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六本木ソルジャーさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 823
性別 男性

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421.  シークレット ウインドウ 《ネタバレ》 
まあキングの原作の映画化ということで、だいたい予定通りで予想通りの作品に仕上がったといった感じ。 デビッドコープの初監督ということで期待していたが、良くも悪くも無難な仕上がり。万人向けの映画になってしまっている。 脚本家として高い地位があるんだから、もう少し個性を出したり、冒険をしてもいいんじゃないか。せっかく監督やるんだから。 一方、デップは相変わらず小技を多用しながら、いい演技をしていたと思われる。 彼が演じてなければ、どんなにつまらん映画になっていたことか。 しかし、多重人格のネタばらしのシーンはもっとうまく演出して欲しかった。 デップ本人がもっとコンフューズしてくれないと、観客もコンフューズできないだろう。 その一歩手前でいきなりネタをばらされてしまった印象、デップもすんなり受け入れているのがやはり問題。 一体何が起きているのか誰も分からないというようにしないといけない、他のレヴューを見る限り丸分かりだったようなのでそれはマズイだろう。 順序を変えた方が良かったんじゃないか。 自分が多重人格と気づいた後に、妻を殺しているが。 妻が殺された後に、自分が多重と気づいた方がもう少し衝撃が強いと思う。 肝心の小説ももう少し丁寧に扱った方が良いだろう。観ていてもどういう内容の小説がイマイチ伝わりづらい。 渋谷で映画を観たのだが、観ている最中にでかい地震が二発ほど来て、結構観客がざわついていた。 ちょうどクライマックスに差しかかっている所に地震が来たので、思いっきり揺れながらも必死に映画を見るという体験だった。 たぶん、この映画は自分にとっては内容よりも地震があったという印象しか将来残らないだろう。
6点(2004-10-24 04:02:39)(良:1票)
422.  コラテラル 《ネタバレ》 
ストーリーにサプライズがあることは全く期待せず、マイケルマンらしい質の高い熱い男の世界の映画を期待していた。 本作は嫌いではないが期待したほどの映画ではなかったと思われる。 トムクルーズの殺し屋役ではあるが、カッコイイのは中国系の男を殺すところだけ。 本来なら、人間をゴミとしか思っていなく他人を拒絶するような冷酷な非情な殺し屋であるべきだったはずだ。 マックスが言っていた「本来人間が持っているはずの大切な感情」を失っている人間には徹し切れてないという印象を受ける。 まだ軽い気がする、ジャズマンやマックスの母親とのやり取りは演技だとしても、ファニングとエレベーターを乗り合わせた時に「何階か?」や「今夜はどうだ?」とか聞くのには違和感を覚えた。 「人間なんて宇宙の中の小さな砂」と言っていたには、殺し屋としての哲学が伝わらない。自分も含めて人間なんて皆変わらんようなことを言っていたが、なんのために殺し屋やっているのか分からん。 ラストの死に様もイマイチだろう。人間をゴミだと言って、人間関係なんて無意味だと言っていた男が死ぬときは、もっと憐れで惨めな感じを出したほうが良い。 そうしないと何も伝わらない、本作の隠れたテーマは都会の人間関係の希薄さだろう。 かなりベタかもしれないが、親父から暴力を受けて感情を失い、地下鉄で人が死んでも6時間誰も気づかないような世界に嫌気をさしていたが、実は誰よりも温かい人間関係を欲していたというような設定でも良かったかなと思われた。マックスとの交わりで何かが変わっても良かった気がする。 アカデミーはよっぽど相手に恵まれないとノミネートすら厳しい、しかもこの映画の主演はジェイミーフォックスだし。 ジェイミー演じるマックスは良かった。 夢を抱きながらそれを実現できずに、時々一人島に逃げ込みながら、プロのタクシードライバーという現実に甘んじている男。 もう少し、自分が実は逃げているだけの男だと気づいて行動に移すシーンを丁寧に描いて欲しかった。 少し不思議に思った点があるので書きたいが、空港でカバンのすり替えをしているがこの男はヴィンセントの特徴が分かっているのにそれがフィリックスには伝わっていないのはおかしい。 そしてマックスの母親にリムジン会社の嘘をついているが、タクシー会社に何度も電話するというのは整合性がつかず、イマイチ分からん。
