521. パブリック・エネミーズ
《ネタバレ》 「ジェシー・ジェームズの暗殺」を観た時にも感じたことだけど、あちらではアンチヒーローでも、その前提が無いニッポン人には退屈な作品でした。主人公に凶悪という雰囲気は無く、少なくとも近辺にいる者たちに対しては誠実な男であった。でも、人気者になるほどの説得力は感じられない。私がカッコイイと思ったのは、女性を口説くときの強引さ。映画を見ているようでしたよ。あの誘いに仕事を放り出して付いてゆく女性には、それでいいのかと思いましたけど。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2013-04-01 00:26:56) |
522. ONE PIECE FILM STRONG WORLD
《ネタバレ》 著者が制作に関わっているだけあって、「ワンピース」らしい劇場版ではありました。キャラクターの個性や見せ方に違和感が無いという意味です。でも、特筆することがありません。至って普通の見応えで、不満もないけど、満足って感じでもない。敢えて言うなら、羽で空を飛ぶ人たちには違和感を覚えました。連載の方はひとつのエピソードに多くの新キャラが絡みながらも、それ以前の航海との連続性の中でストーリーが展開し、「大河ドラマ的」な趣きがあります。それが「ワンピース」という作品の特長のひとつだと思います。2時間弱の単発映画ではその特長が活きて来ないという印象です。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2013-01-25 03:42:27) |
523. 恋は五・七・五!
《ネタバレ》 あまりにマンガ的な台詞や芝居に萎えました。いや、私はマンガ大好きなんですけど、マンガ的な演出として狙っている訳ではないので、かなり幼稚に見えました。あれで高校日本一になれるとしたら、世の中を舐めすぎです。ちなみに、好きな異性が居眠りしているところにキスってありがちなシチュエーションですが、ホントに寝込みを襲う奴っているんでしょうか? 以下、長い余談。「俳句の甲子園」の競技方法に関しての疑問です。対戦相手の作品に難癖を付けるのがルールなの? 必ずしも難癖だけでは無いのでしょうが、勝負を意識したら批判視線で講評するはずです。自分ならそうします。それが現実なら、あまり良いルールと思えません。さらに横道に行きますが、映画のレビューを書いていて感じることは、嫌いな映画を褒めることも、好きな映画を貶すことも、テクニック的にはさほど難しくないということです。口先だけなら何とでも言えるのが「批評」や「評論」です。俳句を愛する高校生にそんな口先だけの言葉を弄する姿勢や習慣を持って欲しくないと思った次第です。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2012-12-16 01:58:06)(良:1票) |
524. ハリー・ポッターと炎のゴブレット
《ネタバレ》 原作の駆け足トレースが目立つこのシリーズですが、その悪いところが最も顕著なのが本作だったように思います。ロンとの喧嘩も、舞踏会をめぐる三角関係も、特に何も感じることがないまま通り過ぎます。命の危険がある学校対抗競技って、原作からして無理のある話ですが、映像化によってそれが加速されたように感じました。原作に偽マッド・アイが将来の仕事に関してハリーと話すシーンがあります。ハリーの人生の方向を決定づけるいい話だったのですが、バッサリとカットされている。微妙な感情が絡むシーンは最初から諦めているってこと? ちなみにエンドロールだけで13分以上ありました。大作です。 [DVD(字幕)] 4点(2012-12-16 01:21:42) |
525. 劇場版 マクロスF 虚空歌姫 ~イツワリノウタヒメ~
《ネタバレ》 最初のマクロスから30年近く経った訳ですが、基本的な見せどころを頑なに守って準シリーズ的に繋いでいることには感心しますね。歌・ロボット・三角関係ってアニメの普遍的なテーマではありますが、「マクロス」に関しては3つまとめて本質なのでしょう。 冒頭のコンサートシーンの見せ方はステージ演出の未来形を提案しているような見応えがありました。バルキリーは装備的なマイナーチェンジを続けているようですが見慣れてしまいました。その戦闘シーンはスピード感だけを重視しているようで、何をやっているのか良く分かりません。私には色気の無い戦闘シーンにしか見えません。メインキャラ3名の関係は歯切れが悪かったかな。だから「三角」な訳ですが、ドラマとしてはもう少しドロドロやってもらった方が面白い。個人的には幼児体型ヒロインに魅力を覚えないので、自ずとグラマー姉ちゃんを応援してました(笑)。 本作は二部作の前篇として「仕込み」的な色彩が強く、単品で観るとモヤモヤが多く残りました。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2012-12-12 21:46:43) |
