Menu
 > レビュワー
 > 六本木ソルジャー さんの口コミ一覧。23ページ目
六本木ソルジャーさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 823
性別 男性

表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(投票数)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
【製作年 : 2000年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
評価順1234567891011121314151617181920
2122232425
投稿日付順1234567891011121314151617181920
2122232425
変更日付順1234567891011121314151617181920
2122232425
>> カレンダー表示
>> 通常表示
441.  ヴェラ・ドレイク 《ネタバレ》 
本作は2004年のアカデミー賞監督賞、主演女優賞、脚本賞にノミネートされた映画である。 確かに冒頭の数分を観ただけでも分かるマイクリーの素晴らしい演出に、イメルダ・スタウントンも迫真の素晴らしい演技をしていた。脇の役者も皆よい演技をしていた。 劇場では感動して泣いていた人も見られ、決して悪い映画ではないと思うが、あえて点数についてはちょっと低めにしたい。 個人的にマイクリーに対して深い思い入れはないのだが、彼の監督作「秘密と嘘」「人生は、時々晴れ」は点数云々とは別にして、本当に素晴らしい映画だと思った。 「家族」「夫婦」などをテーマにし、そのテーマを深く見つめた結果のいわゆる「落としどころ」という感じの‘告白’が観るものの胸を打つというのが彼の映画の特徴ではないだろうか。 この映画にも確かに落としどころはあるようにも見えるが、あまり心には響かない。というよりも響く前に終わってしまったというのが正直な感想である。 映画のポイントがピンぼけになっているとしか思えなかった。 ヴェラの行為は確かに人助けではあるが、脱法行為である。その彼女の長年の秘密は家族である息子、娘、夫でさえも知ることはなかった。その秘密を知ったときに、家族がヴェラに対する気持ちがどのように変化していくのかについてポイントをもっと絞った方が良かったのではないか。 夫や息子が物分かりが良すぎるのが問題だ。怒りや不信などがあってこそ、はじめてヴェラを本当に許せるようになれるのではないか。本作でも、もちろん夫は内面では怒り、息子も「恥だ」と母を蔑んだが、心の動きを描くに際して、比重や扱いが軽すぎやしないだろうか。 なぜヴェラがそのような行為をするのかという彼女の気持ちに対して、家族は真摯に向き合っていないのも本作に入り込めない理由になっている。 また、堕胎行為に対する是非、例えば法廷にて彼女が救った女性などを証人にたてて情状酌量などを訴えるということ、をあえてぼかした創りになっているが、これについて描くべきか否かは正直悩むところであるが、家族の心の変化にポイントをきちんと置いていないのでやや疑問かなと感じる。 彼女の行為に対して、どのように心を整理すればよいのかを‘家族’と同様に考えるためにも、堕胎の是非も描いてもよかった気がする。 この映画のセリフにあったように「白か黒か」で映画を観る人には向いていないと思う。
[映画館(字幕)] 4点(2005-08-06 23:26:06)
442.  オープン・ウォーター 《ネタバレ》 
題材の良さを活かし切れていないかなというのが第一印象。個人的には、わざわざ映画館に足を運ぶよりも、DVDで充分かなという感じがした。 あえてなのかどうか分からないが、変なストーリーやエピソードを組み入れずに、素材をそのままの状態で召し上がれ、というのがこの監督の狙いのような気がする。 しかしながら、そういう狙いがあったとしても描くべきポイント等はきちんと描くべきだったと思う。個人的には、この題材をどのように調理するかのポイントとして①演技、②人間、③恐怖の三つがあるのではないかと思う。 ①『演技』 役者の演技をあまり非難したくないのだが、どう見ても彼らは上手くない気がする。彼らの演技では、ああいう状態に陥った際の気持ちや心の動揺など正直いって、観客には何も伝わらないのではないか。 恐らくああいう状態に陥った際の心の動きとしては、「(船がいない)一時的なパニック」→「(救助隊が来るであろう)楽観的な予測」→「(助けにこない)不安」→「(完全に海に取り残されたという)恐怖」→「(死にたくないという)パニック」→「(生きることへの)諦め」という段階を経ると思われるが、これらの心情や精神状態が演じられてはいない。 ②『人間』 ああいう極限状態になった際にどうしても出てしまうのが人間性である。本作でも「こうなったのはオマエのせいだ」と罵る場面もあるが、あれではやはり弱すぎる。 人間の汚い部分、綺麗な部分を両面見せるべきだろう。上手くやらないと「I LOVE YOU」が響かない。 そのためにも、ダイビングに行く前、彼らがどのような「夫婦」であったのかの情報を観客に上手く伝えるべきだったと思う。序盤は刺身の「つま」のような飾りではない。素材を活かす「わさび」のようなものだ。 ③『恐怖』 サメという物理的な恐怖も確かに大事だが、海に取り残されるという恐怖はむしろ精神面の恐怖(助けに来るものがいない、早く助けが来ないと溺死する、サメに襲われるのではないかと精神面でパニくる等)が重要と思われる。やはり①の演技と、物理的ではない恐怖を演出できる腕が重要になってくる。 また、肉体的な変化も描き足りないだろう。脱水症状や太陽の熱さ(曇ってはいたが)や海水の寒さは描くところだろう。そこを②の夫婦としてどう助け合い、励まし合ったのかを描くべきだろう。
