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目隠シストさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2251
性別 男性
ホームページ https://twitter.com/BM5HL61cMElwKbP
年齢 52歳
自己紹介 あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

2024.1.1


※映画とは関係ない個人メモ
2024年12月31日までにBMI22を目指すぞ!!

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421.  それいけ!アンパンマン ハピーの大冒険 《ネタバレ》 
必殺技アンパンチで悪者をやっつけるアンパンマン。少年ハピーはアンパンマンに憧れます。僕もアンパンマンのようにかっこよく、強くなりたい。どうしたら強くなれるの?僕を強くしてよ!ハピーはアンパンマンに問いかけます。でもアンパンマンは応えてはくれません。「僕は強くなんかないよ。みんなが応援してくれるから頑張れるだけなんだ」ハピーにはその言葉の意味が分かりませんでした。しかしアンパンマンのぼろぼろのマントが彼に教えてくれました。誰かを守りたいと思う気持ちが“強さ”だということを。“力”は目的ではなく、手段に過ぎないことを。愛こそが強さなんだ。ハピーに届いたアンパンマンの想いは、自分にも伝わってきました。思わず涙腺が緩みました。宮沢賢治の『雨ニモ負ケズ』の人物像にも通じるアンパンマンは、理想とする人間の在り方だと思います。綺麗ごと、所詮絵空事と切り捨てたらダメな気がする。アンパンマンのような立派な人にはなれなくても、小さなアンパンマンを心の隅に留めて置くことなら、自分にも出来るかもしれません。
[DVD(邦画)] 8点(2008-03-24 18:40:19)(良:1票)
422.  ゲーム(1997) 《ネタバレ》 
伏線らしい伏線はありません。あの結末は、ある種のちゃぶ台返しだと思います。でもだからこそ、客観的な立場ではいられず物語に引き込まれた気がします。巧妙な詐欺事件としか思えなかった。主人公と共に震え、絶望を味わい尽くしました。人間には危機願望というのがある。ホラー映画、お化け屋敷、絶叫マシン。恐怖を擬似体験することで、カタルシスを得るという手法です。その究極の形が『ゲーム』だと思いました。一度死んでみること。しかも主人公の場合、父の自殺を追体験することでトラウマ解消にも役立っている。生まれ変わり儀式の効用は計り知れません。おそらく中途半端なモノだったら、プレイヤーの怒りを買うだけでしょう。自殺にまで追い込んでこそ価値がある。かといって、自分もゲームをやりたいとは絶対に思わない。こんな最低最悪の悪趣味なゲームを肯定する気はありません。あ~でも、心の何処かでこんな体験を願っている気もする。人間とはなんて贅沢な生物なのか。
[DVD(字幕)] 8点(2008-03-16 20:03:04)(良:1票)
423.  マッハ!!!!!!!! 《ネタバレ》 
往年のジャッキーチェン映画に見られる組み手アクションの娯楽性と、ブルース・リー映画に代表される実戦格闘技の鋭さが融合されたような印象。唸りました。年甲斐もなく「すげぇ!」を連発しました。立ち技最強と称されるムエタイが、こうもエンターテイメントに化けるとは。生身の肉体だけが伝えられる凄みと痛みを体感しました。格闘技系アクション好きならば必見だと思います。これで脚本がもうちょっと頑張っていたら、傑作になっていたと思う。ヒロイン?のお姉さんが死ぬ必要は無かったし、ボスを車椅子にする必然性も感じません。シンプルでスカッと楽しめるような物語だったら、言うこと無しでした。
[DVD(字幕)] 8点(2008-03-13 19:20:47)
424.  墨攻 《ネタバレ》 
