281. 蝶の舌
説明不足な感じはしましたが、幼い少年の目を通して痛烈なメッセージを感じ取れました。ただあの年齢の少年にも自分が言っていることの意味はわからなくとも、行為の悪意は感じているはず。何も言えずに悲しい顔を見せる教師も、あそこでは「それでいいんだよ...お前が悪いのではなく自由な思想を受け入れられないこの国が悪いんだ」と笑顔で少年を見送って欲しかった。あれでは少年も後味が悪すぎますよ。とは言っても号泣したんだけどね... 7点(2002-03-26 05:11:12) |
282. マルホランド・ドライブ
リンチマジックにしてやられたという感じです!自分なりに解釈してほっとしたと思いきや果たして本当に正しいのか、何かを見落としているような感覚に襲われ不安にさせてくれます。主演二人の対照的な人物像がこの作品を物語っています。ブロンドとブルネット、清純美と官能美、光と影、そして幻想と現実。ストーリーの解釈としてはあの青い箱を開く前と後が幻想と現実の境目なんですが、コインの表裏の様にどちらも現実で別の次元で存在している話だとも取れます。そういろいろと語りたくなる映画ですが、前半の展開にとってつけたような伏線も実は現実から目をそらせるためのリンチマジックにはまっている気がします。この監督の好きな所はカットに余韻を残すところです。そしてユーモアと恐怖を混合させるところです。不条理なシーンで笑わせ油断をさせておいて一気に恐怖に陥れるところですね。ツインピーカーには微妙にリンクした作風(赤いカーテンの小人とかウェイトレスの名前が”ダイアン”だったり...)があって嬉しい限りです。感じた方がいらっしゃるかは解りませんが、クラブ・シレンシオでのシーンではスクリーンを隔てて観ているこっちの世界が繋がっているような感覚を覚えました。こういうシーンが作れるだけでもこの監督の力量はスゴイ!!相変わらず凝ったセット(家具とか)の数々はオシャレですよね。 8点(2002-03-26 04:59:24) |
283. 野球狂の詩
キャスティングに完敗です!キャスティングという意味では原作を裏切る事ないキャストの数々。水原勇気に木之内みどり、岩田鉄五郎に小池朝雄、武藤に鶴田忍!内容もアップテンポでこの愛すべきキャラクタ達にくぎ付けです。カメラワークが少しエッチなところ、変な主題歌など「?」なところは日活ならではでしょうか?ラストに至っては何の余韻も説明のないまま終わります...これにはビックリ。それにしても野球嫌いの私でも野球を愛する人たちの熱いドラマが伝わりました。 7点(2002-03-21 20:01:56) |
284. A.I.
感動傑作!!とまでは至らなかったのもも、言いたい事は十分に伝わってきました。アレだけロボット経済が繁栄しているのにロボットに対する法や権利が尊重されていないのは人間の身勝手さでしょうか?いらなくなったからといって破棄してしまう物質社会への痛切な批判でした。ほうれん草を食べたら故障するのに、プールに飛び込んでも大丈夫なんだとか彼等のエネルギー源って何なの?っとシーン毎に疑問があふれ出ました。どことなく淡白な登場人物たち(ロボットだからと言ってしまえばそれまでなところ)のドラマも盛り上がりに欠けましたし、終盤のブルーフェアリーが登場するまでのじらしがイライラしました。ハーレイ君は自分の見せ方をよくお分かりでいらっしゃる!彼自身の演技の幅は広がったものの、果たしてデビットは幸せをつかんだのでしょうか... 6点(2002-03-10 19:14:25) |
285. 姉のいた夏、いない夏
