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ひろすけさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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21.  アイランド(2005)
 誰だって死にたくないものね。女性が肌を若く保ちたいと思うのは必然だろうし、自分の臓器が使い物にならなくなってしまったら「もしスペアがあったら…」と思うのも当然だと思う。でもね、そのスペアが意思を持ち喜怒哀楽の感情を持っていたら、それを果たして「物」として扱えるかどうかですよ。企業が躍起になるのもしょうがない。ひた隠しにするのも。しかし、倫理的な問題がこの映画の根底にあるのは当たり前としても、それに固執しなかったのはエンターテイメント作品としては大正解だったと思います。いや、ジトーーっと暗くじっくり考えさせる作品も好きなんですよ。でもそれだと説教臭くなって『ブレードランナー』なんかの焼き増しにしかならないんじゃないかなと。そういうアプローチの仕方であればミニシアター系の低予算映画で攻めるしかないのです。どっちの系統の映画も一長一短ですよね。大衆ウケしない玄人好みの映画が全て素晴らしい映画とは思えないから。この作品は一時的に壮大なテーマには目を瞑り、ド派手なカーチェイスと空中戦に目を向ければいいじゃないですか。『2001年宇宙の旅』『惑星ソラリス』もSF映画、『アイランド』も立派なSF映画ですよ。『時計仕掛けのオレンジ』『未来世紀ブラジル』へのオマージュも見受けられたし。…『ロスト・イン・トランスレーション』からのスカーレット・ヨハンソンの成長も見届けられたし………やっぱりかわいかった(結局はそこに落ち着く)。
[映画館(字幕)] 8点(2005-07-23 23:40:47)(良:1票)
22.  バタフライ・エフェクト/劇場公開版
カオス理論っていうの? タイムパラドクス? よくわからないけれどそれは実生活でもイメージがわきますよね。「あのときこうやっておけば」とか「あの人に会っていれば(会わなければ)」とか・・・ふう。ま、そんな感じです(意味不明)。バタフライ効果といっても『オールドボーイ』じゃないですよ。どちらかというとシリアスな感じの  『バック・トゥ・ザ・フィーチャー』かな。一瞬だけ過去に戻れて「そのとき」をリロードすることができるから。でもこの手の映画ではつきものですが「こちらに立てばあちらに立てない」。必ずうまくいかないものです。友人が凶暴になっていたり、誰かが死にそうになっていたり。もう本当に疲れます。トラウマ要素が連発なんだもの。そしてラストは・・・。WIN WIN WINってほんとなのかな? 何かが誰かが犠牲になる。それは誰も気付かないところでかもしれない。悲劇は自分だけ知っている。とても悲しいね。そしてエンドロールにかかっていた曲はオアシスだった。そこでまた泣きそうになりました。いい映画でしたね。ちょっと重いけれど。
[映画館(字幕)] 8点(2005-07-06 21:17:42)(良:1票)
23.  香港国際警察/NEW POLICE STORY
いやー、内村光良大暴れ。作品を観ている最中「5人にひとりがジャッキー・チェン♪」(十六茶のCMのフレーズで)という電波が頭の中を離れませんでしたよ。ま、それは置いといて。やっぱりジャッキー・チェンの映画は安心して観れます。変なCGもなくワイヤーアクションもなくアクション映画の原点を見た気がする。ストーリーも芯が通っていたし。あと配役がいい。『踊る~』の織田裕二のジャンパーを羽織っているニコラス・ツェーがカッコよかったです。女優さんたちも綺麗だったし。シリアスな脚本は大ヒットした『インファナルアフェア』の流れで、しょうがないとは思うんだけど、ジャッキーのアクションスターとしてのプライドが随所に見れて良かったです。エンディングにNG集が流れていたのもプラス。作り手の自己満足のような作品ではなく、娯楽に徹していたのが爽やかでした。
8点(2005-03-29 21:36:20)
24.  エターナル・サンシャイン
