461. ザ・チェイス
意外に悪くなかったのでびっくり。ほとんどがカーチェイスという危機感あふれる設定と、割とのんびりした会話や展開のギャップが面白い。単純明快なラストの切り上げ方も良い。 [地上波(吹替)] 5点(2006-09-28 03:29:50) |
462. 宋家の三姉妹
政治の動きの方は流れを分かりやすく整理しているが、逆に肝心の人間ドラマの方が未整理で、どこがポイントなのか今ひとつはっきりしていない。ミシェル・ヨーやマギー・チャンも、実力の発揮のしようがないという感じ。現在の部分の出し方も中途半端だと思う。本来は映画よりも連ドラ向きの作品。 [ビデオ(字幕)] 6点(2006-09-24 02:40:24) |
463. パルプ・フィクション
《ネタバレ》 2分で終わる会話を7分続けてそれを延々と積み重ねて適当に前後させただけという、非常に安易な作品なのだが、ダラダラしたところがかえって妙に印象に残ってしまうという困った作品。ただし、そんなジャンクフードみたいな作品の隅々まで演出を行き渡らせる制作者の執念みたいなものは溢れており、その辺のアンバランスさが面白い。●この作品は、時系列操作の代名詞みたいに言われる事もありますが、考えてみると、大きな操作は2つしかありません(ミスター・ウルフの清掃パートを前半から最後に持っていって、その中からパンプキンとハニー・バニーの強盗パートを最初に持っていっただけ)。しかし、それだけでも魔術のように全体を彩ることができる、ということを示した点には、大きな意義があります(その中で、ヴィンセントのあっけない最期というスパイスも強烈に効いています)。 [映画館(字幕)] 7点(2006-09-07 03:11:18) |
464. 青いパパイヤの香り
映像は十分に綺麗なのですが、ストーリー性があまりにもなさすぎるのがちょっと・・・。ヒロインの女性の表情や仕草も、今ひとつ美しさが欠けていると思う(幼少時・成人時ともに)。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2006-09-03 01:33:09) |
465. ザ・ファン
あらすじから見当がつくほどどうみてもB級な話で、これだけのキャストをつぎ込むべき作品とはまったく思えないが。アップで追うしか芸がないカメラワークも最低。点数は、そのおかげで拝めたエレン・バーキン様の麗しのお顔に対して。 [DVD(字幕)] 3点(2006-08-15 02:07:57) |
466. フライド・グリーン・トマト
回想の方は特段目新しくもなければ必然性もない話が淡々と積み重ねられているだけだし、現在の方は、制作側の狙った線がミエミエで、かえって醒める。キャシー・ベイツやジェシカ・タンディといった大御所を食ってしまったM・S・マスターソンのはまり役ぶりに4点。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2006-08-14 02:45:27) |
467. 8月のメモワール
もう、びっくりするくらいすべてが中途半端。戦争も貧困も人種差別も他の子供との関係も、すべての要素が中途半端。父親の存在も中途半端だし、姉のナレーションで進めながらウェイトは明らかにイライジャに置かれているなど、視点も中途半端。何がしたかった作品なのかさっぱり分からない。登場人物の誰1人として魅力的に見えないのもびっくり。特に、子供連中があれだけ数がいて、ほぼ全員がしつけがなってない餓鬼の大集合であるのは、作品のイメージを大きく落としている。 [DVD(字幕)] 3点(2006-08-12 01:24:51) |
468. 17歳のカルテ
じっくりとした進行で最後まで興味を失わず見ることができたが、結局この話で何が言いたいのかはよく分からなかった。精神障害全体を描写したいのであれば、院内患者の発症の背景に関する掘り下げが不足しているし、逆に主人公個人の内面の変化に着目するには、回復の過程が安易すぎる(そもそも、境界型人格障害と診断されていながら、その症状が映画中でほとんど出ていない)。結局、表面の当たり障りのない部分のみを無難にまとめただけなのではないかという疑念は禁じ得ない。 [DVD(字幕)] 5点(2006-08-02 03:01:32) |
469. フィッシャー・キング
すみません、心温まるわかりやすいヒューマン・ドラマを期待して見た私が悪かったのです。いつまでたっても単調に続くじめじめした半分妄想話に参ってしまいました。マーセデス・ルールのオスカー受賞も理解困難。 [DVD(字幕)] 4点(2006-07-28 03:16:10) |
470. ぼくの美しい人だから
もっとほのぼのした無邪気なラブロマンスを勝手に想像していたので、予想外に暗い雰囲気と、いきなり無意味に激しいベッドシーンに突入する展開にびっくり。ただし、後半の、スペイダーが友人に紹介するかどうか逡巡する部分は、じっくりとした描写で良かった。サランドンの方の「迷い」の部分をもっと明確にしてくれたら、なお良かったのだが。 [DVD(字幕)] 6点(2006-07-25 01:44:48) |
471. テルマ&ルイーズ
《ネタバレ》 サランドンとデイビスの確実で丁寧な演技のおかげで最後まで安心して見られるが、この内容で130分は長すぎる。100分くらいで何とかならなかったのだろうか。ジミーがルイーズを追いかけてくる場面など、全然必然性がないばかりか、主人公2人の旅の距離感(=日常からの離脱感)を削いでしまって、逆効果だったと思う。距離感といえば、ハーベイ・カイテルの刑事は一体どういう移動をしていたのだろうか。州を4つぐらいまたいで登場していたような気がするのだが。 [DVD(字幕)] 6点(2006-07-13 01:04:19) |
