541. センター・オブ・ジ・アース2 神秘の島
《ネタバレ》 『ここはどこだ』『何とか脱出しなきゃ』の1作目に比べると、雰囲気やや穏やかめの2作目。違うのは子どものほうが主体で冒険に出ようとするところ。ハンクは完全に保護者状態。行方不明の祖父は超元気だし。だから終始ほのぼのとした雰囲気が漂っています。人数が多いのもピクニック感を増していますね。 よって、『脱出のハラハラドキドキ』はトータルで見れば前作のほうが上。どちらも子供向けではありますが、強いて言うなら前作のほうがスリリングでサスペンスフルかと。 ですが、神秘の島の造形、美しさ、そして生物の多様性、こういった観点からすると今作のほうが見応えがあります。 まずは巨大な竜巻。これが圧巻。 島に着いてからは巨大とかげ。巨大卵。巨大アリ。巨大な蜂。巨大な蜘蛛。巨大な電気ウナギ。直接襲ってくるものは少ないですが、そーゆー生き物達が席巻している世界にいるというだけでわくわくするのです。 アトラクションムービーとしての完成度は高い。間違いなく子供は喜ぶはず。 映画として見ると・・・何しろ前作以上にストーリーがあってないようなものですからね。島にやってきてすぐ島が海底に沈むピンチに遭遇するなんて、相当いい加減なシナリオ。それに、海に沈んだり浮かんだりする島に、これだけ多種多様な生き物が繁栄できるわけがありません。 まあ、まともに考えれば頭がおかしくなるので、あくまで空想ファンタジーアドベンチャーとして、ありえない世界を楽しもうって気持ちが大事だと思います。 [DVD(字幕)] 7点(2020-02-08 04:53:00)(良:1票) |
542. リミットレス
《ネタバレ》 ヴァーノンを殺した組織がその後一切出てこない。ヴァーノンが何をしていたのかも語られない。エディは記憶がない間にモデルを殺してしまったのか。その真相も闇の中。と、こんな感じで説明不足や投げっぱなしのエピソードが散見する作品。ですが、そんなマイナス要素が気にならないくらい、この作品にはパワーがあります。 薬を飲んで脳がフル回転。トーク力アップ。観察力アップ。掃除力アップ。40分で大学の論文を代筆し、小説を4時間で書き上げる。その小説は編集者から大絶賛。このシークエンスだけでテンションは一気に上がります。 やったことはないですが、ドラッグをやる人たちってこれに近い感覚を味わっているのかもしれません。全能感や万能感に酔いしれてしまうみたいな。薬が切れたときのエディの症状。あれってまさにドラッグの禁断症状じゃないんだろうか。その末路の一例として、メリッサの口から語られる身の上話。この身の上話が結構エグイ。もしかしてこの作品はエンターテイメントに見せかけた『ドラッグ、だめ。絶対』の啓発運動なのだろうか。だとしたらラストは悲惨な結末しかあり得ないじゃん。 と思いながら暗い気持ちで見ていたら、まさかのハッピーエンド。これもある意味どんでん返しですね。 薬の成分を解明し、危険な副作用を取り除いた?それはわかるとしても、結果薬を飲まなくてもよくなったって・・・。しかもシナプスが変化してスターマリオはそのまんまですか。今までみた映画の中でもかなり強引。 で・す・が、ハッピーエンド好きの自分としましては、整合性の欠片もない、ご都合主義の究極系のこの終わり方にさえ、ちょっとニヤニヤしてしまうのでした。ロバート・デ・ニーロをやりこめちゃうのがちょっと清々しかったんですよね。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2020-02-04 03:18:05)(良:1票) |
543. カンフー・パンダ3