[映画館(字幕)] 4点(2005-07-18 21:29:18)
443.  パール・ハーバー
鑑賞前は、観るに耐えないほど凄まじい駄作という期待感を持っていたのだが、観終った第一印象としては、怒りで手が震えるほどというものでもないかなという感じがする。0点を付けようと思っていたのに、やや期待ハズレだった。 もっとも、観終わった後に「結局何がやりたかったんだ」という印象は確かに持ったが。 史実がどうのこうのとか知識がないため自分には分からないが、ブラッカイマーとマイケルベイの映画に対して史実と違うと怒るというのは、彼らの今まで創ってきた映画を見れば、ちょっと筋が違うかなという気もする。例えが悪くて申し訳ないが、プロレスを八百長だと文句をつけるのと同じような感じがする。 史実云々よりも、この映画の最大の欠点は「長さ」ではないだろうか。決して「長い」映画を否定するつもりは全くないが、「長さ」に見合う「質」が問われるべきだろう。 この映画には残念ながら、「長さ」に見合う「質」が圧倒的に足りない。 真珠湾攻撃をテーマにしているにも関わらず、レイフとダニーとイブリンの三角関係や、レイフとダニーの友情などを描くというのは、なかなかのチャレンジャー精神が感じられ、それほど悪い設定でもないと思う。しかし、描き方が非常に甘すぎる。もっと重厚かつシリアスに彼らの関係を描くことができれば、真珠湾攻撃の悲劇との相乗効果があったのかもしれない。 残念ながら、彼らの関係が中途半端に軽い感じに描かれてしまっているため、「空虚さ」が二乗三乗され、映画が虚しく感じられるようになってしまっている。せっかく爆撃シーンがよく撮れているのに相当勿体無いと思う。そのため結局、何を伝えたいのか分からなくなってしまっている。戦争の悲劇も何も伝わらずに、単なるアメリカ万歳の映画で、普通の感覚の日本人を怒らせるだけの結果となってしまっているのではないか。 マイケルベイの映画というのは本当に難しいと思う。 看板だけ見ると「バッドボーイズ」は刑事モノと思うし、「アルマゲドン」は宇宙モノ、「パールハーバー」は戦争モノと思うのだが、中身が想像とは全く違う別モノを観させてくれる。看板と中身のギャップが、ある意味では観た人の失望に繋がっている気もする。
[DVD(字幕)] 4点(2005-07-16 19:40:24)
444.  ザ・リング
公開当時、映画館で見たときは結構怖かったような印象があったが、改めて昼間から家で見ると何一つ怖いところはない。 とにかく怖い、怖くないは別として、面白い点としては冒頭とラスト辺りが挙げられる。 冒頭の二人の女子校生のやり取りはアメリカンテイストが満載だ。そして個人的に気に入ったのは、冷蔵庫のシーン。冷蔵庫の扉によって、その背景が見えなくなっている。「リング」ではあるはずがないが、女子校生が冷蔵庫の扉を閉めたら、殺人鬼が立っているという演出はホラーとしてはよくある展開だろう。リングにこのような演出を持ちこむのは少し面白いと感じた(日本版がどのような演出をしていたのかは忘れたが)。 ラスト辺りのレイチェルが井戸に落ちるに至るシーンは、アメリカ的な強引な手法だろう。一切、論理的な流れを用いずに主人公を井戸に叩きこむやり方はある意味見事としかいいようがない。さらに、井戸の中では強引なほどに、やや感動的なアメリカ的準ハッピィ-エンドを迎えてしまう。 このように日本のホラーがアメリカ的な手法によって捻じ曲げられていく様にはハリウッドの真髄をみた。 論点は戻り、本作はまるで怖くないと思う。ゴア監督がアメリカ人かどうかは知らないが、アメリカ人監督なら「テキサスチェーンソー」のような恐ろしさしか理解できないのではないか。このような「呪い」という抽象的な観念を演出するのは日本人でもなかなか難しいと思う。はっきり言ってアメリカ人監督には無理だろう。 それにしてもラストまでに至る道中があまりにも単調過ぎる。せっかく7日間というタイムリミットが設定されているにもかかわらずまるで焦燥感が出ていない。もっとあせりなり、どうしようもならない苛立ちは必要だろう。 また、日本版についても「怖い」という印象はないのだが「親子愛」がクローズアップされていたように思われる。息子を助けようと奔走する親と娘を井戸に落した親との対比もあったろう。しかし本作ではその視点がやや足りないと感じる。レイチェルのエイダンへの愛は接し方には微妙に感じられたがこれでは弱すぎる。ホラーなのでそんな視点が要らないということであれば、更なる緊張感や緊迫感が必要だろう。なんらかの視点なりを盛りこむか、ストーリーをもっと激しく動かそうとしないといけないのではないだろうか。
[DVD(字幕)] 4点(2005-06-11 20:21:23)
445.  機動戦士Zガンダム 星を継ぐ者 《ネタバレ》 
