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六本木ソルジャーさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 823
性別 男性

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【製作年 : 2000年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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381.  スカイキャプテン ワールド・オブ・トゥモロー 《ネタバレ》 
正直言って、自分は全くこの世界観に溶け込めずに、完全に置き去りにされてしまった感じがした。 前編を創りたいのは分かるけど、思わせぶりのセリフが多いのもやや気になる手法。 問題点としては、まずは薄っぺらい世界に合う薄っぺらい脚本。 ご都合主義満載のストーリーにはもはや突っ込む気にはなれず、これ以上あえて語るつもりはない。 宮崎映画というより、ラストあたりは自分はルパンのクローンのやつを思い出しましたよ。 そして、全く臨場感も疾走感も感じられない映像。 CG映画は好きな方であるし、CGによって映画は発展していると感じているが、この出来は、いかがなものだろうか。 特にグィネスが序盤ロボットに踏み潰されそうになっている場面は酷いとしか言いようがない。 あれでどうやって、ドキドキしろと言うだろうか。 真面目なヒーローモノと構えずに、完全にギャグ映画だと割り切れば楽しめる人は多いかもしれない。 事実、狙い通りレトロの世界に合う古典的なギャグで場内は結構笑いに溢れていた。 自分はグウィネスが好きなのでその点は充分楽しめたし。 衣装はステラマッカートニーが担当しているらしい。彼女はビートルズのポールの娘で、元クロエのデザイナー。 現在はグッチグループで自分の名前でデザインしている人気のデザイナーなので、ジュードとグィネスの衣装には注目して欲しい。 そして、かなり引っ張りに引っ張ったラストのオチ。あれには本当にマジ参った。あれで最低の映画だったのが救われた、完全にポイントアップした衝撃の驚きのラストは必見。
5点(2004-11-28 22:29:32)
382.  ポーラー・エクスプレス 《ネタバレ》 
映像は素晴らしいの一言。今までのアニメを越えた独特の映像には驚かされる。 イノセンスの映像も素晴らしいと思っていたが、あれとは違った驚きがある。 気持ち悪いと評判だった子ども達の表情も特に違和感なく、逆にリアルで良かった。 ストーリーは正にファンタジック内容で、こんなこと言っては引く人もいると思うが正直言って感動してしまった。 サンタクロースモノというジャンルがあるとすれば、この映画はそのジャンルの中ではベストの作品だろう。 サンタクロースを信じている子どもたちやその存在を疑っている子どもたちがいたら、見せてあげたい一本。 しかし劇場には子どもの姿は一人、二人…、しかも上映中はちょっとつまらなそうにしていたなあ。 鈴の効果的な使い方が印象的だった。大人たちや信じない子どもには聞こえない鈴の音。 自分には果たしてあの音が聞こえるんだろうか、少なくともこの映画を創った人達には聞こえているんだろうと感じた。それだけ愛情や夢が詰まったいい映画だった。 子ども達がこの旅で学んだもの、得たものが切符に打ち込まれるのもいい演出だった。 サンタクロースだけでなく、黒人の女の子のブレーキの話も信じなかったりしていたのもなかなかいい前振りだった。 人や見えるものを信じることの大切さも確かに重要だが、見えないものを信じることの大切さ、そして何よりも乗ろうと決めた、その第一歩を踏み出すことの重要さを描いている点が本作のテーマだろう。 見終わった後はホットチョコレートも飲みたくなるココロもカラダも温まる、すっきりする映画だった。 劇場名は言わないが、上映中に映像が途中で途切れるというハプニングあり。 薄い幕が一旦完全に下がり、劇場が明るくなる始末。しかも薄幕が下がったまま再開され、途切れた集中力を回復させるのはちょっとしんどかった。 観客が少なかったから誰も騒がなかったが、満員だったら大ゴトだった。まあ、ちゃんと最後にはプレゼントはもらったけどね。
8点(2004-11-28 03:23:47)
383.  Mr.インクレディブル 《ネタバレ》 