旅先で自殺した姉フェイスの影を追って同じ国々を旅する妹フィービー。姉の死の真相を知るうちに姉の虚像と真の姿に困惑していくんですが、サスペンスでは無く、あくまでもノスタルジックに描いているところは良かったです。自由と刺激を求め次第にテロ犯罪へと手を染めていく姉、一方憧れていた姉が何故自殺をしてしまったのかが理解できないまま自分を変えるられないでいる妹の対象的な設定は共感が得られました。しかしそれぞれが何を考え、何ゆえの行動なのか描ききれておらずに終わってしまい残念でした。かつて姉の恋人だったウルフとヘーキで肉体関係を持ってしまい何故、そんな事ができるのかを描ききれていないので観客の想像に任せているところが返って腹立たしく思えます。姉の自殺現場で「あなたは私を救ってくれた」と勝手に解釈するあたりももうご都合主義以外の何者でもありません。主演のジョーダナ・ブリュースターのでかチチにはビックリしますが、デミ・ムーア似の濃い顔には可愛いとは言いがたい。キャメロン・ディアス自身デビュー前は各国へ放浪の旅をしていたと聞いた事がありますが、恐らく彼女自身もフェイスの気持ちに共感したのでしょう。ただ気になるのがラストシーン。かくれんぼをしていて父親が帰ろうといっても隠れつづける姉とそれを振り切り「Dady!I’m here!」と父親のもとに歩いていく妹。この対比はいったい何を意味するのでしょうか?差し詰め正と死って意味でしょうか? 5点(2002-03-10 16:53:27) |
286. 恋におぼれて
うわぉ、このメグ・ライアン、めっちゃ可愛いじゃないの!!泣いたり、怒ったり、意地張ったりと濃厚メイクも奇抜な衣装も彼女の全てがよし!お互い別れた恋人を引き離そうと画策する元彼と元彼女。元彼氏のキャスティングがチェッキー・カリョっつうのもいいですなぁ。オンボロビルで居座った二人がふと我に返りお互いを意識し始める展開はとても自然でした。ラブコメディとしては中々秀作ですよ! 7点(2002-03-07 03:49:59)(良:1票) |
287. 完全なる飼育
犯人と監禁者に互いの信頼関係が出来たと思えば結局エッチしちゃうんだ。なーんか興醒め...アニメ声の小島聖にクロハゲの竹中直人かぁ...どっも役者的には嫌いじゃないんですが、この作品に関してはちょっと違和感がありました。お隣では監禁されてる人がいるのにだーれも気づかないって事を言いたいのは解るんですが、中途半端な隣人達のエピソードを撮るんだったら主役二人の関係をもちっとしっかり描いて欲しかったです。あっけらかーんとしたラストも効果的じゃないですしね。 3点(2002-03-07 03:38:34) |
288. 時代屋の女房
う~ん。切ない!いい!深夜でやってたので何気なく観たんですが、ヒットしました。突然姿を消した謎多き女性に翻弄され彼女の足取りを追っていく古道具屋の男の話ですが、夏目雅子の掴み所の無いイメージが存分に生かされていました。何故出て行ったのかは解らないんですが、彼女の影を追いながら自分の見つめ直していく渡瀬恒彦の切ない演技が身にしみました。ちょっと白々しい演出もありますが、そこはご愛嬌って事で。「いつかは帰って来る」、そう思いながらも不安でしかたがない男の弱さが滑稽かつ切ないんですよね~。ラストは探すのに疲れた頃に不意と女房が戻ってくるところで終わりますが、私的にはこのまま戻らない方が良かったのではと思いました。ただ渡瀬恒彦がベランダでボーっつと待つシーンにはググッときましたね。なんでもないシーンかもしれませんが、すごく好きです。 7点(2002-03-06 23:48:07) |
289. STACY/ステーシー
まず初めに誰もが思う疑問があります。何故、尾美としのり?!そう、何故彼が出演しているのかが最大の疑問です。演技は巧いし、私の好きな俳優の一人なんですが...フシギです。いわば和製B級ゾンビ映画なんですが、チープな感じが悲しかったですね。あとゾンビ役のおねえちゃん達多数のとち狂った演技も。内田春菊って全体的には大根役者なんですが、一瞬「あれっ?」と思わせる演技しますよね。彼女がゾンビ(ステーシー)化した少女たちに襲われるシーンで「痛いっ!!」って叫ぶんですがそれが妙にリアルでした。っといっても大した事じゃないですが。加藤夏希は単純に可愛いと思いました。 4点(2002-03-05 03:38:01)(笑:1票) |
