461. 別離(2011)
《ネタバレ》 中盤少しタルかったとしても、9点。「家庭の幸福は諸悪の本(もと)」(by太宰治)。娘同士が憎しみ見つめ合うシーンが恐ろしい。 [DVD(字幕)] 9点(2017-10-09 21:37:53) |
462. 犬神家の一族(1976)
《ネタバレ》 昭和50年代に小学生時代を過ごした人間にとって、スケキヨは共通基盤の心的外傷じゃないでしょうか。TVCMを見たときの静かな恐怖といったら無かった。そんな本作をようやく見ました。長年の宿題を片付けたという気持ちはありますが、それ以上にはなりませんでした。同様の感慨を持った「ジョーズ」と同じ点数にします。 [インターネット(邦画)] 4点(2017-10-07 21:47:09) |
463. チェブラーシカ(1969)
《ネタバレ》 ばったり倒れ屋さんってなんだよ。終始つながっているようで、脈絡がない物語の運び。ワタシにはもの悲しいミュージックとあいまって、悪い夢を見ているような感じでした。このキャラクターについては、物語中にもありましたが「できそこないのおもちゃみたい」。2017年を生きるワタシとしては、サンリオのバッタモンにしか見えません。あいや、こっちが初期モデルなんでしょうけど。【追記①】吹き替えでの視聴をおすすめします。【追記②】ニッチェの江上そっくり。 [DVD(字幕)] 4点(2017-09-30 17:34:26) |
464. まぼろしの市街戦
《ネタバレ》 反戦映画だったのでしょうか?軍隊というよりも、極めて硬直してしまった組織社会をわらっていたような気がします。軍隊だろうが、精神病院だろうが、どうせこの世はどうかしているという映画だったとすれば、2017年に見るのであれば、そういうのっていっぱい見たよねということになります。レンタル店で見つからないのは、何か特別なワケがあるのではと思いましたが肩すかしでした。 [DVD(字幕)] 5点(2017-09-22 17:51:18)(良:1票) |
465. 独裁者、古賀。
《ネタバレ》 PFFアワードらしいというか、ATGっぽいというか。なんか切実な青臭さは感じますが、独善的でもある。好きになりたいのだけれども、どうしても気持ちがついていかない。内向きだけど、芯が強い副島さんが好印象。振り幅が小さいからこそ表情の変化がとってもチャーミング。 [DVD(邦画)] 5点(2017-09-18 18:40:14) |
466. 恋妻家宮本
《ネタバレ》 前半が良い。似ても似つかぬストーリーの映画、「her 世界でひとつの彼女(2013、米)」を思い出しました。つまり、ワタシにとっては「男性の更年期障害」を描いた作品なんですよ。これがかゆいところに手が届く状況。年を重ねればもっと落ち着くとか、あきらめるとか。生きやすくなると思ってましたが、悩みの内容が変わるだけだったんですね。あいや、言い訳の仕方が変わっただけで、悩みは変わってないのか? [DVD(吹替)] 8点(2017-09-10 19:42:49) |
467. 埋もれる<TVM>
《ネタバレ》 最後はスーツケースを開けない方がよかったのではないか。まあまあな正義漢の北見が、ここでヒヨった、苦いモノを黙って死ぬまで飲み込み続けることにしたって感じのバッドエンドが好みです。 [インターネット(邦画)] 6点(2017-09-09 08:58:20) |
468. 心の旅路
《ネタバレ》 強引ながら目が離せない物語運び。ワタシ、タイムスリップものを見たような印象です。13年の時を超えて、現代に戻ってきたと言う風。そんな印象が良かったことなのか、そうでもなかったことなのか、なんだか分からないんですよね。【追記】触手が動かない邦題、「心の旅路」。ある程度の期間が経過するドラマであれば、どんな作にも使えそうだ。原題の「ランダム ハーベスト」になにかこの不思議な物語を解釈するカギがあるような気がしてなりません。 [DVD(字幕)] 6点(2017-09-03 12:45:13) |
