3761. グロリア(1999)
さて、ジーナ・ローランズの役をシャロン・ストーンがやるとは、まさに使用前・使用後。いやあ、やるもんだ。元映画では鬼ババアとクソガキという素晴らしい黄金コンビだったが、本作はそういう味わいも無く・・・いやいや、こちらも捨てがたい、そう、この関係はまさに「メーテル&鉄郎」ではないか!ちょっと懐かしいゾ。でも鉄郎があまりにイケ好かないのでメーテルもぶち切れ寸前。そうそう、車掌さんがいないのも物足りないな(どうでもいいっての)。ま、80年の『グロリア』があまりにも独自の世界を築き上げているので、リメイクにあたってかなりアレンジして来たのは、当然のことでしょう。それで盛り上がればいいが、バカに徹するなり何なりの割り切りも無く、よって何だか中途半端(しかしバカに徹したら、80年版のファンはさらに激怒しただろうけど)。イマ風に無難に映画をまとめつつ、それなりに元映画と付かず離れずの展開(公共交通機関を使うのがポイント)、そしてしだいに打ち解ける二人。ベッドを共にし、う~む、少年はきっと筆下ろししてもらったにちがいない(失言ですスンマセン)。ラスト、こりゃくどすぎ。感動するより笑ってしまったよ。ところで、いまだに(99年当時で)なんでフロッピーディスクなんだろう。リメイク作品が時流に乗り遅れてるのは悲しい。 4点(2004-06-12 02:45:16)(笑:1票) |
3762. 聖なる嘘つき/その名はジェイコブ
これは困った映画。どうして、出てくる連中はどいつもこいつもこんなにオシャベリなんだろうか。ロビン・ウィリアムズは職業病だからとりあえず大目に見ようかとも思ったが、誰もかもよくしゃべる、しゃべる(ドイツ兵までよくしゃべる)。さらには大声でヒトリゴト言うのもしつこく、しまいにゃ死人までしゃべるってか? こんなに何でもかんでもセリフで説明されたんでは、映画を「観る」楽しみは損なわれる一方。セリフが多いなら多いで、そこに生活感が滲み、間接的に映画の背景を醸し出す役目を果たしていれば結構だが、そんな器用さも無い・・・。しかも映画の舞台はよりによってゲットー。別に無理矢理、悲惨さ一色で描く必要は無いが、「しゃべり過ぎ」から来る緊張感の無さは、この映画にとって致命的。要するにどう見ても、あくまで「アメリカ人」、なんだな。無論、全編をお涙頂戴で埋め尽くさなかった点は、ひとつの良心ではあるし、ラストを盛り上げるのにも効果的、ではあります(それにしたって安直なオチだと思いますが)。 4点(2004-06-06 00:34:25) |
3763. フラッシュダンス
タイヤキは尻尾までアンコがぎっしりつまっていると嬉しいもんである。これと同じでダンス映画も尻尾までダンスがつまっている方がよいのである。そういう意味ではなかなか良心的な構成のようにも思える、しかしこれは諸刃の剣でもある。本作はダンスを重視して他のすべてを徹底的に割愛した結果、薄皮が破けてアンコがはみ出すに至っている。ここまでくると食べるのにも一苦労。ってか、もはやこれはタイヤキではなくただのアンコの塊ではなかろうか。ジェニファー・ビールス演じるところの松本千秋(?)は人間的な深みに著しく欠け、どうにも感情移入できず、気分的に盛り上がりませんでした。一見ハッピーエンドだが、こんなに斑気では、この先も苦労するだろう。 4点(2004-04-24 23:55:25)(笑:1票) |
3764. ジャッジメント・デイ/合衆国が震撼した日
《ネタバレ》 敵がネオ・ナチというのが新味と言えば新味。でもこの際どうでもよい。いきなりドンパチばっかり続く。背景に流れる音楽もまた、このテの映画にアリガチなB級煽り系音楽・・・と思いきや、これがよく聴くと、おやおや何だか勇ましくも物悲しいメロディ、何だかムード音楽風、いやむしろ演歌調とでも言いますか。さてさて、ドンパチが続く中にも、どうやら映画の主題は、2人の主人公、タネンとPJの友情にあるらしい、という事が何となくわかってくるのだが、残念ながら、2人のうちどっちがタネンでどっちがPJなのか私が認識する前に、早々に一方が死んじゃったよ。これじゃちっとも感動できん。でも、一応泣かせるシーンのつもりなんだろうナ~、という事はヒシヒシと伝わってくる。何しろ、背景の音楽はギター演奏へと変わり、ほとんど古賀メロディかと思わせる泣きのメロディ。さてさて、後半はタネンの活躍なんだけど・・・見どころはすぐにやってくる。まずはホッケー会場での死闘。タネンと敵との銃撃戦の中、何故か選手達はホッケーをやめない。