281. 徳川家康
《ネタバレ》 同じ原作の大河ドラマを見ていたのですが、劇中の侍がやたらと泣きまくったりして、つまらなかったので早々にリタイア。で、この映画を見たら、やはり何かというと号泣しています。とすると、あれは原作通り? どうも見ている方はそこまで悲しいのかがわからず、白けてしまうのですが。 全体としてエピソードの羅列のためか、話が平板で退屈。竹千代と母のエピソードなど、ポイントで決まっているところはよかったのですが、そういう部分が少なくて残念です。金の折り鶴の使い方もいいです。しかし何より、誰が主人公なのかよくわからない話の展開には不満を覚えます。 あと、やたらと叫んでいるような台詞が多いのですが、その叫びもワンパターン。信長役の錦之助は存在感があり、この人が出てくると多少面白くなるのですが、間延びした話ではそれもたいして保ちません。どうもテレビと合わせて考えると、原作自体がつまらないんじゃないかと思えてきます。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2015-04-12 10:05:57) |
282. 許されざる者(1960)
《ネタバレ》 これは今作るとしたら、間違いなく「インディアン差別批判」の映画になるでしょう。しかし55年前には、インディアンは「家族の絆は何より大切なのだ」という、家族至上主義を主張するための道具にすぎません。なにしろ、最後には家族のためにバンバン皆殺しにしてますからね。こういう映画を見ると、改めてアメリカ人は恐ろしい(恐ろしかった?)のだと感じさせられます。今見ると何が「許されざる者」なのかもよくわかりませんが、家族のために妹の実の兄とその同胞を皆殺しにするのが許されない? それならば常識的な線ですが、この映画に常識的なものを期待していいものやら……。実はインディアンなのに、白人一家の家族になっているヒロインが許されないのか。内容からすると、こっちの方がしっくり来るように思えます。 まあ何にせよ、ひどいというかおぞましい映画でした。この手の話が2度と作られないよう祈っています。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2015-04-06 19:43:30) |
283. 怒りの用心棒
《ネタバレ》 いやぁ、まさかマカロニウェスタンで政治劇が見られるとは思いませんでした。ガーフィールド大統領暗殺事件と思わせておいて、実はケネディ大統領暗殺に材をとり、なかなか渋い政治ドラマを展開しました。 本作の面白い点は、主人公のビルは、あくまで父や友人を殺された復讐として敵を追っています。彼から狙われるピンカートン一派は、伝統的な南部の価値観を遵守しようとする保守派で、州知事や保安官も一枚噛んでいます。そして大統領や側近のマクドナルドは、もちろんアメリカという国の行く末を視野に入れて行動しています。こうした価値観の違い、個と公との視点の違いが、全編にわたって物語を支配しており、そこから生まれてくる齟齬や腹の探り合いが面白い。ある時は対立しまたある時は手を結ぶという展開は、マカロニらしいと言えるでしょう。 もちろんそれだけではなく、アクションも適度に盛り込まれてあります。ただ、主役であるジュリアーノ・ジェンマの見せ場は、意外と多くありません。ここでのジェンマは、あくまで「主要人物のひとり」という立場です。しかしそれが逆に、物語に厚みを持たせています。彼を助ける新聞社の2人もいい味を出していました。なかなか見ごたえのある拾いものです。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2015-04-03 19:49:17) |
284. 独眼竜政宗
私はこの手の映画やドラマを見るとき、事実に沿っているかどうかはあまり気にしません。映画は基本的にフィクションだと思っているし、歴史のお勉強ではなく楽しむために見ているのだから、面白ければよし。本作は原作はなく、オリジナルの脚本のようですが、観客を楽しませようとドラマチックな事態を次から次へと繰り出してくるところは評価できます。アクションあり、合戦あり、主人公の葛藤ありと、90分程度の映画としては色々な要素を盛り込んでいて、飽きずに見ることができました。ヒロインはお姫様の大川恵子より、佐久間良子の方がいいポジションを取ってました。その父親が大河内傳次郎だったり、輝宗役が月形龍之介だったりと、それなりに豪華なキャストも見ものでした。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2015-04-02 20:32:07) |
285. 続・さすらいの一匹狼
