため日本でいえば「カメラを止めるな!」(2018)と同じ感覚で好意的に受け止める向きもあったらしいが、難点を不問にするほどの才気は感じない。またフィンランド映画の流れでいえば、こういうバカ映画の延長上に後の「アイアン・スカイ」(2012)も位置付けられるのかと思わなくはないが、娯楽性の面でその域に達していない。一つ言いたいのはパロディそれ自体に価値はないということだ。 なお最後の女神さまのようなのは顔が神々しいので嫌いでない。最終的によかったのはここだけだった。
[DVD(字幕)] 1点(2020-04-29 11:51:26)
270.  無人島物語 BRQ 《ネタバレ》 
見る予定はなかったが時間が短いのと無料だったので見た。題名は今の感覚だとBBQと間違えそうになるので注意が必要である(全く違う印象の題名になる)。 レースクイーンの出演が売りのようだが、自分としては当該分野に全く関心がなかったのでほとんど誰も知らない。かろうじて「牛川とこ」という人だけは名前のインパクトもあって記憶に残っており、この人を見ようというのも動機になったとはいえる。それにしても2001年の製作ということは、この人ももうそれなりの年齢だったということになるわけだが、もとが童顔なのでそこは許される気がしなくはない。現在は引退して子どももいるとのことで、公式ブログなど見ると今でも可愛く見える写真が載っている。 この人以外の顔は全くわからないが、例えばいかにも曲者じみたアオイという人物役が誰なのかくらいは知りたいところだった(麻田ユリカという人か?)。どうせこんな映画?で名前にこだわる必要もないだろうから、出演者名と役名を全部同じにしてしまえばよかっただろうが、そういう知恵は当時はなかったらしい。  中身に関しては、要は孤島に集められた連中が殺し合う話である。政府がどうしたとかいう大仰な理屈もなく、ただ単にシチュエーションだけが用意された印象で、最後に何か説明のようなものもあったがそれで納得するわけでもない。極限状態での人間模様という面からすれば、一応それぞれの人格に対応した行動なども描写されていたようだが基本的に浅く、前記アオイという人物のキャラクターが特徴的なくらいだった。かろうじてラストの「強いね」だけは少し和んだ。 これよりなら、同種類似で5番煎じくらいの「シンデレラゲーム」(2016)の方が4倍もましに見える。よほど21世紀初頭に活躍していた人々が見たいのなら別だが、そうでなければ新しいのを見た方がいい。
[インターネット(邦画)] 1点(2018-05-30 21:51:12)
271.  ケータイ刑事 THE MOVIE 2 石川五右衛門一族の陰謀~決闘!ゴルゴダの森 《ネタバレ》 
銭形雷役の小出早織(当時)に関して、当方が期待していたものが何も得られない。TV版DVDのPR映像の方がさまざまな表情が見られてよほど楽しい。またこの人の歌うテーマ曲のPV(約3分)が、映画本体(102分)の価値よりはるかに優っているという呆れた状況だった。もう一人、夏帆に関しても標準ベースそのままのようでこの映画ならではの魅力が生じていない。これでは何のための劇場版かわからない。おれは怒った。最低の映画だ。
[DVD(邦画)] 1点(2016-06-09 23:26:55)
272.  陽気なギャングが地球を回す 《ネタバレ》 
見栄えがいいのはわかるが面白くはない。外見が派手なばかりで中身はダイジェスト感が強く、登場人物に肩入れしたくなる前に映画が終わってしまう。その割に何度も出る偽?警官とか上司のコントとかTVレポーターのコメントとかどうでもいいのがうるさく感じられ、またラストの種明かしなどはバカ丸出しのように見えている。唐突な海外ロケは必要性が不明だが、もしかするとこれで地球が回っているのを表現したかったということか。エンドロールを見て、"U.S.Unit"を含めこれだけ多くの人間が動いているのだと思うと映画制作というものが空しく感じられる。  なお原作を読んでみると面白かったので、映画の方をさらに△1点とする。原作にないエピソードまでがダイジェストのように見えているのはどういうことか。