《ネタバレ》 前2作と比べるとちょっと物足りない。ポー以外のマスター達の活躍の場が少ない。キャラクターの多様性がこのシリーズの魅力なのに、この作品はそれが活かされていない。マスタータイガーとポー以外のマスター達はただのモブキャラ、やられ役に成り下がっちゃって残念です。 基本はポーとカイのターン。これじゃあドラ○ンボール末期状態。 パンダの里の交流シーンもちょっとくどいかな。もちろん面白いのは面白いです。パンダの生活を学ぶポー。パンダの子供たちに振り回されるポーの育ての親。コミカルでゆるい、癒し系の笑い。それはそれで悪くない。ですが『それ』が見たくてこの映画を見ているわけではないんですよね。 ポーがパンダたちに闘い方を教え始めてから、物語は一気に佳境へ。これは好きなシーン。特訓シーンって、なぜこうもわくわくするのでしょう。遠足当日より遠足前日のほうがわくわくしちゃう感覚に近いのかもしれません。この辺りからさすがに盛り上がり始めます。 で、今回のバトルのメインは『気』。ん~、なんか違う気が。そもそもシーフー老師ですら習得するのに長い年月をかけた『気』を、なんの心得もないパンダたちが、幼い子供に至るまで簡単に習得しちゃうってのが腑に落ちない。ポーに教えを乞うシーフー老師なんて見たくないです。 ハッピーエンドだし、好きなシリーズだし、アニメーションは相変わらず素晴らしいし、エンターテイメント作品としては申し分ないと思います。 ですが『カンフーパンダ』シリーズの集大成としては、なんかちょっと期待と違うものでした。 [ブルーレイ(吹替)] 6点(2020-01-24 09:57:11)(良:2票) |
544. クローバーフィールド・パラドックス
《ネタバレ》 宇宙系の映画って、マニア気質、オタク気質のものがとても多いです。作り手側ばかりが盛り上がって、見ているほうは何がなにやらさっぱり。それにこの内容で『クローバーフィールド』を冠するってどうなの?1作目とも違えば、2作目とも違う。せめてどちらかの続編であってほしい。 『壁にめりこむ』『ミミズボンバー』などなど、映像技術の進歩により、視覚では楽しませてくれます。でも逆に言えば、それしかない。プロット的、ストーリー的面白さがまるでないのです。映画がつまらなすぎて間がもたないから、ショッキングな映像で無理矢理間をもたせているようです。 唯一の長所は、『続きが気になる』。ただそれだけ。 内容は明らかに詰め込みすぎ。『宇宙船パニック』『エイリアン襲来のパニック』『2つのパラレルワールド』『裏切りサスペンス』。盆と正月がいっぺんにきちゃったような内容。そもそも、2つのパラレルワールドが交差しちゃうほど次元がねじれちゃったせいで、船内は何でもアリの状態に。予想をはるかに超えることが次から次に起こっちゃう。だから『リーダーの自己犠牲』のシーンとか、『ジェンセンの最後の裏切り』とか、何のインパクトもない。 ハミルトンの子供たち、もう一つの世界では生きている。違う人生を歩んでいる。明らかに今の自分より幸せそう。その設定自体は面白い。ですが作り手側がそのシチュエーションに陶酔しちゃって、もう一人の自分にメッセージを残すシーンは明らかにくどい。 ハミルトンのだんなが地球で救う子供とか、いったい何のためのエピソードだったのか、必要性が感じられない。 ラストのオチは、まあ好き。『地球は今とんでもないことになっているよ』ってのは面白い。でも夢も希望もないですね。 [ブルーレイ(字幕)] 3点(2020-01-23 13:17:27) |
545. 10 クローバーフィールド・レーン
《ネタバレ》 前作の続編、もしくはスピンオフ的作品を期待しての鑑賞。結果は全くの別物。よくあるドキドキ密室監禁でスタート。こりゃ失敗したかと落胆。そーゆーサスペンスを見るつもりなら良かったのですが、あくまで『クローバーフィールドの2作目』というスタンスでいたもんですから。最初のハワードとミシェルの攻防になんの興味も湧きません。なんかちんたらしていて、全然ドキドキしない。ベンが出てきてからも同じ。 で、もう惰性で見ていたのですが、ミシェルがハワードから鍵を奪ったあたりから急に面白く感じ始めます。外から助けを求めるおばちゃん。その女性の惨状を目の当たりにして、ハワードのことを信用するミシェル。で、ミシェルとベンとハワードが新たな気持ちで再スタート。ポップで明るい音楽と共に、三人の楽しそうな共同生活のシークエンス。個人的に好きなんです。こーゆーの。関係ないんですが、ジョージ・A・ロメロのゾンビシリーズでは、『絶望』『緊張』『終末』といった極限状態の中、『非日常の中の日常』という平穏や幸福が必ず挿入されるんです。この作品ではこのシークエンスがまさにそう。