原作未読ながら、私は横山光輝の『三国志』の愛読者です。さらにPCシュミレーションゲームの『三国志』や『信長の野望』なんかも大好物。そもそも本作の設定自体が大好みなのです。さらに墨家の思想も日本人には受け入れ易いもの。「兼愛」「非攻」の精神は、専守防衛を掲げる日本の現行体制に極めて近いと考えます。ですから、すんなり物語に入ることが出来ました。日本の“いくさ”よりも数倍派手で容赦がない攻城戦は見応え抜群。戦いに対する考え方が、大陸と日本では明らかに違う気がします。風土や文化と戦争は密接なものでしょう。絶対的な人口数の差異ゆえか、日本より中国の戦争の方が命が軽く見えます。だからより一層、命の重さを説く革離に共感できたのかもしれません。でも彼は、城は守れても愛する女一人守れなませんでした。意味が無いとは言いませんが、あまりにも悲しいです。人が在るから国が在り、国が在るから人が在るのだと思います。どちらが重いという問題ではありません。理想を捨てたら意味がない。でも理想ばかりでは生きていけない。人間に課せられたジレンマは、これまでも、そしてこれからも、ずっと続くのだと思います。
[DVD(字幕)] 8点(2008-03-12 20:16:10)
425.  アポカリプト 《ネタバレ》 
懸命に守ってきた財産や家族、プライド。己が命と同等に大切なものを一方的に奪われる痛みたるや想像を絶します。侵略の罪は果てしなく重いと考えます。主人公と同じく怒りと恐怖に打ち震え、自身の無力さに絶望しました。体の芯がジンジンし、硬直しました。ゆえに主人公の逆襲には大きなカタルシスがありましたし、結末には心から安堵しました。逃げることではなく戦うこと選択したジャガー・パウ。追われる限り逃げなくてはなりません。其処に尊厳などあろうはずもなく。主人公の父が言う「怖れるな」は、「勇気を持って立ち向かえ」ということだと感じました。ただ、彼は矛盾していたとも思います。侵略の予兆から目を逸らしたのは、恐怖に蓋をしただけではないでしょうか。それでは意味がありません。勇気を持って脅威に立ち向かうべきでした。侵略を憎むこと、自らが侵略しないのは当たり前。重要なのは侵略されないために何をなすべきか。自分の(我が国の、我が人種の)狭い価値観で物事を判断するのは、あまりにも危険な行為だと感じました。最後に冒頭の一文「文明は内部から崩壊する」について。外的要因(キリスト教宣教師団)を肯定する言い方に聴こえますが、自分は支持出来ません。人を生贄にする野蛮な原始宗教も、博愛主義のキリスト教も、主人公にしてみれば同じ侵略者に違いありません。自己の存在を肯定し、自分たちの文化文明に誇りを感じるのなら、他者のそれも同じように尊重すべきだと思います。主人公は“新たな始まり”を求めて森を目指しました。彼らがこれから築くであろう新たな財産が、彼らの手に在ることを願うばかりです。
[DVD(字幕)] 8点(2008-03-04 18:55:59)
426.  コラテラル 《ネタバレ》 
タクシー運転手はこう言います。今の仕事は“つなぎ”だと。将来、会社を経営するための資金集めをしているだけ。殺し屋は言います。人口60億のうち、一人や二人消えたって影響ない。殺しを躊躇う理由はないと。2人の言い分は似ていると思いました。共に自分の心を偽るために、言い訳をしているように見えます。マックスは夢が適わないことに気付いています。ヴィンセントも人殺しに胸を痛めている気がします。現実から逃げているのです。でもそんな事、認めたくありません。今までの自分を否定することだから。自身を欺いてきた時間が長ければ長いほど、もう怖くて振返れないものです。一流の腕を持ちながら、仕事に誇りを持てない2人。不幸なことです。でも決して珍しいことではありません。双方、触れて欲しくない部分を罵倒し合います。それは刀を抜いたのと同じ。もう後戻りは出来ません。タクシー横転以降の展開は、2人の意地のぶつかり合いだったと思います。もはや理屈じゃなく。決着をつけなくては気が済まないのです。親友同士のケンカに似ているかもしれません。その結末が胸に沁みます。何故ヴィンセントはマックスを殺さなかったのでしょうか。スゴ腕のプロが、撃ち合いで遅れを取るはずがありません。そもそもタクシーから脱出した時に撃ち殺さなかったのはおかしな話。つまりヴィンセントは彼を殺したくなかったのだと感じます。共感か、リスペクトか、あるいはマックスの中に自身の姿を見つけたからでしょうか。胸中は分かりません。でも自分の心に正直だったから、ヴィンセントは負けたのだと思います。“殺したくないから殺さなかった”。自分に正直であることは、なんと難しいことでしょう。
