461. ザ・マスター
ストーリーはあってなきがごとし。ほとんど、監督の脳内二重人格会話を延々と聞かされているような感じ。本来は達者な役者陣に対しては、「こんな苦行によく立ち向かって耐えているなあ」という感心は起こりますが、これでは芝居の鑑賞はできません。 [ブルーレイ(字幕)] 4点(2018-12-23 01:24:48) |
462. WIN WIN ダメ男とダメ少年の最高の日々
《ネタバレ》 なぜかジメジメした停滞した雰囲気のままで終わってしまいました。せっかく面白そうなキャラを揃えていながら、全部があっさりしすぎていて、生かされていないのです。導入部もあっさり、レスリングの試合もあっさり、母親や老人の処理もあっさり。もっと引っ張るべきシーンはいくつもありました。その結果、登場人物が衝突することも葛藤することもなく進んでしまっています。唯一ドラマを感じたのは、最後に地下室の階段でエイミー・ライアンが発する一言くらいでしょうか。 [DVD(字幕)] 4点(2018-12-01 00:51:07) |
463. 彼女はパートタイムトラベラー
《ネタバレ》 何というかこう、凄く切れ味鋭い初期アイディアが出たんだけど、描写や演出がついていけなくて不完全燃焼に終わってしまった、という感じです。この進行でいくのなら、タイムマシンを「本当と思わせる要素」と「ウソ・妄想と思わせる要素」を両方とも入れ込んでいかないと、スリルが続かない(その辺のやり方が上手かったのが「光の旅人K-PAX」でした)。また、謎めいた広告の文言はあれほど魅力的なのに、それが大して生かされずに終わったのも残念です。あと、サイドストーリーっぽい上司(?)と元カノの再会譚も、何だったんだか・・・。 [DVD(字幕)] 4点(2018-11-16 00:51:10) |
464. アンストッパブル(2010)
《ネタバレ》 一番の問題は、いくつかの列車を出して衝突を煽ってみたりどこそこまであと何マイルとか言っていたりしながら、その位置関係がはっきりしないこと(電光板みたいなものはあったが、あれでは分かりにくい)。したがって、列車単体をいくら頑張って映していても、スリル半減なのです。また、こういうパニック系は、それに対峙する側がビシバシ作戦を繰り出しながら、それがことごとく跳ね返されていくところに醍醐味があるのですが、肝心の阻止側(人間側)が、あまり格好良くない。特に、職人側のデンゼルとの対比で頭脳側を体現する立場の人が最も重要になるのですが、ロザリオ・ドーソンではちょっと力不足でしたね。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2018-11-14 00:55:49) |
465. サウルの息子
長回しは好きだし、カメラ一人称的な撮り方もそれはそれでよいのだが、ずーっと同じような撮り方ばかりされると、見ていても無意味に疲れてくる上に、何のためにそれがしたかったのか?むしろ、それをすることが目的になってないか?という疑問を禁じ得ないのです。 [DVD(字幕)] 4点(2018-11-09 00:26:09) |
466. マイ・インターン
《ネタバレ》 若者ばかりのスタートアップ企業に、インターンとして老人を放り込んだらどうなるか、しかもその老人とはデニーロ、となれば、どんな波乱やギャップや衝突が起こるのかつい期待してしまいますが、結局大したことは起こっていない。まわりの人の話を聞いてあげるとか、ちょっと手伝ってあげるとか、いやその程度で評価が急上昇なんて、どれだけ元の社員レベルは低かったの?とむしろ思ってしまいます。あとそれと、会社は君と一体だ的な台詞でハサウェイがうるっときてまた頑張ってしまうわけですが、トップへの業務の集中という問題は何も解決されておらず、むしろ「後続者を育成していない」というトップとしての致命的な欠点は課題として意識すらされてないわけで、この辺はナンシー・マイヤーズの限界ですね。結局は、デニーロとハサウェイの個人技に多くを頼っていますが、その辺の役者だったら、目も当てられなくなっていたでしょう。もっとも、デニーロは、ひたすら渋く地道に決めまくるという役柄が久々で面白かったのか、とりあえず楽しそうに演技はしています。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2018-09-29 01:13:00) |
467. 闇の帝王DON ベルリン強奪作戦
《ネタバレ》 一言で言うと、シャー・ルクにミッション・インポッシブル+オーシャンズ11をやらせたかった作品。つまり、それだったらハリウッドを見るよ、となってしまうわけですが。前作に続き登場のもロマも、いつの間にか、スタートのDONへの復讐心はどこへ行ったんだ?という感じ。ハラハラドキドキは十分ありますが、感銘は残らないです。 [DVD(字幕)] 4点(2018-09-19 21:58:16) |
468. アンコール!!