《ネタバレ》 本作の主人公、女性を助けたり、悪い奴にだまされたりして、映画としては善人に描こうとしているようなのですが、どうも完全に善人とも思えない。被害者的な役回りなのですが、あまり共感できないというか、主人公として少々弱いような気がします。こういう人物なら、もっとタフさがほしいのですが、ジュリアーノ・ジェンマのように甘いマスクではそこは期待できません。ジェンマには合っていないのでは。彼を助ける医者と保安官のコンビは面白かった。 あと本作で興味深かったのは、有力者に煽られて町の人間が主人公をリンチにかけようとするところ。これ、現代では「炎上」という呼び名で、ネット上でしばしば見かけます。この場合、有力者に煽られているわけではありませんが。要するに正義を行使したい、正義の側にいると思いたいという自己満足から、悪と思うものを集団で攻撃する。人間というものは昔から変わらないのだということを感じさせました。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2015-03-26 19:45:21) |
286. 素直な悪女
《ネタバレ》 どこが悪女なんだか。まわりの男が勝手に騒いでいるだけで、それを「女がエロイせいだ」と言うのは、一方的に責任転嫁してるだけ。女が挑発したからレイプしてもいいという理屈と同じですよ。特に長男は、ジュリエットに対して「一晩寝れば十分」と言ったり、あげくの果てには売春婦扱いしたりしてますし。 しかし当のジュリエットは、長男に対する思慕を捨てきれず、ミシェルと結婚しても悶々として過ごす日々。そんな迷える娘の心情をブリジット・バルドーが繊細に演じていて、私としてはそちらの方に魅せられました。まあこれに関してはミシェルがいまいち覇気がない、ということがあるようで。鬱屈を吹き飛ばすかのように踊り狂ったあと、ミシェルに平手打ちされてやっと平静に戻るわけですが、これはミシェルが夫としての「力強さ」を示したことが原因でしょう。つまりこの映画は、とことん男目線のマッチョな思想で作られています。そのあたりがどうしようもなく古いというか、かび臭い時代遅れなわけですが、先にも書いたような、自分でもどうしようもない思いに悩むジュリエットには、青春ドラマとして現代にも通ずるところがあって、そのあたりを高く評価しておきます。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2015-03-22 20:39:32) |
287. 水戸黄門(1978)
《ネタバレ》 テレビの水戸黄門をよく見ていたのは子どもの頃で、当時はご老公=東野英治郎、助さん=里見浩太朗、格さん=横内正という布陣でした。この映画では格さんが大和田伸也に替わっていますが、だいたい私のイメージ通りです。特にご老公の高笑い、やはりあの「カッ、カッ、カッ」というのでなければいけません。 お話の方は思ったよりもまとまっていて、前半のニセ黄門騒動はコミカルな味で楽しめます。遠藤太津朗や稲葉義男もなかなか笑わせてくれます。メインの悪役には安部徹と川合伸旺が登場し、安定感のある悪党ぶりを見せてくれます。 特別出演の三船敏郎は中盤に殺陣があり、最後はおとなしいのですが、やはりレギュラーに花を持たせるためにはしかたがないでしょう。ちなみに映画のためか、助さん格さんも相手を斬りまくっています。 おなじみの面々によるいつものストーリーに(序盤にはちゃんと火事もある)、それなりにリッチなゲストを迎えた楽しめる劇場版でした。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2015-03-18 20:17:08) |
288. スパルタカス(1960)
《ネタバレ》 なかなか面白い。なにが面白いって、最初はスパルタカスによる「奴隷の反乱」を描いていたのに、だんだんとローマでの勢力争いに比重が移っていき、終わってみれば、結局そっちの方がメインだったんじゃないかと思えてくるところ。奴隷による反乱という、ローマ帝国の根底を揺るがしかねない事態でさえ、政権を握ることに利用してしまうというしたたかさ、あるいは狡猾さ。最後にバリニアとその子どもは自由の身になったように見えますが、それもクラサスに一矢を報いようとするグラッカスの思惑があってこそで、結局ローマの高官の意志ひとつでどうにでもなるという点では、自由の身からはほど遠いと思わざるをえません。こうした政治劇を描いたシナリオが、現実の政治に目配せしていることは想像に難くありません。もっとも、私はそこまで深く詮索しようとは思いませんが。単なるアクション史劇としてもそれなりに見栄えがありますが、政治劇としても見どころのある、「ひとつぶで二度おいしい(?)」作でした。であればこそ、長時間も気にならないというものです。 ただひとつ、アレックス・ノースの音楽が妙に軽くて重厚さに欠けるようなところが気になりました。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2015-03-16 19:56:57) |
