541. シティ・オブ・ゴッド
複数のストーリーが併走しているし、無名役者、初見役者(しかもみんな似たようなパンチ頭)だけの映画なので登場人物整理が難しく今ひとつ話に入り込めなかったのが残念だが「彼らの境遇」は理解できた。カメラワークが秀逸で迫真力はあるが史実とはいえ弾が飛交い人が次々と死んでいく「動」の作品で、「静」で魅せたゴッドファーザーのような深さは無かった。ある意味対極に位置する存在。面白い映画ではないが見る価値はある。 [DVD(字幕)] 6点(2005-08-27 16:48:44) |
542. 地獄の黙示録
ジャングルのクルーズはアナコンダとかのほうが迫力はあるし、ベトナム戦争映画としてはプラトーンが秀逸で、評判ほどいい映画とは思わなかった。特にカーツ大差が出てきてからは退屈で脚本に問題あり。むしろ評価されるのは撮影手法とか技術、演出のほうだろう。 [DVD(字幕)] 5点(2005-08-27 16:47:00) |
543. シービスケット
同名の大ヒット小説の映画化。大作を短い映画に纏めた弊害か、原作を見ていなかった自分には導入部がわかりにくく、登場人物の整理に途中で初めから再び見始めることになったが、あのクリス・マッキャロンが協力したという競馬シーンも非常に迫力があり、また恐慌時代のアメリカの哀愁の漂う空気をうまく書いている。名セリフも数多く原作ファンの期待には十分応えているだろう。ただ纏めすぎたか今ひとつ深さはなかった。期待されながら大きな賞を取れなかったのはそのあたりが原因か。競馬ファンはウルフ役(主役級)のゲイリー・スティーヴンスにも注目 [DVD(字幕)] 8点(2005-08-27 16:44:29) |
544. PLANET OF THE APES/猿の惑星
名作「猿の惑星」のリメイク。ストーリーとしては初代のほうが意外性にしても、進化した猿の生態の現実性にしても優れていると思う。まあこの映画は腐るほど多くの(優れているとは言いがたい)続編が出ており、リメイクとしてではなくシリーズの一作としての立場から見ればいいのではないか [DVD(字幕)] 6点(2005-08-27 16:41:56) |
545. 猿の惑星
《ネタバレ》 H.G.ウェルズの「タイム・マシン」に出てくるモーロック話を掘り下げたような話。タイムマシンのような装置ではなくアインシュタインの某理論を軸にした理解しやすいタイムトリップから始まり、猿の生態や人間との関係などよく描かれている。映画史上に残る衝撃のラストと言われる自由の女神シーンまでのストーリーラインを非常に明快かつ深長な描き方になっていてSF史に残る傑作と言っていい。 [地上波(吹替)] 10点(2005-08-27 16:39:59) |
546. 誘う女(1995・米)
実話じゃなきゃ、ニコール・キッドマンじゃなきゃ…という内容。ブラックユーモアのクライムサスペンスですが、ほんとにただの悪女の話で面白みも何も無い。ニコール以外の配役に疑問。子供達には憎悪すら覚えた。主人公の語りというようなスタイルも話をややこしくするだけ。それなら、これは事実に基づく話であるということをもっと前面に打ち出すべき [地上波(吹替)] 3点(2005-08-27 16:35:34) |
547. サイコ(1960)
無駄なシーンがなく非常に洗練されたサスペンス。ストーリーは今となっては氾濫しているようなものだし、ホラー的な怖さは無い。怖さを追求するのではなく単純に事件を描くことにまた深さがある。そしてそれを支える音楽やカット割りの奇抜さは何も色褪せてはいない。重いテーマを持ちながらこの軽さとスピード感。下手に話を止めて怖さの為の演出をするよりも、よっぽど「スリラー」だった。古典ということでこの点数 [DVD(字幕)] 9点(2005-08-27 16:30:27) |
548. グランド・ホテル
