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もっつぁれらさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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コメント数 542
性別 男性

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21.  スローガン 《ネタバレ》 
大筋のストーリーは特に印象に残らず、ごく普通の恋愛物といった内容。 注目すべきは、冒頭のアフターシェーブローションのCMの時点でもう既に本編に突入しているという奇想天外な幕開けでしょう。 自分はこの映画を劇場で観たのですが、フランスの映画館で流れる上映前のCMを流してくれているんだなと思って見ていたら、それも映画の一部だったというのが驚愕で、ここは一杯食わされました。 他には、ベネチアの水路を猛スピードで駆け巡るシーンがあったっけなぁ?という感じで、フィーリングの問題ではあるんですけども、自分にとってはそれだけの映画にしかなりませんでした。 何が「スローガン」なのかもサッパリ・・・?
[映画館(字幕)] 5点(2011-04-10 14:23:24)
22.  地下室のメロディー 《ネタバレ》 
犯罪映画というのは、道義的に犯罪が成功するようには作ってはいけないので、最後は何らかの形で失敗に終わってしまう事を我々は承知の上で観るのですが、観る側のそのような予想を上回らなければ作品としての面白さが出てこないため、そういう意味で監督としての力量が問われる実に難しいジャンルなわけです。 この映画の場合、人気俳優のギャバンとドロンが手錠をかけられたりして終わるようなことはしないので、彼らのファンに配慮しつつ(?)、更に、プールに紙幣を浮かべ画面の全てを覆い尽くしたりするアーティスティックな映像で幕を下ろすところなんかも、自分にとってはなかなか好みな感じでした。 ちょっと意外かもしれませんが、この映画で目を引いたのがシーンの切り替えの鮮やかさなんですが、例えば、序盤のレストランでのディナーのシーンでナポレオンというブランデーの話題になって会話が進んだと思った次の瞬間、自宅のテーブルのナポレオンのボトルの映像に切り替わったり、また、カジノで下見をしているシーンで1週間後にも同じことが起こると言って胴元がエレベーターに乗り込むシーンの直後に、ホテルの一室で小箱をエレベーターに見立てて作戦会議をしているシーンにジャンプするというシーンの移動があり、これがまた何ともスマートと言いますか、おしゃれなテクニックだなぁと感心してしまいました。 また、最後のプールの待ち合わせのシーンで、警察が事情聴取でプールの周りをうろついていて現金を渡すのにやきもきさせられるシーンがあり、ここで警察が近づいたり遠ざかったりしてヒヤヒヤさせられてしまうのもさることながら、警察の足元を映すのみの至極単純な方法であれだけの緊迫感を出せるというのも見事というしかなく、ギャバン演じるシャルルの方も、新聞を1~2センチ微動させるのみで心情を描き出しており、サングラスをかけていて表情を読み取りにくいというハンデなんぞお構いなしといった感じで、絶対にセンスある作家でないとこれらの事はできないと思います。 一方のドロンの方も、警察が迫ってきていることの焦りをあれだけ顔に出さずに演じられるのも、さすが名優のなせる業ですし、警察にジリジリと静かに追い詰められ、耐え切れずにバッグを沈めてしまうフランシスの心の弱さを完璧に表現したドロンとヴェルヌイユは素晴らしいです。
[映画館(字幕)] 7点(2010-11-03 23:20:19)
23.  ベラクルスの男 《ネタバレ》 
