301. 推定無罪
《ネタバレ》 初見は映画館。久しぶりに DVD で鑑賞したが、なかなかよい映画だと思う。古いテレビドラマを現代風にアレンジして、うまく作り直していると思う。【ネタバレ注意】よい映画とは思うのだが、一度は家宅捜索してるんだから、最後にあっさり凶器が出てくるのはおかしい。どんな緩い“捜索”だったのか。原作の結末とは違うということで少し納得したが、今だったら DNA 鑑定で簡単に片を付けられてしまいそうな面もある。あと、登場人物のほとんどがロクでもない人ばかり。敵(?)役の方が普通に善人。 [DVD(字幕)] 7点(2009-02-10 02:17:21) |
302. レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで
《ネタバレ》 話題づくりのためではあるのだろうが、なんでこの組み合わせでこの映画を撮ろうと思ったんだろう。【ネタバレ注意】作品情報を少しだけ見て、夢を追い求めて成功を獲得する話かと思っていたのが甘かった。そもそも、このタイトルで“燃え尽きる”とは思わなかった。まあ、最初の方から勢いあまって浮気してしまうところとか、「これはハッピーエンドにならないな」と思わせる展開があったので、ある程度は覚悟していたが、なかなかシリアスな話だ。パリ行きを2年か3年遅らせればよい話という気もするのだが、エイプリルの狂気が邪魔をする。狂気でなければ、最後になぜ、あの方法を選んだのかがわからない。フランクに“未練”があるように見えないのだから、自分の夢を果たしたかったのか。精神を患っているジョン役の Michael Shannon は好演。それとラストシーンがよかったので、少しおまけでこの点数。 [映画館(字幕)] 7点(2009-02-10 02:06:03) |
303. ミラーズ(2008)
《ネタバレ》 点数はちょっとおまけ。まあ、オーソドックスなB級ホラーだと思えば楽しめると思う。しかし、ホラーの定番とはいえ、突然大きな音を出して驚かす、の繰り返しは今時どうだろう。【ネタバレ注意】途中で元同僚らしき人が出てくるが、なんであんなに喜んで喋るんだ。何か関係しているのかと思ったぞ。あとかなり異変があった翌日に普通に出勤しているのはどうか。むしろ一晩の出来事にまとめてしまうか、出勤しないでも追いかけられるという設定の方がよかった気がする。おばあさんの強制連れ出しも救いがないという点で疑問。もう少し、自然な展開を考えてほしかった。【さらにネタバレ】おまけの点数はラストシーンによる。ともすれば誘拐殺人という形になりそうなところを、スマートにまとめている。ただ、ああなった場合、左右の感覚も含め、全部逆になるんじゃないのかな。反対に見えるのは、元の世界から見るからでしょ(←なんてことを言ってちゃ映画にならないけど)。 [映画館(字幕)] 6点(2009-01-08 02:13:47) |
304. ミュンヘン
《ネタバレ》 あまり当時の背景を知らないので、分かりにくい部分はあったのだが、それを差し引いても映画としてよくできていると思う。そのうえで、非常に個人的な印象を付け加えるならば、どうもスピルバーグの映画は技巧的になりすぎて、かえって興ざめしてしまうことがある。【ネタバレ】たとえば、女暗殺者を殺す場面などで(ほんとうに血を流しているわけではないので)どうやっているんだろう、と思ってしまい、ふと話の流れから気持ちが離れてしまう。そうした技巧を凝らさない方が、実は物語に入り込めるのではないだろうか。 [DVD(字幕)] 7点(2008-12-25 22:24:45) |
305. 地球が静止する日