さすがは氷上の格闘技と言われるだけの事はある競技だ。気合いが違う。しまいにゃ、タネンが落としたピストルをパックと間違えてプレーを続ける始末。さすがに不注意だと思うぞ(笑)。それはさておき、その後の展開、敵は核ミサイルのサイロを占拠してしまう。しかもミサイルを操作できる博士を拉致、仲間に引き入れる。まずは政府へ脅しをかけるため、ミサイル一発ぶっ放してやれ! しかしこのミサイル発射のシーンでは、ミサイルを吊るすヒモがあまりにも鮮明に!(見なかったことにしよう)。で、いよいよクライマックス、タネンは仲間と共に、占拠下のサイロへ潜入。敵の数がミョーに少ない気がするが、まあいいでしょう。一方タネン一行の中には、何故か、上述の拉致された博士の娘の姿も。いや彼女の存在はダテではなく、システムに侵入し、ミサイル発射を阻止するという任務があるのだ。かくして、敵の手先となってしまった博士と、それに立ち向かう娘との間で、システム上でミサイル制御の主導権を奪い合う戦いが! 親子でテレビのチャンネル争いをしているかのようで、なかなか微笑ましいぞ! という訳で、結局、敵の野望は無事阻止されるのでした。メデタシメデタシ。う~む。前半のPJの存在は、一体何だったんだ?後半はめっきり忘れられた存在になっちゃった気が。 4点(2004-04-18 00:56:30) |
3765. MOON44
金は無くてもSF映画を撮る事は可能である。アイデアが無くてもやはり撮る事は可能である。両方無いと、チト辛い。でもやっぱり撮れちゃう。そしてそんな映画に似合うのは、やはりB級映画界きっての男前マイケル・パレでしょう(ま、他にもそんな俳優ゴロゴロいそうですが)。大宇宙の衛星、そこでは鉱物資源の採掘が行われてるんだけど、何やらヘンなロボット(ホントに変)の乗る宇宙船がそれを襲う。しかしストーリーはそんな事そっちのけで、潜入捜査官パレの冴えない活躍が描かれております。派遣されたMOON44で出会った訳有りっぽい囚人ジェイク・オニール、演ずるは、おお、『地獄の女囚コマンド』で人気沸騰、皆さんお馴染みのブライアン・トンプソンではないか。これだけでもう、少し得したような損したような複雑な気持ちに。見どころはヘリによる追撃シーン(もろミニチュア撮影でイサギヨさ炸裂)、スターウォーズのパクリだろ、とか、今更言う気も起こらない。ま、しかしですね、無闇にスモーク炊いてみたりする、雰囲気作りのための工夫(悪アガキとも言う)は、観るべきものが無くも無く、手作りの素朴さを味わうには、うってつけの映画ではないかと(ちょっと褒めすぎたか?←全然褒めてないっての)。 4点(2004-02-14 01:11:14) |
3766. ヒューマノイド/遊星寄生体
何やら、プレデターが処刑ライダーになって襲ってくる、と言った趣きの映画、こう言うと何となくオモシロそうに聞こえるではないですか。まあ、どっかの山小屋でテキトーにロケしてでっち上げたような雰囲気ですからね(きっとロケ現場では和気あいあいとして楽しかったに違いない、なんてことを観ながらふと思った)。限りなくチープなんですけれども、この襲ってくる処刑ライダー(っぽい奴)、意外とカッコいいんで、仮面ライダーファンならきっと楽しめますよ、多分。何よりも、超能力者役のオネーチャン、お世辞にも美人とは到底言いがたく、かなりイタダケナイ(そのくせ、超能力で男性隊員の心を読むと、自分が彼に襲われている光景を読んでしまうという・・・観てて気が滅入る)。という訳で、意外な拾い物、と言いたいのはヤマヤマだが、マイナスポイント多数で相殺してしまい、「しょうもない」の半歩手前くらいの作品ですかねえ。 4点(2004-01-24 02:26:32) |
3767. アルファヴィル
ベルリン映画祭金熊賞だそうですが・・・。ワケワカラン系の映画、気に入るか気に入らないかの境界がどこにあるか自分でもはっきりしないのですが、コレは楽しめませんでした。例えば一種のパロディと受け止められたらある程度楽しめたのかも知れませんが、演出の「キザさ」が鼻についた時点で、もーダメ、斜に構えたようなこの映画全体が「見え透いたウソ」としか感じ取れなくなりました。あと一歩、キタナイ部分にまで足を突っ込む大胆さというか、ヨゴレを厭わぬ凄みが、私は欲しいのです、ゴダールさんよ。 4点(2004-01-10 00:24:34) |
3768. ピンク・パンサー5/クルーゾーは二度死ぬ