289. ロミオとジュリエット(1954)
68年版だと思って録画したら、こっちでした。しかし古典らしく落ち着いた雰囲気で楽しめました。カラーもどぎつくなく美しい。地味ですが正統派という感じで、いいんじゃないでしょうか。今の観客は、テンポが遅すぎると感じるかもしれませんが。ジョン・ギールグッドが案内役で登場するのも面白い。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2015-03-15 10:15:24) |
290. 暴力脱獄
《ネタバレ》 日本の伝統的な文化が仏教と切り離せないように、欧米の文化の根底にはキリスト教があります。当然映画にもそれが反映されることが多いのですが、宗教的な要素がはっきり示された方が、むしろわかりやすいことがままあると思います。本作のように暗喩にとどめたやり方では、かなりわかりづらくなってしまいます。ということで、どうもピリッとしないという印象でした。 収容所ものとしては、ルークが次第に人気者になっていく前半が面白い。母親の死を知らされて脱走を繰り返すのは、生きる目的を見失ったのか、それとも収容所での生活が外よりも幸せだからなのか。いずれにせよ、後半はそれほど楽しめませんでしたし、“神”に語りかけるあたりも、抽象的で私の理解できる範囲ではありませんでした。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2015-03-02 20:03:08) |
291. バベットの晩餐会
《ネタバレ》 途中までは「おいしい食べ物は人の心を温かくする」とかなんとかいう話だろうと思っていて、実際そういう要素もありました。しかし、バベットが「芸術家は貧しくありません」というところに来て、膝を叩いたわけです。 お断りしておきますが、私は食べ物というのは栄養をとるためのものであり、味はよほどまずくなければ平気だし、料理が芸術なんてアホらしいというか、ある種の驕りだとしか考えていません。だから芸術云々はどうでもよくて、「貧しいか否か」がポイント。もちろん金銭的な貧富ではなく、精神的なものです。その点からいえば、主人公姉妹や彼女たちを取り巻く村人も、「貧しくはない」人々です。それが年を経るうちに貧しさが忍び寄ってくる。それがバベットの料理でふたたび心の豊かさを取り戻す、という結末でした。この「心の豊かさ」を描くために宗教が使われているわけですが、それはヨーロッパ人にとってわかりやすいからでしょう。信仰心が厚くても心の貧しい人はいるようで、宗教だからどうこう言うのはあまり適切とは思えません。また、姉妹に心惹かれながら去っていく男性が軍人とオペラ歌手(しかも得意なのがモーツァルトの『ドン・ジョバンニ』)というあたりも暗示的で、うまく対比させていたと思います。 まあ、芸術というか、料理を作る過程もいかにもおいしそうに描いており、グルメ映画としても成功の部類でしょう。しかしそれ以上に、「清貧の高貴な魂」を慎み深く描いていたという点に引きつけられました。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2015-02-28 20:13:30) |
292. 南国土佐を後にして
《ネタバレ》 渡り鳥シリーズの原型ということで見てみたのですが、話の結構は異なっていて、前科者が世間からなかなか受け入れられず、恋人を救うため一度だけ元の世界に戻るというもの。一応最後あたりは格好いいのですが、それまではうまくいかない主人公。かなり爽快感に欠けます。前科者の立ち直りと、恋人を横取りされた話のからみも、うまくないと思う。さらに、主人公に横恋慕する中原早苗がうっとうしい。どうも、悪いところばかりが目立ちます。西村晃が飄々とした役で、いい味を出していました。 私にとってペギー葉山さんといえば、子どもの頃NHKの歌番組で見た「歌のおばさん」なので、それ以前の若い頃の映像が見られたことが、個人的には収穫でした。けっこうイメージが違うというか、受ける印象が違いました。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2015-02-26 20:13:05) |
293. 帰ってきた若大将
