21. きっと、うまくいく
《ネタバレ》 質の高い笑って泣ける大衆向け娯楽作品でした。楽しませる演出のツボを抑えている感じで高評価に納得の一方、少し不思議に思う部分もあります。 高い能力を持つ人物達が精神的に成長し、社会的に成功し自己実現をするストーリーですがどれだけの人が素直に心に響いたのでしょうか。 日本では自分の能力に自信を持てない人の方が多いのでは?特別な才能が無いと思っている人の方が多く、あったとしてもそれに気付いていない人の方が多いのでは? そういう人達はこの映画をどのように受け止めたのでしょうか。 そういう人達はこういう映画を観ることを避けるのでしょうか。 多くの人達はこの映画を観て本当に前向きな気持ちになれたのでしょうか。雰囲気に飲まれただけな人も多いのではと思うのは歪んでますかね。やり直しが難しい年齢の人達は一体何を思うのか。 自己実現に向けて自分に正直に夢や希望を持ち行動することが大切であることはなんとなく分かります。 でも、特別ではない能力、特別ではない精神を持つ人にはそれを維持することが難しいんです。 [DVD(字幕)] 7点(2014-08-20 00:09:27) |
22. CASSHERN
公開当時、賛の声はあったものの、デビルマンとセットで挙げられるほど酷評されていた記憶があります。これほどイマジネーション溢れる映画が酷評されるのかと衝撃がありました。 いかに多くの日本人が映像、芸術性軽視で映画を観てるのかが分かります。 是枝裕和、西川美和、中村義洋、沖田修一、深川栄洋らは確かにうまい。どれもクセのない美しい映像で心理描写も巧みだと思う。 しかし、小綺麗でうまいけど平凡の域を全く出ない映像ばかりの邦画界において、この映画は貴重な存在ではないでしょうか。 [DVD(邦画)] 7点(2014-04-02 19:38:40)(良:1票) |
23. 神様のパズル
テーマはとても興味深い。宇宙の誕生と人間が存在する意味。関係無さそうな二つの大きな謎をうまく関連付け、知的好奇心を刺激するハードSFの体裁を持ちながら、理屈抜きのエモーショナルな人間ドラマも併せ持つ意欲的な内容だと思う。演出は邦画の悪いところが出てると思う。向いてない表現に挑み見事に中途半端な仕上がりになってしまっている。もっと落ち着いた演出だったら傑作になってたかもしれない。 しかし、これはこれでアリかもしれないと思う。ブサイクな表現ながらも市原隼人の理屈抜きの勢い、エネルギーは伝わりました。 [DVD(邦画)] 7点(2014-03-17 23:37:38) |
24. ●REC/レック(2007)
《ネタバレ》 私はホラーには全く興味がなくPOVにもさほど魅力を感じませんが、この映画は気に入りました。謎や変な違和感だらけなのが凄く面白いです。 序盤からとにかく細かい違和感が多かったです。老婆が一人で叫んでるだけなのに皆が下の階に集まり怯えるのは大袈裟ではないか?自称研修医はなぜドアの前にいたのか?なぜ研修医という設定?若い女性がなぜ老婆の部屋にいたのか?住民のインタビュー時の言葉のチョイスがおかしくないか?日本人はなぜおじいちゃんを長時間放置?など。 深く考えなければそういうもんかとさらっと流せたり、雑な作りの映画なんだろうと思えば気にならない微妙なことばかり。鑑賞時はテンポの良さと恐怖感に圧倒されあまり気にしてなかったのですが、よくよく考えてみるとしっかりした裏(前)設定の元に作られた緻密な脚本ではないかと思いました。 REC0を作ってほしいです。0を見た後に1を見たら新たに楽しめそうです。 ただ…思わせぶりなだけの可能性も否定できません…。 [DVD(字幕)] 7点(2013-11-22 19:13:44) |
25. 恐怖の報酬(1953)
《ネタバレ》 監督が一人とは思えないほどクオリティが安定してないと感じました。町の貧しさを示す導入部は優れた映像作品を予感させましたがそこがピーク。トラックが出発するまで約1時間も費やした割には人物描写や町の描写が映像的にも内容的にも物足りないという印象です。マリオとジョーが親密になる過程も淡泊だしマリオやジョーがお金を欲している理由もセリフでさらっと説明してしまっている。ビンバに至ってはほとんど描写がない。トラックの運転技術を競うシーンも淡泊で説得力がない。 トラックが出発してからはスリルの連続で凄く楽しめました。が、トラックの爆発や油まみれのシーンなど幾つか唸らせられるカットはあったものの、やや慎重さに欠ける運転の仕方やトラックの振動、ジョーを死に追いやったのに意気揚々としてるシーンなど細かい部分が雑で説得力に欠けると思いました。 最後のクロスカッティングはそれまでと異なるテンポで高揚感を感じました。この映画の最も好きなシーンかもしれません。 [DVD(字幕)] 7点(2013-10-13 19:37:36) |