文句のつけようがない大満足の大傑作。 かなり練られた脚本とテンポの良さとそれぞれのキャラクターが生きている点が素晴らしい。 ストーリーは計算されつくされており、全てに繋がりがあり全く無駄がない。張ってある伏線も出来がいい。 インクレディブルとモードとの会話で「マント」ネタはどこかで使ってくると思ってたら、やっぱり生かされているし。 弟がジャングルで朝起きた時に姉ちゃんが近くにいてゲンナリするシーンがあったが、銃で襲われる姉ちゃんをカラダを張って助けるシーンに大きな効果を与えている。 普段は喧嘩をしたり嫌っているように見えても、実は内心大切に想っているという気持ちがゲンナリシーンがあったためより一層伝わる。 それが後半ではバリアで弟を逆に助けるシーンにも活きてくる。 またキャラクターにはそれぞれの長所や性格があり、その長所が存分に映像に活かされている。 特に体が伸びる奥さんが敵基地に潜入する場面は秀逸だろう。 弟の疾走感も見事に映像化されていた。 奥さんや弟などは、さすがアニメのチカラを感じる。 姉ちゃんも気持ちの変化というか成長は見逃せない。 始めは内気すぎてちょっと怖い感じがする上に貞子みたいだし、パワーも使いこなせないどうしようもないキャラクターだったが、前半のヘタレぶりが効果的だったために、後半での活躍ぶりは見事に感じる。 飛行機のシーンでは姉ちゃんがバリアを張れなかったため、奥さんがカラダを張って子ども達を助けていたが、あの時の陸にあがった時の疲労感も効果的だ。 疲労感がより描かれることにより、自分に疲労感があっても疲れた息子を誉めることを忘れないという奥さんの性格と子どもへの愛情が垣間見れる。 この映画は、家族愛が描かれているだけでなく、ヒーローモノとしても、スパイモノとしても、色々なタイプの映画を楽しめるように出来ている点も良く、子どもだけでなく大人も間違いなく楽しめるオススメの作品だ。
10点(2004-11-28 03:15:38)(良:3票)
384.  キャスト・アウェイ
自分の人生に生きがいを失っていると感じている人に見てもらいたい良作。 本作は人々に生きる希望を与え、人生あきらめてはいけないことを教えてくれるような気がした。 チャックが語っていたように、息をし続けていれば、潮がきっと何かを運んでくれる。 人生につらい事があっても生きてさえいれば、きっと何かいいことがあるということを言っているのだろう。 たとえ最愛の女性と気持ちは通じ合っていても別れなければならない状況に陥ったとしても、チャックのように最後の最後まで自分の仕事に対するプロ意識があれば、また新しい出会いに巡り合えるチャンスを得ることもできる。 人生も一種の漂流みたいなものだ。どこにたどり着くかは分からないが、どこかに向かって歩きつづけ、もがきつづけている。  そして愛する人への想いが人を生へ固執させることを改めて教えてくれた。 「島ではずっと一緒にいてくれた…。」フォレストガンプでも似たようなセリフはあったが、こういったセリフは本当に純粋に胸を打つ。 愛する人の支えがあるからこそ、人は頑張れる。 愛する人だけでなく、親友ももちろん重要だろう。 最高の親友であるウィルソンとの別れのシーンも最高だった。 確かに少しオーバーアクションで感動させようとしているのがちょっと分かってしまうが、普通の人間の親友や恋人との別れのシーンよりもある意味で感動的だった。 戻ってきた時の文明や飽食に対する寂しそうな表情も忘れられない。 あの火を起こす苦労に比べ、チャッカマンなんて反則だからなあ。 自殺、文明への依存、食べ物に対する意識など、現代社会に対する警鐘的な要素も見逃せない。 
9点(2004-11-24 01:23:24)
385.  ハウルの動く城 《ネタバレ》 
相当の期待感を胸に映画館に足を運んだが、見終わった後の率直な感想は何を伝えたかったのかが全く分からなかったという思いしか残らなかった。特に強いメッセージ性を要求しているのではない、単純なものでいい、何かを伝えて欲しかった。もっとも全編を通して伝えたかったのは「愛」だろう。それは理解できる。しかしそれを伝える手段としては疑問を感じざるを得ない。ハウルへの想いの強さによってソフィーは少女のようにも、老婆のようにも姿が変わる。この描き方は面白いと感じた。かけられていた呪いも二人の愛の力によって解いたのだと思う。その点も本来は感動的なはずだが大事なのは過程だろう。個人的には、もっと自分の身を犠牲にしてでも相手を守りたいという点を強調しても良かったと思う。「守りたいものが出来た。それは君だ。」ということを、もっとはっきりと大きなテーマにすべきではなかっただろうか。確かに、ハウルはソフィーのために身を呈して爆弾を防いだりしていたが、あれでは盛り上がりに欠ける。一方、ソフィーもハウルのために、火を恐れずに荒地の魔女から心臓を取り戻した。しかし、もっとドラマティックに演出することはいくらでも可能だっただろう。そもそも荒地の魔女とのやり取りをあんなにあっさりと終わらせるのはもったいなさすぎる。あそこは最大のクライマックスしても良かった。チカラを失っていたと思われた荒地の魔女が、我を忘れて異形に近いような姿になるのを、ソフィーが愛の力で取り返すという展開にした方がまだ面白い。荒地の魔女も本来の人間の心がまだ片隅にあり、ソフィーに親切にしてもらった気持ちやソフィーのハウルに対する愛情を感じていて、改心するという方が良かっただろう。そうすれば、荒地の魔女の存在意義も大きなものになってくる。はっきり言って荒地の魔女だけでなく、ハウル、ソフィー、師匠、ソフィー母等、キャラクターの描き方・存在理由に違和感も覚えざるを得ない。 そしてもう一点、戦争の描き方に対しても疑問を持つ。あそこまで不明確に描く理由があるのだろうか。大体は流れでなんとなく分かるが、誰が何のために争っていて、解決策があるのか、ハウルがその戦争にどのように関与しているのかは少なくても明瞭にすべきだったと思われる。そうしないと「かかし」の存在も意味がなく、「こんなくだらない戦争終わらせないと」のようなラストのセリフも生きようもない。