《ネタバレ》 というわけで(どういうわけだ?)帰ってきました、若大将。ただし、ヒロインは草刈正雄版にも出ていた坂口良子。おばあちゃんの飯田蝶子が死去したため、やはり草刈版に出ていた賀原夏子が、代理のような形で出演しています。 お話の方は、あいかわらずといえばあいかわらず。しかしどうも、若大将と純子さんの接近度が弱いように思え、純子さんが嫉妬する展開に違和感を感じます。若大将も恋愛に関しては淡泊なように思えますし。これに対して、青大将は例のごとく。特に後半は、手紙を取り返すドタバタの展開でほとんど主人公なのですが、このシリーズのドタバタの例に洩れず、たいして笑えない。さらに、死ぬだの何だのと、これもあいかわらず幼稚な言動を繰り広げていて、見ている方は疲れます。ただしラスト、純子さんを若大将に譲るという展開では、男気を見せてなかなかいいです。これまでシリーズを見てきた者としては、「恋より友情をとる」という内容で、嬉しくなります。 田能久のメンバーの出番が少ないとか、ほかにも不満はありますが、『若大将対青大将』ではなく、本作でシリーズが終わって本当によかったと思います。それだけでも製作された価値があるでしょう。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2015-02-16 19:50:51) |
294. ショコラ(2000)
《ネタバレ》 ジョセフィーヌが逃げ込んだあたりで「原作者は女性じゃないの?」と思ったのですが、案の定でした。いかにも女性原作という感じの甘いご都合主義。冒頭「むかしむかし」で始まり、北風と共にやって来るなど(メリー・ポピンズかいな)、メルヘン調の要素があるのですが、どうもそれをある種の「逃げ」に使っている感じ。メルヘン調だからご都合主義が許されるというわけでもないでしょう。旧弊で閉鎖的な村を変えていくというのは必ずしも悪くないですし(ただし、全面的に肯定するわけでもありません)、特に最後の神父様のお説教は普遍性があり、大変よいと感じました。しかし、その芯を包むパーツが好ましくない。嫌な亭主は出て行き、ラスボスである伯爵は改心し、すばらしい恋人にも巡り会い、何よりも放浪の宿命から解放される。特にこの最後のところが、最高に(最低に?)がっかりです。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2015-02-09 22:03:21) |
295. 若大将対青大将
《ネタバレ》 いよいよ若大将を加山雄三から大矢茂に譲る、とした作品。ついでに(?)青大将も石山新次郎から後輩に譲られた……はずなのですが、新次郎はほとんど主役級の露出度。製作側が大矢茂に不安を感じ、かといって加山雄三を前面に出せないものだから、田中邦衛におんぶにだっこしたのは明白です。しかし青大将の幼稚な言動をほぼ全編にわたって見せられては、さすがに辟易します。やはり相手になる若大将がいてこそのことで、青大将1人では笑いを取るどころか嫌味なだけ。おまけに終盤、太田に対して説教を垂れるという支離滅裂ぶりでした。社会人になってからのエロオヤジぶりも健在で、まったく魅力を感じさせません。 その一方で、田沼雄一も引いた形ながら登場します。節子さんも健在ですが、太田の相手として圭子ちゃんも出てくるので、カップル二組はさすがに見ていてめまぐるしい。おまけに最後は雄一と節子が結婚することになったで締めていて、「若大将引退」を印象づけようとしたのかもしれませんが、これでは誰が主人公なのかわからなくなってきます。 とはいえ、本作にも取り柄はあります。まず原一民の撮影が美しくてよろしい。岩内監督の演出も、鏡の効果を要所に使って面白い。ただ、「アダムとイブのように」の場面は、なぜ色を変えたのかよくわかりませんでしたが……。また、新ヒロインの吉沢京子も若くてかわいらしく、その影響もあってか酒井和歌子がちょっと大人っぽく感じられるのもプラスです。個人的には、この2人が話し合う場面が、全編のクライマックスでした。圭子の気持ちを書いて見せるのはなかなか泣かせる展開ですが、やはり太田が主人公であるのなら、圭子が鈴鹿に行って直接告白するのがスジだと思うのですが。 まあそんなこんなで不満の残る作であり、結局大矢茂の若大将はシリーズ化されずに終わってしまいました。もともと観客が見たかったのは「加山雄三の若大将」なのですから、それで当然という気がします。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2015-02-08 16:54:11) |
296. スタンピード