[DVD(字幕)] 8点(2008-02-19 18:41:49)(良:1票)
427.  ツォツィ 《ネタバレ》 
ツォツィの表情に惹き込まれました。『3年B組金八先生』第2シーズンの最強キャラ、加藤優(直江喜一)を彷彿とさせる風貌。瞳の奥に、諦めと深い悲しみが見えるよう。人を傷つけたときに一瞬だけ見せる不安気な顔。赤ん坊を眺めているときの温かな眼差し。彼がどういう人物なのかよく分かる。ツォツィは赤ん坊に自身を重ねることで、長い間おざなりにしてきた自らの心と向き合うことが出来ました。本当の自分は何を欲しているのか、何が必要なのか。赤子を両親の元に返す時に流れた涙。それは心の扉が開いたしるしだと思います。自分も一緒に泣きました。本作で素晴らしいのは、主役に限らず役者の技量が総じて高いこと。乳飲み子の母、太っちょの親友に“先生”、赤子の両親。みな台詞に頼ることなく、その心情を観客へ届けることに成功しています。外国人の自分にも伝わってくるのだから本物だと思う。シンプルでコンパクトな構成ながら、大満足の作品でした。一つ引っかかるとすればラストカット。尻切れトンボで、もう1センテンス欲しいと感じます。DVD特典の解説によれば、別のエンディング案もあったとのこと。確かに他の結末に比べれば後味はいいです。自分も監督の選択を支持します。ただ、意図して創り出した余白ではなく、結果的に余白が出てしまったような稚拙さも感じます。編集で尻を切るのではなく、このエンディングのためにもう一手間かけたら、もっと素晴らしかった。
[DVD(字幕)] 8点(2008-02-14 19:48:14)(良:3票)
428.  スパイダーマン3 《ネタバレ》 
回を重ねるごとにアクション性が増しているシリーズ。3作目となる本作は、もはやアトラクションと言っていい出来栄え。水平移動に垂直落下、空間の奥行を活かしたスピード感溢れる戦いにクラクラしました。敵もゴブリンジュニアに砂男、それに謎の寄生生物と盛り沢山。サービス精神旺盛です。アクションだけなら満点級です。ただその分、物語の粗が目立ちました。ご都合主義の展開や設定は目をつぶるにしても、ドラマが希薄になってしまったのは惜しい。テーマが良いだけに尚更そう思います。シリーズで一貫しているのは、根っからの悪人が居ないこと。みな弱い心が産んだ怪物たちです。主人公とて例外ではありません。誰もが悪人になってしまう可能性がある。そうならないために必要なのは何か。愛するMJに伯母さん、親友のハリー、大家のおじさんだって彼を気にかけている。多くの人たちの支えがあって、主人公はヒーローでいられるのだと思います。大切なことを忘れてしまったピーターが心を乗っ取られたのは必然だと思いました。堕ちるのは簡単。でも這い上がるのは容易ではありません。主人公やハリー復活のドラマを淡白に処理したのは勿体無いと感じました。前作には及ばないものの、採点は「十二分に満足」の8点です。続編を期待したいところですが、ハリーのような良キャラを失ったのはデカイなぁ。
[DVD(字幕)] 8点(2008-02-07 19:37:12)(良:2票)
429.  X-MEN:ファイナル ディシジョン 《ネタバレ》 
ミュータントを“人間に戻す”新薬「キュア」の登場によって、ミュータントと人間、それぞれの思惑がますます顕になる3作目。自らの能力を忌み嫌う者、受け入れる者。人間との融和を図る者、敵対の意思を表す者。ミュータントはそのアイデンティティを問われます。人間側も同じ。曖昧にしてきたミュータントの位置付けを、明確にせざるを得なくなる。実に面白い構図です。現実の差別問題や、他生物との関わり方と照らし合わせてみるといい。“人間とは何者か”という物語の根幹に行き着きます。ただ、それは鑑賞後のお楽しみ。まずは目の前で起きていることを存分に楽しみましょう。ミュータントの多彩なサイキック能力。その映像表現の見事なこと。極上のイリュージョンを見ている感覚でした。迫力満点。そして美しい。