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果月さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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21.  マルホランド・ドライブ 《ネタバレ》 
リンチ作品なので鑑賞前に「前半は夢」「ブルーは死の意味」という予備知識を仕入れておきました(でないと無理;)初めは夢を話す男性の夢(小説?)かな?と思ってました(彼は作家志望でいっしょにいた男性は出版社の人間とか?)が、劇場から帰ってベティが消えた時「あ、リタの夢か」と思いました。彼女は事故で死んでいて、それからブルーキー(死)を持った。ブルーボックスを開けるのは「死を受け入れる」意味。ベティは守護天使か優しかった母親というリタのイメージではないか? 案の定、ボックスを開けるとリタは消えます。が、その後の展開はどう見てもダイアン(ベティ)が主観;車の中の「ここじゃないでしょ」でやっとダイアンの夢だったと気づき、ジルバ大会の話で確信しました(それで冒頭にしつこく出てた) 分って見るとダイアンが哀れでなりませんでした。リタに優しいベティ。カミーラに優しくしたかったダイアン。彼女に必要とされたかった。「泣き女」の歌は彼女の心そのもの。だから、あんなに泣いていた。オーディションシーンは、リタとベティが部屋で練習していたのが実際ダイアンがやった演技で、本番でやったのが合格した女優の演技かも?(ダイアンは二流女優だった)最初と最後に出て来た老夫婦は「大衆」という意味ではないでしょうか?女優を夢見ていた頃は優しく応援してくれるように感じたけど、犯罪者となったダイアンにとってはあざ笑う存在。「大衆」に追い詰められて自殺する。カウボーイは「殺意」ではないかと解釈してます。パーティーで横切った時、ダイアンはカミーラを殺す決意をしたのではないか。アダムに「二回会う」の意味は、ダイアンはカミーラ殺しが上手くいけば、アダムも殺す気だったのでは? でも、その前に罪悪感から自殺する。夢見て破れて、愛する人に捨てられて殺して、自分も死んでしまう…可哀想な女性の悲しみ、憎しみ、夢、孤独を言葉ではなく、映像でここまで伝えるリンチ監督。さすがですね。
[DVD(吹替)] 7点(2009-12-12 20:00:41)
22.  Mr.ブルックス 完璧なる殺人鬼 《ネタバレ》 
映画のレベルは高いと思います。脇も存在感のある役者で固め、カメラも演出も洗練されてて重厚な仕上がり。いろんな事が同時進行で進み、人物がからみあってきますが、破綻せずに進むのは脚本が良いのでしょう。観客の受けを狙った派手なシーンや無理矢理な進行で「そんなばかな…」と絶句させられる事もないので、現実的な恐さがありました。スミス君は小物感たっぷりでらしい最後でした。百戦錬磨の殺人鬼に適う訳ないのよ;見せる部分と見せない部分のサジ加減も良かった。娘が自分を殺すんではないか?と不安がるので、ブルックスは自分の父親を殺してるかもな…と思いました。12歳からマーシャルがいるし。「羊」は全然気づかなかったです;確かにラストは彷佛とさせますね。このシーン、私は違和感を覚えました。挑発するなんてブルックスらしくない気がして。でも、マーシャルが止めるにも関わらず娘の為に殺人を犯したり、スミス君を自ら殺したり。あの目を開ける瞬間はマーシャルではない「殺人鬼ブルックス」が生まれた時だとしたら、電話をかける行為も納得出来ます(ケヴン・コスナーは好きな役者ではないけど、やっぱり上手いわ~と思いました)思えばこの映画の最初の殺人から予兆はあったのかも。カーテンの確認してないし、デミも死体の配置がらしくないって言ってるし。「完璧」なマーシャルではないブルックスの殺人はいつか捕まりそうです。新しさはないけど「一流シェフが作った卵だけのプレーンオムレツ」って感じで美味しく味わえた映画でした。が、やっぱり量が少ないのがもの足りない;「他の料理も注文してね(続編見てね)」って事でしょうか?;一発入魂して欲しかったかな~;