 暴力的にあらすじを一言でまとめてしまうと「別れた恋人の記憶を消す話」です。主役がジム・日本では何故かそれほど人気がない・キャリーな時点でシリアスな話にはならないなと思っていたんですが、予想通りそうでした。でもね、あとからかみ締めるとやっぱり切ない話だよ。だって、いちどは愛した人の記憶を消してしまうんだよ? それだけで藤子不二雄は短編を5本は作れそうですよ(じっさいにパンフには藤子不二雄的であると指摘をしているコメントが載っていました)。   時間軸がねじれています。それは「メメント方式」というかなんというか。「わけわかんねー」と感じる人がいるかもしれません(『バニラスカイ』に似てたかな?)。けっこうそのアプローチの仕方は良いと思いましたよ。言ってしまえば簡単な話を複雑な切り口で表現することができるから。記憶の中でジム・キャリーを複数登場させるとか、時間軸をぶった切った意識を持たせることなんかは。   消えかけた記憶から逃げるジム・キャリーの気持ちは、後悔と失望の狭間で揺れ続けます。でも自分で選んだ結末なのに結局は消える記憶をいとしく思ってしまう。そこの弱さが配役的にピッタリでした。彼女はケイト・ウィンスレットだったけれど、僕はキルスティン・ダンスト(『スパイダーマン』の悲しそうな目をした女の子です)の方が良かった。好みの問題ですよ、ええ・・・って、彼女がいちばん切ないじゃん!?というツッコミはあえて考えない方向で。   記憶を消すなんてバカらしいよ。誰しもレーザービームで消し去りたいことなんてひとつやふたつ・・・数え切れないほどあるでしょう。でもそれが今の自分を作っている。血となり骨となって「もうあんなことは二度と御免だ」と考えたり、ときどき記憶が頭を持ち上げては切ない気分を思い出させる。しかし、それを含めて自分なんだ。良い記憶も悪い記憶もひっくるめて生きていけたらなぁと思う。強くなりたいと思うならなおさらね。過去に囚われた人を好きになってもその記憶ごと愛しているから・・・そんな(どんな?)ことを考えてしまった映画でした。
8点(2005-03-22 15:38:31)
25.  オールド・ボーイ(2003)
 日本の漫画が原作の韓国映画です。2004年度のカンヌでは『華氏911』とパルムドールを争った作品でもあります(この映画は次点のグランプリを獲得)。いかにもタランティーノが好きなバイオレンス映画・・・と世間では認識されそうですが、「バイオレンス」とするにはもう少し「痛さ」が足りないかな。エンディングを考えるとヒューマンドラマと言えるかもしれません。  うーん。暗い映画。でもこういう話は個人的に大好きですよ。観ていればストーリーにいくつかの穴はあるんですが、それが気にならないほど役者さんの演技が上手。モンテクリスト伯の主人公がきったなくていい感じ。女の子もめちゃんこストライクゾーン。謎を仕掛けた男はすっげー嫌な奴。だから非の打ちようがないんだけど・・・観ていてラストが読めてしまったですね。それが残念。あとはラストですよ。主人公の行動がいただけない。たとえ記憶がなくてもあるのは悲劇だけなのにね。仕掛け男のように確固たる意思がないとそういうことが起きそうになっても、人間はどこかで拒絶してしまうと思うんだけどなぁ。。
8点(2005-03-22 14:59:49)
26.  花とアリス〈劇場版〉
すっごく久しぶりの岩井作品です。そして、やはりあの「白い光」は健在でした。フィルムをみると監督は誰と言わなくてもわかります。岩井節全開です。どうってことない話なんですよ。地方の女子高生ふたりがバタバタして男の子を取り合ってバレエをしてオーディション受けて嘘をついたり落語をして父親の思い出を振り返ったりするだけです。だけどね、なぜか自分の中でありもしない記憶を捏造されてなんともいえない気分になる。しかもその記憶では僕が女の子になっている(ぉ。コアな映画ファンを気取っていた学生時代に、もしこの映画を観ていれば「つまんねえ」なんて悪態ついたかも。だけど・・・ごめんなさい、やっぱこういう映画好きです(笑)。岩井ファンじゃなくても“切なさ愛好者”には必見の映画ですね。主演の女の子ふたりがすごく伸び伸びと演技をしていました。キットカットの女の子と『リリィシュシュ』に出てた子。男の子もモッサリしてカッコ良かった(とくに『リリィ』の女の子は角度によって、かわいくもかわいくもなく見えて良かった)。前作のようにコッテリしてへヴィなものも良いけど、清涼飲料な感じの今作も好き。かつて女子高生だった人にオススメの作品です。
8点(2004-03-23 14:21:23)(良:1票)
27.  インファナル・アフェア
