301. 忍者武芸帖 百地三太夫
とにかく、真田広之、真田広之、真田広之と、まあそういう作品。広之さんを鑑賞するという目的(謎のインチキバレエも含めて)に絞って見れば、必ず目的は達成できる。志穗美悦ちゃんは、分かりやすく出番が削られている上に使われ方もひどいんだけど、まともに悦ちゃんを活躍させれば、主役を一気に目立たなくさせてしまうことが容易に推測できるため、作品の目的からいえば仕方ないのだろう。僅かなアクションでも、この人の技の切れは異常。 [DVD(邦画)] 5点(2015-08-02 01:27:01) |
302. レ・ミゼラブル(1982)
《ネタバレ》 実際の尺は3時間40分くらいあるが、内容はそんなに濃いわけではない。一番の問題は、ポイントとなるはずの場面で、そのポイントをついていないこと。ジャベルがマドレーヌに対面して、いきなりフォーシュルバン救出シーンになってしまう(前提としてのマドレーヌへの敬意がないので、後のシーンが引き立たない)。ジャベルの一言でファンティーヌがこときれるシーンがない(ジャベルの冷徹さが表現されない)。バルジャンがコゼットの救出に行った際、テナルディエが悔しがる一幕がない(バルジャンの人格的大きさ、テナルディエのバルジャンに対する屈辱感が表現されない)。修道院に逃げ込む際の「壁上がり」がない(スリルを削ぐとともに、バルジャンの肉体に刻みつけられたものの深さが物語られない)。等々、脇道には結構あちこちに反れている割に、肝心の所が押さえられてないのです。唯一、他の作品より深かったのは、エポニーヌの扱いが丁寧なこと。というか、どうみてもコゼットより出番多いぞ。あと、ファンティーヌが堕ちていく下りを、顔面アップのストップモーションの変化で表現したのは、衝撃でした。 [DVD(字幕)] 5点(2015-05-19 02:33:15) |
303. 敦煌
《ネタバレ》 エキストラや美術関係は頑張って集めていますが、その全体をフレームに収めるのにカメラが専心しすぎていて、肝心の個々の俳優の表情や演技が全然撮り切れていません。展開としても、その場その場で登場人物が思いつきで行動しているだけで、何がその人の背景でありテーマであるのかというところが、ほとんど作り込まれていないのです。少なくとも、ラストをあの方向に着地させるのであれば、学問に向けた主人公の理念なり執念を、作中でもっと描いておく必要があるのでは? [DVD(邦画)] 5点(2015-01-07 03:16:02) |
304. キャバレー(1986)
《ネタバレ》 これだけの豪華キャスト(といっても半分以上はカメオレベルですが)をばんばん無駄遣いして、しかもその中心に据える野村宏伸には何の演技指導もしていないというダメっぷりが、いかにも80's角川。内容は何もないんだけど、まったく雰囲気だけで100分押し切る強気ぶりは、それはそれで見事。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2014-12-27 01:08:31) |
305. 親鸞 白い道
誰が何をしたいのかということはさっぱり分からないのに、全編を通じて制作者の気合だけは異様に感じられるという、謎の怪作。これだけのキャストを埋没させ、シーン同士の相関関係などほぼ無視してでも、とにかく撮りたい絵で撮りたいシーンを撮るという執念の徹底ぶりは、逆に凄い。 [DVD(邦画)] 5点(2014-08-21 03:04:37) |
306. ゴジラ(1984)
《ネタバレ》 前半は、むしろ54年版より良いんじゃないかと思っていたんですよ。俳優陣の演技がちゃんとしているという点において(まだどんくさかった頃の沢口靖子を除く)。しかし、着実に盛り上げる後半部分において、突然話が次々に別方向に行ってしまって、迎撃ミサイルだとか、ビルからのヘリ吊り上げだとか、もうゴジラは全然関係なくなってしまいました。せっかくの役者陣をもっと活用するという発想はなかったのか? [CS・衛星(邦画)] 5点(2014-07-24 02:56:32) |
307. 天国の門
異常に頑張りまくった美術や撮影関係とか、湯水のように果てしなく湧いて出てくるエキストラ群とか、とてつもないパワーだけは嫌というほど感じられるのですが、まあそれにしても、長すぎですね。しかもその割に、各登場人物のキャラクターは、びっくりするほど底が浅く、作り込まれていない。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2014-06-12 01:10:27)(良:1票) |
308. ふるさと
昔一瞬だけ見た記憶のある山奥の映像と、加藤嘉が痴呆症の老人役をやるという強烈なキャスティングからは、もっと非日常の異体験を存分に感じさせる作品かと期待していたのですが・・・登場人物のやりとりは同じようなことを繰り返しているばかりで発展性がなく、その行動もホームドラマ的な範囲内で終わってしまいました。結局、山奥の映像光景によりかかって作ってしまったのではないかという気がします。 [DVD(邦画)] 5点(2014-04-01 23:24:57) |
309. 落葉樹
《ネタバレ》 母親との想い出はいろいろあるのだろうが、ここでの場面選択根拠は、おそらく「主人公が想い出した順」。したがって、各場面に関して、何があったからこうなったとか、どこを受けてこれがあるとかいう関係が希薄であり、全体がほぼ並列である。なので、映画というよりも、再現フィルムを見ているような感じ。 [DVD(邦画)] 5点(2014-01-19 00:28:39) |
310. ロング・ライダーズ