472. さらば、わが愛/覇王別姫
最初の方はひたすら打たれまくって痛いだけだし、成人して本題に入ってからも、細切れの話が延々と積み重ねられるだけであって、大河系ドラマに必要な相互の関連性や有機的発展性というものが存在しない。よって、長いだけにしか感じなかった。点数は、美術関係の頑張りに対して。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2006-07-02 03:24:50) |
473. 雲の中で散歩
台詞やシーン設定の1つ1つが実に陳腐というか、手垢のついたものの積み重ねというか・・・。テレビの昼メロでも、これよりはもう少し考えるでしょう。セピア系の色彩と美術関係の落ち着いた美しさに免じてこの点数。 [DVD(字幕)] 5点(2006-06-30 11:27:30) |
474. グロリア(1999)
グロリアは「がさつなおばさん」であったところに意味があったのに、この作品では、(キャスティングから予想通りとはいえ)えらく普通のお姉さんになってしまっている。セットや映像関係も含めて、全体にハードボイルドな雰囲気がなくなり、小綺麗にまとまってしまっている印象。内容的にはつまらない話ではないのでこの点数。 [DVD(字幕)] 5点(2006-06-26 04:09:37) |
475. デルフィーヌの場合
主人公が、不本意な道を選んだ悲劇のヒロインというよりは、周りが見えていない単なるわがまま娘にしか見えないのが難点。しかし、主題のインパクトに寄りかかることなく、それ以外の部分の日常生活の1つ1つを地道に積み重ね、余計な脱線をしていない作り方には好感が持てる。 [DVD(字幕)] 6点(2006-06-19 01:54:59) |
476. ガメラ2 レギオン襲来
最初のパニック発生の部分で、人々の顔に少しも緊張感がない上にえらくあっさり淡々と進行していて、これはどうなるのかと思っていたのだが、まさか最後までそのとおりに進むとは思わなかった。住民の「変化」を捉えずに適当に右から左に動かしておいて都市壊滅などといわれても、何のことか分かりません。レギオンの造形が醜いだけなのも困りもの。敵が格好良くないとヒーローが光らないのは、怪獣映画でも同じです。水野美紀の演技も問題外。 [CS・衛星(邦画)] 3点(2006-06-18 03:42:10) |
477. デビル(1997)
《ネタバレ》 IRAの闘士と現役の警官の日常生活での接触なんていったら、もっと火花散るような心理戦のやりとりがあってしかるべきなのに、この作品ではまったくそれがなく、単なる警官と容疑者とマフィア(?)の話が流れているだけ。役者もやる気をなくすんじゃないかと思う。エンディングのメリッサ・エスリッジ"This War Is Over"はなかなかの佳曲なので、そこに+1点。 [DVD(字幕)] 5点(2006-05-29 01:21:25) |
478. エディ&マーティンの逃走人生
《ネタバレ》 コメディタッチの「ショーシャンク」という趣だが、ひょっとしたら作品としてのレベルはこっちの方が上かもしれない。メイク、登場人物の成長、風習の変化、記録映像などで年月の経過を無理なく感じさせつつ、笑える部分やしんみりする部分を盛り込み、テンポよく最後まで見ることができる。内容的には悲しい話のはずであるのに、進むにつれてだんだん笑いがこみ上げてくるというのが見事。邦題は最低だと思うけど。 [DVD(字幕)] 7点(2006-05-29 01:15:03) |
479. ゲッタウェイ(1994)
前に見たときは特に何の目新しさもない完コピリメイクとしか思っていなかったのですが、改めて見てみると、なかなか悪くなかった。どうしてもマックイーンとボールドウィンが比較されてしまうわけですけど、この主人公って、決して格好良いわけではなく、仕事の手際はいいんだけど、プライベートの方ではいろいろじめじめ引きずってぱっとしない、という、会社では評判いいけど私生活はグダグダのビジネスマンみたいな感じの人なんですよね。であれば、スーパーヒーロー的な活躍を期待してしまうマックイーンと比べても、むしろ小市民的な表現も器用にできるボールドウィンも悪くないのではないかと。それからキム・ベイシンガー姐さんも、生活に疲れました系のちょっと荒んだ色気を出させれば右に出る人はいないわけで、アリ・マッグローよりも合っています。ただまあ、脚本については、フライドチキンネタとかコインロッカーネタまでオリジナルをコピーしているのは、そこまでせんでも・・・とは思いましたが。 [DVD(字幕)] 6点(2006-05-25 02:28:31) |
480. 有罪判決/法廷に隠された真実
《ネタバレ》 ボールドウィンとキングスレーの丁寧な演技のおかげで、見た後の印象はそれほど悪くないのだが、やはり、クライマックスの部分のテーマのすり替えには、この映画の製作意図そのものに疑問を感じざるをえない。それと、日本では、この事件では心神喪失はおろか心神耗弱でさえ認められる可能性はゼロであるから、メインの弁護士の葛藤の部分(無罪をとるか、依頼者の意思通りの答弁をするか)は日本人にはぴんとこないと思う。逆に、最後に得意気に犯行の動機を説明しているが、日本ではそれが重要争点になるのははじめから当然である。法廷に真実発見機能を期待している国と、そうでない国の違いだろう。あと、そんなこととは無関係に、依頼者の妻と寝ちゃったりするなんてのはその時点で弁護士の資格なし。 [地上波(字幕)] 4点(2006-05-21 21:57:21) |