[DVD(字幕)] 7点(2009-10-07 11:41:46)(良:1票)
23.  つぐない 《ネタバレ》 
自分が加害者である、と認める事は人の罪を許すのと同じぐらい難しい。彼女は小さい頃はあんなに独裁的だったのに、すっかり変わっていた。人を思いやる心をもち、人の悲しみも罪も美しさも理解していた。「救済」を行う決意も固めていた。自分の罪を認め、一生を償いに捧げる覚悟をしていたからだろう。その勇気は相当なものだと思う。「つぐない」とは、決して許されない事を前提に行うべきものである。「許される」為に行う償いは、償いではなく、その時点でその人に許される資格はない。無期懲役の囚人が「仮釈放」の申請を自ら行う事が出来ないのと同じように(申請する時点で「仮釈放」の資格はない、と判断される為)彼女はそれを分かっていた。自分の罪を認め、決して忘れぬように決めていたに違い無い。だが、病気の為に彼女は「忘れる」ようになってしまう。だから、世界中の人に「自分の罪を知ってもらい、覚えてもらう」為に小説を書いたのではないだろうか?決して「許される」為に書いたのではないと思う。最後の結末の変更は読者の為であろう(彼女の他人に対する優しさが感じられる)彼女のした事は取り返しのつかぬ事体を招いてしまった。しかし、誰にでも起こり得る事である。その時、彼女のように勇気をもって「自分の罪を認められる」人が、何人いるだろうか?「罪の告白」はかなりの勇気と覚悟を必要とする。罪を自覚し、一番苦しんでいたのは彼女であろう。最後まで彼女は苦しみ続ける事を選んだ。それが「つぐない」なのだから…加害者の苦しみと哀しみを美しく描いたこの作品は稀な映画であると思う(蛇足ながら…いくら美しいからって監督、キーラにタバコ吸わせすぎです;)
[DVD(字幕)] 7点(2009-08-18 10:42:34)(良:2票)
24.  オペラ座の怪人(2004) 《ネタバレ》 
「オペラ座の怪人」はやはりオペラで観てこそだな、と確信させてくれた映画でした。昔、完全な映画としての「オペラ座の怪人」を観賞した事があったのですが、魅力が今ひとつ伝わりにくかったように思います。劇中劇も混同する事なく生かされていて、あの音楽と豪華な雰囲気と、光と影の無気味な美しさに酔いしれる事が出来ました(惜しむは「舞台で観たい~!」と思ってしまう事でしょうか^^;)感動したのはなんといってもラスト。ファントムがクリスティーヌを解放するところ。相手の拒絶する権利、選択する自由を奪って得られるものは愛ではなく、服従です。ファントムはクリスティーヌを愛していると言いながら、彼女を支配しようとしていました。愛を知らない彼はそれが分からない。しかし、クリスティーヌが愛を与えた事によって彼は初めて愛を知る。だからこそクリスティーヌの「拒絶する権利」と「選択する自由」を認める事が出来たのだと思うのです。「愛とは与えるものである」という事を哀しく、美しく、感じさせてくれる感動のシーンでした。ファントムが死んでいるのか生きているの曖昧にした脚本も素晴らしく、舞台演出も見事でした。この映画は本当に「オペラ座の怪人」が好きな人達によって作られているのだ、と思う映画でした(しかしやっぱり舞台で観たいな~;)
[DVD(字幕)] 7点(2009-04-27 14:31:43)(良:2票)
25.  アンダーワールド:ビギンズ 《ネタバレ》 