セラーズ亡き後の作品ですので、失踪したクルーゾー警部をドジな若手刑事が探すストーリーになってます。別にギャグのレベルが下がった訳ではないんですが(というか元々レベルが高かった訳ではないんですが)、どうにも物足りない。そう、結局、「クルーゾーを演じるセラーズ」を観たかった、というだけなんですよね。しかし映画に進むにつれ、彼がボケる度につい「ガンバレ」と応援する気持ちも徐々に芽生えてきます。ところで、この映画の最大のギャグは、キャスティングにすでに表れています。ささ、この映画未見の方で、まだこのオチを知らない人は、キャスティングを見ずにこのままどうか御退場を! 4点(2003-12-14 16:52:38) |
3769. ハワード・ザ・ダック/暗黒魔王の陰謀
なんとなくフツーに面白くなく、と言って全然楽しめないわけでもなく、この程度の映画にラジー賞ってのも何だかもったいない気が。なまじ実写でやるから気色悪いんで、アニメだったら、も少し違和感なかったでしょ。しかし、ナニとナニがナンのために戦っているのやら、あんまり興味の沸かない映画ではあります。 4点(2003-12-13 02:24:55) |
3770. 木と市長と文化会館/または七つの偶然
この映画、正直言って、面白さがさっぱり解らなかったので、皆様のご意見伺いたく、登録をお願いしたのですが・・・↓ウヲー!ダブルでフルマーク! この後に私みたいなポンコツ君が何かを書こうというのは、申し訳なくもあり、スリルもあり、また恥ずかしくもあり、そちらからは見えないでしょうが、今私は頭を抱えているのです。ああ困った。各セクションが、ドリフ大爆笑の「もしものコーナー」みたいなフリで始まって、期待してたら、何だか無意味な会話がずーっと続いて、別にコレだったらわざわざ映画観ないでも、その辺の人の会話を聞いててもいいんじゃないの、とか思えてきて(これぞジョン・ケージ的思想!ウソですごめんなさい)。そうそう、市長と少女の会話のクダリはなかなか面白かったですよ、ウンウン。というわけで、さすがに100人が観て100人ともが面白いと感じる種類の映画ではないと思いますので、恥を忍んで書かせていただきました。さようなら、修行してきます(そうだ旅に出よう)。 4点(2003-12-13 01:15:47)(笑:1票) |
3771. ガメラ対宇宙怪獣バイラス
《ネタバレ》 ストーリーが理解できていない私などがレビュー書くのは全くもって申し訳ない事なのですが、この映画、バイラスが最後どうなったのか今もって判らないんです。すんません。クライマックス、バイラスはイカ頭をガメラの頭に突き刺すも(あれは内臓までヤラレてるね。死ぬぞ)、ガメラはバイラスごと回転しながら上昇。早く頭抜けっての。高空の低温で冷凍イカになるバイラス。最後は海に落ちて・・・寒さプラス目が回って溺れちゃった、という解釈でよろしいのでしょうか??難解だ。さてさて、では他の部分はよく判るのかというと、やっぱり判らなくて、バイラス人はあんな宇宙船一隻で地球に乗り込んで、本当に地球を植民地にする気があるんですかね?しかも地球を選んだ理由が、「窒素呼吸するバイラス人にとって、窒素が豊富な地球の環境は最適だから」だなんて。おおっ、いやいやこれは実に含蓄のある指摘。そういや地球の大気にはナゼこんなに窒素が多いんだろうね。一体この窒素はどこから来たんだろう。地球って神秘的な惑星だよね。アレ何の話だっけ。そうそう、バイラス人だ、バイラス人はガメラを操って破壊活動を繰り広げた挙げ句、二人の少年を人質にとって、地球に降伏を迫る。尊い人命には代えられず、降伏を決定する人類。この場面、子供の頃観てて非常にしっくりいかないものを感じたのですが、それは「あんなフザケタ二人なんか見捨てればいいのに何で人類が降伏するんだよー」という違和感・・・ではなくて、それは今にして思えば、「人質とって降伏迫るなんて、取引きとして成立するのか?」という違和感ではなかったかと。人質とって「金用意しろ」「飛行機用意しろ」とかの要求はあり得るけど、「俺を大統領にしろ」ってのは、ちょっと無理だよね。とまあ、ツマラナイことを色々書いてしまいましたが、主人公の少年達が宇宙船内を彷徨うくだりなんかは、コワくもあり楽しくもある、子供心になかなかワクワク度の高い場面でした。味方だと思った宇宙人が実は親玉だった、というのも、子供心には結構衝撃的で、まあそういう印象深い映画でもあります。 4点(2003-12-12 23:38:01)(笑:1票) |
3772. 世界崩壊の序曲