3点(2004-11-22 22:39:45)(良:2票)
386.  モーターサイクル・ダイアリーズ
旅をするために旅に出発した二人、詳細なプランは特別にはない、目的地はハンセン病施設。 そんなあてどもない旅を通して、ゲバラが何を見つけ、何を学んだのかという視点が上手く描かれていた。 学んだものは、ぶつける事が出来ないどうしようもない怒り、やりきれない想い、人々の貧しさと、人のために役に立ちたいという漠然とした気持ちが強い想いに変わったこと。 旅を通して自分が何をなすべきかを探し得たのではないだろうか。 嘘をつくことが出来ない、わけ隔てなく人に対して向き合い、人に対しての愚直なまでの率直さが、ガエルガルシアの真っ直ぐな眼差しとあいまって、人々を惹きつける魅力となっている。 旅をしているうちに様々な人々と触れ合い、大きく変わっていく自分。 そしてもう戻ることが出来ない自分もいた。 旅もそうであろうが、自分に対しても郷愁と興奮があるように感じる。 もう戻ることが出来ないなつかしい思いのする自分と、どういう人生を歩んでいくか興奮を感じさせる自分。 そのような目的を見つけ、皆にスピーチするゲバラを見つめるアルベルトはどことなく羨ましそうだった。
7点(2004-11-20 22:40:12)
387.  砂と霧の家 《ネタバレ》 
映画を見終った後の観客のそれぞれの足取りが重かったことがこの映画を言い表している。 映画を見た後なのに近くにいたカップルなんて一言もしゃべらずただだまって歩いていただけだし。 陳腐な言い方だが、後味のワルさと何とも言い切れない憂鬱感だけはアカデミー賞級の映画。 一体何を感じ取れば良いのかちょっと整理はつかないけど、骨太で重厚な創りと、俳優陣の演技、映像の綺麗さは誉めることができる。特にラヴシーンの綺麗さは良かった。 あんな警官とのラブシーンにあそこまで綺麗に取る必要があるかはよく分からないが。 個人的に思ったことであるが、ファーストカットとファイナルカットがかぶっている創りにする意味が良く分からん。 あんなファーストカットはほとんど意味がなく、むしろ撮るものは他にあったと思われる。 キングスレーとジェニファーの二人が取り戻したかったモノは何か? そう考えれば、キングスレーにとっては家族の幸せであり、父親としての威厳とプライドだろう。 一方、ジェニファーにとっては父と兄と暮らした幸せが詰まった想い出である。 その結果からすると、冒頭にはジェニファーの幼少期、父と遊ぶ、幸せな想い出を入れ、キングスレーには訳が分からん木を倒すシーンよりも、イラン時代の家族が幸せで自分の威厳があったシーンを入れるべきではないだろうか。その際はあの家と少し雰囲気が似ている家の必要はあるが。 その方が何故あの二人が必死になる必要があるのかがより明確になると思う。 家族への偽りの人生が招いた悲劇、その結果失ったものは、キングスレーと警官の二つの家族と一つの家…。 家族の幸せは、砂のようにもろく、霧のように掴みづらいものなんだろうか。
7点(2004-11-14 22:23:31)(良:1票)
388.  ディープ・ブルー(2003) 《ネタバレ》 
「弱肉強食」「食物連鎖」を中心に圧倒的な映像によって綴られている。後半部分のような海洋での神秘的な映像を前面に押し出すとよりも、前半部分の「食うか、食われるか」という“過酷な世界”を中心に描いているのが特徴だ。たとえ、小魚であっても生き残るために、仲間とともに必死に防御している姿が印象的だ。「生きる」ことに対して必死の生物たちの活動をみれば、我々人類が欠けている何かを感じることができるのではないか。 ただ、「シャチ」だけはどこか異質のような気がした。海上における食物連鎖の長ともいえる存在のためだろうか。食うか、食われるかという世界において、“狩り”を純粋に楽しんでいるように思われる。子クジラを数時間も掛かって襲っておきながら、舌と下顎しか食べないというのはこの世界のルールにどこか反しているのではないか。そのため、シャチにはどこか“人間”的な部分を感じられる。シャチを上手く利用して、生態系を無視している“人類”への警告のようなものをチラつかせれば、ただのドキュメンタリーとは異なる奥深い映画に仕上がったのではないか。 