これがあるのとないのとでは、この作品に対する評価が大きく変わるのです。 このシークエンスがあるからこそ、ハワードのベン射殺シーンが、狂気だけではなく、三人の平穏な生活の終止符を告げるある種の切なさを感じさせるのです。そしてそこからは怒涛の展開でクライマックスまで一気につっぱしります。 ですから、『クローバーフィールド』の続編として見なければ、サイコサスペンスとしてそれなりに面白い仕上がり。中盤以降はかなり盛り上がります。普通と違うのは、ハワードの外の世界の情報が本当だったこと。前門の未確認生物と後門のサイコパス。あなたならどちらを選びますか、という救いようの無い2拓問題。 『緊張』と『緩和』の繰り返し、その絶妙なバランスがちょっとクセになる、一見の価値アリ的作品だと思います。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2020-01-23 13:01:22)(良:1票) |
546. 最強のふたり
《ネタバレ》 これが実話っていうのが凄い。障害者の大富豪と貧しい黒人青年。描き方によっては重く、暗くなりそうな題材を、明るくポップに仕上げた作品。不謹慎になるかならないか、かなり際どい絶妙なバランス。でもそれがこの映画の魅力になっていそうです。『心のバリアフリー』とでもいうのでしょうか。『富豪』『障害』という肩書きを完全にスルーしちゃうドリスに、フィリップだけでなく、見ている私達も爽快な気分を味わうのです。 こーゆー作品にしてはユーモアのセンスも抜群。『絵』のくだりは最高。『白いキャンバスに鼻血つけただけじゃん。俺が描いてやるよ。なんなら青いペンキも足してやるし。』に始まり、ドリスの絵が売れるまでのコント劇。11,000ユーロで売れたときは『売れたっっ!』って笑いが止まらんかったです。芸術って何なんでしょう。ついた金額がその絵の価値を決めるのか? フィリップのラブレターを小馬鹿にするシーンも面白い。そういった意味では、心温まるヒューマンドラマというだけでなく、ちゃんと『映画』というエンターテイメントに昇華されているのが素晴らしい。 サイドエピソードについてはやや詰め込みすぎ、説明不足、消化不良気味であることは否めません。フィリップの娘。ドリスの家族。抱える問題がどのように解決され、今どうゆう状況になったのか、肝心なところが明かされないままです。ですので、ちょっとすっきりしない部分は残ります。 とは言え、ハートフルでプチサクセスなコメディドラマとして、見る人を楽しませてくれる作品なのは間違いないでしょう。 [ブルーレイ(吹替)] 8点(2020-01-19 11:30:45)(良:2票) |
547. アイアンマン3
《ネタバレ》 こーゆーヒーローものって、ヒーローの特殊性ってのが大事だと思います。唯一無二の存在。だから憧れる。ワクワクする。 なのに、遠隔操作はまだしも、あんなにいっぱいアイアンマンが出てきたら、ちょっとアイアンマンの価値が下がっちゃう。『ガンダム』をベースに『ジムシリーズ』を量産化したみたい。それを象徴するかのように、今回のアイアンマン、なんか脆い。ちょっと攻撃を受けたり着地に失敗しただけで、すぐにバラバラになっちゃう。なんだか、1作目で感じたアイアンマンへの羨望、期待感、ワクワク感がちょっと薄れちゃった感じです。 中盤でアイアンマンの活躍がほとんどないのもちょっとつまんないな。アイアンマンが見たいんだから、もっと出番を増やしてほしい。もっと活躍するシーンを見たいです。 テロリストのボス『マンダリン』は『キリアン』の操り人形。さらに副大統領という黒幕がもう一人。ストーリーを無理にひねりすぎちゃったせいで、映画全体のテンポを損なってはいないだろうか。 『アイアンマンがヒーローらしい活躍をして、最後は敵をバッタバッタとなぎ倒す』私がシンプルに見たかったのはそーゆー映画。長尺のわりに、爽快感やカタルシスをあんまり感じることの無いまま幕をとじます。 『薬物による強化人間』『いろんなアイアンマンシリーズのお披露目会』『飛行機から投げ出されちゃった人たちの救出』などなど、見所は確かに結構あります。エンターテイメントとしては申し分ないでしょう。でもアイアンマンに期待する内容ではなかったのが正直な感想です。 [ブルーレイ(字幕)] 6点(2020-01-12 01:04:27)(良:1票) |