[DVD(邦画)] 1点(2014-02-03 19:50:27)
273.  屋根裏の散歩者(2006) 《ネタバレ》 
主人公はやることなすこと全てが馬鹿に見えて苛立たしく怒鳴りつけたくなる(焦げたドラム缶などいちいち覗くなボケ)。他の登場人物が全て共犯関係にあることは容易に予見できる上に、主人公がこれほど馬鹿では共感を寄せる相手がおらず、見ていて気分が荒むばかりである。また終盤ではとにかく物理的にやかましいのを何とかしてもらいたい。そういう感情を鑑賞者に催させるのがこの映画の狙いなのだろうから、不快感をそのまま点数に反映させることにする。女優が裸になっていることでの加点はしない。  さらに加えて、少女の場面で使われているピアノ曲も気に障る。当然ながら曲が問題なのではなく、それを使うこの映画の方が腹立たしい。すでにさまざまな人々がそれぞれの思いを寄せているはずの著名な曲を、エログロ映画のストーリーにあわせて恣意的に使おうとするのでは反感を買って当然である(子役を悪くいうつもりはない)。  なお、冒頭の病室の場面では主人公に深刻な外傷があるようには見えず、そうすると終盤の猟奇的場面の結末もたかが知れているということになるわけだが、その辺は問題ないのか。個人的には別にどうでもいいのだが。
[DVD(邦画)] 1点(2013-09-17 19:58:25)
274.  制服サバイガール II 《ネタバレ》 
前作で「こんな何もない田舎」と言われていた場所が、今回の劇中の新聞で長野県須坂市であることがわかった。須坂市の人々は、こんなZ級映画にそんなことを言われて黙っていていいのか。 まず当方としては最大限に好意的に見ようと思っているにもかかわらず、その好意に全く応える気のなさそうなことに呆れ返る。そもそも女子高生の映画のはずなのに男が出るのは観客への裏切りだろうが、この男がとにかくバカ丸出しの足手まといでしかなく、代わりに仲村みうが暴れてくれればそれでいいとも思うわけだが、その後二人で学校のような建物に数日こもっているうちに仲村みうもデレっとしてしまってテンションダウンする一方となり、わずかに最後、取ってつけたような勇ましい場面も動機づけがアレでは気が抜ける。この人のほかは女子高生役の出演者も激減するため、全体としても灯の消えたような寂しさだったのは救いがない。  一方ストーリーに関しては、最初の方で真面目な顔をした登場人物が「地球全体が乗っ取られる」とか言って仲村みうがハッとした顔をした時点で、これは自らバカ映画たらんと志しているのだろうと個人的には確信したのだが、その後は意外にもシリアスな方向に話が展開していく。終わってみればバッドエンドを伴うバイオホラーであり、また極限状態のもとで若い男女が真実の愛を確かめ合う話にもなっていて、少なくとも形の上では極めて真面目な映画を作ろうとしたように見えなくもない。しかし実態としては、かったるい進行の上に台詞は陳腐で映画初出演の男も見るに堪えず、そのため終始“真面目に見る奴はバカ”と書かれたテロップが画面の隅で点滅し続けているような気がして非常に困惑するものがあった。これは一体どういう事情でこういうものができたのか知りたいところだが、要は低予算ということに帰着するのか。  そういうことで個人的評価としては最低レベルだが、それでも0点とかにならないのは、少なくとも仲村みうは真剣に演技しているように見えたからである(飛鳥凛も)。わずかに残した点数を、些少で恐縮だがこの人々に捧げたい。本当にお疲れさまでした。
[DVD(邦画)] 1点(2013-07-31 19:23:33)
275.  口裂け女 《ネタバレ》 