526. 劇場版 鋼の錬金術師 シャンバラを征く者
《ネタバレ》 2回目のTVシリーズは全て見たけど、1回目のシリーズは未見で鑑賞。そのため、最後まで設定が理解できずにモヤモヤが残った。まぁ、自分が悪いんですが。錬金術が使える世界と1930年代のドイツを対置させて、原作のファンタジックな世界観にリアリティを意識させる作りになっている。反対に云うと、それを利用して映画を1本作ったということでしょう。アメストリスへ侵攻した宗教団体(?)の軍隊がいきなり戦闘を始めた理由が、そこまでの展開を考えると唐突感が拭えない。物語を深く煮詰めることを放棄して戦闘シーンの描写に走ったとしか思えず、最後はオリジナルのキャラの個性でお茶を濁したという印象でした。最初のTVシリーズの続編という意識で観られれば、もう少しは見応えがあったのでしょう。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2012-09-15 04:01:25) |
527. 男たちの大和 YAMATO
戦艦大和の沖縄出撃は太平洋戦争末期の投げやりな作戦の象徴だと思っています。劇中「一億総特攻のさきがけ」という台詞(これは史実のようです)がありましたが、大本営は本気で一億人を特攻させるつもりだったのか。乗組員の立場から無謀な作戦に対する抗議的な声が少しは挙がっていましたが、長嶋一茂が詭弁で鎮めてしまいました。常々言ってることなんですが、現場で意見を言い合うシーンに力を入れても問題の本質は見えて来ない。軍人は命令に従う以外に道は無いのですから。作戦を立案した方々を描いて欲しいです。戦場の悲惨を見せて反戦気分を煽るより、根源的な誤謬を洗い出して欲しいです。ステレオタイプの表現しか出来ないこの監督にはハードルが高すぎる要求なんですけどね。「宇宙戦艦」の方が圧倒的に馴染みが深い船ですが、アニメでは伝わらないスケール感が実感できたのは収穫でした。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2012-07-21 14:47:03)(良:2票) |
528. ディボース・ショウ
《ネタバレ》 結婚(という契約)の換金に執心する凄い美人と、離婚訴訟を飯のタネにする優秀な弁護士。どっちもどっちの二人が魅かれ合う動機部分がチト浅い。私は♂ですからゼタ=ジョーンズにコロリとなびくJ.クルーニーの気持ちは分からなくはない。この頃の彼女、ホントにイイ女ですもんね。でも、ゼタ=ジョーンズが彼のどこに魅かれたのかが分からない。自分の弁護士に比べて優秀に見えたから? そのあたりはコメディということで流しますが、辻褄あわせのようなハッピーエンドにもう少し捻りが欲しかったです。主演2人の魅力だけで引っ張っている作品でした。原題は「配偶者虐待」という意味のようです。でもDVじゃなく、結婚後詐欺ってところでしょうか。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2012-06-08 03:20:14) |
529. クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ!栄光のヤキニクロード
《ネタバレ》 悪フザケが多いシリーズではありますが、本作は特に悪フザケだけで固めたような内容でした。でも、濃いゲストキャラがたくさん出て来て楽しかったです。個人的には「地獄の黙示禄」のサーフィン好き中佐がイチバンかな。あの自分勝手で超然とした特徴を上手く誇張していました。あり得ないことのオンパレードですが、幼稚園児が大人より速く自転車を走らせるような「ありえなさ」は好きじゃないです。体力勝負的な部分をもう少し工夫して欲しいところです。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2012-04-04 02:17:31)(良:1票) |
530. ファイナル・デッドサーキット 3D