548. 幸せへのキセキ
《ネタバレ》 実話をベースにした心温まるサクセスストーリー。好きなジャンル。マット・デイモンが凄く良くて、終始応援したくなる人物として描かれています。 動物園の再建。従業員との交流。家族との絆。そのどれもが丁寧に描かれています。ただ、そのどれもを同じ割合で描いてしまったため、主題がぶれている感じもします。もしエンターテイメント色を強くするのであれば、動物園再建をメインに、それ以外のドラマは添え物程度という選択肢もアリかもしれない。そのほうが目的がはっきりして、よりテンポよくストーリーを楽しめたかもしれません。家族のドラマや思い出にふけるシーンだって、さりげなくストーリーに入れ込んだほうが逆に感動するってこともあります。特に、ベンジャミンパパと息子ディランのパートは内容的にしつこい気がしないでもない。ディランのひねくれエピソードがけっこうあるので、同情よりもイライラする気持ちのほうが勝っちゃいます。で、ひっぱった割に、二人の和解は結構あっと言う間で、それも特別な事件がきっかけというわけでもなく、本音をぶつけあって終わり。いや、まあ実際そんなものかもしれませんが、それを映画でやられてもねぇ。 園のオープン日は感動的でした。一番好きなシーンです。倒木の向こう側にたくさんのお客さんが待ってくれているシーン。正直ここで終わってくれてもいいくらいです。 巷でとても評判のいいクライマックスの『奥さんとのなれそめエピソード』ですら、個人的には要らないとすら思っちゃいました。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2020-01-10 04:24:45)(良:1票) |
549. カンフー・パンダ2
《ネタバレ》 こーゆー頭からっぽにして見られるエンターテイメントは貴重。個人的には前作よりやや好き。なぜならマスター5とポーが力を合わせて活躍するシーンがたくさんあるから。特に今作ではマスタータイガーは準主役的な立ち位置で、かなりかっこいい。 今作はポーの出生の秘密が明らかになるストーリー。前作よりドラマ性があります。 ただドラマ部分より、やっぱカンフーシーンが面白いこの作品。動機づけがあったほうがアクションは確かに盛り上がりますが、『故郷、両親を奪った宿敵を成敗』みたいなストーリーではないので、ドラマパートが盛り上がりに一役買っているとは言い難い。 で、アクション。悪くはないんですが、最大の脅威が『花火大砲』って無機物なのが、どうも興を削ぎます。敵ボス、シェンの登場シーンは、なかなか良いんです。暗器系のシェン、前作のタイランとはタイプの違う強敵。それに今作では隻眼のウルフやゴリラなど、他にも強そうな敵キャラ登場。バラエティに富んでいます。だからこそ、あまりわちゃわちゃせずに、真っ向勝負のチーム戦が見てみたかった気がします。でかい武器や船など、ギミックを多く登場させたことで、ちょっと奇をてらいすぎた演出になっちゃいましたね。 とは言え、総合点をつければ、カンフーアニメとしては完成度の高い本作。 シーフー老師、マスターワニ、マスターサイが参戦してからは興奮度MAX。いまいち華のない主役ポーが最後の最後で見せる奥義のシーンなど要所要所でしっかり盛り上げてくれているので、いいんじゃないでしょうか。 [ブルーレイ(吹替)] 7点(2020-01-08 08:13:27) |
550. 96時間 レクイエム