290. π(パイ)
216桁の文字に潜む恐怖っての?いや~、すごい発想力!!「世の中にはらせんが付きまとう」って言ってるそばからコーヒーにらせんを描くクリームの映像!意味があんのか無いのかよー分かりませんが、数字に対する愛情が少し湧きました。チキチキ言ってるBGMも中々良かったですしね。「ポクッ」って薬を飲むカットはいいですねぇ。あの頭の傷って4に見えるんですが、何か意味があるんでしょうか???ま、凡人にはこの作品は説明できません。ごめんなさい... 7点(2002-03-05 03:28:01) |
291. ペイ・フォワード/可能の王国
善意の押し売りかはたまた新手のねずみ溝か。発想は面白いと思いますが、白々しい演出に興醒めでした。それぞれがいい演技をしていますが、イマイチこっちのハートに響いてこないんですよね。悪意の無い作品ですが、泣かせようとしているのがマルミエ。ラストなんか、何故彼を死なせる理由があるんでしょうか?あれで母親と教師が救われるとは思えません。変なBGMも気に食わず... 5点(2002-03-05 03:20:56) |
292. カニバル/世界最後の人喰い族
「間が悪い!」この作品を一言で言うとこれです。とにかくこの間の悪さが次第に酷くなっていくので見ている人はもうこの強引さをつこっみながら受け止めるしかありません。ロバート役の俳優さんの俳優魂には関心します。チ○コを嫌と言うほど原住民の方々にいじくられるわ、裸んぼうできったない洞窟に監禁されるわ、泥水に飛び込むわでもう、あられもない姿に...しかももっとスゴイのがこの作品を引き受けたことでしょう。哀れや哀れ。 2点(2002-03-05 03:01:07) |
293. 血を吸う宇宙
<*注意:私はこの作品の世界観に溺れていますのでかなり偏ってます。>バンザーイ!ワーイワーイ。前作「発狂する唇」よりはエログロっぽさは薄れたものの、女囚モノ、カンフーアクション等不条理感がパワーアップ。もう、腰が砕けます。始まって早々円谷プロ作品の様なスペーシーな展開にハートをわしづかみ。それからはもう雪崩のようにツボへツボへとヒットしました。ブザーの無いインターフォン、トイレの無い家、唐突に始まる歌謡ショーにカンフーアクション等もう、見るものの想像力をぶち壊してくれます。主演の中村愛美嬢は良くかんばってますし(特にラストのあの顔!!)、前作から続投の阿部チャンに栗林知美に下元史郎など。ラストではあの増田未亜が出てるではないかっ!この作品を形容するならズバリ爆裂ムービです。それにしてもウェスト・バージニア=西乙女とは参りました。3作目も期待します!!私的には10点なんですが、倫理上この点数って事で... 7点(2002-03-05 01:53:25) |
294. ロード・オブ・ザ・リング
まず、P・ジャクソンにありがとうを言いたいです!長い上映時間も気にならないほど魅入ってしまいました。スクリーンの向こうに物語の世界が実在しているかのようで、オープニングを過ぎる頃には気が付くと自分が物語の登場人物の一員になったかの様な感覚を覚えました。前半での先の読めない展開にドキドキし、後半では怒涛の如く涙があふれました!イライジャ・ウッドお得意の勇敢で純粋なフロド役の演技は見事なり。親友のサムなんてどっかで見たなと思えば、あの名作「ルディ」のショーン・アスティンじゃん!!いいよ、いいよ。カンダルフ役のイアン・マッケランの役柄のピッタリで全てのキャラクタが立ってました。一つ忠告→この作品を見る前には必ずトイレへ行くべし。 9点(2002-03-05 01:09:05)(良:1票) |
295. レクイエム・フォー・ドリーム
