2781. たそがれ清兵衛
幸せ、不幸せは自分の心の持ちようで、自分が感じるもの。自分の胸の内に譲れる事と譲れない事をしっかりと抱き、他人に何と思われ何と言われようが、娘の成長を楽しみに日々を過ごす清兵衛。その淡々とした様子が芯の強さ、優しさを見せ付けてくれる。ところで、今の世の中、便利で手間要らずしんどさ要らずの豊かな生活ぶりだけど、大量の資源を使った上に成り立っていて、子孫の時代に資源も自然も枯れ果てているように思える。幕末時代に戻る事はないが、便利さ一辺倒ではなく少し時代を戻したほうが良いように感じた。 7点(2004-05-02 00:35:15) |
2782. スケアクロウ
《ネタバレ》 変わる事が出来なかったのが、知り合って付き合ってゆくうちに心揺さぶられ、変わってゆける事が出来るのを実感させてもらった作品です。そして壊れてゆくライオンを観て、辛さ、苦しさ、悲しさに一人で持ちこたえていて、いよいよアカンという土壇場の時に、助けを求めて一緒になって持ちこたえてもらう(逆の立場でも勿論です)。一人でいいからそういう友を持つ事が出来れば幸せだと感じました・・・・・・・・・・・・が、近頃、自分にとって真に大切な人を、自分が吐きだした悲しみや辛さを受け止めてもらう便器や洗面器にしてはならないと考えるようになり、この作品を思い出しました。どれだけ悲しくても辛くても腹に呑み込み、それで壊れるのも止む無しです。ライオンはこの後必ずや復活するものと信じています。 [DVD(字幕)] 7点(2004-05-01 00:43:35) |
2783. 永遠のマリア・カラス
全盛期が偉大であればある程衰える事は辛い。昔に戻れないと分かっているであろうに夢を見てしまったカラスとラリー。夢の部分である「カルメン」。オペラの知識が無い自分には、理屈ぬきで胸に響いた。このまま突っ走るのか、どこで夢から覚めるのかと観ていたのでラストの二人は切なかった。早くに逝ってしまったカラスは、第二の人生の舞台は自身考えられなかったのかと思うと悲しい。威厳に満ちた姿、美しさ、痛々しさ。ファニー・アルダンの演技は圧巻。 7点(2004-04-26 08:20:16) |
2784. アマデウス ディレクターズカット
大好きなモーツァルト。全て聴いていないが、優雅で不自由のない生活を送る中で、幼少の頃から数々の名作を作り出した貴族と思っていたのが、音楽以外の事は子供並みの無邪気さと、お金に苦しむ姿は意外だった。神に類い稀なる才能は与えられたが、あまりに早く召されてしまったのは幸せだったのか不幸せだったのか。音楽を心から愛するが故に嫉妬に苦しむサリエリには胸が詰まる。敵わないと認めるのは辛い事だけど、認めた上でたとえちょっとでも近付けるために出来る事をやるという様に考えれば楽になれたのではないだろうか。 8点(2004-04-14 22:16:36) |
2785. ローマの休日
絵に描いた様な美男美女が演じるラブストーリーの王道と呼べる作品。成就しないと理解していても、人は恋をしてしまう。切なさがたまらない。この歳になって初めて観た作品で、グレゴリー・ペックにのたうちまわってしまった。 10点(2004-04-07 07:40:10)(笑:2票) |
2786. 恋愛適齢期
ニコルソンとダイアン・キートンのキャスティングは絶妙。色気が漂う名優が演じる、恋愛について知り尽くしているはずなのに、初恋のような青い気持ちがあらわになる姿を見て、心がときめく想い、恋心、ベッドで愛し合う事に年齢制限はなく、歳はとってしまうものでなく重ねてゆくものなのだという事を感じさせられる。 8点(2004-04-05 22:04:22)(良:1票) |
2787. 訣別の街
《ネタバレ》 どんな世界でも若い駆け出しの頃は、理想に燃え夢を抱くものだが地位が上になればなるほど、清濁併せ呑む事が必要となってくる。超えてはならない一線を超えてしまい、息子のように思う補佐官から引導を渡され、もはやこれまでと腹を括った市長。ラストのパチーノは圧巻で台詞の一つ一つが心に残る。補佐官は今後どのような政治家になるのだろうか。自分はパチーノの抱擁シーンが好きだけれども、この作品のジョン・キューザックとのシーンが一番好き。ミュージカル大好きのアンセルモ役のダニー・アイエロも素晴らしく、地味だけれども見応えのある作品。 8点(2004-04-01 00:13:23) |
2788. 幸福の黄色いハンカチ
男女が愛し合って結婚して夫婦になる。生活って楽しい時と同じ位苦しい時もあり、自分がとびっきり悲しく苦しい時は相手も同じなんだと思える事が愛情だと思う。健さんのラスト臆しているのは自分の事だけを考えていた事に対する妻への申し訳ないという後悔に見えた。 7点(2004-03-24 15:59:02)(良:1票) |
2789. ミルドレッド
子育てに仕事に家事に(どれも満足にこなせず)と髪を振り乱して過ごし、一段落して見る自分の姿に愕然となった時、↓おっしゃる通り勇気づけられる作品。自分は女性なんだという事を忘れず、今から大人になっていきたいと思う。ジーナ・ローランズに惚れた。 【3年近く経ちました】私が心身共に変わる事ができたきっかけとなった本作に感謝です。 [ビデオ(字幕)] 8点(2004-03-17 23:07:06) |
2790. 男と女(1966)