そう考えれば、本作は単なる記録映画に留まっているように思われる。 単なる記録映画を作りたいのならばよいが、奥の深い映画を目指すのならば、ドキュメント映画であってもストーリーをきちんと構成するなり、強いメッセージなりを映像に込めるべきである。 「人は今日も海を傷つけている」と単に最後でナレーションするのはあまり好ましくない手法だ。映像でその想いを伝えないと映画としてのレベルの高さを感じさせない。 最高の映像を撮ることに関しての技術や情熱は素晴らしいと驚嘆させられが、クリエイターとしては評価しにくい。メッセージなどなく、貴重な映像だけを繋げたフィルムを作ろうとするのならば、最後の締めのセリフはややズレているのではないか。本編と関係ないセリフで締められてはせっかくの映像も台無しになってしまう。 そのような趣旨を込めたいのならば、人間の海に与えている影響や悪行をラストに少しは映してもよかったのではないか。彼らも取材中に目の当たりにしているだろう。 油まみれになった海鳥、海に大量放棄された排水・ゴミなど、ラストに1分ほどでもまとめれば、少々受け取り方が異なったものになるのではないか。 美しい海と、汚れた海を対比的に描けば、人類へのメッセージに繋がったと思われる。
[映画館(字幕)] 7点(2004-11-14 00:52:24)
389.  オールド・ボーイ(2003) 《ネタバレ》 
映画を見ている時って、たまに別のことがアタマによぎったり、別のことを考えたりすることってないでしょうか。 どんなに良い映画でもそんなことはたまにあります。 しかし、この映画を見ている時は完全に映像に引きずり込まれた自分がいました。 余計なことを考えたり、よぎったりすることはまずなく、チカラのある映像、矛盾や破綻のなく魅力のあるストーリーに引きこまれ、役者の演技に魅了される。 特にラスト付近のオ・デスの懇願には参った。ウジンでなくてもあれには誰でも参るだろう。 あそこで一つの復讐が終わり、そしてウジンが一言吐いた「何を生きがいにすればいいのか」にテーマは尽きる。 復讐って一体何なんだろうと感じさせたり、復讐への想いに対するパワーを感じさせる。 復讐のキッカケに少し違和感を覚える人もいるだろうが、あれはあれで良い。 キッカケの弱さと復讐の壮大さの違いが一つの面白さでもある。逆恨みとも言えるがそれほどまでも姉への愛や自分への怒りがあるという証拠だろう。 オ・デスが失った15年、ウジンが復讐にかけた15年以上の年月、ミドが家族を失い一人で生きた15年…映像にはされていないが、どの15年にも重い年月を感じずにはいられない。 ただ単に殺し合うだけでは終わらない復讐のカタチ。 愛し合うことさえも復讐なのか、ウジンが仕掛けた復讐に終わりはないだろう、愛が終わらない限り。
8点(2004-11-06 23:42:47)
390.  JSA
大の大人たちが子供のようにはしゃぎながら遊ぶ姿に深い意義がある、見る人によってはあの場面に複雑な想いを感じるのではないか。 そんな些細なことすら出来ない越えられない一線が二国にはあるのだろう。 日本に暮らしている我々には少し理解できないモノがあるが、南北分断のことを考える手助けになる本作はなかなか意義深い作品である。 人間として育むことが出来る彼らの友情も、南北分断という歴史に翻弄され一瞬のうちに敵となってしまう悲劇がある。 双方が銃を容易に降ろすことが出来ないのも、二国の関係をそのまま表している気がする。 ソンガンホのように冷静に中に割って銃を降ろすように仲裁してくれる国があれば良いのだが。 そして4人のうち3人が死んでしまう結果が心に痛い、現場で死んでしまった絵が好きな彼はやむを得なかったとしても、親友を死なせてしまった他の二人は離れていてもそれぞれが幸せに暮らすことはできなかったものかと感じる。 訳の分からないうちに親友を撃ち殺してしまった結果だけは過程がどうであれ変えられない現実として自分に残る、その後悔のなかで生き続けることは出来なかったのだろう。 あの緊迫した場面の中で一人だけ冷静に行動できたソンガンホは一人、孤独の中で何を想うだろうか。 事実が公にならないよう皆が揃った部屋で暴れた彼の行動が優しい。
8点(2004-11-03 23:56:43)
391.  マルホランド・ドライブ