7点(2004-10-24 03:30:11)(良:2票)
423.  ドリームキャッチャー
この監督は実は「笑い」というモノを理解しているんじゃないかという気がする。 笑いの基本である「やるなと言われたことを必ずする」という姿勢が特によろしい。 自分の命がかかっているのに、あそこまで必死に楊枝を取ろうとする姿にはマジで心打たれた。 この世の中には自分の命よりも守るべき大切なモノがあるんだなあと。 その他にも宇宙人の全貌が映ったときのあの衝撃はモノ凄かったよ。 あのデザインは常人には描けんよ。 銃をイキナリ電話代わりに使用するといった小技も使いながら、運転席に座っている人が何も突っ込まないのもクール。 そして映画史上に残るであろう名言「アイ、ダディッツ!」を産むことになるのである。 あまりにも斬新な映画ため、ちょっとこの時代には高尚すぎたのかもしれない。 欲を言えば、最後幼虫みたいなのがマンホールに落ちようとするのを何も知らずに踏んで終わりの方が面白かったと思う。 知らないうちになんとなく世界が救われてるという方がこの映画らしいだろう。 それにしてもあのウナギはどうやったらグレイタイプの宇宙人になるのだろうか。 グレイタイプが赤い粉末をばらまく、それが人間等の体内に入り成長して、お尻からウナギが出てくる。 そしてウナギは何故か一人で卵を産む。その後はどうなるんだ。 卵からかえった幼虫は結局ウナギになるだろうから、ウナギと幼虫のエンドレスだろう。 ウナギがしばらくして大きくなればグレイになるとしても、やっぱあの段階でいきなり卵はやりすぎじゃないのか。
2点(2004-10-19 23:32:36)(笑:6票)
424.  ALI アリ
映画として面白いかと問われれば、それほど面白くはないと答えるだろう。 さすがにロッキーのような面白さはないだろう、現実のボクサーのありのまま姿を追い求めたものだから。 ただ、映画の質は高かったと思う。 つまらないと言っている人、同様楽しめない理由としては、アリのことをよくは分かっていないので、その辺の背景や宗教、徴兵制を含めたボクサーアリの知識を知っている人は楽しめたと思う。 そして2時間30分は観る者には長いようでも、アリの人生を語るには短すぎた。 本来なら10時間位かけてやるべき内容をこの短い時間に詰め込みすぎた感は否定できない。 それでも「民衆の王者」として人から愛され、自らは人が望む姿を追わずに自分の生き様を貫いた男としての生き方には感銘を受けた。 徴兵訴訟中の戦いたくても戦えない苛立ちやもどかしさのようなものも充分伝わってきた。 自信満々に語っているのは、他人を言い聞かせるのと同時に自分にも言い聞かせているような感じも受けた。 ジェイミーフォックスやジョンボイトの脇役も光り、アリとの関係もなかなか良かったと思われるがもう少し掘り下げても良い感じがする、特にフォックスとの関係は。 女性関係の甘さなどは描かれてはいたが、人間らしい弱さも少し加味できれば人間としてアリがもう少し近くに感じられたかもしれない。
7点(2004-10-19 23:21:32)
425.  ジェリー
特にストーリーもなく、二人の男が荒野をさまよう映画。 監督の意図がなんにせよ、観客が自由にこの映画を解釈してもいいだろう。 自分は勝手ながら、この映画を「人生」に置き換えてみた。  人生もいわば目的地も何も分からずに、解決する術も持たずにただひたすらさまよう、どこに辿りつくかも分からずに。 人生という荒野をさまようためにはパートナーが必要だろう、だから男と女二人で歩き始める。 実話のベースであり、サントがあれなんで二人の男という設定だが、これが男と女だったらもっと面白いだろうな感じる。  あるシーンでは、一人は降りれない岩に勢いで登り、オマエのせいでこうなったと叫ぶ。 もう一人も助けるフリはするが、どうにも助けようにも助ける気にはなれない。 やむなく一人は自分の力で解決するというシーンがある。 人生もこのようなものではないかという気がする。 勢いで物事を推し進め、どうしようもない困難にぶちあたったら、とりあえず人のせいにしてみる。 他人も助けてくれそうにみえて、実際には親身には助けてはくれない、やはり自力で解決するしかない。 