自分が未熟なのかわかりませんが、どうもリノ・ヴァンチュラが主役というのが最後までしっくりこなかったような感じでした。 ストーリー上のキャラクターには凄くマッチしていて、演技とか立ち振る舞いとかは全然問題ない。ただ、映画を彩るには至っておらず、華に欠ける感じがあったように思えます。かと言って、ギャバンなら成功したかと言えば、それでも上手くいくとは思えず、要は、配役の問題ではなくストーリーそのものに面白さが感じられなかった。 簡単に言えば、緩急の“緩”の部分が約9割存在し、ここがダメ。1割の“急”の部分である銃撃戦の緊迫感だけが良かったということ。 大統領邸に入り込んで暗殺するシーンや、その後の車ごと襲撃されるシーンとか、鉄橋での銃撃戦も最後に電車に乗り込んで行く瞬間まで目が離せなくて、ここは結構良かったと思いますが、やはり残りの9割の部分が拙かったかなと。 ここは、人物描写やストーリーの中の社会情勢を描かなければならない所なのに、特に大統領を暗殺しなければいけないような、民衆が不満を持っていると劇中で言われているような悪政ぶりや近隣の住民の労苦がほとんど伝わって来ず、そこがイマイチ映画に入り込めない原因のような気がしました。 ついでといってはなんですが、BGMも決定的に古臭い。この映画、たぶん小説で読んだ方が面白いような気がしました。
[映画館(字幕)] 5点(2010-09-22 02:36:53)
24.  2001年宇宙の旅 《ネタバレ》 
映画というのは客からお金を取って成り立つ商売であって、例えば、ピカソのような芸術作品を美術館に行ってお金を払い鑑賞すると、その絵を理解して納得する人は少ないと思いますが、ほとんどの人は満足し、鑑賞に費やしたお金と時間を後悔する人はほとんどいないと思う。さて、この映画はどうでしょうか。 この映画の余りの異質さに、なんでこんな映画が世に出たんだろうと思った。 この原作を読んだりして、この世界を表現したいと考えたクリエイターは他にもいたかもしれませんが、実際にその方法と資金の両方を持ち得たのは世界でキューブリックただ1人だったということ。この世界を表現してしまったのが、趣味で映像を撮る個人作家やイラストレーターや漫画家ではなくキューブリックだったということでしょう。 映画を見た後に皆さんのレビューを拝見してみると、映画の中に出てきたあの石板の役割や意味が少し理解できたような気がしたので再度鑑賞してみましたが、特に印象は変わることはなかったです。 つまり、面白くないものはどう逆立ちしても面白くないわけであって、原作を読もうが色んな解釈を聞こうが「だから何だ」で終わってしまうことがほとんど。 この映画に限らず、「原作を読んで評価が上がりました」とか「理解できない人は原作を読んだ方がいい」というレビューがあちこちで見受けられますが、映画の評価はあくまでも映画そのもので評するべきだと思います。 この映画の決定的にダメなところが、機械が人間に危害を加えようとするところなんですが、機械に対する考察や知識に欠けていると言わざるを得ません。多くは語りませんが、キューブリックは「ロボット3原則」についてもう少し勉強してからこの映画を作るべきで、それを知っていればHALが人間を陥れようとするくだりはこの映画の中に組み込まれなかったと思いますし、この映画の中でも肝となる部分ですので、ここでのリアリティのない安易な未来観のせいか、どうしてもこの映画に対して安っぽさを感じてしまいます。 それと、細かいところですが、船員二人が球体の中で作戦会議をする時に、スイッチを順々に切るシーンがありましたが、あのスイッチがいかにもアナログ的で笑ってしまった。キューブリックも未来に対しての先見があるようでいて、こんな映画を作って格好つけてはいるけども、やっぱりアナログの時代の人なんだなぁと思ってしまいました。
[映画館(字幕)] 6点(2010-08-01 20:05:19)(笑:1票)
25.  8 1/2 《ネタバレ》 