《ネタバレ》 オリジナルは未見で、事前の情報収集もほとんどしなかったのだけれど、相当つまらない。【ネタバレ】60年前なら、このストーリーでよかったのかもしれないが、原題の映画のベースに持ってくるのは無理がある。なにしろ、60億の人類の未来を、ちょっと出会った人の出来事で決めるなよ。だいたい70年も調査してきたって人の報告は何だったんだ。これくらいの人情話なんていくらでもあっただろうに。ダメと分かっていても人類を守るために決死の覚悟で戦うとか(それじゃ特攻隊か)、もっと世界全体を巻き込んで一致団結して立ち向かう様子をみせるとか、そういうスケールの大きな話にしてこそ意味があるんじゃないのか。まあ、映像は頑張っているけどね。【どうでもいいネタバレ】冒頭の崖を登るシーン、いかにも雪がニセモノ。興ざめしてしまう。 [映画館(字幕)] 4点(2008-12-23 00:54:08) |
306. ソウ5
《ネタバレ》 シリーズでは最低。ストーリーが破たんしているわけではないが、過去のエピソードに頼りすぎた上に展開が単調。もっとも、過去のシリーズを観てない人は観ないかもしれない。トラップはよく考えられてはいるが、そもそも「ソウ」はトラップを楽しみにする(だけの)映画ではなかったはずだ。 【超ネタバレ】意図的に事前の情報収集をしていなかったのだが、なんだとー、まだ続くのか。トビン・ベルとの契約の噂(5作目まで)とか、ドメイン名(saw5.com までは取得済みで saw6.com は第三者名義で売り出し中)を考えても、これで完結すると思っていたのに。あの箱の中身は何なんだ。メモを置いたのも、結局ストラム捜査官だったのか? 思わせぶりな展開は何だったんだ。ストラム捜査官だって、ジグソウの“ルール”はわかっているのだから、もっと自分の領域で対決すべきだろうし、そうでなくてもルールに従わずに墓穴を掘るな。被験者と回想を除けば、刑事と捜査官しかプレーヤーがおらず、その対決でしかなかったわけで、なんじゃそりゃ。あと、あんなに急激に血液流れ出したら、助かりそうな気がしないよ。それで次もトビン・ベルが出てくるわけ?時が進まないねぇ。追加【ネタバレ突っ込み】最後のトラップ、前の部屋に戻った時点で死体を運びこめばだいぶ改善された気がするな。というか、あのバスタブの水を着衣にでも染み込ませておけば……。 [映画館(字幕)] 5点(2008-12-11 21:18:47) |
307. エバン・オールマイティ
《ネタバレ》 これは劇場公開が見送られてもしかたがない。たしかに、アメリカのコメディは日本で受けにくい分野ではあるのだが、前作はもっと楽しめた。以下、思いっきりネタばれするが、ほんとうにノアの方舟を作るだけ。何のひねりもなく描かれる家族愛。思った通りの行動をとる悪役上司。たしかにノアの方舟がめちゃめちゃデカイのは見ごたえはあるんだが、映画なんだから、それだけで終わらせるなよ。洪水のシーンだってよく作ってあるけど、もう見飽きている人もいるんじゃないだろうか。世界を変えるという話もどこへやら。この脚本に、よくこんな大金を投じる気になったものだ。 [DVD(字幕)] 3点(2008-12-10 19:24:01) |
308. ウォーリー
《ネタバレ》 そつのない脚本、見ごたえのある映像と、やはりディズニー/ピクサーはうまいと思う。思うんだが、それだけに気になる点もある。まず、最初から(といっても700年後の世界だが)感情を持っている設定なんだというところで、ちょっと引いてしまった。まあ、そういうファンタジーなんだ、と納得せざるを得ないというか。以下、さらに大きくネタバレするのだが、途中で宇宙船が傾くシーンがある。そもそも、この手の描写で普通に立っていられるというのは、無重力でプカプカ浮かんでいると絵にならないから“重力のことは意識しない”というお約束ではないのだろうか。その意識させていないはずの重力をネタにしていて、いやまあファンタジーではあるんだが、別の展開にしてほしかった。まあ、そんなことを言っていたら、そもそもあんな高度なロボットを使わなくても、汚染度を計測するセンサーを使って定時通信すればいいのだろうし、宇宙船も、そんな遠くに行かなくても、もう少し近場を運航していればいいわけだが。助けた不良ロボや掃除ロボをうまく使ったり、セキュリティチェックのビデオが再生されるところなどは、見事。 [映画館(字幕)] 7点(2008-12-09 02:34:54) |
309. ホット・ファズ/俺たちスーパーポリスメン!