世界崩壊の序曲と言いますけどね、序曲というよりはアンコールピースのレベルですな。ポセイドン・アドベンチャーとタワーリング・インフェルノを足し合わせて、ついでに大地震風味も加えたような映画。にしたかったのかも知れない。実際、途中ちょっといい感触も無いではなく、スペクタクルの予感(若干)。しかし結局、え~これがクライマックスなの~、と何とも味気ない思いだけが心に刻まれて。 4点(2003-11-02 01:22:41)(笑:2票) |
3773. ラストタンゴ・イン・パリ
まあ、正直言って、映画にまでして見せて欲しいようなもんでもないかな、と。一種のデスマッチ系の映画ですよこれは。ラストも安直で脱力(勘違い自主製作映画みたいだ)。 4点(2003-10-13 10:47:44) |
3774. スピーシーズ2
内容的には『スピーシーズ』の続編ですが、作らずもがなの続編をわざわざ作っちゃった点では、『ザ・フライ2』あたりの精神を引き継いでます。もし『スペースバンパイア』に続編が出来て、続編ではマチルダ・メイが人間になついてたら、やっぱりイヤだよね。というわけで本作は、設定の段階ですでに低空飛行が約束されていたのではないかと思われマス。 4点(2003-09-20 23:09:30) |
3775. 呪怨<OV>(2000)
Vシネマは映画と呼んでよいのか判りませんが。というのも、映画というのものはせめてこの程度の「贅沢さ」は備えていて欲しい、という最低限のクオリティを下回っているように思えるから。でもそのお陰で雰囲気がよく出てるのもまた確か。昔「お昼のワイドショー」でやってた「あなたの知らない世界」だってホント怖かったもんねー。ねえ新倉イワオ先生。本作も夜中に電気消して一人で観たら、すごくイヤ~な気分になれます。けど、怖けりゃ何でもいいってんなら、こんなビデオ観てるよりお化け屋敷に行った方が恐怖を堪能できるわけで、まあどうしても物足りない気分は残ります。 4点(2003-09-14 00:43:49) |
3776. プレデター2
前作ではジャングルでひっそりと小競り合いするだけだったプレデターが、街中に現れる! ちょっとパニック映画っぽくなるのかと期待したら・・・。いやーまいったなープレデターに褒められちゃったよ。 4点(2003-09-13 00:28:34) |
3777. 裸のランチ
『ヴィデオドローム』で完璧にのけぞらせてくれた、あの感覚をゼヒもう一度お願いしたいんですけどねえ。残念ながらあれほどのインパクトが無くて。サエない妄想の世界がダラダラ描かれてて、もう一歩、突き抜けた感じがしないんです(『ヴィデオドローム』は一歩先の領域までブッ飛んでたと思う)。 4点(2003-08-30 23:38:44) |
3778. フォー・ルームス
オムニバス映画でもたまに好きなのに出会うんで観るんですけど、基本的には苦手で、この映画も苦手な方。4つの部屋でのベルボーイの4つの困惑、という設定への挑戦なんでしょうけど、結局はなんだか動きの乏しい映画になってしまった気がしました。最後に至って、ああそんな話ヒッチコック劇場にあったなあ、と思い出して嬉しくなり、オチも効いてて楽しめましたが、時すでに遅し。 4点(2003-08-24 13:32:10) |
3779. コブラ
ポーラ・ゴズリング『逃げるアヒル』が元になっているだなんて、言われなければ絶対わからないけど、言われたらもっとわからない。独自の抽出方法により、原作の面白い所をすべて分離し去ってます。勿論それでも別の面白さがあればいいんですけど、いかんせんこれでは。そうそう、アクションはいいじゃないですか。これってきっと、西部劇をイメージして馬の代わりにバイク使ってるんだと思うんですけど。というわけで潔い程中身の無い映画でした(昔TBSの火ローの解説してた小堺一機にまで言われてなかったっけ?) 4点(2003-08-17 10:52:51) |
3780. 9デイズ
ペラペラよく喋る黒人が調子こきまくって場当たり的大活躍する映画---さすがにもう充分です。そろそろ勘弁してくれ。第一、核兵器で大勢の市民が狙われてる、とてつもなくシリアスな状況なんでしょ?登場人物に怯えも焦りも無くて、どうやって感情移入できましょう?クライマックスで銃突き付けあっても、何だかちゃんちゃらおかしくて。ジョエル・シューマッカーだからきっと大丈夫、と思って観たら、この落差で、ダメージ大。とは言え、見どころもそれなりにあって、彼の作品と知らずに観てれば、もう少し印象よかったかも。ところで、核兵器ってのは、実際に使用せず、交渉カードとして相手の譲歩を引き出すのが効果的な使用法だと思っていたのですが?? 4点(2003-08-13 20:05:15) |