これが現実の夫婦のような二人なら、そのような二人に入ったささいな亀裂は徐々に大きくなる。 そして会話もなくなる二人。 もっとも映画のような状況なら、どんなセリフが適切か考えてみたがやはり無言しかないだろうな。  一番好きなシーンが夜の暗闇をひたすら明かりもなしに歩くシーン。 自分が今どこにいるのか、どこに向かっているのかも考えずにひたすらがむしゃらに前に進むことしか考えられない状況に陥る。 そして散々さまよったあげくにどんな風に歩いてきたかを話し合う二人…だがもう物事が解決できる状況にはない。  そしてラスト。 冷静になれば問題を解決できたであろう二人が取った行動。 人生にもこのような状況があるはず、しっかりと周りを見れば解決できたはずなのに周りが見れなくなっているから解決手段が分からずに何の解決にならない解決方法を取るしかなくなっている。 この映画に点数をつけるのは難しいが、色々と人生のことを考えることが出来たのが収穫だった。 
8点(2004-10-03 00:23:46)
426.  モンスター(2003) 《ネタバレ》 
とても切ない映画としか言いようがない。 5ドル使い切ったら死ぬことを考えていた、そんな絶望と孤独の中に見出した一つの光。 それがセルビーとの愛。絶望の世界が大きく変わった瞬間、あのスケート場の描き方は特に良かった。 誰よりも愛や自分を信じることに飢えていたアイリーンだからこそ、セルビーとの会う約束が生きたいという思いに変わり、人殺しをするきっかけになったのだろう。 恐らくセルビーとの出会いがなければ、あのまま乱暴されて死んでいたはず。 ただ、その光が純粋すぎて、その光を守るために次々と悲劇が繰り返されることになる。 肉体的にも精神的にもボロボロになっていくアイリーンに比べて、セルビーの無邪気さが余計に引き立つ。 自分はモンスターはアイリーンではなくセルビーと思っている。 無垢な笑顔の下に潜む怪物、その怪物がアイリーンを犯罪へと導く、自分が言い出したこととも気づかずに。 中盤セルビーの描き方がイマイチはっきりせずよく分からないなと感じていたが、分からないからこそ逆に何を考えているか分からない、だからその分恐怖を感じた。 ただ、幸せに暮らしたかったその一言がセルビーの考えなんだろうが、怪物は犯罪の共犯にもならずに、当然のようにアイリーンを裏切る。 裏切られてもなお、セルビーを守ろうとする姿にアイリーンの絶望の淵から救ってくれた想い、愛の強さを感じる。 セロンの13キロ増の身体、汚い顔、滑稽な動き、全て頑張っている感じたが、それだけではアカデミー賞は獲れない。 暴力的な男を殺すことに対しては神にも正面から向き合えると言ったが、無実な男を殺す際の演技、そしてバス停での告白、あのシーンはとても素晴らしく胸を打つ。 夢を見ていた少女の現実は、結局はまた夢のような世界でしかなかったか。
9点(2004-09-26 03:25:35)(良:2票)
427.  アラモ(2004) 《ネタバレ》 
オリジナルに比べるとやはり落ちる気がした、オリジナルに比べ彼らの死を見ても胸にあまり響いてくるものがなかったからだ。 デニスクエイドが演じているだけあって、ヒューストンの出番は大幅にアップ、後日談的なストーリーだったがヒューストンの無念、アラモへの想い、人間性等を描かれている。 そのためオリジナルでは紳士的な面もあったメキシコ人を完全に悪役に描いているのが特徴。特に指揮官は仲間の兵士の命でさえ何とも思ってないような悪党に描かれている。 ソーントンのクロケットも英雄としての皆から期待の大きさに苦悩する姿が描かれていて、人間像としては良かったのだが、戦争が終わったと思ってテキサスに来たというのはどうなんだろう。オリジナルでは意味のない戦いに行くために配下の士気を上げようと手紙の芝居までしてたのに。銃ではなく音楽で対抗するシーンと死に際はオリジナルよりは良かった。 トラヴィスはそこそこ良かったと感じた。指揮官としての責任感や勇気はオリジナル通り、ボウイの停戦交渉中にいきなりぶっ放すような無茶をやるのはトラヴィスらしいと感じた。 その分、序盤の離婚とかイマイチ意味が分からん。 全く存在感がなかったのがジムボウイ、実際には病気だったのかもしれんがもっと出番やれよ。トラヴィスとの和解も早すぎる、いがみ合いながらもお互い認め合う存在というのがやはり理想だろう。 病気は匂わせておいて、前半に活躍の場を与えておいて、後半病気で戦えない無念さを出すとか色々工夫できるのに。 