469. short cut<TVM>
《ネタバレ》 離婚した年の作じゃないか!と思えば、とっても赤裸々なお話だ。三谷幸喜とその元妻の物語としてみると、ラストシーン。遠景でふざけ合ってる夫婦がとっても幸せそうで、息が苦しくなる。そんなセンチメンタルを断ち切ったからこその一作なんでしょうけど。 [インターネット(邦画)] 8点(2017-08-27 20:00:13)(良:1票) |
470. 男たちの大和 YAMATO
《ネタバレ》 エラいホラー映画があったもんだ。ワタシ、一番怖かったのは渡哲也です。まったく感情を表に出さず、生きた幽霊のようでした。「日本海軍最後の艦隊として、全国民の輿望に応えよう」って、いくら何でも歴史的に後出しジャンケンのセリフでしょう。あそこで、こういうことを言えたとは思わない。それに呼応して、艦隊総員、「オー!」って何よ。全員、レミングの例の習性を見るよう。戦争で守れるモンなんて、ひとつもないんですよ。ひとっつも。 [インターネット(邦画)] 1点(2017-08-20 20:44:30) |
471. 大空港2013<TVM>
《ネタバレ》 なんでそんなに面倒なことにトライするんだろうと思ったワンシーン・ワンカット撮影。でもこれがとっても三谷幸喜作品に合っている。舞台的でもあると思いますが、なんといってもとにかく一発撮影だから。取り直したいシーンがあっても、走り出したら止まれない。撮影中にとても親切なアドバイス(あるいはいらない忠告)を誰かがしようとしても、走り出したら監督の瞬発力で乗り切るしかない。そんなもん、誰が聞くもんか。多少のアラはむしろ勢い。最後のヘリコプターには、本当にあの5人に乗っていて欲しいと思うような、そんな作品でした。竹内結子さんが、とっても良かった。 [インターネット(邦画)] 7点(2017-08-20 16:43:02) |
472. スピード(1994)
《ネタバレ》 再見。たとえば、バスの中に逃亡者がいる、またそれを押さえ込もうする善意の素人がいるなんてのは、あらためてうまいなあと唸りました。ベビーカーのシーンともね。ただ、だいぶ重篤な事故を誘発しているぞとか。心配するワケではないが、あの人達、医療保険は大丈夫だろうか? [DVD(字幕)] 8点(2017-07-17 10:30:21) |
473. 淵に立つ
《ネタバレ》 予定調和をことごとく外してくる。少女を殺めようとしても捕まらない。その少女も死なない。殺人の際に足を押さえていても捕まらない。他の男に気持ちを奪われるのだが、一線は越えない。そして、ラストシーンも。居心地の悪さは最後まで続く。若い彼はもしかして、いろんなこと知ってて鈴岡の加工工場に来たんじゃないか。無垢な大賀が一番怖い。 [DVD(邦画)] 8点(2017-07-16 09:39:06)(良:2票) |
474. 何者
《ネタバレ》 シビアで、ことさら大げさではない話運びに「中(大)学生日記」だなと途中まで観ていました。いや、それだって悪くなかった。幸せになる気配の薄いこういう感じは好きなタチなんですよ。しかし。途中に変調があったモノだから。「ホントは全部、二宮の脚本の演劇だったのね!」と思ったときの高揚感。ここで終わらせてくれれば、多少の齟齬があってもオレはかまわんよと。しかし、まあそんな乱暴はなしなんですね。最後のセリフも好き。これは良いよ。 [DVD(邦画)] 8点(2017-07-02 14:46:22) |
475. オー・マイ・ゼット!