《ネタバレ》 個人的には1>3>2の順で好き。やはり一番良いのは1作目。 3作目は大変良質なサスペンスアクション。その代わり、1作目にあったようなオリジナリティは薄れてしまった印象。ただこれだけたくさんのアクションムービーが氾濫する昨今、もはやこのジャンルで新しいものを生み出すのは不可能に近いのかもしれません。つまり、この3作目がどうのこうのというより、オリジナリティを出すことに成功した1作目が大変素晴らしかったのでしょう。 今作のストーリーはちょっと辛いです。なにせレノーアが死んでしまう。濡れ衣を晴らしても、前作のエピローグのような幸せなシーンを見ることはできません。でもしんみりした雰囲気にはならないのです。なにせ『ブライアン』『警察』『謎の組織』の三つ巴戦で映画は目まぐるしく動き回ります。 フォレスト・ウィテカー演じるドッツラー刑事。彼を優秀な刑事にしたことで、ブライアンとの頭脳戦が面白く描かれます。これは前二作とは違うところ。その代わり、『逃亡者』にちょっとテイストが近づいてしまいます。それはさておき、がっちり警察にマークされたキムとあの手この手で接触を試みるのは本作の見所のひとつ。更には、3作目にして遂に元仲間たちが参戦。念願のチーム戦になったわけですが、サポートに徹する仲間たち。アクションパートで実動するのは結局ブライアンただひとり。やっぱ肝心なところは前二作とあまり変わらないのでした。 スチュアートが最初顔を見せたときから怪しさ満点。マランコフが真相を教えてくれたところで、『さもありなん』って感じで、サプライズにはならず。もし、『レノーア、スチュアート、キムが超絶仲良し親子で、それにちょっと寂しそうな顔をするブライアン』、みたいな導入であれば、真相がわかったときの感想は違ったものになったかもしれません。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2020-01-04 02:48:03) |
551. 96時間 リベンジ
《ネタバレ》 1作目に比べると、有無を言わさぬ無双感はやや減ったかな。前半が防戦一方、逃げの一手で、そこが前作とは違うところ。ただ、その分緊迫感は前作より上。 目隠しをされて拉致。移動中に覚えておいた『時間』『鳥』『船』『演奏』などの『音』をヒントにアジトを特定。こんな離れ業をやってのけるブライアンはやっぱスーパーマン。 今作はカーアクションだけでなく、アクション全般にわたってカット割が早い。スピード感があるが、画が見づらく状況がやや把握しづらいのが難点。 ストーリーは『拉致』『脱出』『救出』『殲滅』。娘がサポート役にまわり、銃を届けたり車の運転をするのは前作と違うテイストで面白かったです。ただ、その分ブライアンの敵に対する非情なくらいドライな部分がうまく描ききれていない印象。最後だって見逃してあげようとするし。ブライアンの無敵っぷりを堪能しようと思ったら、ちょっとだけ物足りなさが残る出来かもしれないですね。 とは言え、目を見張るシーンが多く、エンターテイメント性に優れた作品であることは確か。『アメリカ大使館に車でつっこんで避難』⇒『電話で元CIAの友人に身の安全をお願いする』シーンなんか、かなり好き。良質なアクション映画に仕上がっています。 ラストは前作より良いかもです。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2020-01-02 00:35:25)(良:1票) |
552. モンスター上司
《ネタバレ》 三者三様のパワハラ。これがすごい面白くて、すぐに映画にのめりこみます。テンポがよく、スピード感があって良い。コリン・ファレルやケヴィン・スペイシー、ドナルド・サザーランドなんかの大物俳優、演技派俳優が上司役ってのも良かったです。 で、肝心のパワハラ、セクハラ対策はどうするのだろうと思ったら、まさかの交換殺人。映画の出来、不出来とは関係なく、あんまり安直な発想にちょっと興醒めです。そこから先はグダグダなサスペンスコメディ。それぞれのターゲット宅に侵入。この辺りから三人のバカっぷりが暴走。個人的にはもう笑えなかったです。いや、ピーナッツアレルギーで死にかけたのをデイルが助けちゃったのは笑いましたが。 ストーリー性のあるコメディってのは本来好きなんですが、これはコメディに重きを置きすぎている感じがして、ちょっと肌に合わなかったのが残念。 ラストのデイルの逆襲だけはちょっとスカっとしました。 [ブルーレイ(字幕)] 5点(2020-01-01 23:50:05) |
553. アベンジャーズ(2012)