一切の予備知識なしでチャレンジした若かりし頃、見終った後の愕然とした気持ちを覚えています。「何もかも分からねぇ~、こんなん映画じゃねえゃ!」と吐き捨てた。見終った後に画面に出たキーワードを元に公式HPで映画のカラクリを理解し再チャレンジ。そしてストーリーや仕組みを理解はしたものの「映画としてのアイディアは凄いけど、内容はそれほど大したことはないね。」というのが2回目の感想。そして今日何年かぶりに観ました、これで3回目の鑑賞。「何もかも素晴らしいとしか言いようがない。」人間変わるものですね。DVDにはリンチのインタヴューがあり「映画のなかで全てが語り尽くされている」というのが本当に身に感じた。 前半の妄想には、本当はカミーラを殺したくない、殺しが失敗して欲しいそして自分とやり直してほしい想いが強く込められている。ハリウッドで失敗した憎しみや皮肉、アダム監督への恨みも強く感じられる。観ていてとても辛かった。ダイアンの想いが様々なカタチとなって、一見すると訳が分からないところにも複雑な意味が込められているのを知ると。そして妄想と現実との分岐点シレンシオで聴いた歌と前説で語ったセリフは意義深い。「オーケストラはいない、すべてまやかし。」前半はこの一言に尽きる。オーケストラは前半の登場人物達だろう。「あなたを忘れられずに一人で泣いている。自分に何ができるだろう、あなたを慕って泣きつづける以外には。」という込められた想いが重すぎる。はっきり言って、この映画はミステリーでもなんでもない、一人の女の切ないラヴストーリーと言っていい。青いカギを見付け殺しが成功したことを知ると精神を保てなくなり妄想に乗っ取られたようなカタチで自殺する。妄想に襲われなくても彼女は生きていけなかっただろう、カミーラがいなくては。冒頭のジルバ大会の明るい雰囲気と異なり、夢や希望とともにロスへ来て、夢が破れ、最愛な人に捨てられた絶望と恨み…。最愛の人を殺して自殺するというラスト…。それにしてもナオミワッツの演技は凄すぎる。彼女なしで本作はこれほど素晴らしい作品にはなり得ない、カミーラを見つめる眼の奥に愛情、憎しみが交じり合った複雑な想いが込められていた。点数は9点に留めておくが、まだ自分が完全に理解していないような気がするため。もっともリンチは理解するのではなく、音楽のように感じて欲しいと言っていたけど。
9点(2004-11-03 19:09:07)
392.  ソウ 《ネタバレ》 
本作の凄さはゴードンが脚を切ることではなく、ゴードンに脚を切らせたことではないか。ジグソウは、ここに至るまでにほぼ完全にゴードンの思考能力を奪い、精神を錯乱するまでに追い込んでいる。ラストの混乱で携帯は手の届かないところに放り出されてしまうが、携帯は鳴り続けている。この時点で、この着信音はゴードンにとってはただの着信音ではなく、家族の「悲鳴」や助けを求める「声」にしか聞こえなかったはずだ。本来の精神状態ならば自分のシャツやノコギリを使えば余裕で携帯を手にすることができたはずである(序盤にアダムにシャツを使えとアドバイスを送れたのは精神状態がまだノーマルだったため)が、ノコギリを手渡され、家族を助かるためには自分の脚を切らなければいけないという「刷り込み」をされ、精神的に追い込めば、周囲の状況を冷静に分析することができず、そういう行動を取ってしまうという心理をジグソウは利用したのではないか。ジグソウのゲームには一応助かるための「鍵」のようなものが用意されている。冷静でいられないから、この「鍵」を失ってしまうのだろう(アダムにもちゃんと鍵を渡している)。あのとき、携帯が取れそうで取れない位置(何かを使えば取れる位置)に製作者が置いたのは演出家のミスではなく、「作為」だったと思う。 ただ、どうしても引っかかってしなうのは、何故ゴードンとアダム(ゼップも含む)がこのゲームに参加しなくてはならなかったかが不明瞭だ。彼らの罪は、不倫や覗き等であって、「命」を粗末に扱ったり、「生」の喜びを享受していないわけでない。娘を心から愛し、不倫にも躊躇してしまうゴードン医師がなぜジグソウのゲームの対象となり得るのか。ジグソウの動機や理屈とは合わないような気がする。ゴードンの無実の家族をゼップに殺させようとしたが、あの家族にも「命」を粗末にするという「非」はないはずである。例えば、医者の場合には不倫をしたために緊急の患者の命を救えなかったとか、覗きによる強迫で誰かを自殺に追い込んだというようなエピソードがあってもよかったのではないか。ただ、製作者サイドとしては、ジグソウという人物を本当のヒューマニストではなくて、末期状態のために善悪の見境がなくなった狂信者として描きたかったかもしれない(観客がジグソウに過度に同情させないために、論理的に矛盾した行動をとらせたとも考えられる)。
[映画館(字幕)] 7点(2004-10-31 03:31:25)(良:1票)
393.  シークレット ウインドウ 《ネタバレ》 