《ネタバレ》 ゾンビが家に迷い込んでくる。そのゾンビの扱いについて隣家で事情のありそうなメンバーで会議をする。予告編を見て、これは面白そうだと思ったモノです。しかし、迷走する会議がこの映画のピークで、その後のドタバタは意図した安っぽさなので、チープと呼ぶモノなのだと思いますが、もう一つ物足りない。東京03の角ちゃんをキャストしてくれているところなど好きなので6点です。ところで、神林監督。予告界の鬼才とも称されるとのこと。そんな人もいての映画界なのだとあらためて業界の深さを知ったワケです。地味な場所でメジャー。ワタシは、神林監督にはいつか逆転ホームラン(本編での当たり)を打ってくれることを期待しています。 [DVD(邦画)] 6点(2017-07-01 19:56:10) |
476. いつかギラギラする日
《ネタバレ》 再見。目に来る感じの荻野目慶子をはじめ、すでに今日そのなり行きを我々は知っているところの、当時大型サラブレット俳優木村一八。「ロックだからなんなんだ」といいたくなるあの楽団のみなさん。そんなちりばめられたしょうべん臭さのなかだからこそ、引き立つ萩原健一のかっこよさ。ワタシ、「豆腐屋直次郎の裏の顔」のころが一番いい油の乗ったショーケンだと思っています。仕草が色っぽい。「ステーキハウス憩」のシーンの撮影現場を遠くからみたことが、懐かしい思い出です。 [インターネット(邦画)] 9点(2017-06-18 22:47:54)(良:1票) |
477. GONIN
《ネタバレ》 再見。ビートたけしと本木雅弘と佐藤浩市と鶴見辰吾と根津甚八が本作以上に魅力的だった作品をワタシは知りません(竹中直人は別にある)。白昼の観光バスの車内を最後の対決の場にしようと考えたときの監督の興奮ときたら。クセの強い5人の集まりなんだけど、妙に仁義に厚いところも好き。久しぶりに聞いたよ、「水くせえじゃねえか」。一時期の邦画に、奥山和由が与えた影響は大きい。良いことが起きる気配が全くしないメインテーマも好き。いいと言うには少し差し障りがありそうな本作だけど、やっぱいいっすよ。 [インターネット(邦画)] 9点(2017-06-13 22:07:01)(良:2票) |
478. 湯を沸かすほどの熱い愛
《ネタバレ》 余命を知ったとき我が子に何を残してやれるのか、という映画なんだと思ってみてました。だから、1時間30分頃にもう一人の(我が子の)大事な味方のために彼女が準備したことには、胸をつかれました。ここで暗転して葬儀のシーンに進んでもよかったような気もしますが、きっちり口当たりの良くないくだり(緩和ケアセンターパート)も盛り込んだことは、監督は逃げなかったんだというふうに評価したい。オチはいかにも、「チチを撮りに」の中野監督。安澄の「ひとりにはしない」という病室での決意はこれだったのね。 [DVD(邦画)] 7点(2017-06-10 15:34:33) |
479. シン・ゴジラ
《ネタバレ》 初代ゴジラも、本作のように受け入れられていたのなら、そりゃあ名作とも呼ばれただろうと思いました。ゴジラを平成の首都に引きずり出したんだから面白かったですよ。はたらくおじさんやおばさん+はたらくくるま対平成ゴジラでした。リアルを追求しようとした本作だと思いますが、ほんとにああいった人たちは「この国」って日本のことを呼んでいるんでしょうか。「この国」って言い方、なんとなく高いところから眺めているようで好きじゃないんですよ。ただそんなところも、平成ゴジラ的なリアルですけど。 [DVD(邦画)] 8点(2017-05-20 22:12:46)(良:1票) |
480. その夜の侍
《ネタバレ》 最後の展開が惜しい。差し違えるようなベタな展開からの変化球なんでしょうけど、監督が勝負を避けたとしか思えません。しかし、何かこれは「本物」をみているなという心ザワザワする物語の展開。「葛城事件」もみましたが、赤堀監督に期待しています。 [インターネット(邦画)] 6点(2017-05-04 17:52:59) |