《ネタバレ》 なかなか面白い。序盤は、すこし展開が遅いかと思うところもあったが(テンポが悪いわけではない)、なかなかどうして引き込ませるつくりになっている。海外のコメディは笑いどころが難しいものが少なくないが(だから日本で上映されないものも多い)、バカバカしい笑いではない練られた脚本が面白い。あちこちに張られた伏線の回収も見事。映画館で観る機会が作れなかったのは残念。 [DVD(字幕)] 8点(2008-12-05 03:21:56) |
310. 最後の恋、初めての恋
《ネタバレ》 最後の恋、初めての恋 いい映画だと思う。前半の渡部篤郎は演じすぎという印象もあったが、シュー・ジンレイをはじめ、みなすばらしかった。こういう悪人のいない話は、かえって展開が難しいと思うのだが、奇をてらわず、落ち着いて話を進めたところがよい。日本を舞台にしていたらテレビドラマレベルかもしれないけれど、別にテレビドラマが悪いわけじゃない。石橋凌が、あまりにいい人でちょっと拍子抜けだった。 [DVD(字幕)] 7点(2008-11-27 00:22:02) |
311. ナンバー23
《ネタバレ》 相当つまらないと聞いていたのが幸いしたか、意外に楽しめた。ジム・キャリーの映画はだいたい好きなので、合っているということなのかもしれない。特別、記憶に残る作品というわけではないし、導入部がやや退屈なのと、オチの語りがやや長すぎる感はあるが、まあ合格点。あと、最後の方で自殺した人は何だったのか、よくわからない。ちなみに、数字はたしかにこじつけなんだけれど「なんでもよい」わけではなくて、23という数字には映画以前に意味があるので、wikipedia で「23エニグマ」を調べてください。 [DVD(字幕)] 7点(2008-11-23 01:45:48) |
312. ファイナルファンタジー
《ネタバレ》 凄まじいほどの駄作。「製作費の10分の1でも分けてくれたらもっといい映画を作るのに」と思っている監督は山ほどいるだろう。「CGだけは評価」している人もいるようだが、この時期のものという点を考慮しても、お粗末。何しろ実写でできることを無理やりCG化しているため、ただ「実写よりお粗末な映像」ができあがってしまった。リアルさを追求したいのであれば、リアルに撮影すればよい話である。たとえば、セリフを語る口元の表現が難しいためか、喋る部分がわざわざ背後から撮影されていたり、マスクをかぶった状態で長々と喋らせたりしている。たしかに、ところどころCGならではの表現が見かけられるものの、実写と重ね合わせれば済む程度の表現でしかない。そして、ストーリーも、映像を補う力がまったくない。変なこだわりを持ち過ぎて、膨大な資金が無駄に費やされてしまった典型的な例だろう。 [DVD(字幕)] 1点(2008-11-19 23:46:26) |
313. オーシャンズ12
《ネタバレ》 大物スターがたくさん出ているというだけの駄作。最後に「予想もつかなかった落ち」が用意されていても何も嬉しくない。キャサリン・ゼタ=ジョーンズが綺麗なのが、わずかな救いという程度。みんな、こんな脚本で、よく出演する気になったものだと思う。 [DVD(字幕)] 4点(2008-11-19 23:32:32) |
314. レッドクリフ Part I
《ネタバレ》 三国志は未読。“話題先行”作特有の不安にかられながら見たが、期待していなかったのが幸いしたか、なかなか見ごたえのある映画だった。投じられた製作費が伊達じゃないということはもちろんだが、登場人物が描き分けられているし(善悪がはっきりしすぎている気もするが)、役者がよい。ただ、周瑜と妻の絡みや、その他、やや気になるほどに長めのカットがあった。戦闘シーンなどをうまく絞り込めば“1本の凄い映画”にできたのではないかという気はする。 [映画館(字幕)] 7点(2008-11-11 01:11:02)(良:1票) |