まあキングの原作の映画化ということで、だいたい予定通りで予想通りの作品に仕上がったといった感じ。 デビッドコープの初監督ということで期待していたが、良くも悪くも無難な仕上がり。万人向けの映画になってしまっている。 脚本家として高い地位があるんだから、もう少し個性を出したり、冒険をしてもいいんじゃないか。せっかく監督やるんだから。 一方、デップは相変わらず小技を多用しながら、いい演技をしていたと思われる。 彼が演じてなければ、どんなにつまらん映画になっていたことか。 しかし、多重人格のネタばらしのシーンはもっとうまく演出して欲しかった。 デップ本人がもっとコンフューズしてくれないと、観客もコンフューズできないだろう。 その一歩手前でいきなりネタをばらされてしまった印象、デップもすんなり受け入れているのがやはり問題。 一体何が起きているのか誰も分からないというようにしないといけない、他のレヴューを見る限り丸分かりだったようなのでそれはマズイだろう。 順序を変えた方が良かったんじゃないか。 自分が多重人格と気づいた後に、妻を殺しているが。 妻が殺された後に、自分が多重と気づいた方がもう少し衝撃が強いと思う。 肝心の小説ももう少し丁寧に扱った方が良いだろう。観ていてもどういう内容の小説がイマイチ伝わりづらい。 渋谷で映画を観たのだが、観ている最中にでかい地震が二発ほど来て、結構観客がざわついていた。 ちょうどクライマックスに差しかかっている所に地震が来たので、思いっきり揺れながらも必死に映画を見るという体験だった。 たぶん、この映画は自分にとっては内容よりも地震があったという印象しか将来残らないだろう。
6点(2004-10-24 04:02:39)(良:1票)
394.  コラテラル 《ネタバレ》 
ストーリーにサプライズがあることは全く期待せず、マイケルマンらしい質の高い熱い男の世界の映画を期待していた。 本作は嫌いではないが期待したほどの映画ではなかったと思われる。 トムクルーズの殺し屋役ではあるが、カッコイイのは中国系の男を殺すところだけ。 本来なら、人間をゴミとしか思っていなく他人を拒絶するような冷酷な非情な殺し屋であるべきだったはずだ。 マックスが言っていた「本来人間が持っているはずの大切な感情」を失っている人間には徹し切れてないという印象を受ける。 まだ軽い気がする、ジャズマンやマックスの母親とのやり取りは演技だとしても、ファニングとエレベーターを乗り合わせた時に「何階か?」や「今夜はどうだ?」とか聞くのには違和感を覚えた。 「人間なんて宇宙の中の小さな砂」と言っていたには、殺し屋としての哲学が伝わらない。自分も含めて人間なんて皆変わらんようなことを言っていたが、なんのために殺し屋やっているのか分からん。 ラストの死に様もイマイチだろう。人間をゴミだと言って、人間関係なんて無意味だと言っていた男が死ぬときは、もっと憐れで惨めな感じを出したほうが良い。 そうしないと何も伝わらない、本作の隠れたテーマは都会の人間関係の希薄さだろう。 かなりベタかもしれないが、親父から暴力を受けて感情を失い、地下鉄で人が死んでも6時間誰も気づかないような世界に嫌気をさしていたが、実は誰よりも温かい人間関係を欲していたというような設定でも良かったかなと思われた。マックスとの交わりで何かが変わっても良かった気がする。 アカデミーはよっぽど相手に恵まれないとノミネートすら厳しい、しかもこの映画の主演はジェイミーフォックスだし。 ジェイミー演じるマックスは良かった。 夢を抱きながらそれを実現できずに、時々一人島に逃げ込みながら、プロのタクシードライバーという現実に甘んじている男。 もう少し、自分が実は逃げているだけの男だと気づいて行動に移すシーンを丁寧に描いて欲しかった。 少し不思議に思った点があるので書きたいが、空港でカバンのすり替えをしているがこの男はヴィンセントの特徴が分かっているのにそれがフィリックスには伝わっていないのはおかしい。 そしてマックスの母親にリムジン会社の嘘をついているが、タクシー会社に何度も電話するというのは整合性がつかず、イマイチ分からん。
7点(2004-10-24 03:30:11)(良:2票)
395.  ALI アリ
映画として面白いかと問われれば、それほど面白くはないと答えるだろう。 さすがにロッキーのような面白さはないだろう、現実のボクサーのありのまま姿を追い求めたものだから。 ただ、映画の質は高かったと思う。 つまらないと言っている人、同様楽しめない理由としては、アリのことをよくは分かっていないので、その辺の背景や宗教、徴兵制を含めたボクサーアリの知識を知っている人は楽しめたと思う。 そして2時間30分は観る者には長いようでも、アリの人生を語るには短すぎた。 本来なら10時間位かけてやるべき内容をこの短い時間に詰め込みすぎた感は否定できない。 それでも「民衆の王者」として人から愛され、自らは人が望む姿を追わずに自分の生き様を貫いた男としての生き方には感銘を受けた。 徴兵訴訟中の戦いたくても戦えない苛立ちやもどかしさのようなものも充分伝わってきた。 自信満々に語っているのは、他人を言い聞かせるのと同時に自分にも言い聞かせているような感じも受けた。 ジェイミーフォックスやジョンボイトの脇役も光り、アリとの関係もなかなか良かったと思われるがもう少し掘り下げても良い感じがする、特にフォックスとの関係は。 女性関係の甘さなどは描かれてはいたが、人間らしい弱さも少し加味できれば人間としてアリがもう少し近くに感じられたかもしれない。
7点(2004-10-17 23:26:11)