26. パレード
演出に7点。非常に息苦しくて不快な映画でした。私はそれなりにこれまでの人間関係に満足しています。人間関係に対する嫌なイメージを膨らませるのはやめて下さい。迷惑です。 [DVD(邦画)] 7点(2013-08-17 12:55:46) |
27. ゆれる
《ネタバレ》 画としてはとても見応えがあり楽しめました。ですが、脚本が少し変だと感じました。その変加減が必要以上にこの映画の謎を深めてしまっている、分かりにくくしてしまっていると感じます。 例えば、兄が洗濯物を畳みながら智恵子との関係を詮索していたシーン。兄は弟と智恵子が関係を持ったことに気づいていると、弟が思った描写に見えました。それ以前に兄と智恵子の関係を疑ってるようなカットもありましたし、「風呂はいらないか。」なんてセリフは明らかに「智恵子の家で入ってきたんだろ?」って言われてるようなもの。唐突に酒の話を持ち出したのも鎌をかけてるのが見え見え。それに対する弟の反応や意味有り気なクローズアップは「ヤバい、兄に感付かれてるかも」という心理描写にしか見えません。 終盤になり父の智恵子は酒に弱いというセリフで、兄が気づいてたことを知ったらしいですが、私としては、弟は既に分かってるもんだと思ってず~っとストーリーを追って来てるわけですから、その時点で無駄な再検証が強いられるわけです。これは解釈の幅や謎が明かされたなんてものじゃなく、無駄な誤解が原因です。誤解させる意図なんて無かったはず。誤解する方が悪いなんて到底思えない。 鑑賞中に一から心理の解釈をリセットして考え直さなければならないなんて変な映画です。リセットしなければ、終盤の弟の証言の解釈にズレが出てしまいます。これはさまざまな解釈ができるなんてものじゃありません。 また、序盤に兄は高所恐怖症だと明らかにしており、当然弟もそれを知ってるものだと思ってず~っと観てたわけですが、実際は過去のビデオテープを観て思い出したらしい。だったら鑑賞者にも弟と同じタイミングで高所恐怖症の事実を示してほしかった。弟と同じ心情で物語を追うことができてなかったことがここでも明らかになり、更なる無駄な再検証を強いられたわけです。 他にも変だと感じるカットがありましたが終わります。 [DVD(邦画)] 7点(2013-08-16 18:22:22) |
28. 殯の森
言葉や理屈で説明すると陳腐になってしまうことを映像で表現することはとても価値があると思います。が、この映画はやや表現が直接的という印象を持ちました。森の脅威や肌の温もりで生を実感するという表現自体が陳腐だという印象です。それがダメだと言うつもりはありませんが私は面白味を感じませんでした。先に見た「ブンミおじさんの森」の方が映像が美しく、ストーリーもスマートだと思うので物足りなさを感じました。 [DVD(邦画)] 7点(2013-08-10 12:41:13) |
29. 十二人の怒れる男(1957)
映像に魅力を感じない。なぜか脚本だけでなく演出まで緻密だと評価されてることが解せない。クローズアップを利用した巧みな心理描写などと言われている。平凡な教科書通りの作りにしか見えない。ワンシチュエーションであることは言い訳にならない。この映画よりも29年前に製作された「裁かるゝジャンヌ」はさまざまなアングルのクローズアップや細かいカット割りを駆使し、もっと緻密な心理描写を実現している。なおかつ全ての画が美しい。このころから映像的に何も進歩してないと思う。会話劇が中心で映像はおまけ。語るのは役者だけで映像は何も語らない。このような映画が名作中の名作のような扱いをされてることが虚しい。 ただ…面白かったです! [DVD(字幕)] 7点(2013-08-04 19:48:42)(良:2票) |
30. バック・トゥ・ザ・フューチャー