ストーリーとしても、味方の援軍が来ないと完全に決めつけずに援軍は来るはずという期待感を砦に匂わせた方が良かったのではないか。 そうすれば援軍を出せないヒューストンのあせりや無念さがアラモの期待感とリンクしてもっと相乗的な効果が出せたと思う。 序盤の戦闘シーンやメキシコ人の少年もちょっと中途半端な印象。 宣伝には家族がどうのこうの言っているがそんなのほとんど描かれてないのが致命的で、どこに1億ドルかけているんだろうと感じもする。トラヴィス役の人は頑張っていたとは思うが、ヒットさせるためにはこの役はもっとビッグネームの人間が演じるべきだったのだろう。 テキサスのことアメリカ人は「未来」というか「自分を変えるチャンス」と捉えていたのが自由という概念よりも違う印象を受けたので少し新鮮だった。
6点(2004-09-26 02:12:52)
428.  インファナル・アフェア 無間序曲 《ネタバレ》 
ゴッドファーザーを意識している創りにはなっているが、決して劣化コピーではなかった。 それぞれが、それぞれ複雑な想いを抱きながら、引き返すことが出来ない場所に辿り着く。戻ることが出来ない場所が地獄の一歩とも言えようか。 それぞれの悲痛で複雑な想いが互いに絡み合い、実に見事としか言いようがないストーリーに仕上がっている。 他の人とは感想は違うが、個人的に1では足りないと感じた緊張感が、1で結果が分かっているとはいえ、2では2時間保たれていると感じた。 ウォン警部は警察官としてあるまじきことをした所で、ラウはマリーが自分のところを離れた時に電話をした所で、マリーはサムを愛した所で、サムは警察と協力して証言台に立つ事よりもハウと刺し違えることを選んだ所で戻れなくなっている。 それぞれが戻れない場所に来ているのに一人、戻ることを夢見て、「自分は警官だ」と(自分に)言い聞かせるヤンが痛々しくも熱い。 もう何が善で、何が悪なのか分からなくなる世界、それだけに善悪が一義的に定まらない所に面白さを感じる。 個人的に好きだったのがサム、マリーの写真を見て、その後何かを吹っ切ったように歩くシーンには、複雑な想いを感じずにはいられない。 1と2の繋がりの粗さは気になるけど、封筒を持ちながら歩くラウの仕草や、ヤンの子どもを結局オロさなかったメイや、ラウとメリーとの出会いも描かれているのも嬉しい限り。 エンディング後に流れた3の予告編を見て、3もまたかなり楽しみになってきた。
9点(2004-09-20 21:28:50)(良:2票)
429.  インファナル・アフェア
ポイントは個々人にとって色々あるだろうが、自分はラウの人生は本当に無間地獄なのかという点に注目してみた。 冒頭に触れられていたが、無間地獄とは絶え間なく責め苦にあうという意味だが、ラウの人生は果たしてそうだったのか? 最初の見所である内通者合戦からラウは命懸けでボスを守ろうとしている。はっきり言って悪の道を必死にやっているようにしか見えない。 つまりラウという人間が本当は善人であり、善人なのに苦しみながら悪事に手を染めているようには見えないのである。彼の行動は全て自分自身のことしか考えていないように見える。 ラウの苦しみが描かれていないからイマイチ感情移入できないのである。一方、ヤンの方は安心して眠れる場所はただ一つ、ケリーチャンの椅子だけであり彼の苦しみ、地獄は感じ取れた。 チャンが次は見た夢を教えてと精神科医として言った時に、「夢で会おう」と語ったセリフはカッコ良かった。 ラストももう一工夫欲しかったと思う。 自分なら、善人の道を歩みたいと嘆いたラウに対して、潜入の苦しみを知っているヤンはこの地獄から抜け出させるために手を差し伸べるようにすると思う。 そのやっと掴んだ自分の道を一歩、歩もうとした時にもう一匹のイヌが出てくる方がいいだろう。 イヌはヤンを殺し、証拠をネタにラウを再び悪人の道に引きずり込む。それが無間地獄というモノだろう。 ラストの歌にもあるようにやっと見つけた自分の道が、自分の人生を変えることも許されずに、振り出しに戻る、それが地獄というもの。 イヌを殺したら地獄でも何でもない。少しLAコンフィデンシャルに似ているのもマイナスかと思う。
5点(2004-09-19 00:35:17)
430.  アンブレイカブル