子どもの虐待をからめる発想自体は悪くないと思うが、ラストがああなるのであれば、憑依の相手は現に虐待している母親限定でなければならないのではないか。多くの人が潜在的に持つものが運悪く発現したばかりに、異形のものと化してしまった悲しみを表現しようというなら容易に理解可能であり、またそれでこそ口裂け女が現代に蘇る理由づけにもなるはずである(地震では理由になってない)。しかしこの映画では幼い姉妹の母親や夏樹の母親にも憑依しているため、虐待との関連が不明でわけがわからなくなっている。 また登場人物が人を殺して放置したまま路上で思い出話を始めるとか、警察に行った少年がやっと真実を語り出したのに何の役に立ったのかわからないとか、救出すべき女児のすぐ近くまで行きながら放っておいてまた長々と思い出話をするとか、キーワードのはずのオヤジギャグが結局生かされず、どうすれば解決につながったはずなのかも示されないなど、全般的に納得のいかない展開が多い。ほか登場人物の行動がいちいち面倒臭いので苛立たしく、単純なホラーとしてもそれほど怖くない。  以上、やたらに苦情が多い上に褒める点もないので困るが、さらに個人的に許容できないのは児童に対する直接の残酷描写(効果音を含む)である。子どもに危害を加えようとするのはこの都市伝説の基本とはいえるが、期待されているのは怖がらせることであって、実際にやって見せることではない。ほか幼い姉妹の母親を殺してしまったのも感情的に受け入れられない。 そのようなことから、評点については懲罰的な意味でシリーズ最低(当社比)まで落とすことにする。好きな女優が出ているとかいう事情があればもう少し寛容になっただろうが、別にそういうこともない(佐藤江梨子が嫌いなわけではない)。
[DVD(邦画)] 1点(2013-07-28 18:47:18)(良:1票)
276.  sWinGmaN 《ネタバレ》 
見た後に何の感慨もなかった。怖くもなく悲痛でもなく切なくもない。全体的によくわからない話なのだが疑問を解消したいという気にもならない。 まずは主人公が今回初めて変になったというより元から変だったようにしか思えないため、普通に恋人や友人がいるのが自然に感じられず、こんな男に少女が同情を寄せるのも気が知れない。またこの主人公のために、少女や恋人という癒しの要素があらかじめ用意されていること自体が安易で甘ったれた感じがする。自分としては北村一輝が画面に出ると閉塞感が破られて救いのように感じられたのだが、そんなことも主人公には気に入らなかったらしく、あくまで観客側の感情移入を拒む映画になっていた。 外部情報によれば主演俳優のために作られた映画とのことだが、個人的にはこの俳優に注目する理由はなく、また世間的な価値としては宮崎あおいの映画キャリアの初期段階が見られることだろうが、その面でも自分としては特に関心がない。ほか主人公の恋人役に関しては、キャラクターとしての魅力が感じられないので特に面白くはなかったが、「だから煙草だってやめてたじゃん!」という台詞にはどきりとした。
[DVD(邦画)] 1点(2012-07-27 21:25:33)
277.  感染列島 《ネタバレ》 
この時期だからとわざわざ見るものでもないようだがとりあえず気楽に見た。冒頭で、山中の村にヘリコプターが飛んで来たところで「アウトブレイク」(1995米)かと思ったが、村人を教会に誘導して焼き殺すのかと思ったらそうでもなく、どうやら劇中のWHOはまともな組織だったらしいことがわかった。 その後は細かい突っ込みどころが非常に多いがそれなりに現実味がなくもない。検査(劇中ではキット)の結果は絶対ではないとか、軽症者は自宅療養というのはまさに今現在の問題である。都市封鎖のような強硬手段は日本などにできるはずないと思っていたら、最近「いわゆるロックダウンに類する措置」というのが語られるようになって洒落にならなくなっている。ほか鳥インフルの関係で老教授が、禽舎がしっかり手入れされていると褒めたのは他人事ながら嬉しくなる場面だった。ちなみに医療関係者に向かって「人殺し」と叫ぶ人物がいたが、人殺しはマスコミの方だったではないか。 一つ真面目なことを書くと、南の島で老教授が、宿主を殺して自分も死ぬウイルスと人間は同じことをしていると問題提起したのに続けて、人間とウイルスの共存というような考え方を述べていたが、それぞれ重要そうでありながら方向性がずれた印象があって理解困難だった。  ところで非常に気に障ったのは、日本は天罰を受けるべきだ、というわけのわからない信念が制作側にあったらしいことで、BLAMEなどという悪意ある名前をわざわざ他国に言わせていたのは激しい不快感を催した。