冒頭の人間凧の映像の格好良さから、早くもテンションが上がってきたのですが、ストーリー全体を通して見てみると、自分の理解が及ばないところが多々あり、それが非常に残念、というか、悔しい。 けども、主人公の苦悩は十分に伝わってきて、その描き方が面白いと思いました。 自分の考えを理解してもらえない、周りの人間を信頼できないとかは、何か共感できてしまったり・・・少なくとも、嫌いではないですこの映画。 ただ、現実と幻想の境界を把握しきれないままだったので、再度機会があれば是非とも観てみたいと思いました。 
[映画館(字幕)] 6点(2010-03-25 00:32:50)(良:1票)
26.  汚れなき抱擁 《ネタバレ》 
最近の日本でも、性の不一致で離婚する夫婦が多いみたいですが、約50年前のこの映画のストーリーはそれとはひと味違った模様。 特にこの映画の中ではっきりと出ていたのが、宗教的な観点による性に対する考え方でしょう。 結婚後の夫婦間における性交渉は神聖なものであってそれを行わないのは罪である、とは劇中の教会の言い分。 この映画の中では出てきませんが、もし仮にこの二人が婚前に関係を持ったりすれば、たとえどんなに愛し合っていようともそれは罪になってしまうのだろう。行われる行為に変わりはないけども、ここで宗教観なり道徳観なりが顔を出してくるわけで、それによってその行為の善悪が振り分けられるところが面白いといえば面白い。 この映画の中では、アントニオは神を冒涜したということになるわけですが、見ての通り故意的なものはなく、それどころか、愛しすぎていたがために起きてしまった悲劇というところが、何ともいえず辛い。 最後のアントニオの表情は、もし自分がその場にいたらとても声なんて掛けられなくなってしまいそうで、鏡越しでないと見れないくらいです。 この、鏡越しにというのがミソで、アントニオの寂しげな背中とうつむいた表情をワンカットで同時に見せていて、しかも、このワンカットだけでも光源の位置や光量に色々と変化をつけながら撮っているところが凄くおしゃれ。 他にも演出面ですと、使用人の女が床に倒れ父親は誰なのかと一人一人名前を挙げ終わったタイミングで背後にアントニオが現れるところとか、親父が電話で息子に真相を聞くシーンのカットバックとか、上手いなぁと思う箇所が他にも色々ありました。 途中、子供の問題に親が介入してきたところで冷めてしまいましたが、評価を下げる程ではなかったです。 宗教も結婚という制度も人間が作ったものですが、この二つについて色々と考えさせられる映画だなと思いました。
[ビデオ(字幕)] 7点(2010-01-23 11:34:19)
27.  不貞の女 《ネタバレ》 
ストーリーが凄く単純で、ひねりがなさすぎて全く面白くない。 普通にやれば40分くらいで終わっちゃうんじゃないかってくらい薄~~~いストーリーです。 自分が気になったのは、浮気相手を殺害した後の部屋の中を後始末をするシーン。 完全に証拠を消し去ったように描きたかったのでしょうか、死体の手の近くだけ血を拭き取っただけで、完全に拭い去ったようには見えず、おまけに、グラスの指紋を拭き取ってもいないし、とてもじゃないですが完全に証拠を消したようには見えませんでした。 そんなもんだから、「あぁ、あの時は完全に証拠を消し去っていたんだなぁ~」と後の警察とのやりとりで初めて解りました。 また、その後の死体を沈めるシーンですが、ヒッチコックのあの映画と比べるとまさに月とスッポンだし、布に包んだ死体もあの大きな人が入っているようにはとても見えないし・・・というわけで、ストーリーそのものも特に面白くもなく、細部に至っても注目するべきポイントもないという、かなり不満の残る映画でした。 ところで、「ドクトル・ジバゴ」という映画は観たことがないですが、その映画が面白いかどうかはともかくとして、その上映場所を不倫のきっかけの場としてしまうのって・・・どうなんでしょ?