315. バットマン&ロビン/Mr.フリーズの逆襲
《ネタバレ》 さすがにシュワルツネッガーはミスキャスト。何しろクレジットで最初に表示するのがバットマンの役者じゃないというのが、奇をてらいすぎな感じ。さらに言えば、付け足したようなバットガールの存在もよくわからない。ダークナイトと比べることはできないが、アメコミベースとしては脚本も普通だし、映像もひどいというほどではない。もうちょっとなんとかなったんじゃないだろうか。 [DVD(字幕)] 5点(2008-11-10 00:20:56) |
316. X-MEN2
《ネタバレ》 1を見て、そんなに期待はしていなかったのだけど、割と良い印象。それぞれの能力を活かしている感じがするし、アメコミらしいとはいえ、ストーリー展開も割と考えられていたし、映像も頑張ったのではないか。以下、思いっきりネタバレすると、エグゼビアがいるのに、ジーンが死ななきゃいけないというのは、ちょっとどうかと。あと、ミュータントが全滅しそうなところで操っている人だけ無事だったのはなぜだろう。 [DVD(字幕)] 6点(2008-11-09 23:58:41) |
317. A.I.
《ネタバレ》 前半は説明的なシーンが多い上に、こじつけに近い設定が感じられ、駄作の雰囲気があった。なにしろ冒頭から子供が不治の病を理由に「身代わり」が“最適だ”と言ってしまう設定は、いかにも現実離れしている。どう考えても不妊あるいは妊娠許可のない夫婦を選ぶべきだろう。それじゃ映画にならなかったのかもしれないけれど。食べ物を詰まらせるシーンもあんな設計するとは思えないとか、終盤にさしかかっても、あんな水没した地域で人が働いていたり、“商品”が置かれているというところに興ざめしてしまっていた。そして、この話をどうまとめていくんだろうと思っていたその先の展開が、意外によかった。ご都合主義な展開ではあるのだけれど、親を慕う子供の夢をかなえたという、悲しいハッピーエンドで救われた映画だと思う。 [DVD(字幕)] 7点(2008-11-04 00:53:36) |
318. スウィート・ノベンバー
《ネタバレ》 いい映画。前半の理不尽な展開に対する理由づけは予想できるものではあり、要するに自分を記憶にとどめてほしいサラはヤケになっているだけに見えてしまう面はあるが、ネルソンがやり手の広告エージェントという設定をうまく活かしているし、サラの表情がよく、それをうまく回想シーンで使っている。チャズが意外に絡んでくるのもよかった。けっこう現実味がないという批判意見が多いけれど、映画だし、伏線もうまく回収しているし、ストーリーもわかりやすい。あえていうなら、キアヌ・リーブスのキャスティングが微妙かもしれないが、それほどひどいとも思わない。 [DVD(字幕)] 8点(2008-11-03 01:30:35) |
319. メン・イン・ブラック2
《ネタバレ》 なんというか、あっさりした話。たまたまカタログに載っていた女性に化けて、そのまま最後まで続けるとは思わなかった。また、Kが記憶を取り戻すまでの過程は頑張っている感じがあったが、そこまでの長さに比べて後半があっさり終わってしまう。もう少し、話を膨らませてほしかった。マイケルの記憶が消されないのはなぜだろう? [DVD(字幕)] 5点(2008-11-02 01:27:28) |
320. X-メン
《ネタバレ》 普通の作品。原作がアメコミとわかっているので、多少ナンセンスな設定も受け入れられるし、それほど不条理な脚本というわけでもないのだが、この手の映画にしてはアクションが地味というか、迫力に欠ける気がする。原作からそうなっているのだろうが、ミュータントどうしにかなり力の差があるので、弱いミュータントが強いミュータントに負ける、という展開はちょっと素直すぎる。わかりやすいといえば、わかりやすい作品ではある。 [DVD(字幕)] 5点(2008-11-02 01:10:29) |