《ネタバレ》 ユーモアあふれる西部劇で楽しめました。イギリスからヘレフォード種の牛を繁殖させるため、アメリカにやってきた母娘が中心。当然、イギリスとアメリカの違いがあちこちで披露され、そのちぐはぐさが笑いを誘います。これがなかなかうまいと思ったら、マクラグレン監督はイギリス出身だったのですね。これは納得。ブライアン・キース演ずる無頼な牧場主が、母親に感化されて英国風になっちゃうあたりも、かなりおかしい(実はスコットランド出身だったらしい)。あと、連れてこられた種牛が"God save the Queen"を口笛で吹くということをきくというのも、とぼけた味わいがあります。途中でアクション場面はありますが、全体としてはドラマ主体で、それも牛の繁殖を巡るものという渋い展開ですが、「新しいものに挑戦する」という点では、なかなか見せるところがありました。ただ、序盤の人間関係があまりよくわからず、なぜジェームズ・スチュワートが牛の輸送を買って出たのか、そのあたりも不思議でした。とはいえ、旅に出てからはアクションありロマンスありで楽しめました。主要キャストはそれぞれ適材適所ですが、特に娘役のジュリエット・ミルズがよかったと思います。なかなかの拾いもの。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2015-02-03 19:33:32) |
297. セントラル・ステーション
《ネタバレ》 これは結局、父親探しというのは手段にすぎず、いい加減に生きてきたおばさんが改心するお話なんでしょうか? しかしそれにしても、このおばさんには終始魅力が感じられず。いい加減に生きるようになった背景の描き方も雑。その背景に説得力がないから、最後に改心する行為にも説得力が感じられません。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2015-02-02 18:21:18) |
298. 俺の空だぜ!若大将
《ネタバレ》 今回は、若大将が青大将の部下という設定。マンション建築の土地買収でモーレツ社員の若大将が奮闘するのですが、ここでの伴淳三郎とのやりとりは面白い。しかし登場するのは前半だけで、マンションの件もまったく出てこなくなるといういいかげんぶり。後半はもっぱら若大将と節子をめぐる恋の騒動で、これには社長令嬢の英子(応蘭芳)や、大学の後輩・太田たちがからんできます。6人で(?)デートを楽しむ場面は音楽もあって楽しめました。ただ、その後はややドタバタした展開で、話の進み方が強引にも思えました。 このシリーズ、前作から製作が東京映画で東宝は配給のみに。また、大矢茂を2代目若大将にしようと画策しているようで、前作はそれほどでもなかったのですが、今回は準主役格で出番も多いです。それに合わせて節子さんの妹・敏子(松村幸子)もサブヒロイン的に登場し、画面的には華やかでした。ただし前半と後半で話の方向が違ってきているので、全体的には散漫という印象です。小谷監督の演出は、なかなかがんばっていたのではないでしょうか。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2015-01-31 16:16:02) |
299. 世界の果ての通学路
《ネタバレ》 世界各地で、長時間かけて学校に通う子どもたち。その姿を追ったドキュメンタリーという触れこみなのですが……。象から逃げる子供の“走る先”にカメラが待ちかまえていた時点で、「これは本当にドキュメンタリー?」という疑問が浮かび、以降そういう視点で見てしまいました。そうなってくると、4組それぞれがトラブルに見舞われるのも、どうも都合がよすぎという気がしてきます。あの子どもたちが学校に通っているのは事実でしょうし、それを映像に収めたこと自体はそれなりに意義があると思いますが、どこまで“映画作品”を意識して作っているのかということがということが気になります。 それぞれの子どもが、兄弟や友達と一緒に学校に行くことも共通しています。これも映画製作面から考えると、1人だと会話もないので黙々と歩くところを撮るしかない、それでは話にならないということなのでしょう。どうもこういうところに、映画作品の限界を感じてしまいます。そういうことで、あまり高くは評価できませんでした。それなりに意義はあると思いますが。 [地上波(吹替)] 5点(2015-01-29 19:23:59) |
300. ブラボー!若大将
《ネタバレ》 ダメでしょ、これは。社会人編になってから、主に田中邦衛と藤岡琢也で笑いを取っているのですが、本作ではかなりドタバタでウケ狙いがあざとすぎ、ほとんど笑えません。特にグアムに行ってからが最悪。藤岡琢也が水着女性を写真にとってプールに落ちるとか、本編とまったく関係ないですし。このドタバタぶりが、若大将が彼女にふられたり、無職になったり、江口が金を使い込んだりといったシリアスな展開とまったく合っていません。青大将も、相も変わらずのエロおやじだし、節子さんをかっさらって若大将と対決するとか、社会人になって何をやってるんだと言いたくなってしまいます。最後に若大将が社長になるのも、とってつけたような展開で首をひねってしまいます。このシリーズの悪いところを集めたかのようなできでした。酒井和歌子がやっぱりかわいいのが、唯一の救い。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2015-01-26 19:33:13) |