冗談抜きにして感動して泣きそうになってしまった。 自分の存在理由を見出せない二人の男。 一人は毎朝、言い知れぬ悲しみとともに目が醒める。 そしてもう一人は、自分の生きる意味を問いかけていた。 一人は愛のためにフットボールを辞め、やるべきことが分からずに毎日を無気力に生きる。その無気力さがやがて徐々に愛を失いかけている。 警備員をやりながらフットボールの思い(冒頭での女性との会話も注目)を捨てきれてないウィリスは中々いい感じだったし、罪を犯した奴を見抜くという力と絶対に怪我をしないという力という自分の真の力を使って、つたないながらもヒーローとしての一歩を歩み、息子に黙って新聞を差し出すシーンなんてとても良かった。少し距離があった二人の距離が近く感じたシーンでもある。 また同様に、いつからか別々に寝ていた嫁ハンを夜ベッドに運ぶシーンも、この映画が実は失いかけていた愛を取り戻したがっていた二人のラブストーリーでもあったとも気づかされるし、実はかなり深い映画だと思う。 そして対極にいるもう一人の男は、耐えがたい苦しみに生きる目的・希望を失っていた。精神を病んでいたと一言では片付けられないのではないか。本当に病気に苦しむ人間はそういう悩みは抱えているだろうし、死ぬまで怯えて生きていかなくてはならない逃れられない恐怖から「自分」が生きている意味、答えを見出そうとした哀しい男がちゃんと描かれていたと思う。 現実はコミックではないという視点もラストの結末には描かれていたし評判が悪い理由がよく分からないけど、見ててハゲは病気ではないのかとか、ヒーローも悪役も水が苦手って、水が苦手な宇宙人もいたけど、この監督、水になんか恨みでもあるのかと突っ込める楽しい映画でもあるし、冒頭のウィリスが振られる列車での長回しのシーンも結構見応えがあり面白く撮れていると感じた。
10点(2004-09-18 18:53:58)(良:7票)
431.  アイ,ロボット 《ネタバレ》 
ダークシティ同様に特異な世界観と凝った映像は楽しめますが、やはりストーリーの流れが悪いというか、この監督とは相性が良くない。 核の部分である「人間の心」を描こうとしていると思われるが、そこまでの深みがなかった。そのためアクションとしても、サスペンスとしても中途半端な印象を受けた。 出発点であるスミスのロボット嫌いの理由が自分には分かりづらい。確率のみで物事を考え、将来性等を考慮しない感情のなさ、融通のなさに苛立つのは分かるけど、女の子は確かに助からなかったかもしれないが、自分が助かったんだからいいんじゃないか。 そもそも酔っ払いの居眠り運転が原因だから、そっちを毛嫌いしろよ。人の家来て勝手に酒ついでる場合じゃあないだろう。 出発点で入りこめなかったのが失敗したかな。ヴィキの三原則の発展論理や暴走とかは人間を考えればそこそこは理解できるしこれについては面白く感じた。 ラストはどう捉えればいいのかな。サニーの夢が現実になったわけだが、彼らに感情や心を教えて導いていくつもりなのか。 良かったのはモイナハンの変化かな。最初のスミスとの会話の無機質な感じ、まるでコンピューターと会話しているような雰囲気が逆に良かった。徐々に変わっていき最後の方ではイキイキとしていたのが多少印象的だった。 個人的に感じたのはやっぱりサニーの苦悩をもっと描けば良かったと思われる。自分は何者なのか、何のために創られたのか、目的を達した後の存在意義、感情とは何か等悩むネタは色々あるし、握手までの道程も、感動的なものに活かすつもりならスミスともっと絡ませて欲しかった、ウインクだけではちょっと弱い。
5点(2004-09-12 06:11:56)(良:1票)
432.  サイン
この映画を宇宙人モノや超常現象モノと考えればそのスケールのショボさから恐らく評価は0点に近いモノになるでしょう。 この映画の正しい鑑賞方法は信仰を失った人が信仰を取り戻す姿を描く感動ストーリーと捉えないといけない。 昨今、神の存在を信じない輩が増えてきている現代において、大切な家族を奪われた痛みと悲しみという大きな不幸から神への憎しみだけを募らせていく元牧師というのは中々いい現代の象徴だと思う。 壁にかかっていたと思われる十字架の跡がまた何とも言えないいい現代の象徴とも考えられる。 幸運や不運をただの偶然と考えるか、それとも神の啓示(サイン)と考えるかそれは確かに個々人が決めることだけれども、誰かに見守られていると考えれば生きる希望が沸くし、この世は自分一人で生きていると考えれば人間は孤独なんだという捉え方は今までの自分にない発想だけに意外と面白かったと感じる。 本作のテーマがこれなんで、テーマが分かれば水に弱い宇宙人とか、人間を食糧にするとか全てにおいてショボイ無茶苦茶な設定は逆に笑えるものになるんではないだろうか。 宇宙人や幽霊等の一見派手なオカルトチックな舞台で家族愛や信仰の回復等の人間の本質をテーマに描くというのはシャマランしか出来ないし、また、やらないだろう。 他の監督が出来ないことややらないことをやる、だからシャマランの映画は結構貴重な存在なのかもしれない。