50話からなるストーリーを3部作6時間程度に収めようというのだから、元から無理があるとは思っていたが、相当無理のある話だった。 どういうつもりであのような旧画と新画を混ぜて一本の映画にしようと思ったのかは分からないが、新画に統一してストーリーも一本筋のあるものにして欲しかった。これでは映画とは言えないのではないか。 旧画部分でもセリフはだいぶいじられている印象を受けた、またストーリーもだいぶ改悪されている気がする。 特にライラとジェリドの関係は後々にとっても非常に重要であり、あの描き方は酷いの一言。ジェリドにとってはマウアーよりもライラとの関係の方が影響は大きいと思う。 ライラはジェリドに戦い方を教え込ませ、あの二人はある意味、師弟の関係にあり、お互いに認め合っている部分がある。 ライラはジェリドを「ただのお坊ちゃん」とは思っていないはずで、「いい男になる可能性がある」と誉めていたはずだ。 ライラとカミーユの戦いもこれがまた大事な戦いの一つであり、オールドタイプとニュータイプの違いを感じさせる部分がある。 このライラの死を船上で見ていたのがジェリドであり、助けられなかった歯がゆさや悔しさがカミーユを最後の最後まで追い詰める原動力になっていると思う。それを地球に落ちてまで、ライラがいないとかほざかせるとは…驚かされる。 マラサイに乗ったカクリコンの死も確かにジェリドにとって大きいかもしれないが、こちらはどうでも良くカットしても良い。 カミーユの両親の死も実際にはかなりのタイムラグがあるのに、一回の戦闘で済まそうというのは無理を感じる筋書きだろう。あれではエマシーンがなんでティターンズを裏切ったのかが不明瞭すぎるのではないか。実際はエマは、カミーユを連れて、一旦ティターンズに戻り、悩んだ揚句に、カミーユと父親と三人で三機のMk-Ⅱで脱走してエゥーゴに向かっているはず。あれでは父親は人質になっていない。 そもそも、カミーユ両親の話はあまりその後のストーリーに影を落していないと思われるので、上手くカットしても良かった気がする。 また、カミーユがクワトロのことをシャアと気付いていないように描くのも好ましくはない。テレビ版では、頭では理解できていなくても、心では感じていたはずだ。 このようなミニダイジェスト版にするよりも、人間関係を絞ってじっくりと描けるところは描いた方が良い。
[映画館(字幕)] 4点(2005-06-05 01:34:49)(良:2票)
446.  レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語 《ネタバレ》 
子ども向けの映画と承知しつつ、内容について思いっきり突っ込んでみたい。 まず、目新しいストーリーであるはずのタイトルが示す「不幸せな物語」があまり不幸せな物語になっていない。子ども達に演技を高度な演技を要求しているわけではないが、不幸せ感が全く感じられない。長男は両親を多少恨んだり、長女は届かない手紙の話をしたり、演出家はラストの手紙のオチへとストーリーを振っているつもりになっているが、演出が悪すぎて全く振りになっていない。もっと感情を出して両親を恨んだり、自分たちの境遇を呪ったりしないとラストの手紙の効力が半減すると思う。 「家族とは何か」「本当の幸せ、不幸せとは何か」といったことを映画の冒頭からラストに至るまでの間に描かなければいけないところをラストの数分でストーリーとはほとんど無関係なところで描くから無理がある。 そして演出に全くキレがないため、どこにでも有りがちな映画でしかなくなっている。 子ども達に様々な不幸が身に降りかかるが、その克服方法の描き方があまりにもお粗末すぎる。 クイズで「「オ〇フ」の〇に字を入れてください。」といったようなものがあるがこの映画における危機からの脱出方法がまさにこの程度と言って良い。 ヒントを散りばめすぎていて、かつあっさりすぎているため、観客は全くドキドキ感を感じないのではないだろうか。もう少しギリギリ感を出してタメを作らないと、この手の映画としては失格だろう。一応結婚証書ではタメているつもりになっているところもあるが、タメという効力よりも、観客にイライラ感を与えているだけになっているところもある。 せっかく子ども達には、発明力と暗記力と噛むチカラという特性を備えているのに、これらのチカラをあっさりと描きすぎているのも問題だ。この最悪な状況からどうやって抜け出すかを少ないヒントを与えて観客にも考えさせる位の演出と余裕も必要だと思う。 しかし相変わらずジムキャリーの演技だけは冴えていた。彼がいなかったらどうなっていたことか。相変わらずの上手さとオーバーアクションにならないギリギリのところで演技している。 ジュードロウに関してはもう少しクセを出さないとレモニースニケットという謎の人物のミステリアス感が感じられない。むしろダスティンホフマンにでもやらせた方がよっぽど良かった気がする。
[映画館(字幕)] 4点(2005-05-07 21:22:54)
447.  さよなら、さよならハリウッド 《ネタバレ》 
2002年のカンヌのオープニングを飾って以来、約3年間ほったらかしにされていたアレンの作品。その理由は映画を見ればだいたい分かる。 心因性の失明に陥った映画監督がそれを隠して映画を創るというストーリーだが、本作も眼が見えない人が創ったようなピンとぼけた映画となっている。 この映画が(本来)伝えたかったことは、①眼が見えないことをヴァルが必死に隠そうとする姿と周りがそれに気付かないギャップを楽しむドタバタ劇、②父と息子の復縁する姿、③ヴァルと前妻エリーとの愛を再燃していく姿だと思う。 そして①~③を通して、眼が見えていたはずなのに見えなかったことが、眼が見えなくなったことで見えるようになっていくというストーリーを描くつもりだったのではないかと思っている。 しかし、①に関しては、どっちの時計や銃がいいかという小手先のネタや、高いところから落下する姿が描かれるのみで、肝心の映画「眠りなき街」の撮影シーンがほとんど描かれていない点が問題だ。また、面白いキャラクターもいるのに上手く活かされていない。 バレそうになるところで何とか乗る切るのがこの手の映画の面白いところだろう。 中国人カメラマン→エリー→ロリ→ハル→記者の順でなんとかごまかしていく方が良かったと思われる。