私はルシアンひいきなので好印象で満足しました。(彼に感情移入出来るかどうかで評価は分かれるところだと思います)恋人と結ばれない運命である事はもう知ってましたし。この映画の世界観は気に入っていましたし、一見「獣」と蔑まれそうな「狼一族」が「ヴァンパイア一族」より崇高な感じがするのが特に好きです(裏切りもないし)「1」で、ルシアンは「狼一族」の長なのに獣に変貌せずに、心まで獣になって堕ちるないように、と仲間に言い聞かせていた(だから最期があっけなかったのはショックでした;)その不満を今回の「ビギンズ」がはらしてくれたので、余計に満足感があったのかもしれません。 ビクターが最低の君主であったのが、嫌という程確認出来ます;本当に最低;しかし、そんな最低な君主を威厳と品格を常に感じさせた役者さんの力量に感服しました。予告とかチラシを観ていると「ルシアンとソーニャの悲恋」が軸となっている気がしますが、どちらかと言うと「狼一族の魂の解放」がテーマになっていた気がします。終盤の、ルシアンの元に一丸となった「狼一族」が城を制圧する様は、まさしく「奴隷」から「戦士」になった解放の場面だと思います。 「1、2」を観てないとちょっと分かりにくいでしょうか。R15指定だけあって残虐なシーンは多かったです;(「他人の尊厳を踏みにじる」残酷さも多かった…)万人受けする映画ではないかもしれませんが、このシリーズの世界観が好きで、なおかつルシアンが好きなら満足すると思います(マイケルとセリーンが好きな方はちょっとがっかりするかもしれません;見事なまでに出てきませんから;)
[映画館(吹替)] 7点(2009-03-17 11:04:02)(良:2票)
26.  アンダーワールド/エボリューション 《ネタバレ》 
何の期待もせずに観賞しましたので、この点数です。映像美とアクションに酔いしれる映画なのだ、と割り切きって観ると好印象になると思います。CGなんかも「こんなものだろ」と思って見ると結構頑張っているのではないでしょうか。俳優さんが「ヨーロッパの雰囲気があるな~」と思っていたら、イギリスの俳優さんなんですね。ケイトも前作よりアクション慣れしているようで、動きが良かった。特に「止め」が前作より決まっていた感じがする。監督はMTV畑の人なのですね。どうりで映像は洗練されてて美しい。美術も青白いカラー画像も綺麗だった。ストーリーは今回も前作と同じで「詰め込み過ぎ」の感は否めず…設定はすごくいいのに、活かしきれてないような…視点を絞ったらいいのにな~と思いました。「ウィリアムの復活」か「不死者の父親」のどちらかに焦点を合わせれば良かったのでは?と思いました。設定も俳優も美術もいいのに…非常にもったいない。 近年における「吸血鬼」映画は、ダークな雰囲気とアクションに比重がかけられているので、ストーリー性はあんまり期待しちゃいけないのかもしれません。悲しいですが;敵が吸血鬼かゾンビか、の違いだけで「バイオ~」などとあまり変わらないのでは?「吸血鬼」である意味が薄れてきているように思います。十字架やら太陽の光を浴びると灰になる、という設定も今ではほとんど見られず…味付け程度;昔は「日が沈む」とか「もうすぐ朝」とかストーリーにおいて重要で「吸血鬼」であるという意味があったものですが;何より、日本の数々の「吸血鬼話」と違って「人外」である事の苦悩とかま~ったくナッシング。そう考えると「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」がハリウッドの「吸血鬼」映画において、かなり異色作だったのだな~と実感。もう一度、「吸血鬼」である事の意味を感じられる「吸血鬼話」が見たいな~と思いました。
[DVD(吹替)] 7点(2009-01-20 17:13:45)
27.  ラスト、コーション 《ネタバレ》 
監督がアン・リーとは知らなかった。どうりであの空気感は見事です。言葉の裏側、交差する視線がもたらす緊迫感は並の映画ではだせないのではないでしょうか。 「ワイルドスワン」という本を読んだことがあるので、その予備知識があったうえでこの映画を観れたのはラッキーでした。 女性の賭けマージャンは孤独な上流階級の奥方の象徴だとか、国民党の性質と信念、日本人街で見せた日本軍の堕落振り、アメリカ参戦によって、敗北が決定的となった日本の犬になっていたイーの涙ぐんだ姿。そういった歴史と文化の裏側を知って観るのと観ないのとでは印象の深さがまったく違うと思います。ある程度の歴史を知ってから鑑賞されることをお勧めします。 ふと、思いましたが、宝石店でイーがワンに「ずっといる」と言ったのは、彼女といっしょに逃亡する事を考えていたのではないでしょうか。破滅する前にすべてを捨てて、唯一信じられる女性と共に。イーはこれで完全に逃亡する気力を失ったでしょうから、彼に待っているのは破滅だけかもしれません。 「本当の愛」を示す事が、二人にとっての「破滅」になるとは…悲しすぎる、しかし深い悲恋映画でした。