すごいね~。すごい、映画です。やっぱり脚本かな。もちろん2人の主人公も素晴らしい。「無間地獄」か。なるほど。でも、たとえ地獄でも生きていた方が良いですよ。それと奥さん(彼女?)はどうなってしまったんでしょう? 知っているのは彼女だけですよね。チクったら面白いと思うんですが・・・。ま、冗談はさておき、久しぶりに骨太のハードボイルドを観たという感じですね。日本映画にはこういう作品は出てこないよなぁ。残念ながら。ハードボイルドで優れた作品っていったら何かな…『太陽を盗んだ男』ぐらいかなぁ? 小説とか文字媒体では優れた作品はありますよね。だけど、なんで映画では出てこないのか。残念です。…えーと、話がズレました。とにかくトニー・レオンとアンディ・ラウがかっこいいです。
8点(2004-02-05 22:07:25)
28.  キル・ビル Vol.1(日本版)
満足しました。予想通りの出来でした。何十(何百?)億もかけてB級映画を作ってしまうタランティーノを尊敬します。でも、ぜったいに彼は意識してこの「B級風映画」を作ってますよね。今日、『キル・ビル』を観て確信しました。彼は数千という映画は観ているので、『ベストキット2』なんかも確実に観ているはず。どう考えてもアレは日本ではないし、日本刀を当たり前のように持ってはいないし、ハットリハンゾウは武士ではない。そんなことは監督だって百も承知だろうし、リアリズムを追求するならいくらでもできるハズ。何回も何回も流れる「鬼刑事アイアンサイドのテーマ」を耳にこびり付かせながら、僕はそう思いました。しかし芸が細かいよね。日本刀を構え対峙している状態での、日本刀の刃を起こす「カチャ」は侍映画では当然のように使われるけど、アメリカ映画では初めて見ました。刀は切りあっているうちに、切れない方向へ回転してしまうのですよね。でも、当然、刃は一定方向からの斬りつけからしか切れないので、「カチャ」を絶対にやる必要があるのです(音はもちろん鳴らないけど)。彼の日本映画に対する、しょうもないこだわりを感じます。あとは血の多さ。あれは日本で一般的に用いられるタイプの血を使っているのか、それともアメリカタイプのものを使っているのか。刀と拳銃で飛び散る血のタイプは違うのです。どっちだろうなぁ。水っぽいのと、粘り気があるものがあったので、両方とも使っていたりしてね。残酷なシーンがテンコ盛りで、受け付けない人は全くダメだろうけど、全然、実社会とは別物として考えれば、これほどエンターティメントに徹しているものはありません。キタノという、拳銃を本当にシビアな殺人のための道具として完璧に扱える人間もいるけど、タランティーノはそれに次ぐ拳銃の使い方の上手い監督だと常々思っていました。で、今年、『座頭市』ができたらこれかよ、みたいな(笑。続編が楽しみですね。#ちなみに関根勤が大絶賛しています。この映画。
8点(2004-02-05 18:43:27)
29.  東京ゴッドファーザーズ
宮崎アニメを批判するようでは、もはや非国民的な扱いを受けそうになる今日、僕は公然と「いや、そんなにすごいとは思えないんだけど」と言ってしまうのですが、この作品を観たときは、思わずうなってしまいました。やっぱり日本のアニメはジブリオンリーではないなぁと当たり前のことを再確認。ストーリーは3人のホームレスが赤ん坊を拾うという、別に世界最終戦争が終わって・・・とかではなく、なんてことない普通の話なんだけど、その「なんてことない話」に自分は弱いです。アニメは、とかく壮大な話になりやすいです。特撮技術も要らないし、思いつきで地球を壊すこともできる。だけどテーマが大きくなればなるほど、胃がもたれて消化不良に感じるし、肥大化したテーマ自体がインフレをおこしているような印象を受けるのです。でもアニメーションって、このようにほのぼのしたもので充分なんですよね。充分なんだけど「程よい充分」というのは、心地よさを求める映画の楽しみ方とすれば「完璧」なのです。
8点(2004-02-05 18:20:14)
30.  ハチミツとクローバー