変人だからの一言で済ませ、誰も疑問に思わないというのは致命的な欠陥のあるストーリーだ。特にエリーだけは疑問に思って欲しかった。「自分と会わないのはおかしい」という疑問は持っていたが、ヴァルのことを死ぬほど分かっているといっていたのに結局、何も見えていないのではないか。 ②に関しては、精神科医が突然トンチンカンな訳の分からないことを言い出したかと思ったら、本当に息子が出てきやがった。しかもストーリーと全く意味なし。出すのならヴァルが再び眼が見えるきっかけに使うべきだろう。 ③に関しては、ヴァルの嘘に気付き、エリーと二人三脚で映画を創る姿をきちんと描かなければ誰も納得しないだろう。眼が見えたときの「君はなんて美しいんだ」とニューヨークの美しい景色だけでは騙されない。ヒットはするものの金のことしか興味のない婚約者に嫌気をさすというストーリーの方が本質的ではないか。見えなかったものが見えるというテーマに対しては。 結論としては、良かったのはラストと原題のタイトルだけ。タイトルは二重に意味があり面白いとは思う。
[映画館(字幕)] 4点(2005-04-24 01:31:20)(良:1票)
448.  9デイズ 《ネタバレ》 
正直ヌルイ映画でした。 実際には金がかなり掛かってそうだけど、あまり金も情熱も掛けていないB級映画を観ている感じだった。 冒頭の双子の片割れが死ぬ場面から本気で銃撃戦をしているつもりなのかと思いつつ、ナイフで襲われるシーンは「これは恐らくロックを鍛えるためのテストなのだろう」と思ってたら、マジだったのには本当にビックリするほど緊迫感も何もなし。 森でのカーチェイスには多少の迫力はあるが、やはりホプキンスにアクションは無理があるだろう。乗りこんできた敵とのやり取りにはドキドキするような緊張感を感じられなかった。 そもそもこの映画においてホプキンスを出演させる必要性と映画の中の役どころがイマイチ掴めない。 ラストに結婚式に出席するというオチなら、中盤はもっと鬼教官やロック起用反対論者としてロックと対立していた方が良いだろうし、家族の愛など仕事の邪魔のように感じているような人間だったからロックとの出会いによって心境が変わるような演出も必要だろう。 さらに、駅員を数秒で殺しておいて、CIA職員は皆怪我だけで済ませるご都合主義はいくらなんでもやり過ぎだろう。 こんな中途半端な映画にするくらいなら、思いきってコメディ映画にした方が良かったと思う。 CIAや敵側は真面目にやっているのに、素人であるロック一人独自のハッタリで逆に難局を乗り切っていく方が面白いだろう。 それともCIAも双子の片割れだと知らない方がさらに面白いかもしれない。ホプキンスをかばい双子の片割れが死に、ホプキンスが責任の重さや仕事の重要性から強引に双子の片割れを独自にリクルートして鍛え上げていく方が良かっただろう。 偽者だとバレたら作戦は中止させられるとして、敵も味方もどちらも騙しているという設定ならストーリーにも緊迫感が生じる。 結局のところブラッカイマー作品らしいというか、ブラッカイマーの悪い部分が出てしまったという映画ですな。
4点(2005-01-22 23:48:43)
449.  バレエ・カンパニー 《ネタバレ》 
途中まではそこそこ面白いかなと思ってたけど、話が膨らみかけた所で終わってしまった感じ。 結局アルトマンは何がしたかったのか?という疑問だけが残る。 バレエの美しさを描きたかったのか、それともバレエカンパニーという集団内における特異な人間関係を描きたかったのか。 どちらも確かに描かれてはいた、嵐の中のダンスは確かに素晴らしかったが、はっきり言って人間関係の方は中途半端という印象を拭えない。 主役を取るための争いもなければ、演者と演出家との確執も中途半端、バレエをどうしても踊りたいという情熱もなければ、プレッシャーや食事制限に負けそうな人物もいない、かなりぬるい世界が描かれてはいたが、そんな中途半端な映画の中にも一人だけ目に付いた人物はいた。 ミスターAである。彼だけは一人バレエに情熱を燃やしていた人ではないだろうか。 金策に頭を悩ませながら、市長には頭を下げに行き、ダンサーが怪我をしないように舞台には絶えず注意を払い、雨が降ればダンサーが足を滑らせないかを心配する、自分とダンサーの意見が激突してもダンサーの才能を認めてかフォローはちゃんとする、ベテランダンサーがわがままを言っても演出家との関係でそそくさと帰ってしまう姿、恐らくスポンサーの関係でねじ込んだと思われるヘタクソなダンサーがいるのも金に困ってのことだろう。 そしてダンスが終わった瞬間、一人大声で「BRAVO!」と叫ぶ続ける彼の姿にはバレエに対する大きな愛を感じる。 良かったのは彼一人であとははっきり言って主役を含めて印象が薄い。 別にドキュメンタリーを取りたいわけではないのなら、やはり一本のバレエを仕上げていく過程や苦労を描く方が面白かったと思われる。 演者になれるかどうかの激しい競争をし、勝ち残っても脱落していく者、才能があっても怪我をする者をきちんと描き、死ぬほどの努力と押しつぶされそうなプレッシャーそしてようやく一本の作品が出来あがる。 そして出来あがった作品中での怪我で苦労して勝ち取った役を降りざるを得ない、そういう過酷ともいえる試練を描いてこそ夢を掴むまでの大変な世界を我々が感じ取れるのではないだろうか。 そういうきつい世界だとすれば支えてくれる恋人の存在も重要になってくる。二人とも怪我しちゃったねって笑ってられるほど楽な世界なのか、あそこは。
4点(2004-09-05 02:54:08)(良:1票)
450.  シュレック2