[DVD(吹替)] 7点(2008-12-31 13:29:34)
28.  記憶の棘 《ネタバレ》 
これは行間を読む物語というか、裏側を察する映画ではないだろうか、と思いました。終盤になっていろんな事が明らかにされていく。それは推理小説のような「謎」ではなく、人の心理。何故、この人はこんな行動をとっていたのか、という感情が明らかにされるので、そこを分かったうえでもう一度観賞すると奥深い。例えば、アナの母親が少年をうさんくさそうな目で始終見ているが、それは少年を疑っているのではなく、かつての婿が嫌いだったから、という理由が分かったりする。 ラストのアナのせつない感情の爆発が痛々しい。刺は決して抜ける事はないのだろう、と察せられる。彼は刺の刺さった彼女を愛さなければならないのだろう。自分では刺を抜く事は出来ないのだから。
[DVD(吹替)] 7点(2008-12-18 15:49:48)
29.  第9地区 《ネタバレ》 
この作品の続編は必要ないと思う。今、私達が生きている現実こそが続編、と思うから。…でも作っちゃいそうだな~アカデミーノミネートだもんな~この作品はこれで終わって欲しいな~こういう低予算映画は製作側の情熱とフリーダムパワーの相乗効果で良作になるから、予算がついた時は(スポンサーの口だし付き)パワーダウンしがちなんだよな~そうなったら淋しいな~…とは言うものの前半はあまりのグロテスクさと手ぶれ映像で吐き気が…マジやばかったです;(知らなかったから覚悟がなかったし…;)「低予算良作映画=(イコール)手ぶれ効果」なんて図式が出来たら私のような三半規管の弱い人間はどうすればよいのでしょうか!(ちょっと本気で焦ってます;)
[DVD(吹替)] 6点(2011-03-08 22:47:09)
30.  アイアンマン 《ネタバレ》 
軍事産業で超大国となっているアメリカの暗部を、コメディタッチで緩和しつつ、うまく盛り込んでいたと思う。冒頭の受賞シーン「トニーはアメリカの自由と利益の為に貢献」はいはい、アメリカ「だけの」自由と利益の為にね。戦争が無くなっては困る米国は常に他国の政治と紛争に介入する。戦場に送り込まれる米国の若者達。兵器を作る為に多額の税金が投入され、福祉や医療予算が削られ弱者にとことん厳しい社会。裏を返せば「アメリカの敵はアメリカ」な現実が、ラスボス対決に反映されていたかな。トニーを救った科学者は自分の作った武器で家族が殺された、なんて悲しい過去を背負っていたかも。ヒーローものとしてはどうだろう?ヒーローとは「啓示」ではないかと思う。世界や歴史は千人単位の人間が動いて初めて変わる。千人を動かす一人はいるが、一人では世界は変わらない。ヒーローとは人々に「意志」をもたらすもの。指導者やカリスマではない(それだと自分の意志ではなく、命令どおりに動く人形になってしまいがち)ヒーローが正体を明かさない理由はそこらへんにあると思う(善行をしても報われないが、失敗した時、本人が責任とらずな面もある;)この映画のヒーローは誕生したばっかだからそこがぼやけていた。ちょっと物足りないのはそのせいかも。テレビの吹替の声優さんが池田さんだったので驚いた。「赤い彗星」って事でしょうか?;
[地上波(吹替)] 6点(2011-02-25 18:05:42)
31.  トランスポーター2
フランクは『ガンカタ』を習得しているらしい;(今やこのテのヒーローの必須条件かも…^▽^;?)
