2941. モンスターズ・インク
《ネタバレ》 ただ女の子が迷い込んですったもんだの末無事に帰っていったという、ほとんどその一言で説明が尽きてしまうような内容であり、前提となるべき作品のテーマがまったく定まっていない。結果、追いかけたり追いかけられたりを繰り返すだけの単調な作品になってしまいました。 [ブルーレイ(字幕)] 3点(2010-01-07 00:30:42)(良:1票) |
2942. ビルマの竪琴(1985)
《ネタバレ》 一番意外であり、かつ問題だとも思うのは、中井側と石坂・川谷側を並行して描いていること。中井が何をしているのかみんな分かっているわけだから、途中のすれ違いや最後の対面の場面でも、ドラマチックさもスリリングさも発生しない。原作がどうあれ、あくまでも視点は本隊側からに徹すべきだった(それでこそ、中井との再会のドラマが生まれる)。しかも最後に手紙という切り札があるんだから、中井の行動の秘密はここで回想シーンを入れれば解決できるでしょ。この作品ではクライマックスのこの部分も「ただ読まれているだけ」です。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2010-01-07 00:15:12) |
2943. マイ・フェア・レディ
尺が長すぎるのももちろん問題なんだけど、そう感じさせる理由は、第1に、それぞれの楽曲がつまらないこと。第2に、台詞の部分で、みんな舞台からそのまま持ってきたかのようにワーワーうるさいこと。映画にするのならばそれに即した作り方をしてほしかったと思います。見ていて疲れました。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2010-01-05 02:30:45)(良:1票) |
2944. アバウト・シュミット
《ネタバレ》 導入部分は、見知らぬ子供への援助という善行と手紙で愚痴や雑言をこぼしまくる内容のギャップがよかったのに、それはいつの間にかどこかに行っている。次に、娘から来訪を拒否されて、そこで人生のポイントをめぐって行くのかと思ったら、それもあっさり切り上げてすぐに娘のところに着いている。また、妻との関係でも、娘や婚約者との関係でも、どこが問題でどう整理されたのかが不明。つまり、すべてが中途半端なのです。なので、ラストのニコルソンのアップも、予定調和にしか見えません。手紙に切れて妻の衣服を処分したりとか、招待されたキャンピングカーからすたこら逃げ出したりとか、そういう小市民的な混乱・破綻は面白かったので、そこで押してほしいところでした。 [DVD(字幕)] 5点(2010-01-04 03:22:12) |
2945. 東京裁判
ひたすら地道に誠実に記録映像と事実の叙述を積み重ね、しかもそれを膨大な量にもかかわらず系統的に分かりやすく整理している。基本を大事にした一流のドキュメンタリー作品だと思います。この分量でも東京裁判の全体像からしたらごく一部の要約にすぎないのでしょうが、それでも、見た者を「その次」に進ませるだけの力があります。最初から最後まで力強く進む佐藤慶のナレーションも白眉(彼は翌年、大河ドラマ「山河燃ゆ」でよりによって田中隆吉役をやるのだが、どんな気分だったんだろう・・・)。 [DVD(邦画)] 7点(2010-01-02 05:18:30) |
2946. 初雪の恋 ヴァージン・スノー
《ネタバレ》 序盤のところは、韓国のラブロマンスと日本のラブロマンスの違いが見事なくらい悪い方に作用しています。何であの2人がうまくいくのか、まったく説明も説得力もないですね。中盤以降も展開に何の工夫もありません。目標もポイントもなくずるずると最後まで続けているだけです。 [地上波(邦画)] 2点(2009-12-31 00:39:16) |
2947. レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語
次々に変な大人が現れて不幸が訪れるのはいいのですが、それに対して子供3人組が反撃らしい反撃もせず、そもそも事態を前向きに解決しようという意欲すら感じられないのは、映画の主人公としていかがなものか。ストレスが溜まるだけの内容でした。長女役の人の可憐な雰囲気に3点。今度はちゃんとした作品で見たい。 [DVD(字幕)] 3点(2009-12-30 03:11:30) |
2948. アバター(2009)
《ネタバレ》 ジェームズ・キャメロンが偉いのは、3Dという使いやすい宣伝文句を前面に押し出しながら、その中で一貫して「自分のやりたいこと」をやっているということである。勧善懲悪、強い女性キャラの登場、最後は一大決戦ですかっと決着。80年代から愚直なほど手法が変わってないのには感心する。それと、見ていて終始嬉しかったのは、特殊映像と効果音の洪水に紛れて、ジェームズ・ホーナーがここぞとばかりにやりたい放題コテコテスコアを炸裂させまくっていること。笑みが止まりませんでした。私にとっての見所はその2点。 [映画館(字幕)] 6点(2009-12-30 03:02:44) |
2949. 道頓堀川
視点がやたら不安定なのが見ていてすぐに目につくが、これは、主人公(=真田広之)の背景や日常生活を各場面にきちんと落とし込まなかった制作者側の責任だと思う。山崎努にしても佐藤浩市にしてもカルーセル麻紀にしても、ここぞというところで主演級に力が入っており、それによって主人公の影がどんどん薄くなっているのである。輪をかけて、慣れない関西弁がフィルターとなって各俳優も本領発揮とはいかず、したがって作品自体のイメージはそれほどよくない。ただ、徹底して道頓堀界隈を撮り切った映像の力で、何とか一本の存在感を通している。 [DVD(邦画)] 5点(2009-12-29 02:08:52) |
2950. 美しすぎる母