観終わった後のブルーな気持ちといったらないですよ。観ているものをもドッラグ中毒にさせるかの如きカットの数々。特に瞳孔が開くカットは以外にありそうでなかったアイデアですね。ジェニファー・コネリーがドラッグにはまっていく過程は痛々しいの一言です。ラストでの手に入れたクスリを抱きかかえ安堵の眠りにつくシーンは、マリオンの今後の行く末を考えると末恐ろしいです。ジャレット・レトの不自然なヘアースタイルと、エレン・バースティンの病院での強引な展開はちょっと?でしたので惜しくもこの点数になりました。4人の行く末を一気に見せる展開は見ているこっちがハラハラしました。スゴイ映画でしたが、もう観たくない気持ちでいっぱいです。 8点(2002-02-23 20:00:51)(良:1票) |
296. 八つ墓村(1977)
市川監督&石坂浩二コンビの作品って不気味でグロくても、しっかりと解決するので、後腐れがなかったんですが、この作品の不気味極まりないところ。まさに怨念、たたりじゃぁぁぁっ!!て感じですね。400年前の落ち武者殺しの恨みが長きに渡って復讐する設定は後味悪いです。しかも小川真由美がすすり泣きながらショーケンをしつこいくらいに追いまわすシーンはマジ怖いです。チョット苦しめのカットもいくつかありましたが、オープニングの崖のシーンはスゴイですね。渥美清の金田一像もヘーちゃん版をかなり意識して新たな人物像(天然ボケ/分析型)を作り出しています。この努力に拍手です。 7点(2002-02-19 22:03:17) |
297. 青い夢の女
こういう怪しくてエロっぽい作品、好きですね。特にエレーヌ・ド・フジュロールのフォトジェニックなところは、観ていて息を呑む美しさでした。死体になってもその美しさと非現実的なところは変わることなく、ベネックス監督独特の映像美に酔いしれてしまいました。この作品で重要なシーンに必ず用意されている怪しげな絵画の数々にも注目度大ですね。怪しい人々ばかりだし、夢か現実か不鮮明だし、この雰囲気だけで十分だったのですが、無理に結論を早めてしまい、結果的に肩透かしを食らいました。あえて謎を残して欲しかったですね。精神科医と患者の立場が入れ替わったり、当の精神科医が別の精神科医にカウンセリングを受けたり、さまざまな所でこの物語のテーマである「転移」が観られます。精神科医が犯人だったりね。そのテーマに徹底しているところはベネックス監督の意気込みが感じられました。探れば探るほど面白しろいですよ、この作品。 7点(2002-02-17 21:48:56)(良:1票) |
298. 帝都物語
当時は「漂流教室」と同時上映だった。今は無き映画館での思い出です。ってなんちゅうもん見せんねんっ!!確かに嶋田久作は怪演でした。平将門の子孫っていう設定はワクワクしたんだけどね。お、おねえさん、口からなんちゅうモン出すねん!ういろう?洗濯のり??お、おえっ。 3点(2002-02-17 21:32:11) |
299. 帝都大戦
野沢直子バンザイ!出てきたかと思えば、数分でB29にあっさりとぶっ殺されてしまうというおいしい役?!大・爆・笑!! 2点(2002-02-17 21:28:08) |
300. 十手舞
出ました!もう訳が解りません!いわば仕置き人みたいなお話なんですが、いきなり石原真理子がリボン(新体操)を振りながら踊る!踊る!!その突然ともいえる展開に口をあんぐりしていると今度は夏木マリ負けじとばかりに安っぽいストリップの如く創作ダンス!それも情緒あふれる舞ではなく、覚えたてのジャズダンスなみで!この不可思議ともいえる演出に私の思考回路は音を立てて崩れ去りました。恐るべし五社監督!スタジオセット丸出しの数々のシーンに、忍者屋敷もビックリのからくり屋敷は出るわでお祭りでぃっ!!あ~、またもや思考回路がぁ... 3点(2002-02-17 21:23:16) |