[地上波(吹替)] 6点(2011-02-10 11:49:24)
32.  GOEMON
この監督は前作で、映像表現である映画に台詞で説明させる、というダサイ事やってましたが、今作は緩和されていて良かった。史実を描くつもりはなく、設定説明の省略に実在人物を用いる手法は深作監督もやっていた。五右衛門が煮えたぎった油(釜ゆで刑は熱湯ではない)に入れられ処刑された時、息子も放りこまれたのは事実(無視されがちな史実)内容はベタである。ゲームである。ゲームとしてプレイすれば大感激の嵐だろう。映像美も超一級だもの。この監督の欠点は「個人の絶望」と「世界の狂気」を同一のように描いているところだと思う。だから人物象が薄いのだ。まさか一人の人間が世界を変えられる、みたいに思ってんじゃないだろうな?(共和制の否定にでもなりかねん)ヌルイぞ、甘いぞ、若造だぞ。深作監督は戦中を生き抜き、世界と人が絶望と狂気に陥る様を体験している。やはりこの差は大きい。好みの問題かもしれんが、この欠点が無くならない限り、私にとってキリヤ監督は映画監督ではない。ゲームクリエイターである。
[地上波(邦画)] 6点(2010-12-06 09:32:48)
33.  トゥモロー・ワールド 《ネタバレ》 
説明過多でないところが私は良かった。説明で深みがでるとは限らないし。「子供が産まれない世界」が描かれているが、別の絶望なら現代にも溢れている。「石油の枯渇」「食料危機」などが原因でいつかやってくる未来かもしれない。恐怖と絶望がへばりついた日常生活は現代のイスラエル・パレスチナのようだった。難民のシーンなどすごく似ている(だから英国が舞台?)世界を覆う絶望感が画面から伝わってくる。個人の苦しみなど狂った世界では塵と同じ。その社会の無感情さが恐ろしい。「希望=赤ん坊」のように描かれているが、単に「象徴」だと思う。人それぞれに「希望」がある。「希望」を失った人間は平気で殺し合う。が、希望は苦しいものでもある。赤ん坊を助けた人がついてこなかったり、赤ん坊がいなくなった途端に銃撃戦が再開するのは、再び希望をもつのが怖いからではないか?私はこの映画は『「生きる」は大切だが、どう生きてどう死ぬかも大切』と言っているような気がした。世界観の表現や脚本、演出も見事だったが「赤ん坊=救世主」「トゥモロー号=シオンの山」を連想させるのは微妙。セオが何度も「大丈夫」と言うのは「信じる者だけが救われる」から?「処女ではない」台詞があるのは否定の意味かもしれないが、どうしても宗教色が見えてしまう。違うアプローチにして欲しかった。
[DVD(吹替)] 6点(2010-10-26 10:57:23)
34.  ヴィレッジ(2004) 《ネタバレ》 
心に傷を持った大人が作った「平和な村」。それを守る為に作られた「嘘」。観賞後『大人は心を閉ざし、盲目のアイバーが心の目を開いて突き進んだ、って事?』と一瞬思ったのですが、どうも、違和感を覚えました。ルシアスを傷つけたのはノアですが殺してません。そもそも、彼に「殺す」という概念があったのでしょうか?大人達はルシアスを助ける手だてを知りながら、見殺しにしようとしていた。そして、誰かを殺したのは突き進んだアイバーです(身を守る為だったけど、怪物がいないのは知っていた筈)息子を殺されても「平和な村」の為に親は黙っているのでしょう。心の傷を癒す為に作った「村」の筈なのに…一度嘘の世界を作ってしまえば、嘘に嘘を重ねて補修していくしかないのでしょうか?怪物がいない事を知っているアイバーだけれど、黙っていると思う。彼女にとってルシアスが世界の全てだから(外と接触しても、知ろうともしない)あの村は「ごまかしの村」ではないでしょうか?自分の世界だけしか見ていないのは、アイバーも含めて全員同じ気がする。でも、それってこの村じゃなくても起きている事。例えば『隣の家の子供がいつも痣だらけ。虐待かもしれない。でも、やっかいだし怖いから見て見ぬふりをしよう。その方が楽だし…』子供が虐待死したとしても「私は知らなかった。何も見ていないから」といって誤魔化し、「あの時私が話していれば…」なんて思わない。自分の心の平和を守りたいから。この映画の登場人物達にとって大切なのは「自分の世界の平和」でした。何を、誰を犠牲にしようとも…それが言い知れぬ怖さに感じました。
[DVD(字幕)] 6点(2010-05-31 17:09:00)
35.  天使と悪魔 《ネタバレ》 