7点(2004-09-05 19:25:47)
433.  バレエ・カンパニー 《ネタバレ》 
途中まではそこそこ面白いかなと思ってたけど、話が膨らみかけた所で終わってしまった感じ。 結局アルトマンは何がしたかったのか?という疑問だけが残る。 バレエの美しさを描きたかったのか、それともバレエカンパニーという集団内における特異な人間関係を描きたかったのか。 どちらも確かに描かれてはいた、嵐の中のダンスは確かに素晴らしかったが、はっきり言って人間関係の方は中途半端という印象を拭えない。 主役を取るための争いもなければ、演者と演出家との確執も中途半端、バレエをどうしても踊りたいという情熱もなければ、プレッシャーや食事制限に負けそうな人物もいない、かなりぬるい世界が描かれてはいたが、そんな中途半端な映画の中にも一人だけ目に付いた人物はいた。 ミスターAである。彼だけは一人バレエに情熱を燃やしていた人ではないだろうか。 金策に頭を悩ませながら、市長には頭を下げに行き、ダンサーが怪我をしないように舞台には絶えず注意を払い、雨が降ればダンサーが足を滑らせないかを心配する、自分とダンサーの意見が激突してもダンサーの才能を認めてかフォローはちゃんとする、ベテランダンサーがわがままを言っても演出家との関係でそそくさと帰ってしまう姿、恐らくスポンサーの関係でねじ込んだと思われるヘタクソなダンサーがいるのも金に困ってのことだろう。 そしてダンスが終わった瞬間、一人大声で「BRAVO!」と叫ぶ続ける彼の姿にはバレエに対する大きな愛を感じる。 良かったのは彼一人であとははっきり言って主役を含めて印象が薄い。 別にドキュメンタリーを取りたいわけではないのなら、やはり一本のバレエを仕上げていく過程や苦労を描く方が面白かったと思われる。 演者になれるかどうかの激しい競争をし、勝ち残っても脱落していく者、才能があっても怪我をする者をきちんと描き、死ぬほどの努力と押しつぶされそうなプレッシャーそしてようやく一本の作品が出来あがる。 そして出来あがった作品中での怪我で苦労して勝ち取った役を降りざるを得ない、そういう過酷ともいえる試練を描いてこそ夢を掴むまでの大変な世界を我々が感じ取れるのではないだろうか。 そういうきつい世界だとすれば支えてくれる恋人の存在も重要になってくる。二人とも怪我しちゃったねって笑ってられるほど楽な世界なのか、あそこは。
4点(2004-09-05 02:54:08)(良:1票)
434.  LOVERS 《ネタバレ》 
「hero」好きだから結構期待してたけど、多少だが期待ハズレだった気もする。 恋愛をテーマにしているから「hero」ほどの衝撃やスケールの大きさはやはり無理かもしれない、恋愛モノでしかも一人の女性に対して二人の男が争うという展開から、この映画は男性よりも女性受けする映画かもしれない。 恋愛モノは別に嫌いではないけど、イーモウの描くラブストーリーはかなり青臭くて、しかも気持ちの悪くなるラブシーンには抵抗がある。  はっきり言って、オープニングの「踊り」のシーンとラストの決闘シーン以外に気に入ったシーンはなかったけど、ラストシーンには男の情念が溢れていた。 好きな人の気持ちを奪われた男と好きな人の命を奪われそうになった男のまさに死闘と言っても過言ではない戦いに二人の小妹に対するそれぞれの想いが伝わるし、何よりもボロボロになった刀と肉体が物語っていた。 ラウの最期の賭けにも、あきらめきれない男の気持ちが良く伝わってくる。自分の命を賭けてもその男が本当に好きなのかどうかという無言の問いかけと小妹が出したその答え。 あの答えを出されてはもう何も争う理由なんてない。惨めで肉体的にも精神的にもずたぼろになって歩いていくラウの姿にはいい意味で男を感じる。  金城は違和感は感じたが、そこそこには頑張っていたとは思う。 冒頭のちょっと嫌みのある余裕のある男から、徐々に本気になっていく真剣な表情への変化、結婚とか言われた時の照れくさそうな表情や、小妹と交わした笑顔とかいい表情もあったけど出来れば別の役者が良かったかな。 アクションは「hero」にはその必要性や色々な想い、意味が隠れていたが、今回は逃げ回るだけのアクションなのでちょっと飽きる上にそれほど目を奪われるほどのものでもなかった。 ストーリーとしてもちょっと弱いとは思う。小妹が風のような自由できままな生き方に憧れるという流れならば自分らしく生きれない束縛された人生を金城に語って欲しかった。 お互いがお互いをかばい合い、惹かれていき、必要としていくことを描いていかなければ感情移入は出来にくい。
