21. ホテル・ムンバイ
《ネタバレ》 とてもキツイ映画だが時間を忘れさせる迫真の展開に8点 情け容赦無いテロ殺戮に心が追いつかず脳が果てしなく疲れた。キーマンや伏線もどきの登場人物もあっさり殺されて しまう。問答無様である。目についた動くものは即殺である。これが実際に起きた事件であることが最初に刷り込まれ 見るものを恐怖のどん底に突き落とすのである。多くの鑑賞者はアルジュンには無理だが機転が利く切れ者がテロリスト に反撃する瞬間を待ちわびていたかも知れない。例えばバックパッカーの青年、ロシア人、赤ん坊の父どれも無残に 撃ち殺されてしまう。赤ん坊の母に銃口が向けられたとき、私は神なんていないんだと心底感じた。そんなもの信じる からいつも裏切られて傷つき人を傷つけるのだろうと。(宗教を否定しているわけではない) 実際に起きるテロリストなんてこんなもんだろう。見てて解るように素人なのである。スパイ映画のように特殊訓練 なんてやってない。動くものを殺す。目についたものを撃つ。ボスの命令は神と信じたい。信じることによって貧しい 両親・家庭に幾ばくかのお金を渡してくれるものと信じたい。親孝行したい。と略奪の歴史とともにボスに洗脳され るのである。洗脳といっても彼等は事実を知らないだけであり、ボスに従うことがアッラーの元へ導かれると思い たいのである。希望を喰むことが彼等の生きる証なのである。 料理長とアルジュンの言葉に一抹のカタルシスがあったこと、赤ん坊と母・メイドさんが助かった事がこの映画の 唯一の救いであろう。 [インターネット(吹替)] 8点(2021-07-12 13:24:44)(良:2票) |
22. シャッター アイランド
《ネタバレ》 レオの熱演に免じて6点(本当は5点)でも佳作 さてシャッターアイランドは存在したのでしょうか? 精神障害系の凶悪犯の収容所ということで、序盤すぐにテディに頭痛がして院長から薬が出てくるので、あぁ テディ自身が病人かもねと。車で移動する時の不自然な合成画像も相まってその思いは強くなる。そうでない方 の結末を望みつつ話は進む。しかしこの映画の99%はテディ目線なのである。テディの目にするものしか我々は 見ることができないのである。これが最初からずっと続いてるのはこれがテディの妄想の世界だからであろう。 当然崖で出会ったレイチェルも妄想、灯台の院長も妄想である。そもそもあんな不便な場所に院長室があるのが 現実なら変である。ならばロボトミーも妄想ということである。なのにこの作品の多くの解釈は「善人として死ぬ? (ロボトミー)」とされているのだ。シャッターアイランドへ保安官として相棒と船で渡ってきたのも妄想である ならば灯台の存在も妄想なのだ。そこを「ロールプレイ治療」で誤魔化して現実と妄想の境界をいい加減に描いて いると私は感じた。いやマーティン・スコセッシに遊ばれた。ずるい映画である。 またドロレスのシーンは無駄に長かった。あんな物を見せられれば見せられるほど、逆の結末を観客が望むのは 当り前だ。想像はつくが、そうあって欲しくない方の結末に予定通りに突き落とすのは意地悪かな? と言った点を踏まえて、もう一度画面を見ながらひとりツッコミ満載で鑑賞すると、家族から気味悪がられるので 程々にしときましょうね。 [インターネット(吹替)] 6点(2021-06-15 15:54:50) |
23. インターステラー
《ネタバレ》 もう一度ゆっくり鑑賞したいと思わせてくれた作品。できれば大画面で。 169分という3時間近い長編ながら、2001年やゼロ・グラビティ等の様な冗長さは感じさせない構成になっており、 展開は以外に早く見るものを飽きさせないのは流石ノーランだと思った。次の決断をしてミッション遂行までの テンポが良いのだろう。また息を呑むような映像とゾワゾワとした畏怖が見るものを惹きつけるのだろう。 最初の本棚のシーンは何かの啓示であることは予測できるが最後に繋がるとは思ってなかった。もちろんクーパーが 宇宙船から脱出したシーンで「あっ」っとなって感慨深かった。娘マーフも幽霊ではないことには気づいていたが、 それが何かは幼少期に気づくはずもなかったが、あの時の父親クーパーの思いを考えると胸が一杯になった。 口数の多い木偶の坊と思わせたTARSが、様々な場面で有能なのも良かった。というかTARSがいなきゃ全滅してた。 -1点は僕の理解が浅いのも理由としてあるとは思うが、様々な解説を読んでも納得のいかない部分があるから。 マン博士の孤独も嘘の信号もプライドもあるとは思うが、あの様な行動に出る必然性が低いかな?もちろん彼が プランCなるものを画策してたならわからないでもないが、それにしても一人では生きて行けない。有能な仲間を 殺害する利点が何一つ無い。と僕は思った。理屈通りにはならないのが人間の愚かさでもあるが。 いずれにしても21世紀SF映画の金字塔として推薦できる作品だと思う。 [インターネット(吹替)] 9点(2021-05-17 15:32:21)(良:1票) |
24. ソルト