原作を読書後に観賞。これって原作を知らない人にとって「説得力のない映画」じゃないでしょうか?多少の変更はやむを得ないとしても、大切な箇所を変えているのはちょっと…;原作ではカルメレンゴの背景がもっと重かった(最後も悲鳴一つあげなかったのに)彼の目的は「人々に奇跡を見せ信仰心を蘇らせる」でしたが、映画ではまるで「教皇になる為」みたいではないですか。爆発を命がけで回避させたとしても、枢機卿達が教皇に選ぶとは限らないのに…崇められたかったって事?その程度の事にこれだけの事件を仕込むか~?みたいな;あの演説も枢機卿達ではなく、世界に向けてだったからこそ意味がありました。ヴィットリアもただの研究員になっているから、ラングドンと行動させるのは無理がある。あの流れでは爆弾探しの方に協力が自然では?(原作では父が殺されたので、殺し屋を探すのは自然だった)彼女がいなくなると、男ばかりになって画面がむさ苦しくなるからかな~;にしても華のないヒロインでござった;他にいなかったんかい?タイトルの「天使と悪魔」は「誰の中にでも天使と悪魔がいる」と私は解釈しましたが、映画ではそれさえも希薄になっていたように感じました(まるで教皇が天使でカルメレンゴが悪魔みたいで…)教会側からクレームきたのかな~?見とれる程美しい大風呂敷ですが、包まれている中身が薄いんでダボついてますな~って感じでした;残念。
[DVD(字幕)] 6点(2010-05-24 13:13:17)(良:1票)
36.  ブロークン(2008) 《ネタバレ》 
B級低予算ホラーサスペンスだろう、とあまり期待せずに観ましたがなかなかの良作でした。低予算だろうに画面が綺麗なのでチープさがなかった。カメラワークも良い。監督がフォトグラファーと知って納得。「映画はお金をかけりゃいいってもんじゃない」がしみじみ感じる映画です。やっぱりセンスが大切ですよね~ 余計な台詞がないし、登場人物のオーバーリアクションもないのでリアリティがありました。謎解きというより感覚的なものが強いお話しです。「姉さんのマンションだ」の台詞を聞いた時は背筋がゾクッとしました。もう、半ひねり欲しかったかな~と思う一方、これ以上何かつけると下世話ぽくなっちゃうような気もするのです。個人的にはこういう雰囲気は嫌いじゃないです。
[DVD(字幕)] 6点(2010-04-02 11:44:41)
37.  ブーリン家の姉妹 《ネタバレ》 
「高級食材を使った高級料理なのにスパイスがイマイチ効いてない」って感じの映画でした。「タイタニック」みたく『史実を舞台設定にした愛憎ドラマ』なのですがドラマ部分が弱いのが残念。撮影、衣裳、役者は水準以上だからチープにはならないと思うので、もっとドロドロさせて欲しかった(ベッドシーンはいらんから;)映画の中ではアンが哀れでした。王を誘惑する時は自信満々だったのに、王妃になってからは常に脅えてかつての堂々とした彼女は見る影もない。結局、王妃キャサリンと同じ運命になるという残酷さ。後ろだてのない彼女は「離婚」ではなく「処刑」される。王妃だった期間は約1000日。男子を産んでも王が飽きれば同じ運命だったように感じる(あらゆる罪状においてアンは無実だった、という説も有るらしい)王は結婚を繰り返して梅毒の悪化で亡くなるんだから、さもありなん;アンの次に王妃になったジェーン・シーモアは世継ぎのエドワードを産んで亡くなる。エドワードは病弱で15才(多分;)で亡くなってしまう。初めに一瞬出てきた王妃キャサリンの娘メアリーが王位に就くが、父王の宗教改革を否定し、国教派300人あまりを処刑して「ブラッディーメアリー」と呼ばれる。その憎しみがこんな中で育っていったのかな~と考えると感慨深いものがある。もしかしたら、歴史性に頼り過ぎた映画なのかもしれません。史実をつきつめないなら、迷わず創作部分を思いきったものにしないと駄目じゃん。皆様おっしゃるように中途半端な印象。丁寧なのにパンチの足りない映画になってしまって惜しい感じ。
[DVD(字幕)] 6点(2010-04-02 10:19:55)(良:1票)
38.  シャッター(2008) 《ネタバレ》 