《ネタバレ》 念願のアベンジャーズ。やっと見れました。感動。スーパーヒーロー勢揃いで最高。個人的に好きなハルクやキャプテン・アメリカもしっかり活躍の場があって嬉しい。最初ばらばらだったメンバーが、次第に力を合わせて共闘していくのがたまらなく良い。ブラック・ウィドウやホークアイのような脇役の使い方も抜群にうまい。脇役ながらもただ者ではないことを感じさせる二人。脇役には脇役の華がある。この二人は脇役として最高です。 『アイアンマンVSソーVSキャプテンアメリカ』『ブラックウィドウVSハルクVSソー』『キャプテンアメリカ&アイアンマンVSロキ』どれも小競り合いだけど、本題に入るまでのつなぎとしてこーゆーミニバトルがいっぱいあるからとにかく楽しい。もちろん最後の総力戦が一番盛り上がります。 異世界からの侵略者。真昼間から何も知らない街の人々が襲われる。それをヒーローたちが撃退する。もう最高にべたな展開なんですが、やっぱこーゆーのが一番盛り上がりますよね。 ヒーローたちが守るべき一般人たちはオーディエンスにもなりえます。観客がいるから盛り上がる。これ大事。 スタークがいるんで、終始ちょっとおちゃらけた雰囲気なのに、フィル・コールソンが死んじゃうエピソードだけは毛色が違ってちょっと悲しすぎます。そのエピソードがないとヒーローたちは本当に一致団結できなかったのだろうか。だとしたら、せめてヒーローたちが見守る中で息を引き取るとか、もう少し説得力をもたせて欲しかった気がしますね。 [ブルーレイ(字幕)] 8点(2019-12-21 03:33:50) |
554. REC:レック/ザ・クアランティン2 ターミナルの惨劇
《ネタバレ》 『ターミナルの惨劇』から連想する、空港を舞台とした大掛かりなパニック・・・ではありませんでした。ターミナルだけどバックヤードじゃん。なんか『空港ならではっ!』っていうシーンを期待してしまいました。 とは言え、RECシリーズ好きだし、ゾンビもの好きだし。サバイバルも好きだし。最低限の面白さは保証してくれるゾンビ映画です。 このシリーズは感染者が少しずつ増えていって、仲間がどんどん減っていくっていう焦燥感が好きなんですが、その感じは弱かったです。演出がいまいちなのかな。気付けばみんなゾンビになっちゃっている感じ。 空港に着いてから速い段階で照明を落としちゃうので、全体的に画が暗くて見づらいってのも良くない。 このシリーズで個人的に好きなのが、『非日常の世界へ巻き込まれちゃう運の悪いひとたち』。例えば貨物係の人。偶然その日、その場でいつも通り仕事をしていただけなのに、自分までいつのまにか乗客と一緒に封鎖されちゃっている。この突発的な理不尽さが結構好きです。突然、感染者グループと同じ扱いを受けてしまう不条理。当事者になるかならないかなんて紙一重。そう思わせてくれる演出が好きなんです。 そーゆう意味で言うなら、きまって政府の『なんとか対策』の人たちがやってきては、100パー襲われちゃうのもつぼ。その瞬間『政府側』から『隔離される側』の仲間入り。高みの見物を決め込んでいる人間が引き摺り下ろされる瞬間。人生の明暗を分ける瞬間に立ち会っているようで、言いようも無く楽しいのです。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2019-12-16 21:54:04) |
555. キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー
《ネタバレ》 こーゆー等身大ヒーローって好きです。 前半1時間くらいは展開がだるくて地味。でも中盤以降、スティーヴ・ロジャースが第107連帯のメンバーを助けてからが俄然面白い。お飾りのマスコットキャラクターから、名実共に真のヒーローへ。こーゆー安直な展開が嫌いではないです。トミー・リー・ジョーンズから次第に認められはじめるって流れも微笑ましくて良いですね。 ださかっこいいコスチュームがたまりません。闘い方が肉弾戦と盾のみっていうシンプルなファイターなのも実に良い。この戦闘力じゃあ超人揃いのアベンジャーズの中では見劣りしちゃいそうですが、脇役好きの私にとってこーゆーキャラこそがアツい。 他のヒーローたちに比べると、ストーリーが結構切ない。好きな人と離れ離れになっちゃって、自分だけ70年後に目を覚ますなんて。だから見終わった後の爽快感とか、達成感とか、そういったものはあんまり味わえなかったです。 それにしても結構集団での戦闘が多く、レトロな衣装を纏いながら、ビーム兵器で撃ち合う終盤のシーンなんかまるでスターウォーズみたいだと思ったのは私だけ? [ブルーレイ(字幕)] 6点(2019-12-16 20:28:56)(良:2票) |