MGMスター勢揃いの豪華キャストで贈るグランド・ホテル形式というモノまで生み出した一箇所にたまたま集まった人間による群像劇。主に主題として描かれているのは個々の人生観だが、様々な伏線を張り巡らせ、最終的に1本の線へと集約し全ての物語を昇華させるという現在のグランド・ホテル形式映画の基本がまだ確立されていないのは、まだこの形式が珍しかった当時を考えると仕方がないか。個々の物語がAとBのストーリー、CとDのストーリー、AとCのストーリーというように最後まで別々に展開し、そのストーリーの間につながりが欠けている。また他のキャストも豪華にすることで薄らげようとしているが、ジョン・バリモアとグレタ・ガルボという二大スターのラブストーリーが強烈すぎて脚本を食ってしまい、他の物語が霞んでしまっている。一つの形式を創った古典だということは評価できるがストーリー自体はそれほど面白くはなかった。 [DVD(字幕)] 6点(2005-08-26 11:42:03) |
549. ゴッドファーザー PART Ⅲ
第一作をマイケルの代で書き直したような映画。ストーリー的にマンネリ化してしまってるので過小評価ぎみですが前二作と比べたらやや劣るもののやはり名作です。いい感じで老け込んだアル・パチーノはマーロン・ブランドの域の演技を目指したんでしょうがさすがに及びませんでしたね。一時代を築いた人間が死にそして後継に受け継がれていくそして再び。深い映画ですな [DVD(字幕)] 8点(2005-08-24 21:17:22) |
550. ゴッドファーザー PART Ⅱ
前作の続きであるマイケルのドン就任以後のストーリーと、マイケルの父ビト・コルレオーネの物語をクロスさせながら描いた大作。この映画の魅力は前作のレビューに書いたので割愛。 [DVD(字幕)] 10点(2005-08-24 21:16:51) |
551. ゴッドファーザー
長編小説の映画化であるが「ストーリーテリング」が全て。天才的な巧さ。 例えば初めの葬儀屋アメリゴ・ボナセーラの懇願シーンだけでドンの権力、性格、ファミリーの構造全てがわかってしまう。 一見華やかな結婚式シーンの中だけでソニー、フレドの性格、トムの仕事、マイケルの立場といった重要な事柄を説明じみること無く華やかなままに全て伝えてしまう。 そして華やかな結婚式のシーンの後にジャック・ウォルツの恐怖のシーンを挟みファミリーのやり方を衝撃的に実践して見せてくれる。 全てのシーンが「ストーリーテリング」の役割を果たし、しかも無駄が無く面白い。 セリフの無い「間」であってもそれはただの間ではなく何かを意味しているのである。 だからこそ長い映画でも全く長さを感じさせない。 小説の映画化とはこうやるのだという完成度で、小説を超え、そして映画という枠組すらも超えているとすら思わされる歴史的な作品。 [DVD(字幕)] 10点(2005-08-24 21:16:05) |
552. 交渉人(1998)
優秀なネゴシエーターである主人公が汚職事件に巻き込まれて被告らにハメられ、無実を証明するために人質を取ってビルに立てこもり、ネゴシエーターと対決するという映画。ネゴシエーターはどのように交渉していくのかというマニュアルを垣間見ながら緊迫感のある展開のアクションは楽しめる [地上波(吹替)] 8点(2005-08-24 21:15:20) |
553. グッドフェローズ
組織のルール・価値観が全ての世界で全員の利害に合う仕事をしていれば身分は保障され組織の均衡を乱すと突如死が待っているマフィア世界を描く。マフィアの華やかさを前半で描き続け観客がこの世界も悪くない思い、デニーロ、ジョーペシらの個性にこいつら愉快な奴らじゃないかと錯覚しかけた所で突如暗部へ触れていく転換が衝撃的。個人の視点から描くことで観客にまるで組織の一構成員になったかのように思わせる臨場感が秀逸。 [DVD(字幕)] 10点(2005-08-24 21:14:17)(良:1票) |
554. クール・ランニング
スポーツコメディの最高峰。各人性格がバラバラでそれぞれ役割があり、漫画原作的で史実というよりは脚色が強いのだが、ジャマイカの社会や各人の人生をしっかり書いてる所が良い。カルチャーショックネタの数々が笑えた。ジャマイカンなノリでテンポよく進み、コメディあり、ヒューマンドラマあり、社会風刺ありと飽きさせない。大人から子供まで楽しめる傑作 [地上波(吹替)] 9点(2005-08-24 21:13:33) |