7点(2004-08-29 23:32:10)(良:2票)
435.  HERO(2002)
ただのアクション映画ではないです。 美意識の高い映像の美しさと中国ならではの迫力。奏でられる音楽に酔いしれながら、「動」と「静」が見事に融合した素晴らしい演出。 「剣」と「書」という中国の文化を描きながらも、この映画の根底に流れる平和の思いは、今のこの時代にも相通ずるものを感じさせずにいられない。 この映画の出演者全てが英雄だとは思うが、残剣と秦王こそ英雄の中の英雄だと思う。 残剣が願った飛雪と故郷で平和に暮らせる世であって欲しいという思いとそれがもはや、かなわない夢であるため、死を選んで自分が愛する人に教えるしかないという哀しさ。 また、秦王の為政者としての誰にも理解されない孤独と真の理解者が現れた時の心が晴れた潔さ。 ラストもこれから天下統一を図るためにも自己の制定した法を破れば部下に対しての示しがつかないのを悟り、苦渋の選択をしなければならない姿には感動した。時間が短い割にはこれほど中身が詰まった映画も珍しい。 自分の命を賭しても伝えたいそれぞれの想いに胸を熱くせざるを得ない。
10点(2004-08-29 16:42:08)(良:4票)
436.  ドリーマーズ 《ネタバレ》 
ベルトルッチはラストエンペラー以外見たことないのであまり上手く理解はできなかったけど、三人の絶妙なバランスがとても良かった。 テオの「自分たちは一卵性双子だから」と少しあきらめがちに語るセリフとイザベルの狂おしく扉を叩く仕草、「私達は永遠よね」とテオに語るセリフに、離れたくても離れられない双子の関係とそれに振りまわされるマシューの姿が印象的だった。 二人を現実に引き戻したくても上手く出来ないマシューが痛々しい。 そして徴兵が逃れてきた平和主義者のマシューと活動したくても何をやっていいのか分からないテオとこのまま夢を見たままで終わりたかったイザベルの三人のドリーマー達に襲い掛かる革命という別の現実が否応なく夢から現実に引き戻す。
6点(2004-08-29 16:34:08)(良:1票)
437.  ヴァン・ヘルシング 《ネタバレ》 
ソマーズらしく時間分はたっぷり楽しめる作品には仕上がっているんではないでしょうか。 テンポも良いし緊迫感溢れてハラハラ出来るし、映像の出来もラストバトル以外、中々良かった。 ハム2同様に相変わらず話だけ膨らませて、ヴァンヘルシングの正体とか色々ほったらかしにしているけどそんなの気にしない方がいいでしょう、ソマーズの映画なんだし。 なんでヴァンパイアはウルフマンを根絶やしにしておかないのかとか、ウルフマンになっても戦えるとしたらなんで兄貴は従っていたのかとか、ヴァンパイアの子ども達とフランケンの関係は一応分かるけど一体どういうシステムなのかとか、ドラキュラ城ワープして行ったけど戻ってこれるのか色々考えない方がいいでしょう。 キャラクターとしてはカールは中々いい味を出そうとはしていたが欲を言えばもっとはじけても良かったんじゃないか、あいつ以外にそういう担当いないし。 ヘルシングとアナの関係も途中にもうちょい膨らませた方がラストもっと盛りあがったのにな。 ヘルシングはウルヴァリンと似ているがもうちょい自分が何者なのか苦悩した方が良かったし、アナも孤独感や宿命の重さをもっと表に出せよと思いつつも、やはり手に汗握る展開にそれなりに楽しめたと思う。
7点(2004-08-29 03:11:02)
438.  ハムナプトラ2/黄金のピラミッド