556. ティンカー・ベルと輝く羽の秘密
《ネタバレ》 なるほど。悪くないですね。ただ、テイストは『3』のほうが好きです。 今作は、安定した面白さではありますが、ストーリーとオチが弱い。 『実は双子の姉妹がいました。』っていうおいしい設定が、エンターテイメントや感動にまで昇華されていない感じがします。なんかただの異文化交流で終わっちゃったのがもったいない。とは言え、その異文化交流でシルバーミストやフォーンたちがペリウィンクルをもてなすシーンはかなり良いです。 後半はうって変わって突然の災害パニック。ミロリが『雪製造マシーン』を川に叩き落したことで、まさかまさかの大寒波襲来でピクシーホロウ壊滅の危機。予想はできても急展開。『どーなんの、どーなんの、なるほど、そーなんの。霜で覆う。へえ~。ほんとかね~。そんでそんで、・・・お日様が照って・・終わり。』 う~ん、なんだかなあ。せっかくティンクとペリウィンクルの『羽コラボ』って必殺ギミックがあるんだから、それを使って季節のバランスが元に戻るとか、そーゆー奇跡が見たかったなあ。 コートを着て、羽を霜で保護すれば、ピクシーホロウの妖精たちは冬のエリアに行けるっていう幸せなオチは良かったですね。 終わりよければすべてよし。 ちなみに、ブルーレイディスクの特典おまけ映像に収録されている『ロゼッタ奮闘記』は本編よりお気に入り。ちょっとハリーポッターとマリオカートのパクリっぽい気がしないでもないですが、面白いです。おまけのくせに20分くらいあります。 [ブルーレイ(吹替)] 6点(2019-12-16 13:55:56) |
557. ティンカー・ベルとネバーランドの海賊船
《ネタバレ》 いやー、全然悪くないです。面白いです。みんなの才能が入れ替わっちゃうアイデア、ありきたりですが面白いですよね。それぞれ慣れない才能にあたふた。特にイリデッサは最高。どんどん植物が育っちゃう。安定感抜群のエンターテイメント。 なんですが、ただ、ただねえ。心の狭い私は、ザリーナの無罪放免にどうしても納得がいかんのです。それどころか、のうのうとピクシーホロウに戻ってきて、あまつさえショーの主役やって拍手喝采って、開いた口が塞がらんです。 だって、ザリーナのやったことって、不可抗力じゃないよ?故意だよ?犯罪だよ? 『粉の番人は粉に手を加えちゃいかん。危険すぎる。』ってあれだけ言われていたのに、手を加えて、大事故どっかん。でもそれくらいだったらティンクもやっているから別に良いです。不可抗力だし。 問題はその後だよ。逆恨みして全員眠らせて、青い妖精の粉を盗んで、そのままとんずら。いやいやいや、ティンク達がいなかったらピクシーホロウは壊滅していますよ?クランクがいなかったら冬の妖精たちは死んじゃっていたよ?それを故意にやったんですよ? せめて、クラリオン女王達がザリーナのやったことを全部承知のうえで、それでも許すっていうのであれば、まだわかります。でも実際は、命の危険にさらされていた事実を知らされないまま、ザリーナを受け入れてしまう。それって、ザリーナたちだけじゃなくて、ティンクたちも後ろめたくはないんですか? もちろん、そんな野暮なつっこみする作品ではないことは百も承知なんですが、・・・だって気になるんだもん! [ブルーレイ(吹替)] 6点(2019-12-16 13:55:18) |
558. ティンカーベルと流れ星の伝説