前作が「人間を見かけで判断するな」ということなら、今回は「見かけがどんなに良くても大事なのは中身」ということを描いたようだが、相変わらずこの映画には肝心の中身が伴っていない。 パロディとか随所に見られるブラックな笑いは前作に引き続きふんだんだが、ドタバタと歌でかなりごまかしている部分が多い。 歌はまあ個人的には好きだからいいんだけど、それにしても主人公シュレックに魅力はあるんだろうか。 〇見かけは悪くても人一倍優しい〇見かけは悪くても愛する人を想う気持ちは誰にも負けない〇見かけは悪くても勇気がある、自分だったらこのような外見とのアンバランスを狙った設定にすると思うんだが映画のシュレックには何も魅力が感じられない。 相変わらず外見にコンプレックスを抱いているいじけた緑の生物にしか写らない。 ビッグクッキーとともに城に攻め入ったけど、今回見せ場がないんだよなあ。 結局、魔女倒したのはパパだし、外見を決めたのはフィオナだし。 設定も今回せっかくイケメンになったんだから、若い女性のちゃんとしたキャラを入れても良かったと思う、キャサリンゼタジョーンズかレニーゼルウィガー辺りで、シュレックを揺さぶるキャラがいたら面白かったんだが。 今回シュレックとフィオナの絡みも少ないし、ドンキーとのやり取りもちょっとイマイチ、猫も酒場での独り言には笑ったがラスト意外それほど出番がなかったしな。 個人的にはまだ前作の方が良かった気がする。
4点(2004-07-19 04:32:19)
451.  ハルク
正直言ってそれほど面白くはないと感じたが、画面分割を多用したり、演出についてはアンリー監督は相当頑張ったなあという感想。 ブルースの父親役の人も良かったと思われる。欠点は脚本かなあ、ハルク誕生までが長すぎる上に、二組の父子の関係や一度別れたはずの二人が愛を取り戻すようなことを描こうとしたため色々中途半端になってしまった。 アクションがメインではないが、爆弾を叩き落すハルクはカッコ良い。飛んでいるような連続ジャンプも中々良かった。
[映画館(字幕)] 4点(2004-06-25 16:05:14)
452.  パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち 《ネタバレ》 
続編公開を機に再見。今回はあまり深く考えずに、頭を空にして楽しもうと思ってみたけど、やはり主観を排して客観的にみても「子どもダマし」の映画という印象しか受けなかった。確かに、ジョニーデップが演じるジャックスパロウには魅力はあるかもしれないが、ジャックスパロウ自身、魅力あるキャラクターとしてきちんと描き出されていただろうか。もし、ジョニーデップ以外の他の誰かがジャックを演じれば、どんな風に映画が仕上がったかを考えると恐ろしい。魅力あるキャラクターを魅力ある俳優が演じるのが本来の姿であるはずで、俳優の演技におんぶに抱っこする姿勢はあまり好ましくない。本作には、ジャックスパロウのキャラクターに「凄み」を与えるほど、彼の見せ場が少ないような気がする。例えば、無人島脱出のエピソードも、二回とも脱出できたのは単なる偶然でしかなく、別にジャックでなくても脱出できたのではと感じてしまう。やはり、ジャックならではの奇想天外なユーモアある脱出方法を見せてくれればそれだけでも彼の魅力が一つ増すだろう。それをラム酒を取りに来る船や、軍が救助に来るという展開にするから、「ご都合主義」と罵られる結果になってしまう。本作が冒険映画ということを考えてみても、ここはお粗末な展開と思わざるを得ない。また、一発しか入っていない銃もジャックの魅力を引き立たせるアイテムになったはずだ。自殺用として自分を裏切ったバルボッサから受け取った銃を、バルボッサを撃つために残しておくというのはよい展開だ。しかし、その良さがあまり活かされていない。映画の途中途中で銃を撃たざるを得ない局面をジャックに与えてやり、そういった場面でも銃を使わずに乗り切るという流れが必要ではないか。そうすれば、彼の芯の強さや、信念なども観客に伝わり、また彼の魅力の一つになるだろう。また、ラストの銃の使い方に至る流れもやや悪い。戦っている当人たちも認めていたが、不死人同士の決闘をだらだら見せられても観客は飽きるだけだ。決闘シーンに入り、二人の剣さばきを観客に十分見せた後、ジャックがピンチに陥り、まず観客をドキドキさせて、バルボッサに刺されて「やばい」と観客に感じさせる。しかし一転して、アステカの呪いを利用したトリックを観客に明らかにして、ヒートアップした勢い・流れを利用して、銃を撃った方がより引き締まる展開になると思う。
[DVD(字幕)] 4点(2004-06-25 15:55:19)
453.  マスター・アンド・コマンダー
冒頭の数十分の攻防を観て、これはスゲえ、ひょっとしたらとんでもない傑作の予感と期待を寄せて観てるも、一気にトーンが下がり、一向に上がることはありませんでした。 あまりにも人物の描写は甘いため、観ていても、訳の分からん奴が海に落ちて、訳の分からん奴が自殺して(部下からひどい扱いをされていたり、ラッセルが一応は「有能なんだから」と慰めているシーンはあったけど)、ピピンも何しに来ているのか分からんし、肝心の少年たちもほとんど出番がなくて、ラストで討ち死にしても何の悲しみも感じないという始末、おまけに死にそうになってた医師と片腕がない少年が相手船に乗り込んで戦闘に参加など突っ込みたい気持ちにもなりますし、ラストの医者のセリフもなんだか唐突だし、続編込みのラストも原作がシリーズもので有名だから予想してたとはいえちょっと脱力です。 原作が有名らしいから、原作読んでれば評価が変わるのかもしれないけど、主役のラッセルと医者ですら人物描写が甘いし魅力を感じない。 