二十年ほど前に観てジャン・ルイ・トランティニャンに一目惚れした作品。今回、久しぶりに観てもやはり素晴らしい作品だった。お互いに心にブレーキをかけながらも少しずつ惹かれあってゆく様子はもどかしいようだが、分別ある大人の恋というのはそういうものだと思う。ジャン・ルイがレースの車でアンヌのもとへ向かう途中のああして、こうしての独り言とアンヌが抱かれながら死別した夫を思い出しているシーンは当時は理解できなく印象に残っていたが、今回は解かる気がした。ジャン・ルイの140㎞/hで走るコーナーを139㎞/hだと負けて、141㎞/hだとスピンするという台詞は凄く印象深い 9点(2004-03-16 00:25:53)(良:1票) |
2791. ユー・ガット・メール
ラストのキャスリーンの台詞は「えーっ? ホンマかいな?」と感じましたが、そこそこ良い作品でした。余談ですが、メールでのやりとりは、色々な事を思い浮かべながら、言葉を選び、時間をかけて考えに考える楽しさがあります。会って目の前にした時は、楽しさに思考は余り働かず、自分の地が出てしまいます。自分の地を向上させるべく日々の精進の大切さを痛感します。 6点(2004-03-14 13:46:30)(笑:1票) |
2792. 暗殺者のメロディ
アラン・ドロンのこの作品は未見で期待していたのだが、いまひとつだった。闘牛でボロボロにされて口から血を吐いて死んだ牛が引きずり出されて解体されるシーンは、三人の子供を殺され亡命して、なおかつスターリンの意志によって殺されたトロッキーの最期を象徴しているように感じた。 5点(2004-03-12 23:42:02) |
2793. レオン/完全版
《ネタバレ》 他の職業とは違いミスをすると命が無くなる可能性が大きい殺し屋というのは、体力や技術と共に無感情でなければ勤まりませんね。超一流のレオンがマチルダに抱いた感情は、唯一愛した弟を失い殺し屋になりたいという彼女を見て、自分が唯一愛した女性を失い殺し屋になった過去が蘇り、殺し屋になるまでの人を愛する気持ちを思い出した事によるものなのでしょうね。マチルダのためにという感情を抱いて散っていった最期は切ないです。一緒に散ったスタン。モーツァルトだベートーベンだブラームスだとのたまいつつ、人の感情が抜け落ちた野獣のような所業と人間離れした表情は、悪役好きの自分にはたまらないキャラクターでした。【追伸】自分はモーツァルトファンですが、ベートーベンファンにもなりました。最近初めて聴きましたブラームスにはシビレました。ゾッコンです。スタンに感謝です。 7点(2004-03-12 20:56:20) |
2794. マイケル・コリンズ
大国のむき出しのエゴが憎悪とテロを呼び、テロが暴力と憎悪を呼ぶ連鎖はどちらかが一人残らず全滅するか、双方に共存してゆく道を目指す指導者が現われない限り終わりが来ないと思う。リーアム・ニーソンが出演していた『ミッション』に「力が正しいのなら、この世に愛は必要なくなる」という台詞があったが、絵空事の考えなのだろうか。 7点(2004-03-07 23:38:05) |
2795. 日曜日が待ち遠しい!
ストーリーはそこそこ良かったかなという感じ。自分が大好きなジャン・ルイ・トランティニャンは何時もの静かな凄みは感じられなかったけれどもファニー・アルダンと二人でいい味が出ていて観終わった後味の良い小粋な作品だった。 6点(2004-03-06 09:02:13) |
2796. 恋の闇 愛の光
ロバートの成長を描いているようだけど少しも心に響いてこない作品だった。メグ・ライアンの心境もよく解らなかったし、ヒュー・グラントも気持ち悪い奴にしか見えなかった。 3点(2004-03-06 07:42:29) |
2797. 愛と精霊の家
愛を欲しがるばかりで決して人には与えないエステバンが孤独になっていくのを見て『市民ケーン』が思い浮かんだ。ブランカが拷問されたのは因果応報というか神がエステバンに与えた罰なのだろうか。豪華キャストの中でアイアンズの超老け役は良かったが、何よりフェルラ役のグレン・グローズが素晴らしい。朽ち果てたような最期の姿は強烈で、もっと生きていて欲しかった。 6点(2004-03-05 15:32:11) |
2798. 駅 STATION
誇りと信念を持って職責を果たす三上刑事。その職責は、他人の命を絶つ事の苦しみを伴い、男女の情よりも重い。そんなやるせなさを「舟唄」流れる空間がかきたてます。 [ビデオ(邦画)] 7点(2004-03-04 18:21:45) |
2799. リクルート
最近、疲労困憊の役が続き、年齢的にそういう役しか回ってこないのかと心配していたので、この作品のパチーノを観てパチーノはこれでなくてはととても嬉しかった。この道何十年、全て知り尽くしている者が青いにいちゃんを手玉にとるくらいわけは無いとたかを括っていたのが足もとをすくわれる話でパチーノの目が変わってゆくのが見応えがあってさすがの存在感である。 7点(2004-03-01 00:29:55)(良:1票) |
2800. シエスタ
バーンが出演しているので観たのだけれど、ストーリーが退屈で、エレン・バーキンがうっとおしく、どうにかこうにかラストまでこぎつけて、「そういう事だったのね、だからどうした」と言いたい。ああ、しんどかった。 3点(2004-02-29 17:30:45) |