[映画館(字幕)] 4点(2009-03-09 02:16:41)
28.  肉屋 《ネタバレ》 
この映画を見終って、以前にも似たようなエンディングを見たことあるなぁと記憶をたどっていたら、自分がちょっと前に観たシャブロルのあの映画にありつきました。 まぁ、この映画にも一応ストーリーはあるのだけど、どうも面白くない。 主人公の周りで殺人が連続して起きるのだけど、見ての通りの小さい村で、犯人として第三者が新たに介入してくる可能性もなさそうなので、観る側としては男の心理描写や殺人を犯すいきさつなどに焦点を絞って観ることになるのですが、特に殺人を犯した理由などは特に見当たらず衝動に駆られての犯行のようで、観る側としてはそういうのが一番タチが悪く、またレビューにも困るわけなのです。 ストーリーがなくても入り込める映画というのは何回も観てきましたが、面白く感じられる映画というのは、そこに描かれた世界観に入り込めるかどうかというのが一番のポイントとなると思います。 この映画の場合、死体の映し方が特別綺麗な訳でもなく、また、殺害方法が目を奪われるような巧妙さがあるわけでもないため、殺人という犯罪が、非道徳的な面がそのまま出てしまい、それを感じさせないほどのストーリーや映像面での面白さがないのが入り込めなかった理由のような気がしました。 ステファーヌ・オードランは綺麗だったし、最後の朝焼けの美しさは印象に残りましたが。
[映画館(字幕)] 5点(2009-03-08 15:52:05)
29.  輪舞(1964) 《ネタバレ》 
オープニングの影絵&キャスト・スタッフ紹介は大好き。 その直後の、夜の街の街灯の光の色加減なんて、もう堪らなく好き。 終始に渡って、ただ何の脈絡もなく語り合っているだけの映画なので、ハッキリ言ってストーリー的な面白さは全くないです。 しいて見どころを挙げるとすれば、登場する女優さんたちを眺めるのと色鮮やかな画面模様くらいでしょうかね。 色使いなんかは、この時代の特徴とも言える独特の色合いが出ていて凄く好きなのですが、スコープサイズの画面を使っているだけに、ちょっと画面の構図がイマイチなシーンがいくつかあったのが残念でした。 先にレビューなされた方のコメントを拝見すると、オフュルス版のオリジナルの方が評価が高いようですが、この映画は観ての通り、ストーリーを語る映画ではなく、画面の華やかさが求められるべきであるので、これはこれで成功しているのではと思います。オリジナル版は未見なので何とも言えませんが。
[映画館(字幕)] 6点(2008-10-30 01:15:43)
30.  気のいい女たち 《ネタバレ》 
クロード・シャブロルってこんな映画を撮る人だったっけ?って思ってしまうほどストーリーに面白味がない。 ところどころでバカ騒ぎしているシーンがありますが、どうもイマイチ面白くない。何でかはわかりませんが、その場の楽しさが伝わってこないんです。 それと、序盤のうちからバイクに乗って追い回す男が小さく出てきますが、こんなサスペンスの雰囲気が出る筈のシーンであるにもかかわらず、サスペンスの“サ”の字も感じられないまま時間だけが進んでいくといった内容・・・。 この男、中ほどでコミカルな一面を見せますが、そのお陰で、その後の森の中を歩くシーンが全然シマリのない画面になってしまうのです。 クールな印象を持たせておいて、時にコミカルな一面を覗かせる、というのはそのギャップが良い方に働くものですが、あの男のようにレストランでバカやった後で真顔で森の中を歩いても、やっぱりどこかミスマッチで、殺人のシーンも見ていて嘘臭く感じてしまいます。 ラストシーンも意味不明で、チョビ髭の男の存在や役柄も良くなかったし、登場する女優陣が皆個性が出ていなかったのも、ダメな原因の一つかなぁと思いました。