396.  ドリームキャッチャー
この監督は実は「笑い」というモノを理解しているんじゃないかという気がする。 笑いの基本である「やるなと言われたことを必ずする」という姿勢が特によろしい。 自分の命がかかっているのに、あそこまで必死に楊枝を取ろうとする姿にはマジで心打たれた。 この世の中には自分の命よりも守るべき大切なモノがあるんだなあと。 その他にも宇宙人の全貌が映ったときのあの衝撃はモノ凄かったよ。 あのデザインは常人には描けんよ。 銃をイキナリ電話代わりに使用するといった小技も使いながら、運転席に座っている人が何も突っ込まないのもクール。 そして映画史上に残るであろう名言「アイ、ダディッツ!」を産むことになるのである。 あまりにも斬新な映画ため、ちょっとこの時代には高尚すぎたのかもしれない。 欲を言えば、最後幼虫みたいなのがマンホールに落ちようとするのを何も知らずに踏んで終わりの方が面白かったと思う。 知らないうちになんとなく世界が救われてるという方がこの映画らしいだろう。 それにしてもあのウナギはどうやったらグレイタイプの宇宙人になるのだろうか。 グレイタイプが赤い粉末をばらまく、それが人間等の体内に入り成長して、お尻からウナギが出てくる。 そしてウナギは何故か一人で卵を産む。その後はどうなるんだ。 卵からかえった幼虫は結局ウナギになるだろうから、ウナギと幼虫のエンドレスだろう。 ウナギがしばらくして大きくなればグレイになるとしても、やっぱあの段階でいきなり卵はやりすぎじゃないのか。
2点(2004-10-11 19:13:45)(笑:6票)
397.  ジェリー
特にストーリーもなく、二人の男が荒野をさまよう映画。 監督の意図がなんにせよ、観客が自由にこの映画を解釈してもいいだろう。 自分は勝手ながら、この映画を「人生」に置き換えてみた。  人生もいわば目的地も何も分からずに、解決する術も持たずにただひたすらさまよう、どこに辿りつくかも分からずに。 人生という荒野をさまようためにはパートナーが必要だろう、だから男と女二人で歩き始める。 実話のベースであり、サントがあれなんで二人の男という設定だが、これが男と女だったらもっと面白いだろうな感じる。  あるシーンでは、一人は降りれない岩に勢いで登り、オマエのせいでこうなったと叫ぶ。 もう一人も助けるフリはするが、どうにも助けようにも助ける気にはなれない。 やむなく一人は自分の力で解決するというシーンがある。 人生もこのようなものではないかという気がする。 勢いで物事を推し進め、どうしようもない困難にぶちあたったら、とりあえず人のせいにしてみる。 他人も助けてくれそうにみえて、実際には親身には助けてはくれない、やはり自力で解決するしかない。 これが現実の夫婦のような二人なら、そのような二人に入ったささいな亀裂は徐々に大きくなる。 そして会話もなくなる二人。 もっとも映画のような状況なら、どんなセリフが適切か考えてみたがやはり無言しかないだろうな。  一番好きなシーンが夜の暗闇をひたすら明かりもなしに歩くシーン。 自分が今どこにいるのか、どこに向かっているのかも考えずにひたすらがむしゃらに前に進むことしか考えられない状況に陥る。 そして散々さまよったあげくにどんな風に歩いてきたかを話し合う二人…だがもう物事が解決できる状況にはない。  そしてラスト。 冷静になれば問題を解決できたであろう二人が取った行動。 人生にもこのような状況があるはず、しっかりと周りを見れば解決できたはずなのに周りが見れなくなっているから解決手段が分からずに何の解決にならない解決方法を取るしかなくなっている。 この映画に点数をつけるのは難しいが、色々と人生のことを考えることが出来たのが収穫だった。 
8点(2004-10-03 00:23:46)
398.  モンスター(2003) 《ネタバレ》 
とても切ない映画としか言いようがない。 5ドル使い切ったら死ぬことを考えていた、そんな絶望と孤独の中に見出した一つの光。 それがセルビーとの愛。絶望の世界が大きく変わった瞬間、あのスケート場の描き方は特に良かった。 誰よりも愛や自分を信じることに飢えていたアイリーンだからこそ、セルビーとの会う約束が生きたいという思いに変わり、人殺しをするきっかけになったのだろう。 恐らくセルビーとの出会いがなければ、あのまま乱暴されて死んでいたはず。 ただ、その光が純粋すぎて、その光を守るために次々と悲劇が繰り返されることになる。 肉体的にも精神的にもボロボロになっていくアイリーンに比べて、セルビーの無邪気さが余計に引き立つ。 自分はモンスターはアイリーンではなくセルビーと思っている。 無垢な笑顔の下に潜む怪物、その怪物がアイリーンを犯罪へと導く、自分が言い出したこととも気づかずに。 中盤セルビーの描き方がイマイチはっきりせずよく分からないなと感じていたが、分からないからこそ逆に何を考えているか分からない、だからその分恐怖を感じた。 ただ、幸せに暮らしたかったその一言がセルビーの考えなんだろうが、怪物は犯罪の共犯にもならずに、当然のようにアイリーンを裏切る。 裏切られてもなお、セルビーを守ろうとする姿にアイリーンの絶望の淵から救ってくれた想い、愛の強さを感じる。 セロンの13キロ増の身体、汚い顔、滑稽な動き、全て頑張っている感じたが、それだけではアカデミー賞は獲れない。 暴力的な男を殺すことに対しては神にも正面から向き合えると言ったが、無実な男を殺す際の演技、そしてバス停での告白、あのシーンはとても素晴らしく胸を打つ。 夢を見ていた少女の現実は、結局はまた夢のような世界でしかなかったか。