スクリーンで観なかったことを後悔しました。ただ、ドラマは不十分だと感じました。ジーンとローガンの恋愛話をクライマックスにするなら、もっと木目細かな心理描写の伏線が必要でした。それに締め方もぬるい。今回の件で、ミュータントと人間の間に大きな軋轢が生まれたはず。一度恐怖を体験した人間が、その源を放置するとは思えない。人間は、それほどお人好しではありません。何事も無かったような平穏な結末に違和感を覚えました。並みのアメコミ映画なら問題にしません。見た目が派手ならそれで満足。ただ本シリーズには奥深いドラマ性も求めたい。それが可能な優れたコンテンツと考えます。エンドロール前後のシーンについて。クレジット前のワンカットは絶品でした。見事な余韻を作り出しています。ただ、最後のシーンは要らなかったと思う。驚愕の事実は、艶消しでもあります。続編の布石としての要素の方が強い。こうなったら、責任を持って3部作を超える続編をつくってもらいましょう。
[DVD(字幕)] 8点(2008-01-31 19:22:49)(良:3票)
430.  チャイルド・プレイ(1988) 《ネタバレ》 
大柄な肉体、恐ろしい凶器、醜悪な顔、常軌を逸脱した狂気。観客が殺人鬼を怖れるのは、彼らには“とても適わない”と思ってしまうから。ジェイソン、フレディ、レザーフェイス等、スター殺人鬼はみんなそう。太刀打ち出来ないことを直感します。そういう意味で、本作のチャッキーでは“物足りないかも?”という先入観がありました。所詮人形は人形。しかも子供サイズ。戦って負ける気がしないから。でも予想は覆りました。結構本気で怖かった!最初に抱いたのは“他人に信じてもらえない”恐怖。助力を請えない状況がどんなに心細いか。チャッキーの罪の責任を負わされるのも心配。そして“大切なものを奪われる”恐怖。子供の命を狙われるのは、自分の命を狙われるより遥かに恐ろしい。チャッキーの体格的ハンデを埋めるシチュエーション作りも光ります。身動きの取れない車の中、あるいはVS子供。体格差は関係なくなる。チャッキーは立派な殺人鬼だと思いました。さすが、シリーズ化された作品の1作目だけのことはある。設定、脚本、共に秀逸だと思います。ただ、ラストの畳み掛けはややクドイ。それよりも、続編の可能性を残すため、チャッキーを生かす算段をしたほうがいいと思いました。何かに憑依させるとか、止めを刺さずに逃がすとか。あんなにシッカリ抹殺したら、続編が作り難いんじゃないかと気がかりで。でも心配ご無用。どんな荒業を使っても続編を作るのが映画界でした。
[DVD(字幕)] 8点(2008-01-30 19:01:44)
431.  ルビー&カンタン 《ネタバレ》 
無垢なバカに周りが振り回される設定は、コメディではよく見かけるパターン。そのバカに魅力を感じるかどうかがポイントだと思います。ボサボサの髪につぶらな瞳。「やあ、カンタンだよ」と相手の迷惑も考えずに語りかけるKYぶり。全然相手にされていないのに、話を聞いてくれたのが嬉しくて親友気取り。妙に腕っ節もある。絶対にこんなバカに付きまとわれたら迷惑だと思う。悪意や計算が無い分、扱いにくい。でもね、すごく共感してしまう自分がいる。友達が欲しくて欲しくてたまらない。でも溶け込めない。空気を読み過ぎて雁字搦め。結局いつも一人ぼっち。そんな自身の生き方を顧みると、カンタンのような積極性が羨ましくもある。結果的に友達が出来なくても、最初から作ろうとしないのと、頑張ったけど出来ないのとでは価値が違う。ルビーにはちょっとお気の毒だけど、ステキな親友が出来たカンタンには、おめでとうと言いたい。鬱陶しいのがまた、快感になったりして。少なくとも自分は、カンタンを愛おしいと思いました。残念だったのはラスト。「絶対に人を殺したらダメ」と言い切っていたカンタンが、ルビーを救うためとはいえ、人を撃ってしまったのは悲しい。代わりに撃たれるなんてバカな真似はしなくていいけど、もっと彼らしい遣り方でルビーを救って欲しいと思いました。ただ、病院での一件(危篤患者のベッドに座るエピソード)を見る限り、案外殺していないのかも知れません。
[DVD(字幕)] 8点(2008-01-29 18:38:27)
432.  X-MEN2 《ネタバレ》 