たぶん原作を知っている人なら全ての人が思うことだろうけど別物ですこれ.興味があってレビューサイトなんてのをざっと読んでみたんですが「原作と違う!」と怒っていた人がいたのにはビックリしましたよ.あんたねえ,そんな単行本で10冊近く出てるものを2時間で語れるのかと? カレーライスとカレーパンを同じように比べるのはそもそも間違っていますよね.  映画を観て感じてほしいのは空気です,空気.「ああ俺の大学時代はあんなだったのかもしれないなぁ(あんなだったに違いない)」と勘違いして“幻影のみ”となってしまった青春の香りを脳漿にすり込ませながら,勘違いして観る,これがベストです.  俳優さんたちはかなり頑張っていたんではないでしょうか.桜井くんなんてもう竹本にしか見えなかったもの(にやけ笑いとか).キャシャーン伊勢谷は東京芸大のアブラ出てるんだよね(…芸大のアブラですよ?)(あ,実際に入れる人がいるんだ)(っていうかハチクロまんまじゃん)(修士まで出てるそうですよ…)(もうね,一般人と比べられないね).そりゃあそのまま演じられるわ.蒼井優嬢はもう何も心配してません(何じゃそりゃ).彼女の演技力を確認したい人は岩井俊二の『花とアリス』を観てください.今作とは別人ですよ.んでもって最後に言いたいのは  「山田かわいいよ山田」
[映画館(字幕)] 7点(2006-08-18 23:32:47)
31.  Vフォー・ヴェンデッタ
プロバガンダを否定するプロバガンダ映画と言ってしまったら安直かな。言論・思想統制をする近未来のイギリスに突如現れたモンスターちっくな仮面の男。こいつが強い強い。小気味良く悪の権化と化した政府を千切っては投げる。このような判り難くなりがちな題材を判り易く表現している作品は、絶対的な悪が必要なんでしょう。だから爽快感はある。これは『1984年』『未来世紀ブラジル』と対比はしやすいだろうが、世界情勢の流れからも冷戦構造の時代とは異なり、アメリカ一極支配 VS テロリズムの混沌時代を反映させ、ラストは爽快な仕上がりになっている。全世界に配給する映画がカルトなものを作っては(それを売りにする以外には)予算が付かない。それが既存の映画産業に批判的な「ミニシアターバンザイ・ハリウッドはクソでしょ主義」=「それっぽい映画ファン」をのさばらせることにつながる。その点ではカルトテイストの本作をメジャーで公開していることに意味があると思う。制作がウォシャウスキー兄弟となっている時点でカルト色が押し出される形にはなるが、それでも『マトリックス』よりはメッセージ色が強く、わかり難いようで善悪がハッキリと描かれているため実際は理解しやすい。また米独合作というところでなんとなく納得してしまうのである。と,まあよくわかんないことをくどくど書いたけど、ナタリー・ポートマンが美しかったのでよしとする(何。
[映画館(字幕)] 7点(2006-08-04 01:15:23)(良:1票)
32.  エミリー・ローズ
ホラーカルト&法廷もので変な組み合わせ映画の新境地キター!!って感じでしょうか。この組み合わせはすごいよ。たぶん今まで誰も考え付かなかったんじゃないかな(ま、考える奴はそういないとは思うが)。   エミリーさんがスティーヴン・タイラーよろしく素でもごつくて怖かったりするんですが、悪魔が憑依したときの顔と演技は、もうそれだけでトラウマものでおなかいっぱい。悪魔祓いに失敗してエミリーさんを殺してしまった神父の裁判を軸に物語は進んで、証言で事件を振り返るというところが『羅生門』方式ですね(これは監督自身が言っていたみたい)。それがまたリアルでツボにハマります。もちろん『エクソシスト』ばりに悪魔が大暴れするシーンも怖さ全開ですよ。   そして何よりこの映画の魅力は事実に基づいて作られているということ。久しぶりに骨太のホラーカルト映画を観ました。満足満足。
[映画館(字幕)] 7点(2006-03-19 03:27:25)
33.  親切なクムジャさん
監督はあの『オールド・ボーイ』のパク・チャヌク監督です。前作でも「あれ?」って思うところがありましたが今作でもありますよね。「いくらなんでもそんな行き当たりばったりの復讐ってないだろう!もっと完璧にやれよ!!」みたいな。『オールド・ボーイ』ではガッツリ凹んだ人が続出したようでしたが、僕はあんまりダメージがなかったので今回も全然でした。前回のどんでん返しは予測できましたが、今回のそれはスンゴイ方向へ行ってしまったので、その部分が賛否分かれるところかもしれませんね…と、文句をタラタラ書いてみましたが、韓国映画のエネルギーは感じ取ることができます。日本でメジャー監督がこれをやるっていったら配給会社は確実にしり込みするでしょう。本当はじっくり観ると残虐性の内面には人間の「恨(ハン)」というどろどろした物語や、心の中で溶けていく「恨(ハン)」も丁寧に描かれていて監督の業の深さを知ることができるんだけどなぁ。そういう映画って少ないですから。日本映画ではメジャーになればなるほど万人に媚びないといけません(『TAKESHI'S』なんてどう考えてもマイナー作品扱い)。毒のあるものや「ハズレ」を作ることは許されない雰囲気があるからです。それでもカンヌ(ベネチアだっけ?)でグランプリを取ってしまう監督が、それを実践できる韓国映画社会の懐の深さを感じることができました。娯楽作品もいいけど「日本映画頑張れ!!!」のエールを強く思いましたよ。