[映画館(字幕)] 5点(2008-10-29 00:04:15)
31.  めんどりの肉 《ネタバレ》 
金の魔力というべきか、人の浅ましさというべきか。ただひたすら、おぞましいものを見てしまったという感じです。 登場人物のほとんどが悪い奴ばかりで、この手の犯罪ものは、悪事を働いた人間は逮捕されるか死んでしまうかでラストを迎えなければ道義的にマズいので、そこを上手にまとめられるかが監督のセンスの見せ所なわけです。 まぁ、女は撃たれて死んで1人の男は最後に車が炎上して終わったし、もう1人の男もいずれ捕まるでしょうから道義的にはオッケーなんですけど、どう見ても重すぎる。リアルに懲らしめるラストよりも、笑いや皮肉を込めたエンディングにした方が、もう少し娯楽色が出て良かったのになぁと思いました。 他にもいくつか意見を述べさせていただくと、あの女の悪女ぶりは他の映画にも類を見ないほど悪びれていたので、あのようなアッサリした死に方よりももっと残酷な死に方を見せてほしかったというのと、ガレージを掘り返そうとしたあの犬がもう少し深く穴を掘ってくれてればもっとスリルが出たのに、という事です。新聞紙のモンタージュ写真で、ちょっとしたサスペンスなワンシーンがあっただけに残念。 あと、映画の後半辺りで、トマの前妻の兄というオヤジに熱湯をかぶせたシーンが凄かった。体張りすぎでビックリしました。ポテトを揚げるシーンでしたけど、まさか本当に油を浴びせたんじゃないよね???
[映画館(字幕)] 7点(2008-10-23 23:30:09)
32.  太陽はひとりぼっち 《ネタバレ》 
愛の不毛3部作のうちのひとつ、というくらいの予備知識しかないままで観ましたが、さすがアントニオーニ。やはり、わからない・・・。 この映画は、前半1時間は寝ててもいいと思う(ウソウソ^^)。 延々と続く証券取引所のシーンは、あからさまにストーリーの本筋から外れる箇所と判るだけに、かなり退屈してしまいますが、面白くなってくるのはその後のシーンから。 モニカ・ヴィッティ扮するヴィットリアは「何で質問ばかりするの?」「互いに知り合わなくても愛し合うことは出来るわ」と言う。 実際に彼女はその言葉通り、相手をよく知らないまま情事に耽る。しかし、アパートを出た後の彼女は、やはり満たされることがないまま、虚しさだけが残り町を彷徨う。その時に映し出される風景の強烈な寂寥感・・・。これでもかというくらいの、無機質なカットの数々。 時代はカラーに変遷していく中、あえて(?)モノクロでこの映画を撮ったのは大正解でしょう。 原題のEclipseが意味するのは、何か一部が欠けるという事だそうで、登場人物、すなわち現代人の心が満たされない様を描いた作品、と解釈しました。 ところで、これは自分なりのアホな解釈ですが、前半の証券取引所のシーンも実は意味があって、つまり、恋愛も株の取引も同じだという事かなぁと・・・。 恋愛もお互いのことを知らずに、事だけを済ましてしまうと良くないし、株についても、会社の中身を知らずに投資すると痛い目に合うぞ~という、アントニオーニの愛とお金に関するちょっとした人生指南の映画・・・・・んなわけないっつうの! 