9点(2004-09-26 03:25:35)(良:2票)
399.  アラモ(2004) 《ネタバレ》 
オリジナルに比べるとやはり落ちる気がした、オリジナルに比べ彼らの死を見ても胸にあまり響いてくるものがなかったからだ。 デニスクエイドが演じているだけあって、ヒューストンの出番は大幅にアップ、後日談的なストーリーだったがヒューストンの無念、アラモへの想い、人間性等を描かれている。 そのためオリジナルでは紳士的な面もあったメキシコ人を完全に悪役に描いているのが特徴。特に指揮官は仲間の兵士の命でさえ何とも思ってないような悪党に描かれている。 ソーントンのクロケットも英雄としての皆から期待の大きさに苦悩する姿が描かれていて、人間像としては良かったのだが、戦争が終わったと思ってテキサスに来たというのはどうなんだろう。オリジナルでは意味のない戦いに行くために配下の士気を上げようと手紙の芝居までしてたのに。銃ではなく音楽で対抗するシーンと死に際はオリジナルよりは良かった。 トラヴィスはそこそこ良かったと感じた。指揮官としての責任感や勇気はオリジナル通り、ボウイの停戦交渉中にいきなりぶっ放すような無茶をやるのはトラヴィスらしいと感じた。 その分、序盤の離婚とかイマイチ意味が分からん。 全く存在感がなかったのがジムボウイ、実際には病気だったのかもしれんがもっと出番やれよ。トラヴィスとの和解も早すぎる、いがみ合いながらもお互い認め合う存在というのがやはり理想だろう。 病気は匂わせておいて、前半に活躍の場を与えておいて、後半病気で戦えない無念さを出すとか色々工夫できるのに。 ストーリーとしても、味方の援軍が来ないと完全に決めつけずに援軍は来るはずという期待感を砦に匂わせた方が良かったのではないか。 そうすれば援軍を出せないヒューストンのあせりや無念さがアラモの期待感とリンクしてもっと相乗的な効果が出せたと思う。 序盤の戦闘シーンやメキシコ人の少年もちょっと中途半端な印象。 宣伝には家族がどうのこうの言っているがそんなのほとんど描かれてないのが致命的で、どこに1億ドルかけているんだろうと感じもする。トラヴィス役の人は頑張っていたとは思うが、ヒットさせるためにはこの役はもっとビッグネームの人間が演じるべきだったのだろう。 テキサスのことアメリカ人は「未来」というか「自分を変えるチャンス」と捉えていたのが自由という概念よりも違う印象を受けたので少し新鮮だった。
6点(2004-09-26 02:12:52)
400.  インファナル・アフェア 無間序曲 《ネタバレ》 
ゴッドファーザーを意識している創りにはなっているが、決して劣化コピーではなかった。 それぞれが、それぞれ複雑な想いを抱きながら、引き返すことが出来ない場所に辿り着く。戻ることが出来ない場所が地獄の一歩とも言えようか。 それぞれの悲痛で複雑な想いが互いに絡み合い、実に見事としか言いようがないストーリーに仕上がっている。 他の人とは感想は違うが、個人的に1では足りないと感じた緊張感が、1で結果が分かっているとはいえ、2では2時間保たれていると感じた。 ウォン警部は警察官としてあるまじきことをした所で、ラウはマリーが自分のところを離れた時に電話をした所で、マリーはサムを愛した所で、サムは警察と協力して証言台に立つ事よりもハウと刺し違えることを選んだ所で戻れなくなっている。 それぞれが戻れない場所に来ているのに一人、戻ることを夢見て、「自分は警官だ」と(自分に)言い聞かせるヤンが痛々しくも熱い。 もう何が善で、何が悪なのか分からなくなる世界、それだけに善悪が一義的に定まらない所に面白さを感じる。 個人的に好きだったのがサム、マリーの写真を見て、その後何かを吹っ切ったように歩くシーンには、複雑な想いを感じずにはいられない。 1と2の繋がりの粗さは気になるけど、封筒を持ちながら歩くラウの仕草や、ヤンの子どもを結局オロさなかったメイや、ラウとメリーとの出会いも描かれているのも嬉しい限り。 エンディング後に流れた3の予告編を見て、3もまたかなり楽しみになってきた。
9点(2004-09-20 21:28:50)(良:2票)
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