[映画館(字幕)] 7点(2005-12-11 15:53:31)
34.  チャーリーとチョコレート工場
ティム・バートンは結婚して子供が生まれて、ある程度テーマというかその方向性が見えてきたような気がします。前作の『ビックフィッシュ』はモロに父親と息子の愛情(それを見守る家族愛)が主題でした。今回もやはりテーマは「家族愛」なんですが、そこにまたバートンならではのブラックジョークやニヒリズムがエッセンスとして加えられています。家族にはもちろん様々なかたちがあって、それぞれの家族がお互いを愛し合っています。しかしその愛情は時として周囲から見れば、滑稽なものであったり嘲笑の対象となるわけです。劇中ではそのような「おかしな家族愛」をちょっと観客が引くぐらいの勢いで軽快に叩き潰していました。バートンはもしかしたら自分が感動のさなかにあっても、そのコテコテの雰囲気に耐えられず「なんちゃって~」と言わずにはいられないお茶目な人なのかな…って感じましたよ。『ビックフィッシュ』があまりにも「感動作」であったためにそれに対するアンチテーゼを自分の中で作らざるを得なかった、と。もちろん何も気にせずに観れば序盤と最後の家族愛の前に、中盤のグロテスク(?)なかたちで間違った家族愛は吹っ飛ばされてしまいます。それでも観客の誰もが思うであろう「感動した!(…だけどちょっと中盤がやり過ぎって感じがしたよ)」がバートンの狙いであったのかな。見た目上はハッピーでコーティングして、少しずれてしまえば他の家族のように(傍から見れば)滑稽なかたちで叩き潰されてしまうんだよという、たぶん自分が想像し得なかったほどの順風な家族を作っちゃってるよ俺…的なバートン家族への自らの警鐘である、と。『マーズアタック!』などの作品を悪趣味という人はいるけれど、本作のブラックジョークは「家族愛」というコテコテのメッセージをアピールしたいがためのコントラストなのかもしれませんね。『コープスブライド』に続き、そのまた次回作も楽しみです。
[映画館(字幕)] 7点(2005-12-11 15:47:25)
35.  サマータイムマシン・ブルース
イカにもな感じの青春SF映画です。もうね、本当に良いの。何がいいのかというと登場するふたりの女の子が(そればっか)。・・・ま、それは冗談として(冗談じゃないけどネ)、すごくバランスが取れている作品です。話のネタとしては使い古された感があるけれど、それを随所に散りばめたギャグがうまい具合に打ち消しています(ずっと上映中は笑いっぱなしでしたよ)。舞台は大学の構内と銭湯その他商店街オンリー。制作が元々は舞台畑の人らしくアイディア勝負の制作費を抑えた作品に仕上がっていたのも好感が持てました。あとは僕自身が青春のカラッとした遠い過去の記憶を、揺り動かされて容易に思い出させてくれるそういう作品にめちゃんこ弱いんですよ。映画館を出たときに、タイムマシーンに乗ってたのは僕だったんじゃないかなんて思っちゃったりして(おっと、カッコイイこと言っちゃったよ、俺)。映画を観終わった後の爽快感は今年観た映画の中でも1,2を争いました。とっても良かった。
[映画館(字幕)] 7点(2005-12-11 15:34:43)(良:1票)
36.  逆境ナイン
 ぬおー!なんじゃこりゃー!! 予想を超えてるがな。予想以上のマネージャーのかわいさよ。画面を観てても目線が彼女に吸い寄せられるのね。ほら、クラスのメッチャかわいい子。見ないようにして顔を背けているんだけど、つい目線が合っちゃうの。で、彼女も顔を赤らめたりして。「これは…もしかして……」なんてアホみたいな妄想掻き立てているボケが僕の他にもクラスに5人ぐらいいたりしてね。それぐらいかわいかったわ。彼女は堀北真希ちゃんというのね。憶えておこう!!!あー、でもなぁ、僕も主人公の不屈闘志だったら間違いなく野球を捨てて恋を取るね。少なくとも取るようにしただろう。でもそれは間違ってる。恋を取るのが間違っているとかそういうわけじゃなくて。これをやめたからこれを遠ざけたからこれに本腰を入れるって無理なんだよ。その面でも主人公の不屈闘志の選択は正しかったわけですよ。やっぱり不屈君かっこいいなぁ。全然パーフェクトじゃなくて「これが逆境だ!!!」