X-メンVSマグニートのミュータント対決は、表面上のぶつかり合い。その裏にあるミュータントVS人間の構図が本シリーズの本質です。それが強調される第2作目。敵対するX―メンとマグニートが一時手を組み、危機を乗り越える展開は巧みだと思いました。全ミュータントの命が、悪の親玉の力によって救われる展開はお見事。しかしすぐさま状況は一転。やはり敵は敵だと再認識させられます。シビレる巻き返しでした。ラストの主要キャラクターにの死は、物語を盛り上げる上での常道手段。ただ、あのシチュエーションで死ぬ必要があったでしょうか。無理やりエピソードを突っ込んだ気がしました。(次作での復活はあるのかな?)多彩なミュータントの能力と比べると、主役の能力は実に平凡。しかも本作では同一の能力者が現れる始末。主役の能力にスペシャル感が全く無いのも、めずらしいと思います。でもそれがいいところ。アメコミ原作の映画では一番好きなシリーズかもしれません。
[地上波(吹替)] 8点(2008-01-26 21:11:09)(良:2票)
433.  スネーク・フライト 《ネタバレ》 
大量のヘビを使って旅客機を落とそうというトンデモ計画。フェロモンでラリったヘビたちが、乗客を襲う!機器類を破壊する!最初の犠牲者は、トイレでエロっているカップル。ホラー映画のお約束を踏襲しています。オッパイにパクリ。イチモツにガブッ。大蛇にぐるぐる巻きにされ、頭から丸呑みされる乗客。期待どおりのシーン連発です。設定は完全にイロモノ系おバカB級映画のノリ。笑って観るつもりでした。ところが、段々本気になってくるのです。当初考えていたよりも、ずっと優れた設定であったことに気付かされます。ポイントはヘビの種類が多いこと。その多様性が展開をスリリングにし、画にメリハリを与えていました。ドラマもなかなかのもの。極限状態で暴かれる人の本質。我が身を呈して赤子を守る者もいれば、醜態を晒す者もいるワケです。幼い兄弟のエピソードがいいですね。毒蛇に噛まれた弟。守ってやれなかったと悔やむ兄。でもちゃんと彼は弟の命を救います。不意を付かれてホロリときました。至ってシリアス。でもやっぱりおバカ。このブレンド具合が絶妙だと思いました。脚本を練れば、もうワンランク上のサスペンスに化ける可能性もあるかと。少々採点は甘めですが、個人的にはかなり気に入りました。
[DVD(字幕)] 8点(2008-01-16 18:11:44)(良:1票)
434.  12モンキーズ 《ネタバレ》 
ギリアム作品の魅力は、「独特のアナログ感覚溢れるダークな世界観」にあると考えます。未来や空想世界を描く作品で、その本領を発揮します。服装や小物といったアイテム、アクの強いキャラクター、影のあるストーリー。何処をとっても「ギリアム」印。本作は、『未来世紀ブラジル』と並ぶ監督の代表作の一本だと思います。プロットはタイムスリップものの王道。しかし肝心のタイムスリップの方法やルールは完全無視。観客に説明しようという意識が微塵もありません。でもこれが素晴らしいのです。タイムスリップの説明は、観客を納得させるために必要なもの。無くても観客が納得するならそれでいいのです。その割り切りと自信はお見事です。本作で貫かれている前提は、“過去は変えられない”ということ。倫理的に“変えてはいけない”ではなく、当然の如く“変えられるはずがない”という立ち位置です。これが大好きです。一見後ろ向きに見えます。でも本当は真逆です。過去は変えられないけど、未来なら変えられる。やり直しが効かないからこそ、今を大切にしようということだから。最後の刹那まで、必死に運命に抗い続ける主人公。もちろん結末は変わりません。でも無駄とは思いません。主人公にとっての“今”は、まさにこの時、この時代。仮に結末が分かっていても、諦められるはずがありません。それは、死という結末が必ず待っている生き物全てに共通する事だと思うのです。足掻くこと自体に意味があります。表面的にはバッドエンド。後味は悪いです。でも人生とはそんなもの。それでいいんです。
[DVD(字幕)] 8点(2008-01-08 18:41:31)
435.  空中庭園 《ネタバレ》 