前作気になった緊張感の欠如やキャラクターの弱さ等、全部修正されていてかなり満足できる仕上がりになっている。 ドミノ倒しを筆頭に前作を引き継いだストーリーとキャラクターは前作を見てる人にはなかなか楽しめる、今回はちょっと強引なほど話を膨らさせすぎている感じはするけど、相変わらずテンポの良い創りに、凝った設定や舞台も楽しめた。 もうちょっとジョナサンに活躍の場を与えてやれよと思ったが中々いい叔父さん役がピッタリでそれなりの味はだせたかな。 気に入ったのはラスト、イムホテップとリックとの対比はなかなか見事だった。 3000年間思いつづけたイムホテップは見捨てられ、リックはエヴァリンに自分の身の危険を犯しながらも助けられた。 このシーンだけでそれぞれの二人の関係とあの二人の絆の強さが感じられる。 イムホテップの覚悟を決めて落ちていく表情とエヴァリンを殺されて復讐に燃えて闇の中に浮かぶ表情はどちらも良かった。
8点(2004-08-28 20:03:30)
439.  モナリザ・スマイル 《ネタバレ》 
伝統や慣習や世間体にとらわれ、世界観が狭まり広い視野で物事を見れなくなっていた学生たちに新しい世界、モノの見方、考え方を教えてくれるというストーリーと女性の自立というテーマを期待していたんだが、浮ついた全くキレのない脚本と演出のおかげでせっかくのいいテーマが台無しになってしまってる。 一番の失敗はジュリアロバーツの演じたキャサリンに全く魅力がないこと。 ジュリアロバーツ自体は嫌いではないので何の偏見ももっていないつもりだが彼女や彼女の生き方から学生たちが何かを学んだような気が全くしない。 キルスティン(ベティ)だって家庭不和が原因であって離婚という当時は珍しかった選択肢を選んだのにはジュリアが少しは影響があったかもしれないが、映画からは何も影響は感じられなかった、見せかけの幸せではなく本当の幸せを見つける決心をしたのは彼女自身の選択だったし。 ジュリアスタイルズ(ジョーン)に至っては、何も変えられないばかりか、逆にこれが自分の道を貫いた結果だと教わる始末。 イタリア語教師の言うように、自分の価値観の押しつけているだけで結局、学校も学生も自分自身も何も変えていないように思われた。 ラストに至っては急に皆から好かれまくって感動の別れって…一体何がしたかったんやと訳分からん強引なラストには興ざめします。 目的をもった迷える人という締めくくりは多少良かったけど。 人物の描き方もイマイチだった。 古い考えをもった同居人と新しい革新的な考えをもった同居人がいるんだから彼女らをうまく使って欲しかったし、元彼やイタリア語の彼とかの存在意義がイマイチ感じられなかった。 コニーとチャーリーの話なんてこの映画に何か必要あったか? 彼女の美術講義はなかなか面白かったが、脚本が間違っているのか、なっちの翻訳が間違っているか知らんがゴッホが生前一枚も絵が売れなかったというのもデタラメで、一枚しか売れなかったというのが正しいはずです。
3点(2004-08-22 23:32:48)(良:2票)
440.  華氏911 《ネタバレ》 
ボウリングの頃は、マジな感じとユーモアな感じが半々くらいに保たれていた気がしたが、今回は9:1くらいでユーモアを捨ててほとんどガチンコの勝負をしている。 相手が相手だから逃げもかわしもしない直球勝負に出たなあという感じがする。 ブッシュ本人のことや石油の利権や軍需産業の癒着、サウジとブッシュとの関係やイラクとブッシュとの関係、9.11が起こった背景等ははっきり言ってほとんど知識ないんで論じることは出来ないけど、 罪のないイラクの人々が死んでいく姿と「助けに来たのに何で攻撃されるんだ」と嘆く兵士の姿、息子を失った家族の深い悲しみと息子が書いた手紙には、全てブッシュのやっていることは間違っているということと彼の嘘を痛烈に感じずにはいられない。 権力者の下に踊らされ、恐怖を植え付けられ知らぬまに自分の自由や思想を失っていく人々にはテロ以上の脅威を感じる。 真に恐ろしいのはテロリストではなく紛れもなくブッシュだろう。 映画としての面白さは本作からは感じないが、人に訴える熱情がこもった素晴らしい映画だとは思う。 自分の利やカッコのために苦しむ人がいるということを知ってもらうために特に政治家や政治を志す人には見てもらいたい。 次の大統領選は本当に楽しみだな。ブッシュが勝つのかムーアが勝つのかというようなもんだな。 ケリーが勝ったら勝ったで、ムーアのおかげで勝ったと言われるのかな。 メディアやマスコミを使って世の中を動かすというのはあまり好きではないがな。
8点(2004-08-15 00:29:47)(良:2票)
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