[映画館(字幕)] 7点(2008-10-21 00:02:49)
33.  ダンケルク(1964) 《ネタバレ》 
まず、ストーリーが全く面白くない。事実を忠実に再現したということでしょうが、話が一向に進まないのは勘弁してほしいです。 ポスターの風景にあこがれて海岸まで行ったはいいが、思い描いていたイメージは全くなく、それどころかミサイルの洗礼を受けるばかり。やっとこさ船に乗り込んだと思いきや、海上でも爆撃の嵐。再び海岸に戻ってきてもまたミサイルミサイル・・・。堂々巡りなストーリー。 この映画唯一の華(花?)、カトリーヌ・スパークもベルモンドと会って間もないうちから「あなたを愛してる」とか言い出すし、もうストーリー的な深みも全く感じられない。 劇場のパンフによると、ジャーナリスト出身の監督作だそうで、事実をありのままに伝えたいという気持ちはわかりますが、娯楽映画の要素もほとんどなく、またメッセージ性も弱いので、大筋の部分で失敗してしまってるように思えます。 枝葉なポイントで言えば、エキストラとか凄く大人数使ってたり、スケールがデカくて迫力があるところなんかはいいですし、人だかりの軍服や顔についた土の黒さ、爆発時の黒煙の黒さが印象的で、それが兵隊たちの異常心理や戦争の無意味さ残酷さを連想させるように思えました。 ベルモンドは相変わらずカッコイイですね。
[映画館(字幕)] 5点(2008-10-15 02:04:38)
34.  赤い砂漠 《ネタバレ》 
アントニオーニの映画は5本ほど観ているのですが、ワケがわからなくてレビューのしようがない映画の方がほとんど。で、今回もその例に漏れず、やはりストーリーはまるでわからない・・・・・のですが、この謎めいた雰囲気、サスペンス感は大好き。 冒頭で、何処からともなく現れた1人の女性とその子供。身なりはしっかりしているのに、慌てた様子で道端の男から食べかけのパンを譲ってもらう。子供に食べさせるものがなく彷徨って歩いていたのかと思いきや、子供はそのパンをいらないと言う。さらに見ていくと、女は店を出したいと言うが、何を売るかもまだ決まっていなく、しかもその店の前の通りは人影はほとんど皆無(こんな所で商売が出来るのか?)。 過去に起きた交通事故で精神異常になってしまった女の奇怪な行動が映画全体を覆い尽くす非常に奇妙な映画で、彼女は何故こんな行動をするのか、といった謎めいた空気が常に漂っており、この女の存在そのものがまさにサスペンス。 ラストの黄色い煙が暗示するのは、危険なもの、害のあるものと判っていて自ら近寄らないもの。人間の世界に例えると、それは一体なんだろうか・・・? 皆さんのレビューにも書かれている通り、テクニカラーによる見事な色調が最高に格好良い。特に、夜の波止場の仄かな街灯の光に照らし出されるモニカ・ヴィッティの表情、港を出る時の霧の加減、映画前半の夜の寝室とラストのベッドシーンでの光の当て方に違いをもたせていて、後者の方が妖艶な雰囲気を漂わせているところなんかは非常に興味深い。また、色使いだけでなく、星の声を聞くためというアンテナが幾重にも繋がっているシーンの幾何学的な美しさなども目に留まります。 子供に話を聞かせてあげるシーンも、物語と画面の両方でちょっとしたアクセントになっていて、すごく良かった。 こういう映画って、自分ひとりで部屋で何もしてない時にBGM代わりに流すのに最適だと思います。モニカ・ヴィッティも最高に綺麗ですしね。
[映画館(字幕)] 7点(2008-10-13 02:04:03)
35.  コレクションする女 《ネタバレ》 