劇中の感染拡大は2011年1月から始まっていたが、現実の2011年3月に起きた大災害で多くの人々が亡くなったのも天罰だったと思うのか。最終的には日本人限定で1120万人も殺した上で、やっと今回は許してやるとでも言いたげな態度が極めて腹立たしく、そんなに日本が憎ければ、日本(宿主)と一緒に日本映画も滅ぶ映画を作ってみせろと言ってやる(共存は拒否)。 物語的にも安手のドラマでいちいち泣かせにかかるのが煩わしい上に138分もあるのではたまらない。点数を何点つけるか考えるのも面倒臭いので切りのいいところで0点にする。 なおキャストとしては国仲涼子がひときわ可愛く見えたが、その夫が何だこれはという感じの男で好印象が相殺された(子役は可愛らしいので悪くない)。  [2020/4/18追記] 当初は書かなかったがその後に強く思ったのは、来るべき危機に警鐘を鳴らす体でありながら、実は災難に乗じて日本社会を崩壊させたい願望が制作側にあるのではということである。今になってみれば、日本限定で人口の1/10が失われるなど極めて非現実的で作為的だということがよくわかる。日本限定の天罰だなどと言い訳すれば正当化できるわけでもない。 点数をさらに落としたいがゼロより下には下がらない。
[インターネット(邦画)] 0点(2020-03-23 20:29:00)
278.  コドモのコドモ 《ネタバレ》 
別にこういうテーマに関心があるわけではなく、好きな女優が出ているわけでもない。最初から突っ込みを入れる気満々で見たが、結果的にそれほどひどい印象はなかった。 物語の面では、どの段階で事実を表に出すのかと思っていたら結局子どもらだけで済ませてしまったのが意外だった。「稀に見る安産」とかいうのは著しく都合のいい展開だが、それはそのように作った話だからと割り切るしかない。肥満少年の符牒のような報告で教室が沸き立つ場面は、学校側の鼻を明かす形になっていて痛快だった。 社会的な面では、劇中の担任教員の扱いを見る限り、例えば一時話題になっていた過激な性教育への反発が根底にあって、いわば実物の迫力で観念論を圧倒することが目的なのかという気がした。そう思うことにして、それ以外にこの映画から見える各種の重大な問題点には気づかなかったふりをすれば、自分としては何とか受容できないことはない。 ただし当然ながら、見た人が何らかの行動の指針にするようなものではなく、児童の教育に使うようなものでもない。事件の原因になった出来事からして極端に非現実的な設定だったわけで、あくまで非現実を非現実のままで受け取れる大人が、いわばファンタジーとして見るべきものだろうが、ただしそれなら原作マンガはともかく実写映画化には向いていなかった気もする。 最大限に好意的に書くと以上のようだが、作り手が本当に何を考えていたかは不明のため、大事をとって点数は0点にしておく(直接関係ないが「ブタがいた教室」(2008)と同じ扱い)。子役の皆さんはご苦労様でした。  ちなみにこの映画は秋田県能代市の協力のもとに同地で撮影されているが、このようなことに関して自治体として特に何らかの問題意識を持っていたということなのか。そうでなければ単に映画の舞台として地元をPRしたいという意図だったと思われるが、そういう動機で協力するには、この映画はリスクが高すぎる。
[DVD(邦画)] 0点(2017-12-01 19:28:28)
279.  ブタがいた教室 《ネタバレ》 
自分が見た限り、生命の問題を考えるというより教育のあり方に関する問題提起のように感じられる。児童に自分の頭で考えさせるという目的は達していたようだが、一方で担任教員の指導方法に問題があることもしっかり描写されており、必ずしもこれが理想の教育というつもりはないらしい。また年少者にシビアな体験をさせて特定の観念をすり込もうとする洗脳まがいの手法ということでもなく、むしろ徹底的なディベートを経て何らかの結論を導こうとする、いわば民主主義の学習のように思われた。 児童の議論の中で、テーマを考えるための材料は一応出揃っていたようである。