《ネタバレ》 ジュリアン・ムーアがこれほど不細工に映っている作品って、彼女のキャリアの中でも初めてなんじゃないだろうか。その時点で、この作品は何をやってもまったく説得力がありません。その点を措いたとしても、脚本も何が言いたいのか分からないんですけどね。日常生活内での圧迫やフラストレーションの描写がないので、ラストのナレーションを聞いても「えっそう?」となってしまいます。 [DVD(字幕)] 3点(2009-12-28 00:27:49) |
2951. 小さな悪の華
《ネタバレ》 邦題どおりこの2人がやっていることは「悪」行だらけ。しかし、それをどうこう言う気が起きないのは、その行動のすべてが一つの「不安定性」への立脚に徹底しているからである。だからこそ、ラストではちょっとしたことで動揺し、その刃を躊躇いなく自分たちに向けて完結する。この迷いなき一貫したベクトルが辛うじて作品世界を成り立たせていると思う。 [DVD(字幕)] 6点(2009-12-27 01:08:52) |
2952. 天使の贈りもの
どうみても主題が最後まではっきりしないし、90分前後でもできそうな話を延々引っ張っている感がありあり。ただ、もっとまずいのは、ホイットニーは歌っているときはとても楽しそうなのに、演技の部分ではあからさまにテンションが落ちていること。あと、天使がデンゼル・ワシントンというのも、どうも何か重たすぎですね。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2009-12-26 00:36:29) |
2953. ウェディング・クラッシャーズ
《ネタバレ》 設定自体がいかにも設定のための設定という感じだし、ラブコメの部分に目を向けても、特段新鮮味や面白みが見当たらない。ただし、この作品の価値は、ジェーン・シーモアの現在の動く姿が見られること。不朽の名作「ある日どこかで」の麗しのお姿から25年、その美貌は面影にとどめつつも、いきなり今度はぶっとんだ母親役で、しかも半裸で若い男を誘惑する・・・何をやってるんですかお嬢様・・・。この複雑な感情に3点。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2009-12-23 12:19:53) |
2954. 世界
ひたすら一本調子で似たような感じの映像が流れているだけで、誰が何をしたいのか最後までよく分かりませんでした。中国映画と日本映画とフランス映画の欠点だけが重なってしまったような感じ。静寂と沈黙を多用した作品世界の雰囲気は悪くなかったので、もう少し何とかならなかったのでしょうか。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2009-12-21 02:15:28) |
2955. マリアの恋人
《ネタバレ》 設定者側のあらかじめ用意された筋書きの上を登場人物が言われたとおりに動いているだけであり、何かを変動させる迷いや衝動といったものが感じられません。これはB級以下のメロドラマです。ヒロインの男の乗り替え方も、単に目先に表れたよさげな男にひょいひょいついて行ってるだけなんでは? [DVD(字幕)] 4点(2009-12-20 01:12:35) |
2956. アンネ・フランク<TVM>
青春時代から隠れ家生活を経て強制収容所まで、日常生活の何気ない部分までじっくりと撮られた誠実な作品。ラストまで見てから再び最初の方の平和な生活の部分を見返すと、その落差に胸が痛くなる。ただし、隠れ家では本来物音もあまり立てられない、外にも出られない生活であったはずで、その辺の緊迫感や閉塞感が希薄であるのと、あと日記がどのように書かれていたのかという描写にはもう少し気を配ってほしかった。 [DVD(字幕)] 6点(2009-12-20 00:51:57) |
2957. 高校生心中 純愛
設定から筋の運びから音楽からラストの力業の持って行き方から、何から何まで昭和40年代の懐かしドラマの香り満載。これでは低い点はつけられません。説明台詞の数々も俳優の皆様の赤面するようなくさい演技も、どうでもいいのです。「何でそこでそういう行為に出る!?」と突っ込みたくなる行動でも、登場人物は何の疑いも持たずにそれに突き進んでいる。そこがいいのです。 [DVD(邦画)] 6点(2009-12-15 02:52:15)(良:1票) |
2958. 黒い画集 あるサラリーマンの証言
松本清張の作品は、基本的に淡々と筋を追っていくだけのものが多いので、映像化しても、よほどオリジナルなデフォルメを入れない限りは突出したものにはなりにくい。この作品もその枠を超えてはいないが、要点を突いてコンパクトにまとめており、またちょっとした描写にも気を遣われてもいるので、それなりに面白くはある。説明台詞の多さが難点。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2009-12-14 02:27:07) |
2959. ボビー・フィッシャーを探して
ジョー・マンテーニャもキングスレーもフィッシュバーンも、そしてもちろん主演の彼も良い演技をしているのだが、何といってもジョアン・アレンの画面引き締め力が圧巻!その辺にすっと立って視線を一つ動かすだけで、場の雰囲気をすべて形作っています。1シーンだけ登場のローラ・リニーにも注目したいところ。演出面でも、駒音とチェスクロック音の重なりで緊迫感を出す手法、画面上の丁寧な光と陰の作り方、クライマックスの間の取り方など随所にこだわりがあり、単なる物語の叙述にとどまらない一つの世界を創りあげています。 [DVD(字幕)] 7点(2009-12-14 00:48:51) |
2960. 三人の妻への手紙
出だしのところで、これはまさに船上という閉鎖空間で各人の思惑と疑心暗鬼が衝突し、そこから3人の道が分かれていく・・・みたいな展開を勝手に予想してしまったので、多くが淡々とした回想シーンで流されるのに拍子抜けしました(しかも、それぞれの筋が必然的に絡み合っているわけでもない)。ラストのスマートな締め方で大分得をしている気がします。 [DVD(字幕)] 5点(2009-12-13 01:35:39) |