エリック・ロメールの「六つの教訓物語」シリーズ第4作。 同シリーズの中でこの作品だけ観てなかったので、運良く劇場公開に巡り合えたことが非常に嬉しい。 この作品も同シリーズ第5作目の「クレールの膝」と同じく、バカンスの男女関係を描いた作品で、ネストール・アルメンドロスの神懸かり的カメラワークが存分に堪能できる一本。この人はモノクロでも色々と映画を撮ってきたが、世の中がカラー映画全盛になって、よりその才能が開花されたと改めて感じさせられる。 さて、映画の肝は、己の欲望のまま自由に生きる女アイデに対し、道徳的で教養があって自信家でもあるが女性にアプローチする方法を知らず能書きが先行する男アドリアンが振り回される様を丹念に描いたもの。 この映画の面白いところは、ヒロイン役アイデが特別に性的な魅力もなく軽薄な女なため、いとも簡単に落とせそうな役柄を演じているところがポイント。どこか少しでも魅力を感じさせてはダメで、要するに、主人公アドリアンの苦悩が上手く描かれれば面白さが出てくるわけ。 例えて言うなら、サッカー日本代表がアジアの超格下の小国相手に手こずっているような感じ(笑)。 アドリアンとダニエルはアイデを馬鹿にして尻軽さを非難する一方、2人ともなんだかんだと理由つけてアイデとヤっちゃうところなんか、オマエら口だけじゃねぇかよ!とツッコミたくなるのと同時に、同じ男として気持ちが分からなくもなく、非常に滑稽な2人の姿である。 最後に古物商サムから逃れて、アドリアンが自身の欲望に従おうとした途端にアイデを連れ去られるというオチがあり、これで終わりかと思いきや、さらにもう一段。 日常の雑念を払おうと静かな環境で読書に没頭しようとしても出来なかった主人公が遂に1人になることが出来た途端、ふと電話に手を伸ばし、帰りの(しかも今日!)航空券の予約をしてしまう。 フランス映画ってみんなそうだけど、“FIN”の画面を出すタイミングがあっさりしているというか大胆というか、この映画もかなり潔い結末で好き。
[映画館(字幕)] 7点(2008-09-15 02:25:58)
36.  ほら男爵の冒険(1961) 《ネタバレ》 
ふぅ~、やっと自分で登録した映画に投稿できる。 自分にとって初めて観たカレル・ゼマンの映画「悪魔の発明」には、その世界観に入り込むことが出来ませんでしたが、この本作には意外にも(?)ちゃんと入っていけたと思います。 この映画で繰り広げられる冒険もののストーリーと映像の技巧さを追求する作風は、まさに相思相愛の関係。 カラー映画とはいえ、実写とは違って色の使い方が非常に大胆で、赤なら赤、青なら青と、思い切った色の使い方を見ていると、小さい頃に見た砂絵を思い出してしまいました。 また、アニメーションの中の人の動きがどことなく機械的な感じがするところがとても魅惑的で、まるで夢の中へと誘い込んでくれるようです。 ストーリーで面白いのは、終盤で月に飛び立つ御伽噺を実際にやってみようと試みるところが凄くロマンティックでカッコイイくて、また、砲弾に乗って偵察に出たりといった非現実的な空想も実写では到底表現できないアイディアで、こういったブッ飛んでる発想って、普段実写の映画しか観ない自分にとっては新たな発見ができたという気分になって何だか妙に嬉しくなったりしてしまいまうのです。
[映画館(字幕)] 7点(2008-05-20 01:49:27)
37.  博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか 《ネタバレ》 
戦争とかをコメディにする事が不謹慎だなどという考えは毛頭ほどもないことを前提に・・・とにかく、つまらない映画だった。 映画冒頭の、戦闘機の中にいるのは遊んでる人間ばかりというフリから始まり、愛人が会議中に電話をかけてきたり、平和を謳う看板の前で銃撃戦が繰り広げられていたり、あと93年も生きられるわけないのに真剣に議論していたり、核弾頭に跨ったまま投下されたり、キノコ雲の映像の後ろで“また会いましょう”と歌っていたり・・・といったネタが至る所に転がっているのはわかる。長いタイトルの意味など「だから何だ?」というだけのもの。 印象に残ったのは、1人3役をこなしたピーター・セラーズと、同じ場所にいる2人のキャラを1人の人間が演じていることを察知させないカット割りと編集、やたらと長いタイトルくらいか。
[DVD(字幕)] 5点(2008-02-03 02:35:44)
38.  甘い生活 《ネタバレ》 