《ネタバレ》 人物設定については、兄弟出演ありきで組んでしまったような感じで、そんなにたくさんメンバーが必要だったのか?という気はするのだが。よって、中盤までは、作った側も、誰をどう動かしていいのか困っている気配があるのですが、終盤、決戦の敗退から脱走までのシークエンスの迫力はなかなか。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2014-01-06 02:54:55) |
311. マイ・ビューティフル・ランドレット
《ネタバレ》 何かここで危機が起こりそうだというところで、みんなが飄々とやり過ごしてしまうところが、いかにもイギリス映画。ただし、デイ=ルイスが出てくると、どんな軽そうな登場人物でもえらく気品があって重々しく見えてしまって、何か作品の方向性が明確にとれないまま終わっているのだな・・・。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2013-11-18 02:14:06) |
312. 危険な女たち
《ネタバレ》 いかにもな人たちが吸い寄せられるように別荘に集まってきて、いかにもな雰囲気の中で事件が起き、それらしい手がかりが撒かれたところまでは良かったんですよ。説明台詞とか、ちょっと安っぽい雰囲気には目をつぶって。ところが、みんなが別荘を去ってからは、出方が脇役っぽかった和由布子や夏八木勲はまだしも、結構なキーパーソン的な感じで出ていた藤真利子も三田村邦彦も出てこない!せっかくあれだけ「どの人でも犯人になれるし動機も想定できる(子供でさえ)」という環境を作っておいて、何でそれを自分でぶち壊すような真似をするの?この落差にはびっくりでした。 [DVD(邦画)] 5点(2013-04-01 03:15:05) |
313. 駅 STATION
《ネタバレ》 これほどの目が眩むような豪華キャストを、こんなに見せ場のない無駄な使い方をするなんて・・・。健さんが主役なんだから、健さんだけ追っかけていればいいだろう、という程度の意識で作ってしまったのが敗因。それと、この構造で行くんだったら、最初は、主人公が離婚に至った経緯と背景を描写しないと、物語にならないんじゃない? [CS・衛星(邦画)] 5点(2013-01-02 02:40:39) |
314. ミスター・ミセス・ミス・ロンリー
内容的には何が何だか分からなかったのだが、22歳にしてこれほど自我の表現をとめどなくあふれ出させている原田美枝子は、やはり凄い。宇崎竜童や原田芳雄ですら、いつしか組み伏せられている。 [DVD(邦画)] 5点(2012-10-07 02:27:38) |
315. コンペティション(1980)
ところどころやたら気合が入っているのだが、一番まずいのは、当事者たちの競技会に向けたスタンスであるとか、周辺人物の立ち位置であるとか、その辺のベクトルが全然はっきりしないこと。それによって、全体の描写がものすごく中途半端になってしまっているし、演奏シーンによりかかった内容になってしまっている。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2012-08-04 00:55:05) |
316. 八月の鯨
主人公の老婦人2人が画面に存在して動いているだけでかなりのインパクトがあるのだが、似たような会話のやりとりが最後まで続き、その間脇役を含めて登場人物にさしたる心理の動きが見られないので、食い足りない印象。むしろ、演出側が俳優陣の底力を使いこなすことができなかったのではないか。 [DVD(字幕)] 5点(2012-07-28 01:34:40) |
317. 子供たちの王様
《ネタバレ》 字を覚えて表現するという一点に特化した描写は、それだけにかえってインパクトを生み出しているが、生徒とのやりとりも特定の1人に集中していってしまったのが惜しい。あと、この邦題は何とかならなかったのか。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2012-07-09 02:07:19) |
318. 白い婚礼
《ネタバレ》 こういう設定なんだから、変に上品にまとめようとせず、オッサンの葛藤や欲望をもっとむき出しにした方がよかったんじゃないかと思うが。ただし、ラストの虚脱感や喪失感はなかなか強力だったので、+1点。 [DVD(字幕)] 5点(2012-05-31 01:20:16) |
319. 瀬戸内少年野球団
《ネタバレ》 野球のシーンはごく一部というのは別によいのだが、それに向けた、あるいはそれを通じた子どもたちの成長がまったく見えないのが難点。神社で正夫と初めて対面し、その後先生にそれを伝えるあたりの下りにはスリリングなドラマがあるが、それ以外は、みんながそれぞれ流れに任せているようにしか見えなかった。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2012-03-27 00:55:14) |
320. 動乱
目のつけどころは良いと思いますが、映画としての作り方が、ただ筋を追っただけで、俳優陣も与えられた台詞を喋っているだけで・・・つまり、形を作りあげるだけで手一杯になってしまい、それぞれの人格やドラマの部分が作り込まれていないのです。結果、肝心の決起の場面でも、必死さや衝動感や勢いというものがありません。脇役にこれだけ個性俳優陣を投入していながら、もったいない。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2012-02-14 00:23:16) |