レンタルした時は扉の「シャッター」かと思ったらカメラの「シャッター」だったのですね。定番ホラーなんですが、観賞環境が「夜に部屋で一人」のせいでしょうか、結構怖かったです。その後寝たら夢にも観てしまったし;「心霊写真」っていうのが個人的に「怖いツボ」だったようです;ハミングして後ろにいるのが妻だと思っていたら、その妻から電話がかかってくる。そういう日常的なさり気ない部分が、実際にありそう怖い。「ターミネーター」シリーズで「無表情にも演技力がいる」事を知りましたので、奥菜恵の霊っぷりに彼女が演技の上手い女優だったのに気づきました。アメリカまで憑いていっていたのに、今頃復讐し始めたのはベンが結婚したからでしょうか?日本に帰ってきたから?でも、舞台を日本にした意味があまりないような?最後に「ベンに憑いている」姿がポラロイドカメラに写るシーンでは「ぞっ」としつつも半笑い;そりゃ重いだろうよ!ウエトレスさんも驚くわ!しかし、その後のベンの行動が「?」です。どうして自傷行為にはしるのか分からない。降ろしたい、のだろうけどちょっと無理があるような?病院でのベンに「憑いている」姿はオーソドックスで怖い;最初からその「憑き方」でよかったんじゃ…;
[DVD(吹替)] 6点(2010-02-16 13:47:55)(笑:1票) (良:2票)
39.  JUNO/ジュノ 《ネタバレ》 
観賞前はジュノVS世間かと思っていた。里親探しが大変だったり、学校でいびりに合うが負けずに奮闘する話かと。が、良い親友や家族はいるし里親もすぐに見つかる。冷たい世間の表れである放射線科医には、義母がきつい一発をおみまいしてジュノの気持ちを守ってくれる。この映画の言いたいとこはそこじゃないらしい。代わりにじっくり描かれるのは里親との交流。この映画は「その人のありのままの姿を愛する大切さ」を訴えているのだと思う。現実社会は「型」が押し付けられている。「勝ち組になれ」「リッチな生活しなきゃ不幸」「煙草を吸う人はダメ」「太った人は意志が弱い」などなど。固定観念に縛られ、とっても息苦しい。本当に人として大切なところはそこじゃないでしょ。私はヴァネッサに感情移入しました。前の養子縁組で何かあったのか、彼女の態度はとても頑です。マークに大人になれと強要したり「大人にならなきゃ子供がもらえない」と、強迫観念にとらわれているようで苦しそう。でも、そんなマークが好きになって結婚したんじゃないの?マークもヴァネッサは子供が産めなかったとしても受け入れて好きになったのではないの?自分を否定されてマークはすっかり自信を失ってしまったみたい。私はヴァネッサがこれから子供を育てていく中でその気持ちを取り戻すのではないか、と思ってます。「ありのままの姿を愛する」という愛情を最初にくれるのは親(普通は;)。親が子供を愛するのは良い子だからでも優秀だからでも実子だからでもないのです(ジュノの母親が義理っていうのは結構重要かも?)家は自分が自分でいられる場所だから、受け入れてくれる家族がいるから居心地が良い。ジュノが好きなのに違うふりしてた男の子がいたけど、ジュノもそうだった。人の事は分かるけど、自分って分かりにくいものよね~ありのままの自分自身を受け入れるのも大事です(甘やかすのとは違う)私はこの映画は「ありのままの姿を愛し、受け入れる優しい人や社会って良いでしょ?」と語りかけているように感じます(同じ系列でいったら「~ミスサンシャイン」の方が好きかな~;)
[DVD(吹替)] 6点(2010-01-28 11:45:07)(良:1票)
40.  MW-ムウ- 《ネタバレ》 
もったいない!結城役を演じるに超適役な玉木宏を得ていながら生ぬるい脚本が台無しにしている;まあ、頑張っていたとは思う。米軍と日本政治家との密約関係とかよくぞ入れてくれた(大企業がスポンサーに入ってたらNGだったろう)この映画の一番悪い点は「刑事VS犯人」という構図に歪めたところ。原作ファンから言うとテーマ性を貫いてくれれば、ストーリー展開など変えても構わないのだ。この作品のテーマとは「狂気」である。この世界は歪んでいる。罪もない島民を殺して隠ぺいする政府は正義か?過去原爆を落とし、戦争による破壊を経験しながらも戦争を続けるこの世界は正しいのか?狂っているのは世界か?結城か?その問いかけが原作のテーマだと私は解釈している。その「狂気」が伝わってこない。他人の命も自分の命も執着しない結城が執着したのが唯一賀来とMWだったのに、最後の刑事への電話などありえない;賀来に対して「おもちゃを落とした」はないわ~!海に飛び込んで必死に探す、ぐらい見せてよ;(肉体関係を排除したんだから)もしかしたら、最後は結城じゃなくて「結城のような奴が再び現れる」を暗示しているかもしれない、と好意的に受け止めておきますか…;
[DVD(邦画)] 5点(2012-05-27 19:47:54)
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