隠し事を一切しないのが家族のルール。小泉が創り上げたユートピアは、ソニンに言わせれば「幸せな家族を演じる学芸会」です。それでも彼女は構わないといいます。ウソもバレなければウソじゃない。それはある意味正しいです。ただ危険な思想でもあります。真実は意味を持たないということだから。小泉の記憶、その母の記憶。共に自身に都合の良いように改ざんされていました。小泉母の「繰り返し、やり直し」呪文のような言葉。いくらでも事実は、記憶の中で書き換えられるのです。血の雨に打たれて泣き叫ぶ小泉。それは彼女の生まれ変り。綻びが露呈した家族の“やり直し”の儀式。息子のカレンダーに記された赤い丸。「そうか私の誕生日だったんだ」そう考えれば全ては丸く収まります。母のためにプレゼントを持ち寄る家族。でも、それが現実だと裏付けるものは何もありません。自分には、単純なハッピーエンドだとは思えませんでした。ただ仮に妄想だったとしても、希望であることに変わりはありません。どこの家庭だって、多かれ少なかれ問題を抱えています。完璧な家族なんて存在しません。家族みんなが健康であること。これで十分幸せなんじゃないでしょうか。小泉の“やり直し”が、“事実を書き換えること”ではなく、“自身の価値観を変えること”であって欲しいと願います。そう、息子とソニンのやり取りが印象的でした。「南向きの窓は、みんなに光が届いて幸せになるためのもの?」「違うわよ。洗濯物が乾くようによ。」幸せの“かたち”に囚われる必要はありません。キャストは満点クラス。特に小泉と永作がめちゃくちゃ上手いです。凝ったカメラワークや演出については、少々煩い気もしましたが、トータルバランスが取れていたのでOKでしょう。
[DVD(邦画)] 8点(2008-01-06 19:59:45)(良:2票)
436.  サンシャイン 2057 《ネタバレ》 
死に行く太陽に核爆弾を落すミッション。それは、地球の命運が掛けられた人類最後の賭け。筋立ては実にシンプルです。一つの計画変更から次々と歯車が狂っていく定番のパターン。これが実にいい。緊張感の途切れない展開でグイグイ物語に引き込まれました。テーマは神との語らい。海が母のイメージならば、太陽はもっと生命の根源に迫るもの。生を許さぬ灼熱の太陽の中に命を感じるのだから不思議です。陳腐な言い方ですが、生命はそれだけで奇跡だと痛感しました。生きるためにあまりにも多くのモノを必要とする人間。空気、水、食料、太陽。何が欠けても生きていられない。人間にとって太陽は何なのか?普段意識することすらありません。それほどに遠く、そして全てを超越した偉大な存在。その強大な力を目の当たりにしたイカロス1号のキャプテンが、錯乱したとしても全然オカシク無い。神に対する畏怖の念。それは生きるもの全てのDNAの中にも刷り込まれている“キマリ”だと思えます。ですから船長は殺人鬼でも怪物でもありません。彼の主張の方が正しいのかもしれない。ただ、神の前では“塵”に過ぎない無力な生き物だからこそ、生きるための抗いを許して欲しいと願います。哲学、宗教の要素を孕んだSFサスペンス。映像も美しい。
[DVD(字幕)] 8点(2008-01-01 11:29:59)(良:2票)
437.  スパイダーマン2
前作では物足りなかったアクション。本作では存分に堪能しました。ミスターオクトバスとの戦いはどれも見応えあり。スピード感あり、構図良しで、見事な飛翔感を味わいました。これは劇場で観ておくべきだったと大後悔。それにしても本シリーズは敵役に味がある。前作のゴブリンといい、本作のオクトバス博士といい、みんな根はイイ人なんですよね。でも自分の弱さに勝てずに悪人になってしまった。能力を持っていたら使いたくなるのが人間。能力には抗えない。カウンタックを一般道の法定速度で我慢しなさいというのが無理な話。そこへいくと主人公はエライ。というか真面目。せっかくのスーパー能力をヒーロー業以外に使わないなんて。(ピザ屋の配達はご愛嬌)。もっともそんな彼だからこそ、ヒーローの資格があるのかもしれません。
[DVD(字幕)] 8点(2007-12-31 19:12:19)(良:1票)
438.  光の旅人 K-PAX 《ネタバレ》 