最近見直してみましたが子供の頃に感じたワクワク感はありませんでした。 芸術性、美しさに欠ける画が退屈に感じます。 伏線をバラまき回収に邁進する脚本は一定の楽しさとカタルシスはありますが、言語的で奥行きは感じません。 脳や精神に負荷を感じることなく楽しい鑑賞時間を過ごせるという点で大衆的で優れてると思います。 [DVD(字幕)] 7点(2013-06-29 13:32:27) |
31. ダイ・ハード4.0
あまりの不死身ぶりが面白くてコメディのように笑えました。 リアクション芸人ですね。 [DVD(字幕)] 7点(2013-06-29 10:49:12) |
32. ラヴソング
演出が多様で工夫に溢れていて視覚的に楽しく観ることができました。 画と内容の軽さがメロドラマの域を出ていないと感じたので7点止まりです。 [DVD(字幕)] 7点(2013-01-13 00:38:08) |
33. ポテチ
《ネタバレ》 優れた頭脳を持っている忠司。しかし、その才能に自分も周りの人間も気付いていない。彼は空き巣という卑しい仕事をし、【劣等感】をごまかしながら生きている。社会から全く認められていない。 彼と同じ日に生まれたプロ野球選手の尾崎。彼は優れた才能を持ちながらも、監督に嫌われていることもあり、現在は結果を残せずにいる。彼もまたかつての栄光がありながらもプロ野球選手として認められていない。忠司の地元の憧れの選手。 そんな中、忠司と尾崎は出産直後に取り違えられていたことが判明。これほど劣等感を感じてしまう対象はいないのではないでしょうか。なぜ忠司は劣等感の対象である尾崎をあんなに応援したのでしょうか。自分に重ねて応援してたとは思えないです。劣等感に押しつぶされまいと必死だったんではないでしょうか。 目の前でチャンスをものにした尾崎を見て、涙ながらに喜んでいる忠司の姿に心を打たれました。心が貧しい私が忠司の立場なら、劣等感が増して落ち込むばかりの状況に思えます。彼はこれから劣等感に打ち勝って、強く生きていけるのでしょう。 自分の今の状況に気持ちが沈んでいる人におすすめの作品です。 [DVD(邦画)] 7点(2013-01-03 18:03:28) |
34. 切腹
《ネタバレ》 ○表層的になってしまった武士道精神、倫理観を批判する半四郎。これは現代社会にも通ずる普遍的なテーマだと思います。【人物や物事の本質】を見極めるのはとても難しいです。そのため印象や評価を表層的な部分に頼りがちだと思います。それを誰もが分かっているからこそ、表層的な体裁に気を獲られてしまう。誰もが本質を見極める力を持っているならば、体裁を繕う行為や形式だけの風習は淘汰され、自分の表層よりも深層へと向かう気持ちが高まることになるのではないでしょうか。ただし、誰もが本質を見極める力を持った成熟した社会ができるのはまだまだ遠い未来の話で、やはり、個人で意識して自制心を鍛える他無いということですね。耳の痛い話です。このコメントも表層的。mixiも表層的。Facebookも表層的。 ○「武士の面目などと申すものは、単にその表面だけを飾るもの。」 最も重要と思われるこの言葉に説得力を感じませんでした。 お金が無くとも医者に懇願するわけにはいかなかったのか。 求女は事情を話し許しを請う素振りさえ見せず、妻子を残し切腹したのは、武士の面目のためではなかったのか。また、子供が一刻を争う病態にも関わらず、白装束を見せられるまで切迫感が全く見られませんでした。 生きるために刀を金に変えた求女に比べ、いつまでも刀に執着する自分に愚かさを感じた半四郎、なぜその後、刀を売って医者代の足しにしなかったのか。 半四郎には、求女の切腹も表面だけのものであると批判してほしかったです。妻子のために恥を忍んで金銭目当ての切腹を申し出たことを立派と讃え、妻子を残して切腹したことも立派な武士道精神として扱っているため、主張がぼやけてる印象があります。 求女を批判していればテーマの説得力が増していたと思います。 [ビデオ(邦画)] 7点(2012-12-23 14:45:38)(笑:1票) (良:1票) |
35. スリーデイズ
7点の映画とは何か考えながら自分が観た映画のリストから探してみました。 自分の中で8点以上は名作の称号を与えたくなる作品。その一歩手前の作品が7点ということになります。 映像的にも内容的にも、名作と言いたくなるほどの作り込みや"特別な"魅力があるわけではない。かと言って不満があるわけでもない。とにかく面白い作品。ここで言う面白いとは、ハラハラドキドキワクワクして面白い、心を揺さぶる何かがある作品。しかしそれは"特別な"何かを有しているわけではない。 この映画は7点ど真ん中の作品だと思いました。人に勧めやすい【バランスの取れた作品】だと思います。 リメイク元の「すべて彼女のために」の欠点が解消されていると思います。 [DVD(字幕)] 7点(2012-12-17 20:17:25) |