担任教員は無責任にウンウンうなずくだけで腹立たしく思われたが、それがこの場に求められる正しい態度だったらしい。後半になると、当面の課題解決に向けて児童の意見が2つに集約された形だったが、その2つに限ってみれば感情問題を優先するものと、あえて理性的対処を主張するものの2派を形成していたようである。説得材料として「卒業」などという観念(笑)を創作する児童もいたりして、子どももそれなりに考えていることを示していたようだった。  ただし民主主義の学習の場として明らかに不適切なのは、最初に飼育を決定したのが実質的に担任教員だったにも関わらず、これを児童が自分らで決めたことのようにすり替えていたことである。後半になるともう児童が自分らの責任と思い込まされて泣きながら議論していたのが痛々しい。 これはわが国にあるムラ社会の全体主義であり、自由意思に基づかない集団の構成員にまとめて責任を負わせるやり方である。こういうことを今でも学校教育の中で平然とやっているとすれば非常に危険であり、いつの日か自分らの決定と思い込まされたまま戦争に駆り出されて死んでいく国民を育成しているようなものである(…ちょっと左派風に表現してみた)。この点では全く納得できない映画だった。  以上、全体としてけっこう真面目に作り込んだ印象はあるが、こういう微妙な映画に正数の点を付けてしまって点数分だけ肯定的と取られるのが嫌なため、ここは採点放棄ということで0点にしておく。 なお余談として、理性派の筆頭である松原菜野花さんの母親役で出ていた大沢逸美という人は久しぶりに見た(むかし少し好きだった)。イメージがかなり違うが、ふとした表情の変化に昔の面影が感じられると言えなくもない。
[DVD(邦画)] 0点(2016-04-22 23:44:19)
280.  北の零年 《ネタバレ》 
DVDの時間表示で02:48:58にも及ぶ長大な映画であり、物理的な大作感は十分である。欠点と思われることはここまでの間にほとんど書かれているが、特に自分としてはわざとらしく芝居がかった感じの人の動きや事件や展開が気に障る。序盤はまだしも後になるほど違和感が拡大して、終盤に至るともう嫌悪すら覚える。また、最初はさんざん嫌な奴に見せておきながら実はそれぞれ事情があり真心もあり愛もあって、最後は全員が都合よく”本当はいい人”の範疇に取り込まれていくような展開は、全ての人に暖かく優しい目を向けています、というようなことかも知れないが、個人的には安っぽく幼稚に感じられる。   一方、この映画で感動的だったのは何といっても中盤の「夢を見ているようだ」であり、これは具体的にそういう経験がないにもかかわらず激しく共感する。堰を切ったように号泣するなどというのでなく、娘を膝に抱いて微笑みかけようとしながらも感情があふれ出てしまうのが奥ゆかしい。「どうして泣いているの」と尋ねるこの子がかわいいから泣くのである。 しかし、そういったプラス評価を完全に覆してしまうのが終盤の展開である。この映画は男が生命を棄てて正義を回復し、妻子のために殉じようとするのを無益なものとして否定するのか。それだけの決意をした男を「死なないで」で泣き落とそうと思う発想が気に食わず、また「生きてください」という発言も“とにかく人は死んではなりませぬ”という程度の観念的かつ無責任な綺麗事のようにしか聞こえない。“下郎”の妻のように生物学的に生きて繁殖するのが第一義というなら随意にすればいいだろうが、個人のプライドなど全く頓着なく自分のペースに巻き込まなければ気が済まないというのはどれだけ能天気で傲慢であることか。  そういうわけで激しい憤りを覚えたので、当然ながら零点である。  なお知り合いの淡路島関係者が、劇中の稲田家当主の扱いが変だといって怒っていたのでついでに書いておく。それからどうでもいいことだが、見ているとまず戸を閉めろと言いたくなる場面が目立つ。北海道は冬でも温暖なのか。
[DVD(邦画)] 0点(2013-11-18 19:54:46)(良:3票)
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