555. キューティ・ブロンド
私が高評価した他のラブコメ(この話はただのコメディな気もするが)と比較しても遜色ないほど面白いが、話が軽すぎると言うか、主人公が力をつけていく過程が全く軽く流されてたり、参考人や犯人が馬鹿すぎるほとんどギャグ漫画のノリの裁判とかその辺で拍子抜けしてしまったので…そこがこの映画の良いところということは十分理解しているが高得点をつけるのには戸惑う。話自体は7点つけてもいいほど面白いと思いますよ [DVD(字幕)] 6点(2005-08-24 21:12:19) |
556. キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン
アメリカに実在した天才詐欺師の物語。これまた他の実話映画の例に漏れず単調な作品になることは取る前から目に見えてるんですがE.T.を壮大な映画に仕上げたスピルバーグ&ジョン・ウィリアムズコンビに期待を託したんでしょうな。他の作品のレビューに散々書いてるようにスピルバーグといえば「光」なんですが、この映画は題材が題材なだけに光を駆使するシーンも限られ今ひとつ盛り上げられなかったようです。明暗を存分に使える刑務所シーンが唯一スピルバーグらしかったりするのは皮肉か。さてディカプリオですが、別に私はディカプリオを過小評価するつもりはありませんがこの作品に関してはあまり良い出来とは言えませんね。実在した他人を演じるのに自分の色が出すぎるのはどうかと。しかもこの詐欺師の凄い所は10代でこの所業をやってのけたことなんですが、ディカプリオが自分の馬鹿っぽいイメージを消してなんとかインテリ(というか狡猾)なイメージに見せようと苦心したのかあまりにも大人っぽい演技をしてしまったため10代には見えず凄さがイマイチ伝わってきません。実年齢より若い役をやらされる童顔俳優というのは難しいのだろうと思いますが30歳で高校生を演じさせられたバックトゥザフューチャーのマイケル・J・フォックス辺りと比べても違和感はありました。 [DVD(字幕)] 6点(2005-08-24 21:11:32) |
557. キャスト・アウェイ
《ネタバレ》 無人島サバイバルはさまざまな映画、漫画で描かれているので新鮮さは無い。ドラえもんののび太の漂流話にしても十五少年漂流記にしてもみんな似たようなストーリーである。でも結局楽しめちゃうのがこの話なんだよな。これはそれよりも帰ってからのストーリーが主題か。もうちょっと深い人間ドラマでも良かったと思うがハッピーエンドじゃない点は評価。 [DVD(字幕)] 6点(2005-08-24 21:10:31) |
558. 奇跡の人(1962)
サリヴァン先生によるヘレンケラー教育を描いた映画。パティ・デュークの熱演は驚愕の域にあり、ドキュメンタリーとすら思えるリアリティがある。子供時代の教育風景だけではエンターテイメント性もドキュメント性もどっちつかずで、その後のヘレンの活動とかも描いてほしかったので高得点はつけないが見て損は無い。 [DVD(字幕)] 6点(2005-08-24 21:09:45) |
559. ガール・ネクスト・ドア
どこにでもあるような美人が登場するメリーに首ったけ系ロマンティックコメディ。安定して面白いがストーリーからオチまであっさり読めすぎた [DVD(字幕)] 6点(2005-08-24 21:08:29) |
560. 狼たちの午後
《ネタバレ》 次第に犯人に同情的になっていく人質達や、犯人を熱狂的に支持する野次馬たちがいかにも権力に卑屈に反発するこの頃の低俗な社会イデオロギーを醸し出す実話に基づいた映画。飛行機を要求し海外へ逃亡しようとする点でよど号事件と被るが、この事件では犯人の片方を強行に射殺、もう片方には重刑が課せられた。この強行さはよど号事件をまんまと成功させ日本人連続拉致事件の足場を作ったり、浅間山荘事件で犯人を生かしておいたばかりに「超法規的措置」を許しその後の日本赤軍テロに結果として加担した日本警察も見習うべきところがある。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2005-08-24 21:07:30) |