基本的に舞台が船の上という閉鎖的な世界なんだから、人間ドラマを描かないで何を描くんだろうか。 この監督の「いまを生きる」を期待して、少年たちがラッセル船長を通して人生を教わり大人になっていくなんてのを期待するとかなり痛い目にあいます。創りはなんとなく「ブラックホークダウン」にも似ている気がする、敵側については全く描かないし、登場人物の感情もできるだけ描かないというのは似ているけど、あっちは映像にチカラとスピードがあったから眼が離せなかったんだよなあ。 しかし、ハマる人や絶賛している人もいっぱいいますし、ミラ・ユニ・20世紀の合同出資の超大作だからかもしれないけど、アカデミー作品・監督賞にノミネートされているのも事実ですし、アメリカ内の批評家には受けが良かったという風に聞いているので、見る人によって評価が別れる映画なのかなと思います。
4点(2004-06-25 15:05:39)(良:1票)
454.  恋するベーカリー 《ネタバレ》 
ナンシー・マイヤーズはそれなりに評価をしていたが、本作ははっきり言って全く合わず、冗長という印象。ユニークかつ個性豊かに演じられていたものの、いかなるキャラクターにも感情移入させられなかった。自分の年齢が本作のキャラクターほど高くはないので、仕方がないのかもしれないが、何をやりたいのか、何を描きたいのかが見えてこず、全体的にまとまりを失い、ぼんやりと手探り状態で進んでいるイメージ。過去の作品とは異なる新しいことを模索したが、やろうとしたことが難しすぎて上手くいかなかったのだろうか。笑えるシーン(少々反則気味)もあるが、コメディパートも全体的にノリ切れない。ラリったシーンも、娘の婚約者の存在も悪くはないものの、上手く活かし切れているとは思えない。 きちんと見なかったのかもしれないが、メリルとアレックがよく分からない理由で再び別れたような印象。デートを一度すっぽかされただけで、一気に関係が冷えてしまった。別れる理由に明確な理由は必要ないかもしれないが、もう少しきちんとまとめて欲しいところだ。メリルが「離婚の原因は自分にもある」というようなことを言っていたと思うが、結婚というものは“愛している愛していない”という単純なものではなくて、原題のタイトルどおりに複雑でデリケートなものであろうと思われる。 同じ道を歩んでいた二人が別の道を選んでしまった結果、もう同じ道は歩むことはできないということを描き、終わってしまったものはやはり元に戻らないということを少々切なめに仕上げて欲しかった。子どもが独立した妻は寂しさから、夫は自宅に居場所がないから、逃げ場所が欲しかっただけであり、過去にあった“愛情”とはやや別のカタチだったということでもよかったのではないか。子持ちの若い奥さんもアレックとの子どもを欲していたり、建築家と踊る元妻を悲しそうに見つめるアレックを寂しそうに見つめるシーンを見る限りでは、若い奥さんは夫に対して、愛情があるのだろう。アレックが若い妻からの愛情に気付いたり、ベタかもしれないが彼女が妊娠したりと状況をもっと“複雑化”させて、メリルとアレックの夫婦が上手くいかないように進めてもよかった。子ども達もほとんど“飾り”という存在でしかないのも寂しく、この辺りも上手くまとまっている感がない。 笑えて、泣けるというナンシー・マイヤーズという特徴が全体的に感じられなかった。
[映画館(字幕)] 3点(2010-03-13 10:39:57)
455.  しんぼる 《ネタバレ》 
バラエティ番組はほとんど見ないが、ダウンタウンの番組だけは見ることが多い。 松本人志を信奉しているわけではないが、彼の笑いには多少の理解があるつもり。 あまりにも世間一般の評価が低いので、それほど期待していなかったものの、好意的には鑑賞してみた。 第一ステージだけを見させられれば、それほどつまらなくはない。 醤油や漫画などありがちでベタな笑いを交えつつ、脱出方法が思いついた際の描き方、狭い空間に閉じ込められた際の回想シーンなどユニークなアイディアも盛り込まれている。  しかし、第二ステージ以降の面白みに欠ける展開と、あまりにも不可解なオチへと繋がるため、全体的にはどうしても高い評価をしにくくなってしまう。 松本人志自身、納得できているとは思えないどうしようもないオチだ。 世の中の奇跡や事象は、天使や神のような存在の悪戯によるということでも伝えたかったのだろうか。 メッセージ自体はそれほど悪くはないものではあるが、あまりには話が漠然としすぎており、かつ話が大きく跳びすぎており、観客は付いていけず取り残されてしまうのは仕方がない。 あまりにも投げっぱなしなので、深読みする気も起きない。  こんな訳の分からないオチにせずに、マジメに作ろうとすれば、これほどつまらない作品にならないようにはできたはずだが、松本人志は普通の映画を作る気はないようだ。 普通の映画ではない映画を見られるということだけが本作の存在意義になるだろうか。 松本人志監督作品でなければ、世に出るレベルではないだろう。 普通の映画を撮る必要はないが、もう少し熱意のあるマシな映画を撮って欲しいところだ。 密室ネタのアイディアから話を膨らますことができず、最後はタイムアップになって、放り投げたとしか思えない映画になっている。
[映画館(邦画)] 3点(2009-09-13 23:57:59)(良:2票)
456.  DRAGONBALL EVOLUTION 《ネタバレ》 