《ネタバレ》 それなりに楽しめた。作戦の記憶が戻ったソルトの第一の目的は夫を救うことのみ。 それだけのために前半は駆け抜けた。ただなんの目的でロシアの諜報組織は夫を生かしていたのだろうか? わざわざソルトの目前で射殺したのかよくわからない。この辺は脚本の甘さだと思う。映画だから必然性が ないことの連続ではあるが、あるように演出して欲しい。また諜報組織のアジトもショボいというか70年代? 昔ながらの古い工場跡地みたいなのはいい加減止めたほうが良いと思う。もうそれ演出としては-120点だよ。 とは言うものの、全体的にはサクサクダンジョンは進みイライラする事もなくラストを迎え、悪人はちゃんと 成敗され、スパッと終わってくれるので後味は悪くない。あれ結局CIAに懐柔されてるってことだよね。 身内を騙すためにソルトをひっぱたいたんだよね。 [インターネット(吹替)] 6点(2021-05-03 13:33:49) |
25. ザ・ファブル
《ネタバレ》 まぁ役者揃いでそれなりに楽しめた。岡田准一・柳楽優弥・安田顕この3人の持ち味でこの作品は生きている。 岡田くんのアクションは良かったが、もう少しリアリズムらしきものを見せて欲しかった。キアヌのジョン・ウィックもそうだったが、至近距離からの即撃ちに頼り過ぎである。一人対多数でそれは実際不可能でしょ。全員が即打ちすれば通用しないとわかりそうなもんだが、見てて小気味良いテンポがあるので頼ってしまうのは、元々の軽めのストーリーからして仕方ないとは思う。抗争の理由が今ひとつ釈然としないのもチョットなぁと感じた。岡田くんのアクションに頼りすぎても飽きが来るのは早い。 蓮っ葉な役どころの木村文乃は良かった。まだ実力の片鱗しか見せてないので次回作の楽しみは残してある。 [インターネット(邦画)] 6点(2021-04-12 16:46:43) |
26. ジョン・ウィック
《ネタバレ》 点数はキアヌの持ち点(笑)その他は採点に値しないと感じた。 怒りの沸点には共感する。非情の男が更生し大切にしてきた温もりを立て続けに奪われた怒りはわかる。しかしストーリーが無茶苦茶だ。裏社会のボスの息子がいきなりGSでジョンの車を欲しがったり、わざわざ車欲しさにジョンの後をつけて襲撃して車を奪うとか、馬鹿やろ。裏社会とかマフィアとかバカにしすぎ。奴らが欲しいのは金でしょ。金があれば車なんていくらでも買える。 しかも申し訳ないがその息子が雑魚キャラ過ぎて映画では初っ端で殺されそうな役柄。小ネタだと思うがそのボスも弱すぎて笑った。人を殴ったことがないのか、やたらと殴った後に自分の手を痛がる。なのに最後はブギーマンとタイマンだとう?こういうキャラは最後はヘリの上から銃撃して、ヘリが反対に爆破されて死ぬのが王道だろう。 またアクションの評価が高いようだが、全然駄目。無駄にたくさん殺せばいいってもんじゃない。リアリズムのかけらもなくドッチラケなアクションの連続である。そもそもジョンは一度捕らえられるが、ジョンを殺すのになんでビニールで窒息させようとするのか意味不明でしょ。あんだけ銃を乱射してるのに銃で殺れよとか、上げればきりがないほどお粗末な脚本だった。キアヌに格闘なんかさせちゃだめですよ。 [インターネット(吹替)] 3点(2021-04-05 10:18:08)(良:1票) |
27. あやしい彼女(2016)
《ネタバレ》 倍賞美津子さんと多部ちゃんを鑑賞する映画です。ふたりとも役柄を思う存分に演じ上げ爽快な春風のような作品。 オープニングで大凡の展開は想像できるが、そこそこ飽きさせずに鑑賞できたのは個人的には多部ちゃんだからなのだろう。昭和チックなファッションや歌唱も似合っていたと思うが、もう少し歌唱力に磨きが欲しかった。決して下手ではないが音楽プロデューサーが惚れ込むレベルには程遠い気はした。ラストも怪我人が欲しくて力技を使った感もあるが、小林聡美(娘)さんと倍賞美津子(母)さんが上手く締めてくれたし、不甲斐なくキュンってなりました。 最後に変顔の多部ちゃんは最高である。 [インターネット(邦画)] 6点(2021-04-05 10:17:39) |
28. 天気の子
《ネタバレ》 リアル東京を精緻にアニメ化してる点は技術点として評価できると思った。途中の挿入歌は不要だと感じた、インストで良い。最後に挿入歌でもっと盛り上がるんじゃないかな。挿入歌でペラペラ愛とか青春を語るのはちょっと無理です。おじさんは心が透き通っていないので後半とにかく気になることがあって感動が遠ざかってしまった。陽菜さんは「限られた狭い範囲で短時間」しか晴天を呼ぶことができない設定なのだから、彼女の力によって世界も日本も東京も変わらないのでは?つまり彼女が人柱になる必然がそこに見いだせなかった。最後に誰かのために犠牲になって人柱になったのなら理解できるが、そういう設定ではなかった。良くわからない理由で最後行っちゃった。でも何故かちゃぶ台返しで戻ってこれたので、それはそれで伏線が欲しかったけど、帆高の愛や思いの強さが呼び寄せたと僕は理解した。 最後に、こういう理屈っぽい事をおじさんがうだうだ語る映画では無いことを改めて思い知らされました。(新海さんはいつもそうだけどね) [地上波(邦画)] 5点(2021-01-06 08:50:26) |
29. 宇宙兄弟
《ネタバレ》 前半が良かっただけに、後半は非常に残念でならなかった。 後半はJAXAの宣伝PVの色を強く感じた。また日々人の月面シーンも長い。ムダに長い。私の中でこの映画のクライマックスは、 日々人が宇宙船に乗り込む寸前『むっちゃんは宇宙に来ないの?』と挑発し、六太が『行ってやるよ。お前は先に行って下見してこい』言い返すシーンだろう。このやりとりに熱くほとばしるものを感じた。まぁ落ちは六太の「ちなみにガスの元栓は俺が閉めといたぞ!」という事になるが。後半の失速感を除けばそんなに悪くはないと感じた。 [地上波(邦画)] 6点(2014-04-02 12:56:32) |