36. ハルフウェイ
《ネタバレ》 話が途中で終わっている感じなので続きを妄想してみた。 「東京に行ってほしくないです」 「ピピピピッピピピピッ(目覚まし時計の音)」 なんだかステキな夢だったけど、良いところで目が覚めた。ふと鏡を見た。 私は北乃きいみたいに可愛いくない。halfはハーフと読める。 母がさっさと朝飯食べろと喚いている。怒号が響く中、急かされながら朝食を食べ支度をし、家を出た。 もちろん誰も待ってはいない。私に彼氏はいない。 起伏の激しい片道10kmの通学路は、電動アシスト機能が付いてない私のママチャリでは一苦労だ。 何とか間に合った。息を切らしながら席に着いた。 辺りを見渡してみたが、岡田将生みたいな理想の男子はいない。 担任は小太りのオッサンで頭頂部がやや禿げている。成宮寛貴みたいなイケメンではない。鼻クソをほじって食べるのがクセだ。今も出欠を取りながら右穴をほじっている。 気分が悪くなってきた。保健室に行くことにした。 私が所属している書道部の部室の前を通りがかったので、中を覗いて見た。 案の定、顧問の先生が大きなイビキをかきながら寝ている。 40代独身。大沢たかおみたいにはイケてない。見た目は塚地武雅に似ている。 この人に彼女がいたことなんてあったのだろうか。恋愛相談なんて絶対にできない。 イビキが止まり無呼吸状態になったのを後目に保健室へと向かった。 保健室にはうざいギャルグループがたむろっていた。保健室の先生はノリが合うらしく彼女等から絶大な支持を得ている。 白石美帆みたいな可愛らしさはない。気が強くてケバいオバサンだ。オシャレな車も持ってない。 恐くて中に入れない。ヤバい、吐きそう。 「ヴォェェェェェェッッ」 今日は卒業式。私の青春も今日で終わり。あんな夢、見たくなかった。 どこで~めぐり逢~えるか~な あの日~夢見た季節と♪ by Salyu [DVD(邦画)] 6点(2014-02-20 19:28:47) |
37. イカとクジラ
不倫、セックス、マスターベーション、カウンセリング、なんてお馬鹿で駄目な私達、葛藤を経て最後は少し成長。このパターンにはもううんざり。 [DVD(字幕)] 6点(2013-09-16 16:51:50) |
38. デトロイト・メタル・シティ
《ネタバレ》 もっと笑える内容のはずなのにあまり笑えない。恐らくテンポが悪いからではないでしょうか。コメディパートとしんみりパートのテンポが変わらない。コメディパートをじっくり見せ過ぎて、最初クスっと笑ってだんだんつまらなくなった気がします。特に顕著だと思ったのが部屋を破壊するシーン。もっと細かくカットを割ってスピーディに加藤ローサが出てきてたら爆笑したかもしれない。タワレコとカフェを行ったり来たりするシーンももっと短くカットを切り替えて良かったかもしれない。マジックミラーの向こうで怖がられるシーンもワンテンポ長い気がする。変態モードの松雪泰子を正面からじっくり見せ過ぎて観てるこっちが恥ずかしくなってくる。そんなことを思いました。 [DVD(邦画)] 6点(2013-08-03 00:30:10) |
39. スローターハウス5
某サイトの解説に「時間と空間を超越した体験を幻想的に描く」とあり、期待感を持って鑑賞しました。 感想は、映像に面白味がない、です。 時間を飛び越える表現が教科書通りのような場面転換ばかりでがっかりしました。 映像が美しいとの評判もありその点にも期待してましたが、私はそれほど美しいとは思いませんでした。確かに美しい風景はちらほらありましたが、構図や色彩表現がさほど優れてる映画には思えません。 別のもっと美しい画を撮る監督で見たかったです。 [DVD(字幕)] 6点(2013-07-13 21:56:55) |
40. オブリビオン(2013)
《ネタバレ》 「月に囚われた男」+「ラ・ジュテ」+「続・猿の惑星」+「クローンは故郷をめざす」+「2010年」+「インデペンデンス・デイ」+「マイノリティ・リポート」 [映画館(字幕)] 6点(2013-06-29 20:28:20)(良:1票) |