鑑賞前は「いじめられっ子だった少年がいじめっ子を見返すためにカンフーを修行して、修行の成果でいじめっ子を倒した後は、なんやかんやでピッコロ大魔王と戦い地球を救う」というもっとメチャクチャなストーリーだと思っていたので、逆の意味で裏切られた感が高かった。 20世紀フォックスらしいトンでもない映画なのは間違いなく、はっきりいってネタのつもりで見に行ったが、その観点からも期待を裏切るかもしれない。 冒頭の説明から「いったい何の話をしているんだ!」と期待を高めてくれて、映画を観ていても「キミ達はさっきからいったい何をしているんだ?」と突っ込むことはできるが、悪い意味でマジメに作られており、笑うに笑えない代物となっている。 「ナマステ」「ハイスクール青春ストーリー」「パーティー」「陳腐な修行」「ヤムチャ」「どこが大猿?」「人を生き返らせるためにカメハメ波を喰らわす」「布団で寝るピッコロ」などの突っ込みどころは当然満載で、「課題ができなくてズルしようとしていた奴が、エロのパワーによって一瞬で課題をクリアする」などのメチャクチャなところは多数見られるが、ネタ映画としてもそれほどのレベルではない。 我々の期待を裏切り、それなりにマジメに作られているので、つまらない作品というよりも、単に「やる気と情熱と才能と予算がない集団が作り出したデキの悪い中途半端な作品」ということになるだろうか。 高額な制作費といわれているが、実際にはそれほど掛かっていないチープな仕上がりとなっている。 しかし、中身はないが、ストーリーはポンポンと繋がりなく進むので、それほど飽きるということはなく、「何が伝えたいのか、何をやりたいのかが分からない」ような怒りに震える駄作というものとはヤヤ異なる気がした。 人々の記憶から消えることのない歴史に残るような駄作を期待したが、一瞬でストーリーが記憶からなくなる普通のどうでもいいカンフーアクション作品となっている。
[映画館(字幕)] 3点(2009-03-14 20:42:52)(良:4票)
457.  ソウ5 《ネタバレ》 
本シリーズのもともとの脚本家リー・ワネルが脚本を手掛けていないⅣから本シリーズの質がだいぶ落ちてきたという印象を持つ。 Ⅳもイマイチだったが、Ⅴも何をしたかったのかがさっぱり分からないものとなっている。 「ホフマン刑事VSストラムFBI捜査官の対決」「後継者誕生の瞬間」「5人の男女によるゲーム」がメインとなっているが、どれもこれも中途半端な仕上がりだ。 「ホフマン刑事VSストラムFBI捜査官の対決」に関しては、盛り上がりなど、何も描かれていない。 こういうものは、犯人が追いつめられてこそ、盛り上がるものではないか。 追いつめているようで、逆に追いつめられている。 追いつめられているようで、逆に追いつめている。 このようなハイレベルのバトルを期待するのは無理だった。 携帯一つと写真だけでFBIがワナに嵌まり、ミエミエの策略に引っかかるFBI捜査官には呆れ果てるだけだ。 驚きも何も感じられない決着であり、あれがオチといえるのだろうか。 「後継者誕生の瞬間」に関しても、杜撰な内容といえる。 犯人が釈放後に殺された際に、この映画の世界では家族が疑われないらしい。 あまり細かい部分に突っ込んでも仕方がないので、この部分は目をつぶれるとしても、後継者があまりにも知的ではなく、カリスマ性がないのは気になるところだ。 もっと華のある後継者が登場しないと、本シリーズが続かなくなってしまう。 「殺人」と「更生」の違いを強調しておきながら、ストラムを(ゲーム性はあるものの)殺そうとしているので、ジグソウの意志は引き継がれていないようだ。 後継者を何人も誕生させておきながら、その後継者には資格がないとの理由を付けて、どんどんと後継者を殺すことによって、本シリーズを続けさせるつもりだろうか。 「5人の男女によるゲーム」は、それぞれが分担することによって、それぞれが責任を持たない放火殺人を行ったことに対するゲームのようだ。 だからこそ、協力して生き残ることを試していると思われる。 最後のゲーム以外は協力しないでおきながら、全ゲームをクリアできる途があるというのは理解に苦しむ。 最後は少なくとも三人以上いないとクリアできないようなゲームにしないともはやゲームとはいえない。 単なるショッキングシーンを描きたいだけの映画となってしまい、テーマも哲学もメッセージも何もかも見失いつつあるような気がする。
[映画館(字幕)] 3点(2008-11-30 02:14:36)(良:1票)
458.  ハプニング 《ネタバレ》 
「なぜ起きたのか」「なぜ収まったのか」という説明は必要ない、「自然ってよく分からないね」という説明で十分だ。特別なオチや、どんでん返しも必要ない。 しかしながら、「何を伝えたかったか」は必要である。 「環境破壊」「自然の驚異」「地球温暖化」「人口増加」「ミツバチの必要性(=生態系)」といった面から、本作を眺めても何も感じられない。 「夫婦の絆の強さ」「壊れかけの夫婦の再生」「子ども(世界の将来)を守り抜く責務」といった面から、本作を眺めても何も感じられない。 何もかも中途半端な描き方しかできていない。 ただ単に、「植物が放出する毒素によって、人々が自殺する姿をショッキングに描いた」というだけの映画でしかない。 脅威となる存在がモンスターやゾンビなどの可視的ではなく、“風”から逃げるという点はユニークであり、珍しいパニックムービーを作りたかったのかもしれないが、その観点からも演出が足りなさすぎる。 本作を見る限りでは、脅威となる存在はやはり目に見えないと面白くないという結論になってしまった。 また、本作のラストがあまりにも酷い。酷いという言い方は語弊があるかもしれない。 本作の設定を踏まえて「一番批判を浴びないラストを考えろ」と言われたら、このようなラストになるだろう。