ストーリーは何てことはない、ゴシップ記者マルチェロの、行く先々で起きる出来事を羅列し繋ぎ合わせただけのストーリーのように思えます。 が、しかし、その一つ一つが全て失意の残る終わり方だったり、絶望感漂う終わり方で締めたところがなかなか興味深い。 トレビの泉で水しぶきと戯れていたら突然噴水が止まりそこにあった幻想的な雰囲気が消えて一瞬にして現実に連れ戻されてしまったり、奇跡が起こるとされる聖地に行っても奇跡が起こるどころか大雨に見舞われたり、互いを認め合う親友が一家心中をしてしまったり、元気だった親父にふと暗い背中を見せられたりと、何かと人生うまくいっていない様子。 極めつけはラスト。惰性や習慣で騒いでいたかのような、さほど大したことのないパーティーのように感じましたが、終わって外に出てみるとそこにあるのはやっぱり虚しさばかり・・・。しかも浜に上がった巨大な魚は、大海での威厳や存在感は一体どこへやらと言わんばかりの無残な姿でマルチェロの前に現れる。 どのエピソードもみんな暗い。一旦持ち上げといて不意に足元をすくわれるような、そんな暗い結末ばかりが映画を形成していくのだけど、こういう流れのストーリーは実は結構好き。 時折出てくるローマの街並みも、街灯が車のガラスやボンネットに反射することで画面全体がキラキラと輝いていて、モノクロの映像美を存分に堪能できるし、ニーノ・ロータの音楽も最初から最後まで(特にラストの乱痴気騒ぎで流れるヘンな曲「パトリシア」)完璧。 後で気がついたことですが、オープニングでヘリに乗ったマルチェロの声が相手に届かないというシーンが出てくるのに対し、エンディングでは逆に、相手からの声がマルチェロに届かないというシーンが描かれている。これは一体?!? 映画全体では一貫したストーリーはないように思えたけども、主人公マルチェロには最初と最後で変化が生じているということなのだろうか・・・と思ったら、どちらも自分から去ってしまってますね、ハイ。
[映画館(字幕)] 8点(2008-01-20 00:27:19)(良:1票)
39.  あの胸にもういちど 《ネタバレ》 
アラン・ドロン目当てで観てみたのですが、本作の原題にある通り、この映画の華はあくまでもマリアンヌ・フェイスフル。 空想を繰り広げている時のあの表情といったらもうっ!嬉しい事、悲しい事、不安な事・・・どんなことを想像していても、みんなとてもいい顔。 たまに出てくるサイケデリックな画像処理も、レベッカが高速で飛ばしてる時の合成映像も、何となく想像できてしまう結末も、みんな古臭くて失笑モノ。おまけに、全編を通じてただレベッカが過去を回想するだけの淡々としたストーリー。しかし、しかーし、面白い! 英語を喋るドロンにちょっと違和感を感じたけど、まぁかろうじて合格点。スキーの宿で、ドロンがレベッカに向かって笑いかけていたのも、本屋にいる時のクールな印象からはかけ離れいてかなり違和感があるのだけど、これも気にしない気にしない(笑)。 とにかく、主演のマリアンヌ・フェイスフルの醸し出すオーラを始めとする、全体の雰囲気が実にイイ。 こういう映画、大好き。 
[映画館(字幕)] 7点(2008-01-13 01:57:27)(良:1票)
40.  夜霧の恋人たち 《ネタバレ》 
邦題に騙された気がする。「夜霧」どころか「霧」すらもなかったし、「恋人たち」と謳っているのにラブストーリー的要素は二の次のような気がします。そのお陰で話が散漫に感じられてしまい、ほとんど物語に入っていけませんでした。 花瓶ではなく花を投げつけたり、入社試験の包装のテストなど、面白いところは他にもいくつかあったのですが、それはあくまで枝葉なこと。 けど、ラストで昔からの女友達と一緒になってエンディングを迎えられたのは良かった。ラストの朝食のシーンが愛に満ち溢れていて、これが凄くいい。こっちまで幸せな気分にさせられてしまいます。晴れた日の公園でシャンソンを背に、二人仲良く歩き始めてFINの文字。これで、終わり良ければすべて良し。このシリーズ初のハッピーエンドですね。 ★通算200レビュー★
[映画館(字幕)] 6点(2007-12-16 01:16:15)
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