《ネタバレ》 上映中にそんなにしゃべっちゃダメでしょ。鑑賞マナーがなっていないよ。上映中は死んでも静かに座って鑑賞しましょう。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2011-11-10 23:23:52)(笑:2票) |
531. 劇場版 空の境界 第五章 矛盾螺旋
ストーリーや演出や作画は褒められたものじゃないけど、変なキャラがたくさん出て来てその興味で引っ張ってくれました。本作の主人公はあのオヤジだと思うのだが、彼の絶望と解放への方法論がとてもいい加減に思えます。あの理屈を理解できる人がいるのだろうか? 内容に自信が無いことを時間の倒置で誤魔化しているような印象でした。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2011-10-16 12:43:36) |
532. 劇場版 空の境界 第三章 痛覚残留
《ネタバレ》 やっとストーリーらしきものが認識できました。と言っても、超能力少女のバトルものと割り切って観た場合の話ですが…。理屈をこねて人を殺したりモノを壊したりしているけど、響いてくるものはないです。盲腸炎ってオチにはバランスの悪さを覚えます。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2011-10-16 05:51:18) |
533. ボーダー(2008)
《ネタバレ》 最初に浮かぶ感想が「二人とも歳をとったなぁ」ってことで、それが哀しかったりする。現役刑事って役柄はさすがにキツイんじゃないの。拳銃なんか撃ってると「ヒート」と比べてしまうし…。前置きはそのくらいにして、本作のよろしくないところを指摘すると、アル・パチーノの動機の掘り下げが浅いことに尽きます。憧れていた他者の思わぬ姿を目撃し、それが契機になって自分の中に異質なものが芽生える。それって、例えば若者が外見に憧れていた異性の内面を知ってショックを受けるのなら分りやすいが、還暦を過ぎた人に適用するなら周到に描写してくれないと意味不明にしかなりません。いや、視点は悪くないと思うんです。正義を標榜して何十年も一緒に仕事をしてきたパートナーのことを、見た目以上に尊敬していたパチーノの心理描写が真っ当にできていれば、すごく深い作品になったはず。演じる人もそれなりの方な訳で。でも、本作は最後にパチーノの独白で種明かしされるだけの引っかけサスペンスです。デ・ニーロも他者から尊敬される正義漢と云うよりは、キレやすいおっさんだったし。二人の性格や人間性の描写がオチと連動していない。結果として、2大俳優を使ってなにをグダグダやってんだ、という評価が一般的になる。これはかなり勿体ない一作でした。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2011-09-07 22:48:54) |
534. トワイライト~初恋~
《ネタバレ》 100歳を越えた男が17歳の少女に夢中になっても「色ボケ」とか「エロジジイ」と言われないのね。私はその半分も生きていないが「エロオヤジ」って言われそうです。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2011-08-25 21:32:31) |
535. ホースメン
《ネタバレ》 自分には難しい作品でした。解答にたどり着けない。まず、騎士たちの犯行の文法。人を傷つけたら必ず罰せられるが、人の心を傷つけても必ずしも罰せられない。そのことに絶望した人たちが集まり、自分たちを騎士と名乗り、黙示録の記述に則って精神の加害者を断罪した。吊り下げ装置は騎士たちの絶望感を伝えるための装置だが、必ずしも断罪される側が吊るされる訳ではないし殺される訳でもない。基本的には精神の加害者に強く悔恨させることが目的で、誰が死ぬかはそれぞれの騎士の自由裁量。猟奇的手口は当事者以外の者へのメッセージとして機能させようとした。ここまではたぶん当たっている。しかし、最後の長男のシーンに謎が残る。長男を吊るしたのは誰だ? そこにいきなり不特定多数のネット住人を参加させたのか? 状況からそのように類推するのは容易だが、本作のオチとして成立すると思わない。すると、もう一人の肉親の存在が浮かぶのだけど…。みなさんが仰るように、チャン・ツィイーが劇中の役割以上に存在感ありますね。単純に彼女が犯人だったことがオチになるとか、顔に似合わぬ鬼女ぶりを堪能する作品だったらスッキリしたのになぁ。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2011-08-16 23:38:06)(良:1票) |
536. ダレン・シャン
《ネタバレ》 規格外の身体に対する差別が当然の慣習だった時代の名残りのような見世物小屋。それを興味深く面白がる私は不道徳な人なのか、なんて思いました。おつむが歪んだ渡辺謙さん。その変形ヘッドのまま渋い役を演じてるんだけど、存在感ありました。ストーリーは散漫で面白くないです。実はすでにほとんど忘れました。ヴァンパイアの共食いの話だったっけ? [CS・衛星(字幕)] 4点(2011-07-13 21:47:27) |
537. 9<ナイン> ~9番目の奇妙な人形~
変な人形の一人称視点で世界の変化を見せる序盤はそれなりに引き込まれた。人形の造作からして特異な世界観を醸している。でも、それで終った映画でした。機械ビーストと戦闘を繰り広げること以外にメッセージが無い。ちゃんとオチを付ければ作品の奥行や完成度が高まるような設定を無駄にしてますね。まぁ、元々が世界観だけを見せる映画だったのでしょう。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2011-06-09 21:40:00)(良:1票) |
538. 東のエデン 劇場版 I The King of Eden
《ネタバレ》 この劇場版はシリーズ全11話の後に直接つながる話で、そのシリーズを観ていないと追従できません。また、本作は劇場版Ⅱへ繋ぐためだけの作品でもあり、そのお膳立てとしてやたらと台詞が多く複雑。シリーズ&劇場版の一挙放送で観たおかげで自分にストレスは無かったが、これをいきなり劇場で観た人は気の毒な状態だったと思います。バブル崩壊後、中途半端な豊かさが蔓延する状況に生まれたニートたちにフォーカスし、憂いた社会状況を扱った作品です。80年代までの日本経済の隆盛は、大戦で社会資本が壊滅した後の復興の延長上に達成された。ミサイル攻撃で社会資本に打撃を与えることがカンフルになるのは確かだと思うけど、そんな手段を良しとしない主人公はどこへニートたちを導くのか? 完結篇にそれなりの答えがあることを期待します、と 「Ⅰ」のレビューとしては言っておきます。作画のレベルも高いけど、羽海野チカのキャラクターってアニメに向いてるなと思いました。頬のラインに特徴のある咲がとても可愛いです。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2011-05-18 00:10:28) |
539. クレヨンしんちゃん オタケベ!カスカベ野生王国
《ネタバレ》 環境問題をテーマにしています。ちょいと不謹慎発言ですが、エコエコと小うるさい世情に窮屈を感じる者の気持ちを代弁している内容ですね。官庁や大企業の四角四面な環境への傾倒に画一的で表層的な印象を持つ自分には、無駄遣い大好きのエゴ丸出しネエちゃんが爽快だったけど、掘り下げの浅いサブキャラに過ぎないことが残念でした。ストーリーには疑問符が付きます。ヒョウ(?)になったみさえがしんのすけをいたぶるシーンなんて残酷で観てるのが辛くなった。児童虐待をアニメでやるな。スキンシップで母子の絆を取り戻すにしても振り幅が大き過ぎます。最後は例によって家族愛で勝負する野原一家だけど、環境やエコを大義にしている相手に対して何ひとつ回答せずに戦闘に持ち込んだだけで、戦いの意義が見えません。テーマという意味では焦点がボケてスッキリしませんが、これを観た子供たちが2~3日なら無駄遣いを意識した生活をするような気がしたので、最後に1点プラスしました。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2011-04-27 22:09:30) |
540. 天使の恋
《ネタバレ》 想像していたほどひどく無かったです。主演女優が目当てで、ストーリーに期待していなかったことが良かったのでしょう。佐々木希ちゃんはお人形さんみたいでした。もの凄く可愛く見えるアングルもあれば、どうってことないアングルもあって、そのムラはたぶん役者としてのキャリアでしょう。朴念仁でも可愛い人に構ってもらうと鼻の下が伸びる。あくまで可愛いことが前提で、谷原章介の単純さは分かりやすい。ラストシーンにびっくり。まつ毛の長い瞳に大さじ3杯分くらいの涙をこぼさずに湛えていました。あのウルウルは感動もの。目の前でやられたらきっとイチコロですね。こちらも、あくまで可愛いことが前提ですが。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2011-04-07 23:17:03)(笑:1票) |