《ネタバレ》 導入部で「そんなにサクサク進んで大丈夫か?」と思っていたら、そのまま最後まで行ってしまいました。ただ立っているだけでも存在感ありまくりのテレンス・スタンプと、年はとっても演技にいささかの衰えもないレッドグレーヴの個人技で何とか助かっていますが、レッドグレーヴが途中で退場してからは、話の保たせようもなくて、脚本が息切れしかかっています。象徴的なのは最後の"Love Shack"の見せ方で、あの曲は、似たようなメロディが少しずつ変わっていくのを、延々続く男女コーラスのかけ合いで聴かせるところが面白いのに、あんなにずたずたに切ったショート・バージョンでは、意味がありません。またそもそも、作品のテーマからすれば、スタンプと他のメンバーが団結して一体化したステージを見せる、なら分かりますが、スタンプ1人がスポットを浴びてソロを歌ってめでたしめでたしって、そこからしても意味がありません。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2018-07-30 02:54:08) |
469. フューリー(2014)
やっぱりこれ、単に「戦車を撮りたかっただけ」なんでしょ。主要キャラで5人もいながら、人物造形やその変化にはほとんど配慮されてないし。ただ、映画ではあまり見ない「移動しながらの戦車同士の砲撃戦」なんかは、その執念が結実したかなりのこだわりが見られます。といっても、いくら砲撃や銃撃描写を頑張っても、ドイツ人女性宅での4人の静かな会話のやりとりの方が、はるかにドラマチックでスリリングだったりするのですが。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2018-07-25 23:54:09) |
470. 紙の月
《ネタバレ》 若い男との逢瀬にはまっていく過程を相当すっ飛ばしているのは、あえて省略であると理解して(もっとも、その前提となるべき家庭の空洞感なり不足感が描写されていないので、説得力があるとはいえない。あの旦那さん、相当いい人だと思いますけど)。問題は、主人公が横領する金額なり手口までが、一気にエスカレートしていて、市井の一般人が足を踏み外して落ちていくという現実感がないこと。また、上司の次長が絵に描いたような無能描写なのも、その監督をかいくぐる横領というスリリングさを削いでいる。全体として、無表情演技が絶大なインパクトを放っている小林聡美に相当助けられていますが、その存在感ゆえ、最後は物語まで彼女に浸食されてしまいました。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2018-05-24 02:10:24)(良:1票) |
471. 岸辺の旅
《ネタバレ》 設定は実に魅力的ですし、例えば、霊力が解けた(?)後の朽廃した室内とか、手紙で喧嘩した後に現実の生々しいやりとりに当たり前のように帰って行くとか、演出が冴えている場面もあるのです。何がいけないかって、聞いてて恥ずかしくなるような説明台詞ばかりの脚本。そして、全員共通ののっぺりした平坦な演技。つまり、結局は頭で考えた中身にしかなっていないのです。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2018-05-12 00:23:10) |
472. ブルックリン
導入部からやたらサクサク話が進むし、一つ一つのシーンもすぐ切られてしまうなあ、と思っていたら、最後までそのまま行ってしまいました。そもそもアイルランドでどういう人生を送っていたのかもよく分からないし、なぜブルックリンなのかもよく分からない。さらに、その後苦労を重ねてどうこう、とか言われても、描写が形だけ。シアーシャ・ローナンは、もっと複雑な高度な表現でもできる人なんですけどね・・・。 [ブルーレイ(字幕)] 4点(2018-04-27 01:26:55) |
473. フォーカス(2015)
《ネタバレ》 前半でさんざん、人の視線のFocusがどうのこうのという話をしていて、その実戦部分を描いて、タイトルにまでしているんだから、後半もそれで勝負してくださいよ。あれだったら、さらに巨大な敵やラスボスが現れて、しかし指テクやチームワークでそれに対抗する、という展開を、誰もが期待するんじゃない?競技場のギャンブル対決はまだしも、その後は本来の設定が全然関係ありませんでした。●後半、ここぞというところで、イッツ・ア・ビューティフル・デイの"White Bird"という選曲のセンスは素晴らしい。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2018-04-03 02:17:17) |
474. 31年目の夫婦げんか