プロートは知的でいつも穏やか。怒ったり、悲しんだり、妬んだりしません。こうありたいと思う人間の姿です。彼によって周りの人たちは癒されていく。患者の多くは快方に向かいました。主治医も息子と向き合う勇気をもらえた。頑なな心をほぐすことが出来たのは、違う価値観に出会えたからだと感じました。信念を持つことは大事。でも凝り固まると息がつまってしまう。自分とは違う価値観、感性の人と触れ合うことで、自分の中に余白を作ることができる。大切なことだと思います。プロートは妻子を失った男が産んだもう一人の人格か、はたまた光に乗ってきたK-PAX人か。その結論は明確にされません。つまりどちらでも構わないということ。プルートによって救われた人がいる。その事に意味があるのだと思いました。彼が主治医に残した最後の言葉は、自分自身(元の人格)に対しても向けられていたと思います。今は廃人同様でも、希望の火は消えていません。(以下余談)自分なりの解釈。“紫外線が見える”“星の軌道を知っていた”この2点は宇宙人説の強力な拠所。またタイミングよく監視カメラにノイズが入ったことも見逃せない。プロートが宇宙人でないのなら、特異能力の持ち主でなければ辻褄が合いません。ウルトラシリーズ直撃世代としては、やはり宇宙人説を支持したいです。
[DVD(字幕)] 8点(2007-12-23 18:08:04)(良:2票)
439.  M:i:III 《ネタバレ》 
前作同様アクション主体ながらも、印象は大分違います。よく練られた丁寧な脚本が心地良い。伏線を張っては回収の繰り返し。「前に同じようなシーンを見たぞ」というヤツです。車の底をスルーとか、脳内爆弾の件とか。クライマックスは妻を教え子に見立てています。ただ少々几帳面過ぎた。主人公が読唇術を使えるという設定。プライベートのパーティでその能力を披露しています。確かに前フリにはなっている。でもそれ以上に、能力をひけらかしているように見えるのはマイナス。ハントはスーパーエージェント。読唇術くらい使えて当たり前。張る必要のない伏線は要りません。ただ気になったのはここくらい。あとは文句無しです。あの驚異の変装術の内幕披露があったりと、シリーズファンには嬉しいオマケもある。お腹いっぱい、サスペンスアクションを楽しみました。シリーズ最高の出来だと思います。
[DVD(字幕)] 8点(2007-12-17 18:43:13)
440.  暗いところで待ち合わせ 《ネタバレ》 
静かな映画。その設定とストーリーゆえ、派手な展開が無いのは当然ですが、演出もかなり抑えられています。例えばミチルが侵入者の存在を疑う重要な場面。食パンの枚数を確認します。それはもうさりげない。アキヒロの言い分が本当に正しいのか、ミチルはハルミに事件との関わり聞き出そうとします。「彼氏はどんな人だったんですか?」過去形で問うキラークエッション。疑惑の外堀を埋める決定打です。彼女の頭のスマートさがよく分かる。でも際立たせようとする演出はありません。流して観てしまう。一貫して平坦な画を重ねています。それは田中麗奈の撮り方にも表れている。表情が薄く、その美貌と魅力を封じ込めています。冴えない普通の女の子に見える。事件解決後、アキヒロの話を静かに聞く姿なんか仏様のよう。だからほんの少しの変化が劇的に思えます。湯上りの飾りない素の表情。ラスト彼と向かい合った時の横顔。彼女の素顔は、なんて素敵なのでしょう。気の持ち方で表情が変わる。生き方が変わる。抑制の効いた演出だからこそ、小さな変化に価値があることに気付かされます。「土鍋キャッチ」や「ホームに出現するハルミ」など印象的なシーンが心に刻まれるのも同じ理由です。共に暗い世界にいた2人。偶然の出会いを“待ち合わせ”に替えて、これから一緒に歩いて行こう。希望は薄明かり。厳しい人生が待っていることに変わりはありません。でも手を繋ぐ人がいるだけで、どんなに力強いことか。勇気がもらえることか。歩幅を併せてくれる人が隣にいることに感謝しなくては。「目が見えないのだからしょうがない」「外国人なので仕方が無い」もう言い訳は捨てていい。
[DVD(邦画)] 8点(2007-12-14 18:17:55)(良:2票)
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