《ネタバレ》 今回の主役はフォーン。動物の妖精らしく博愛の精神に満ちていて、どんな生き物も平等に扱う。天敵の鷹のヒナだって、怪我をしていたら助けちゃう。オープニングのつかみはばっちりです。 今回は『守りの妖精』という新しい妖精が登場。オープニングのひと騒動で、フォーンとの関係性がなんとなくわかるようになっているのがうまい。 『守りの妖精』は武闘派。はっきり言ってかっこいい。スピーディーな連携アクションは見応えがあります。 今作のメインはネバービースト、グラフの目覚め。外見が恐ろしい怪物と、小さな妖精の心の交流。こーゆーのって全世界共通でみんな好きそう。だから定期的に同じようなプロットで作成され続けるのでしょう。 守りの妖精たちはグラフを危険視し、フォーンは守ろうとする。ここまではよくある話。『人を見た目で判断しちゃいけません』みたいな道徳的教えもあるのかもしれません。 で、ちょっと面白いのがこのグラフが本当に危険な存在かもしれないと思わせる演出、前フリの数々。グラフの目つきが変わっていくのが凶悪に見えるんですよね。 ずっとグラフをかばっていたフォーン。でもティンクが傷つけられたことを知って、遂にグラフを裏切ってしまいます。でも実は実は・・・って感じで真相が二転三転していくのが面白い。ストーリーとしてはなかなかよくできた作品です。 でもシリーズのファンとしては、いつものメンバーがフォーン以外あまり活躍しないのは、物足りないなと思う今日この頃です。 [ブルーレイ(吹替)] 7点(2019-12-16 13:53:18) |
559. ペントハウス
《ネタバレ》 導入部分がやや苦手。仕事が出来る人間で、しかも仲間思い。そんな人が仲間のために熱くなっちゃったせいで不利益を被るってのが好きになれません。 ジョシュは仕事にプライドを持っていて、従業員、客、全員を大事にしています。そんなジョシュを簡単にクビにしてしまう経営者にも腹が立つが、簡単に犯罪に手を染めようとするジョシュにも共感できません。 もちろんそーゆー作品なわけですから、腹を立てても仕方がない。でも腹が立っちゃったものは仕方がない。それだけオープニングのジョシュという人物に魅力があったわけです。なんかちょっと幻滅しちゃった感じでしょうか。 正直ずっと気持ちがノリきれないまま、もやもや見ていたのですが、最後に皆で力を合わせるのはちょっと良かったです。こーゆーの好きです。で、あっという間にみんな捕まっていくエンディングも良い。護送車の中でショウがもちかけた取引に、『タワーでチップは禁止です。』なんて切り返すのもお洒落じゃないですか。 従業員たちに年金代わりに純金を送り、ショウは遂に刑務所へ。勧善懲悪なのでラストはすっきり。ですが、その過程において、どーしてもこの人たちを応援しようという気持ちになれなかったので、点数は厳しめです。 [ブルーレイ(字幕)] 5点(2019-12-06 01:16:25)(良:2票) |
560. アイアンマン2
《ネタバレ》 『1』と同じくらい好き。ラストバトルだけでいけば前作よりちょっとだけ好きです。 アイアンマンとウォーマシンのタッグがめいいっぱい闘ってくれるシーンが楽しい。ドローンたちもやられ役としてちょうど良い。ウィップラッシュはクールなボスキャラとして合格点。まだ『2』ですから。『強すぎない』というのが大事。特にモナコでの登場シーンは最高。ワクワクさせられます。 スカーレット・ヨハンソン演じるブラック・ウィドウも最高にかっこいい。良いですね。こうやってちょっとずつキャラが増えていき、その世界が少しずつ広がっていくのがシリーズものの醍醐味。普段は黒子に徹しながら、いざというときだけ本領を発揮するブラック・ウィドウ。こーゆーキャラが特に好きです。 ストーリーをジャマしないコメディが◎。監督が必死に一人倒している間に、警備員全員が倒されちゃうシーン。世紀の大発明、芸術作品ですらある『別れた妻』。この辺りは完全につぼ。 今作ではアイアンマンのヴァージョンアップも見られます。手から出るレーザーでドローンたちを一刀両断。あつい。 ヴァージョンアップまでのプロセスも良いですね。父親のメッセージっていうのが泣かせます。模型がヒントになるっていうマンガ的発想が楽しい。 マンガと言えば、ウィップラッシュはグフ、ウォーマシンはガンキャノン、ドローンたちはその他ザコMSを連想しちゃったのは僕だけですか? [ブルーレイ(字幕)] 7点(2019-11-30 11:45:09)(良:1票) |