なんて言いながら地区予選に来なかったりとか、そのあたりの弱さも含んでですよ。彼は熱いんだよ。そして諦めないの。たとえ9回裏112対0で負けていてもね(コールドゲームじゃないの?とかそんな寒いツッコミはナシ(コールドだけに・・・ぶぶぶ(極寒)))。とにかく熱いのだ。熱くなろうとする。これね、けっこう重要なことだと思うのよ。生きていればどうにもならないことってあるんだ。それがもうわかっちゃってる。でもさ試合は目の前のそれだけじゃないんだぜ、べいびー。人生はまだまだ続くんだ。その都度醒めた自分を気取っていたってただのアホだよ。全てをわかったフリして一生懸命全力を注ぎ込むのが恐ろしいだけなんだ。本気でやってできなかったときの言い訳をするのがつらいから。みんないつだって茶化しているでしょう? 真面目なことを言った後に、真剣に議論をして熱い心の内を吐露した後に「なんちゃって~」「あ、俺いますごくカッコイイこと言ったよ」なんてな。いや、お前カッコイイよ。そんなことでいちいち恥ずかしがることなんてない。熱くたっていいじゃん。バカみたいだっていいじゃん。熱くなれない奴は熱い奴を笑えないよ。羨ましいんだよ、たぶん。そんなの簡単なことなのに。ひょいと線を一本またぐだけなのにね。茶化すなら本気で茶化そう。できない自分も、下らない自分も、熱い自分も。この映画のように。
[映画館(字幕)] 7点(2005-07-13 23:56:18)(良:1票)
37.  ミリオンダラー・ベイビー
 静かな映画。前半の「動」の部分も粗いフィルムと影のコントラストでとても落ち着いて見える。この映画は悲劇だ。ハリウッドの浪花節じゃない。それだけは言っても構わないだろう。でもそれだけしか言えない。この作品の全ては映画の世界でよく目にする悲劇だ。だけどそれだけではない何かを持っている。何かはわからない。たぶん僕の年齢ではわかり得ないんだ。コメントすることも拒否する映画。それに巡り会っただけでも幸せかもしれない。ハリウッド万歳の人に観て欲しい。また、ハリウッドを否定する人に是非観て欲しい。使い古された悲劇と裏切り裏切らないエンディングを。これはイーストウッドからハリウッドとアンチハリウッドに与えられた難解な宿題だ。
[映画館(字幕)] 7点(2005-07-06 21:30:31)(良:1票)
38.  コンスタンティン
『エクソシスト』+『ハヌマプトラ』+『ロード・オブ・ザ・リング』+『マトリックス』・・・悪魔祓いで「おりゃー!」って感じですよ。でもこういう話は好きだなぁ。キアヌ・リーブスもカッコよかった。  
[映画館(字幕)] 7点(2005-07-06 21:14:37)
39.  きみに読む物語
 いいねこれ。何のひねりもない純愛もの。若いふたりとお年を召したふたり、だけど何も変わらない愛。安心して観られます。 観に行った日は男性差別の日(レディースデイ)だったので、まわりは女の子ばっかり。劇場の至るところからすすり泣く声が(となりの人は号泣していました)。主人公の女の子がかわいかったです。あ、ちなみに僕はひとりで観に逝きましたヨ。  
7点(2005-03-22 15:34:04)
40.  レイクサイド マーダーケース
 これね、受験シーズンに公開されて良かったと思うよ。だってめちゃんこリアルだもん。実際こんなことが日本のどこかで起こっているんではないかと思えるぐらい。俳優さんの演技はみんな上手です。狂っている親たちが相当恐ろしい。   この映画を観ると感想は2種類に分かれるでしょう。否定的に観ながらも同調できる部分を持つ人と否定的に観て最後まで同調できない人。子供を持っている親は前者、それ以外の人は後者である場合が多いのではないかな。映画の出来うんぬんではなくて「お受験」という制度に対してね。ま、「お受験」には否定的であっても、子供を思う気持ちということでは理解できるかもしれない。
7点(2005-03-22 15:28:51)
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132.68%
276.25%
387.14%
498.04%
51412.50%
61513.39%
72724.11%
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91311.61%
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