作中の夫婦は倦怠して停滞しているという設定なのですけど、ストリープとトミー・リーの芝居までが完全に停滞してしまってるんですよね・・・。肝心のカウンセリングの中身が、同じようなことを同じように繰り返しているだけで、突飛さもなければ鋭さもない。なので、すべてが予定調和にしか見えません。あと、この種の話では主人公周辺の脇役の使い方でいろいろ差が出るんだけど、この作品では脇役が全然機能してない、というかそもそも脇役が存在してない。●バーテンダーの姉ちゃんがエリザベス・シューだったとは!しまった、もっときちんと見ておくんだった・・・。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2018-02-03 00:13:08) |
475. モネ・ゲーム
キャメロン・ディアスの役は、もっと若くて世間ずれしてなそうな人でないと意味ないでしょ。この人がオッサンたちの思惑など無関係に暴走して、その結果いろいろ変わっていくところに面白みがあるんですから。ここが原動力として機能していないので、コリン・ファースやリックマンの演技も停滞してしまっています。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2018-01-24 04:12:02) |
476. ラストベガス
スティーンバージェンも入れたら、オスカー俳優5人が揃い踏みですね。でも、こうやってドリームチームみたいな顔合わせにした場合、みんなに気を遣って、出番を整えたりとか役柄を調整したりとか、つまり俳優が中身に優先してしまいがちなのですが、この作品もやっぱりそうなってしまいました。4人が4人とも、背景を含めた描写があまりにも安直かつ浅薄で、みんな流しで演技をこなしているのがミエミエです。というか、そもそも実力を発揮すべき土俵も与えられていないのですけどね。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2017-12-30 02:20:33)(良:1票) |
477. ダバング 大胆不敵
これって大胆不敵というよりは、単に暴力的なだけなのでは・・・。別に敵を滅茶苦茶やっつけたり、周囲に報復したりするのはいいんだけど、それも、ヒーローに必要な哲学なり道徳心なりを持ち合わせた上でのこと。この主人公にヒロインが何で落ちるのか、さっぱり分かりません。この種の映画でヒーローが格好良くないというのは、かなりのダメージというか、致命的です。 [DVD(字幕)] 4点(2017-12-09 00:07:55) |
478. GODZILLA ゴジラ(2014)
《ネタバレ》 導入部は「あれ?意外と悪くない?」などと思っていましたが、父親が退場してから急速につまらなくなりました。というか、前半の親子二代のああだこうだが、後半に全然つながってないじゃん。あと、ゴジラがことごとく登場した瞬間に出番を切られるとか、暗すぎて何をしているのかさっぱり分からないとかいうのは他の方に同感ですが、それに加えて、カットごとで周囲との大きさ比が全然違っているのも気になりました。ジュリエット・ビノシュの動員という功績に4点。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2017-11-09 03:06:35) |
479. 妹の体温
《ネタバレ》 タイトルやあらすじからは、もっと背徳的で官能的なものを想像するのですが・・・まず、妹と兄は義理の関係という設定で、しかも冒頭では初めて会ったということになっている。そうすると、背徳性の前提となるべき日常の生活が何も存在しないので、兄妹という関係にした意味がないのです。というよりも、むしろ、その辺でめぐり会った男女の関係と変わるものがありません。一つ一つの展開からすると(あるいは、原題からしても)、何か家族関係の欠落みたいなものをテーマとしたかったっぽいんですが、そこまで突っ込み切れていない。また、時折出てくる主人公のバレエ教師云々も、本筋に反映されていません。 [DVD(字幕)] 4点(2017-11-02 21:42:19) |
480. イヴ・サンローラン(2014)
あえてこの、名前だけなら誰でも知っている人を対象とするのであれば、そのデザインの発想はどこから出てきたのかとか、何は何を表現しようとしているのかとか、そういった突っ込みを強く期待するところなのですが、やっぱりそこまでの領域には遠く及んでいませんでした。全編、それっぽい会話がそれっぽい雰囲気で細切れに流されているだけであって、そもそも人物表現になってないです。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2017-08-08 00:22:43) |