過度な批判は浴びないだろうが、あまりにも安直であり、捻りもなく、冒険のないラストである。シャマラン監督は良くも悪くも記憶に残る監督だったはずではないか。野球選手に例えれば、三振を恐れずにホームランを狙って大振りするような選手だ。その大振りが、時には我々に驚きを与えたり、期待の大きさから、逆に落胆させたりもする。しかし、本作は三振しないように短くバットをもって、ボールに当てただけのような気がする。 毒にも薬にもならないような作品を作ることは、自分自身を貶めるだけではないか。 今度三振したらもうプレイすることができないという状況に追いつめられているのは分かるが、長い目で考えれば自分のスタイルを捨てて平凡なプレイヤーになるべきではない。 ジョーイというキャラクターを自分自身で演じているが、過去の作品に比べて、存在感のあるキャラクターではないのも批判を恐れて自分のスタイルを捨てた証しではないか。 「シックスセンス」から「レディインザウォーター」まで、彼の作品をそれなりに評価してきたが、本作は評価できない。
[映画館(字幕)] 3点(2008-07-30 09:37:54)(良:4票)
459.  AVP2 エイリアンズVS. プレデター 《ネタバレ》 
映像のセンスもなく、バトルの迫力もなく、ストーリーとしての面白みもない。あるのはさらなる続編を作ろうとする商売根性だけだ。子どもや妊婦をもターゲットにするグロさはあるが、それもやや中途半端にしか感じられない。やるのならばもっと徹底的にやればよかった。 視覚的に見にくいのも問題だ。雨が降っている深夜の街はかなりレベルの高い設定である。高い技術と想像力が必要であるが、キャラクターがどちらも真っ黒なので、黒い物体同士がうごめいているようにしか見えない。 また、人間のどのキャラクターも魅力に欠けるのも難点だ。 女性がメインキャラクターであることが、エイリアンシリーズ特有の設定であるが、その良さがまったく活きていない。今回は子持ちという設定だったが、果たしてその設定が活きていただろうか。エイリアンによって娘を巣に連れ去られ、その娘を助けるために母親を奮闘させないのならば、子持ちの設定である必要はない。活躍を何もしていないので、彼女の苦しみも葛藤も当然描かれていない。リプリーのような強力なキャラクターを新たに生み出そうという気はさらさらないようだ。 人間のキャラクターが中途半端なのはある意味仕方ないと諦めるしかないかもしれない。今回の主役はプレデターのはずなのだから・・・。 しかし、そのプレデターも思いっきり中途半端である。 “超一流のエイリアンハンター”という設定なのだから、もっとカッコよく描いてもよかったのではないか。 1人で乗り込んできたわりには、プロフェッショナルらしさを感じられなかった。一番記憶に残っているが、青い液体で後始末することでは哀しくないか。肝心の主役のプレデターがあまりにも弱すぎるのは問題だ。 一方、エイリアンの描き方にも芸がない。 人間を殺すシーンを直接的に描かないところが多く、手を抜いているようなしか思えない。また、エイリアンシリーズを詳しく理解しているわけではないが、クィーンだけが卵を産めたはずではなかったか。 「プレデリアン」が卵を産むのはやや違和感を覚えた。エイリアンが無制限に増殖するよりもエイリアンの数を絞ったほうがよかったのではないか。 ストーリー的にも、観客的にも、製作者的にも分かりやすく作れたと思う。
[映画館(字幕)] 3点(2008-01-02 01:42:30)
460.  オーメン(2006) 《ネタバレ》 
オリジナルもそれほど好きではなかったが、リメイク作品は、オリジナルに比べて、数段劣るという印象を受けた。 たとえストーリーが同じであっても、演出にさらなる工夫を施せば、映画は面白くなっただろうと思うが、かえって陳腐なものになってしまっている。 例えば、病院の火事で火傷を負った修道士に会うシーンがあったと思うが、あそこまでの特殊メイクを施せば、恐怖というよりも逆に滑稽だ。まるでスターウォーズに登場する異星人のようでもある。 また、主人公がダミアンを連れ出すところをミアファローに邪魔されるシーンも「ひつこさ」が全く感じられない。執拗なほどの「ひつこさ」というのは、結構な恐怖を感じさせるものではないか。 そういう意味においてファローの退場のさせ方はもったいない。ワイヤーでも使ってファローの人形を上空に5m位飛ばせば、確かに爽快さは得られるが、このシーンにあれが果たして適していたかと問われれば、「ちょっと違うのではないか」と言わざるを得ない。 せっかくミアファローに出演してもらっているのに、彼女を使いこなせてないという気がした(本人が必要以上のアクションを嫌がったかもしれないが)。車に死ぬまでしがみつくくらいのしつこさが必要だっただろう。 さらに、ジュリアスタイルズが抱える我が子への恐怖というものがオリジナルほど描かれていないような気がする。愛する我が子と思っていたかわいい子供が、だんだんと得体の知れない何かではないかと疑うような精神的なプレッシャーが弱いのではないか。彼女を精神的に追い込む方法が、「悪夢」では「多少逃げているな」という印象も受ける。 また、時代的なものか、山犬とのバトルは、かなり動物に遠慮しているようにもみえた。オリジナルにあった「恐怖」はなくなり、犬の訓練師の下で安全に撮影していますという感じがよく出ている。当然、自宅における黒犬の地下室誘導もあっさりとしたものだ。
[DVD(字幕)] 3点(2006-12-31 00:00:55)
全部

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS