541. エアポート’75
オールスターキャストのハリウッド超大作&パニック・ムービーの先駆的作品として、作品の良し悪しとは別に長く記憶に留めておきたい一本です。C・ヘストンとK・ブラックがタラップを足並み揃えて降りてくるラストシーンが、妙に印象に残っています。未見の方には、もはやTVサイズでしか鑑賞できないのが残念です。 8点(2000-09-08 23:42:07) |
542. トイ・ストーリー2
パート1より出来はこちらのほうがさらに良い。CGのさらなる進歩とストーリーのテンポよさとそのテーマ性などなど・・・。エンドロールでのNG集(?)も粋です。 8点(2000-08-06 14:21:01) |
543. 海の上のピアニスト
この作品そのものが一種のファンタジーだと思えば、ラストの再会のシーンもマックスの幻想だと解釈すれば納得できそうです。ティム・ロス以上にプルート・テイラー・ヴィンスの好演が光る。 8点(2000-08-06 14:13:55) |
544. あの子を探して
出演者全員がそれぞれ本人を演じていることで、素朴でナチュラルな感動を受けます。さりげなく描いているようでテーマはかなり深刻でもあります。ただチャン・イーモウ監督作品のヒロインって、いつも強さと頑なさと思慮分別のなさを好んで描いているように思えます。これって彼の女性観なんでしょうかネ? 8点(2000-08-06 14:03:21) |
545. パーフェクト ストーム
実写とCGを巧く使い分けて・・・といっても実際どうやって撮影されたのか見当もつかない程、超リアルで超ド迫力のスペクタクル映像!でもそればっかりに気をとられていてはいけない。ここには大きな波に翻弄されながらも、男たちの骨太のドラマとロマンが的確に表現されている。ラストはあまりにも哀しすぎる。 8点(2000-07-30 10:53:45) |
546. グラディエーター
たしかに筋立ては目新しくもないが、数々のバトルシーンには現時点で考えうる技術を駆使して、さまざまな工夫がみられ観客を圧倒し続ける!でも、やっぱりと言うべきかラッセル・クロウの存在がこの作品のすべてだと思う。「L.A.コンフィデンシャル」「インサイダー」そしてこの作品と、それぞれの異なったキャラクターがすべてハマリ役となるほどの演技とその存在感!凄い俳優がまた一人大きな成長を見せつつある。 8点(2000-07-02 23:48:05) |
547. エリン・ブロコビッチ
ジュリア・ロバーツの人気もさることながら、作品の出来のよさが口コミで拡がってヒットをとばした典型的な例。彼女も確かに力演だけれど、脇をささえている名優アルバート・フィニーの存在も忘れてはならない。 8点(2000-07-02 23:29:15) |
548. ミッション・トゥ・マーズ
“驚異のSFX”に偽りなし!ストーリーはある程度先が読める本作、モノを言うのはSFX。「ハムナプトラ・・・」から数段進歩した砂嵐、無重力状態の宇宙船内での血液を含む液状物の描写、そして火星上空での宇宙遊泳のリアルさ等々・・・実にきめ細かく斬新!ラストは「アビス」と「未知との遭遇」「コクーン」をミックスしたような大団円をむかえる。このテの作品に弱いので、ただもう単純に感動してしまいました。 8点(2000-06-11 15:24:38) |
549. トゥルー・クライム(1999)
イーストウッドとしては、軽いフットワーク(?)で創り上げた作品で、「許されざる者」のように崇高さなどもちろんないが、その語り口のうまさはさすがでこういう作品世界こそが彼の持味だと思う。 8点(2000-06-03 23:13:04) |
550. ロゼッタ
CG映画が幅をきかせている今、脳天に一撃を喰らったような衝撃!手持ちカメラが絶妙の効果をあげている。 8点(2000-05-05 23:46:38) |
551. グリーンマイル
いわゆる“お涙頂戴もの”的には作られていないので、期待する向きには物足りなさが残るかもしれない。要はそういう類の作品ではないことだけは確かです。主人公ポールが長すぎる“生”を“罰”として(?)与えられたことの残酷さが実に皮肉だ。それにしても、この長尺を大娯楽作にまとめ上げたF・ダラボンの手腕はさすがだと思う。 8点(2000-04-29 00:03:38) |
552. マーシャル・ロー(1998)
この圧倒的な迫力は只事ではない!やはり“本物”を見せつけられると、さすがの韓国製人気アクションも影が薄くなる。D・ワシントンはカッコ良すぎ! 8点(2000-04-18 23:22:41) |
553. スリー・キングス
ちょっと風変わりな戦争アクションーそれだけじゃない 戦争の矛盾や弱者の悲しみもきっちり描ききって、ラストは感動もの。 8点(2000-04-14 23:01:15) |
554. 遠い空の向こうに
いつも空を飛ぶ夢を与えつづけてくれるジョー・ジョンストン監督の会心作。 8点(2000-04-12 23:56:54) |
555. 007/ワールド・イズ・ノット・イナフ
このシリーズの売りで、大好きなスキーとボートチェイスの出来がよく、◎。 8点(2000-03-01 00:14:01) |
556. マグノリア
「この世の中、どんなことでも起こりえる」と言うテーマ通りの、アッと驚く阿鼻叫喚のクライマックス。お見事ッ! 8点(2000-03-01 00:06:06) |
557. ポセイドン(2006)
リメーク作品がどんなに良く出来ていても、オリジナルほど評価されないのは、もはや宿命のようなもので、人々の脳裏に焼きついた映像や感動は、そう簡単には消え去らないものだし、ましてや思い入れの深い作品ともなれば尚更である。どうせなら「キングコング」や「宇宙戦争」などと言った、半世紀以上も前の作品をリメークした方が、映像技術の格段の進歩による“新古品”としての新鮮な魅力が発揮できて、得策かも知れないのだが。本作も、名作の誉れ高いオリジナルと比べるまでもなく、何の工夫もない、とって付けたような人間ドラマの薄っぺらさや、魅力の乏しいキャスティング等は誰にでも容易に指摘できる。しかしながら、W・ペーターゼン監督が自解している事でも分かるように、本来それらはむしろ意図的な事であり、人間ドラマを充実させる事よりも、あくまでも最新テクノロジーによるスペクタキュラーな映像への果敢なアプローチ(挑戦)だと捉えるべきであろう。だから、“多くの批判は当らないよ!”と言わんばかりだし、むしろ作品の出来に、彼の得意気な表情が目に浮かんでくるようだ。それほどに、CGによる大スペクタクル・ショーは、文句のつけようが無いほどで、凄まじいの一言に尽きる。長年、映像化は到底不可能だとされてきた、荒れ狂う巨大波の再現は、CG映像の出現で、「ディープ・インパクト」のクライマックスでの驚異の映像となって実現して以来、頻繁にスクリーンに登場するようになり、映像表現の可能性が大きく広がった事を実証してみせた。今回の豪華客船に襲いかかる波のうねりの巨大感や質感、あるいはそれに呑み込まれて転覆していくポセイドン号のリアルさは更に進化し、いくらCGで再現されているものだと説明されても、本物の船が転覆しているとしか思えないほど迫力に満ちたものであり、その点においてはオリジナルの時代とは隔世の感がある。また、客船内部からの脱出サバイバル劇も、負けず劣らず様々な趣向が凝らされ、最後まで手に汗握るエンターテインメントとして成立させている。しかし良くも悪くも、ゲーム感覚の作品であることだけは疑いようのない事実であり、時代がこのような作品を生み落としたのだと言える。 [映画館(字幕)] 7点(2007-04-29 17:22:23)(良:1票) |
558. 父親たちの星条旗
日米双方の視点から描いた硫黄島2部作とは、舞台が同じでありながらアプローチの方法がまったく違う為、大きく異なった印象を受けるものであった。それは作品の出来不出来という次元の話ではなく、民族の置かれた立場、描かれている内容、人間描写の密度の違いから受ける物語性の深さによるものであり、本作が「硫黄島からの手紙」ほど身につまされなかったのは、単に私が日本人だからという理由だけではない。硫黄島に星条旗を立てることの意味と価値観は、まさしくアメリカ人特有のものであり、それに纏わる裏話として関わった3人の米兵の後日談を綴っていくのが本作の主としたスタイルであり、攻防戦を基点にした過去を回想形式で描いた日本側の「硫黄島」と大きく異なる点である。帰国後、英雄として祭り上げられた彼等は、連夜のセレモニーの舞台に立たされるものの、その居心地の悪さに後ろめたさを感じたり狼狽するばかりであり、(端的な例として、悪酔いする一人の兵士に凝縮して描かれる。)戦意高揚の広告塔としての立場を経て、社会情勢の変化による大きなうねりに呑み込まれた挙句、人生をも狂わし、やがて人々から忘れ去られていく様を、映画は断片的に語り繋ぎ、戦争の悲惨さや虚しさを謳いあげる。しかし、それにしても“硫黄島の戦い”を舞台にしなければならない動機が今ひとつよく分らない。現在と回想シーンとがまったく別物のような印象を受けるのも、話の繋がりの解り難さからくるとも言えるが、ひとつには、終始無表情なR・フィリップに代表されるように、“彼等の顔”が見えないことだ。直截的な「硫黄島」と違い、彼等の屈折した心情というものが、十分に表現しきれなかった事に起因するように思う。要は、“戦争にヒーローなどいない!”という本来主張するべき部分にインパクトが無いのだ。また、彼等の嘆き節は、70年代後半から80年代にかけて、あまた作られたヴェトナム戦争後遺症映画で語られてきた事と同音異曲であり、ドラマに何ひとつ意外性が無く、テーマそのものにも目新しさというものが感じられない。ただ、「硫黄島」の強烈さと物語性に比べると損をしているとも言えるが、イーストウッドは余りにも冷静過ぎて、原作の良さを十分に生かし切ったとは言い難い。これをスピルバーグが自ら監督をしていたなら、もっとウエットな作品になっていたに違いないが、それが正しい方法論なのかは私には分らない。 [映画館(字幕)] 7点(2007-02-12 00:49:22)(良:1票) |
559. 寝ずの番
師匠の死を弔う、落語家一門の通夜での大騒ぎを描いただけの映画かと思いきや、次々と突発的に生じる後日談もあり、原作を知らない者にとっては少々意外であり、またその事が巧みな映画的構成力により、ひとつの魅力ともなっている。かつて、伊丹十三が斬新な発想による「お葬式」で鮮烈な監督デビューを果たしたのと同様に、津川雅彦念願の監督デビュー作は、しかしながら似て非なるものだった。強烈さと言う意味ではこちらの方に軍配が上がるかも知れない。終始繰り返される下ネタ自慢が映画の本筋かと勘違いする程の徹底振りは、所詮、芸界(芸事)は大なり小なり、こういった艶話のみで成り立っているのかと、ついつい考えてしまう。それに世間で誤解を招く恐れもあるぞ。落語のとりわけ艶笑小噺は、オチ(もしくは下げ)にチラッと表現されるのが粋と言うのならば、冒頭の“聞き違いエピソード”だけでも下ネタの役目は十分だと思うのだが・・・。しかし、それではこの作品の存在意義がないという事なのかも知れない。マキノ雅彦初監督作としては及第点だと思うが少々ハメ外し過ぎで、芸達者な出演者たちの熱演で救われている感は否めない。それにしてもこの映画、“通夜”で“艶”話と洒落てでもいるのだろうか。 [映画館(邦画)] 7点(2006-05-14 18:30:32)(良:1票) |
560. 南極日誌
何の予備知識もなかった事で邦題から浮かんだイメージから、てっきり「運命を分けたザイル」のようなセミドキュメンタリー・タッチの再現ドラマとばかり思っていたのだが、まったく私の予想を大きく覆す作品であった。ここに登場するのは、南極を探検する者が未だ成し得ないと伝えられる「到達不能点」を目指す韓国クルーたち。その彼らの身に起きる不思議な体験を描いた本作は、韓国映画お得意のホラー的要素を取り入れたミステリアスな冒険譚である。碧空に眩しく光り輝く太陽の下、真っ白な氷原を突き進むクルーたちの姿は、南極探検としては極めて常識的な光景である。このゆったりとした日常的な描写のオープニングから、天候の変化と歩調を合わせるかのように、ドラマは次々とその様相を変えていく。太陽が沈むことのない世界では昼夜の区別もつかず、不眠に悩まされる隊員たち。来る日も来る日も真っ白い氷に閉ざされた自然を前にして、徐々に彼らの精神状態に狂いが生じていく。映画はそういった隊員たちの様子を、真実味をもって丁寧に描いていく。目的地へ向かう極限状況の中、疲労で脱落していく者。或いは方向感覚を失って幻覚を見る者。救助を求める者に対し頑なに拒否し、何かに取り憑かれたように歩みを止めないリーダー。それには理由があるのだが・・・。しかしホラー色が強まる後半の作劇はむしろ余計であり、それまでの濃密な描写までもが薄っぺらなものに感じてしまう。ここはやはりギリギリにまで追い詰められた男たちの緊迫のドラマを、あくまでも正攻法で最後まで描ききって欲しかった。ただ、大自然を捉えた撮影の素晴らしさは言わずもがな、朽ち果てた小屋の幻怪的な効果などは美術力の賜物であり、どんなジャンルの作品を撮っても韓国映画の本気度が伝わってくる。どこかの国のユルさ加減とは大違いだ。それにしてもソン・ガンホの狂いっぷりは見事で、彼独特の目の演技はここでも遺憾なく発揮されたと言える。 [映画館(字幕)] 7点(2005-09-15 01:04:41)(良:2票) |