41. スパイダーマン2
前作以上にライミ色が強くなっていてうれしかった。特にドック・オクが暴れる手術室のホラーっぽいシーンは”死霊のはらわた”をも彷彿させる。得意の高速逆ズーム、斜め構図もいっぱい見れたし。ブルース・キャンベルが前作のプロレス司会者から引き続き劇場のドア係として出ているのも爆笑。はやく”死霊のはらわた4”でも撮って頂戴よ! 8点(2004-08-08 21:48:47) |
42. リディック
前作”ピッチ・ブラック”が大好きなので期待してました。今回リディックは前作と比べ物にならないほど大事に巻き込まれてしまってました。この映画で一番感じたのは監督D・トゥーイのあふれんばかりのSFへの愛情でした。彼がおそらく子供の頃から心躍らせたSFの世界を大金を投じて映像化できたわけです。ハイテク技術を駆使しながらもアナログなデザインは前作同様。宇宙船もスイッチなんかを足で蹴飛ばして押すようなアナログ感覚がたまらない。色使いなど映像センスも秀逸。場面にあった構図やカメラワークにライティングはかなり評価されていいと思う。きらびやかな表現に毒されてしまった人には最悪なデザインと思われるかもしれないが、D・リンチが砂の惑星でやり尽くせなかった事を思う存分やってしまっている。実際”砂の惑星”そっくりなラストの決闘シーンは魅力的。ロード・マーシャルの瞬間移動技は”砂の惑星”のバリアーっぽい映像だ。日陰との温度差の激しい星、といった特殊な環境の星が登場するのは前作のようだし、エイリアン3のような刑務所惑星、さらには顔が三つついたでっかい塔はどういうわけか”未来惑星ザルドス”なんかを思い出してしまった。雰囲気や設定は非常に魅力的。残念なのはこの大きく広げた世界を、低予算だった前作のアンチヒーローに背負わせてしまう、という部分に無理がありすぎる。格好いいキャラだが”アンチ”の部分がどうしても希薄になるのだ。低予算だった前作にくらべ見せ場もアクションも倍増しているのにキャラクターの魅力は半減している。しかし前作のファンにも目配せするセリフなどがあるのがうれしい。しかしパンフにもほとんど”ピッチブラック”について触れられていないのはなんでなんだろうか。 8点(2004-08-08 21:43:54)(良:1票) |
43. シティ・オブ・ゴッド
ひえー。ブラジルってこんなところなの?しかし映像、編集が想像以上にモダンで驚き。つかまったちびっこギャングの子供二人のどちらかを殺せ、というときの泣きじゃくる様がリアルですごい。陰惨な話だがエンタテイメント性も高い。それは自分の視点を、気弱で正義感がものすごく強いわけでもない、タナボタに舞い込んでくるラッキーに素直によろこぶオスマン・サンコンそっくりの少年に置くことで心のよりどころに出来るからではないかな。大した映画ですよ。 8点(2004-05-24 23:00:04) |
44. スクール・オブ・ロック
ジャック・ブラックによろしく。まさにJBの映画だ。彼のテンションの高い演技で煽られる。まさにロック。ストーリーは天使にラブ・ソングを とかの部類だが、実に壮快に笑える。ロック・スターを夢見ながら高校の文化祭でロックバンドをやった事を思い出しながら見た今では平凡なサラリーマンで子供が2人くらいいるあなた!ツボだったでしょう?僕は泣きそうにツボでしたよ。 8点(2004-05-09 23:52:12)(良:1票) |
45. キル・ビル Vol.2
面白かった。もともと一本の映画だったんだよな。1でアクションが壮絶な分、それをはぐらかすような殺し方が面白かった。音楽含め、マニアックなサンプリング映画だな、と思ってたけど、ここではさらに演出までサンプリング。中国の修行シーンのざらついた画面、さらにわざとらしい急速なズームアップの多用なんて、まさに昔の香港少林寺ムービーそのもの。ズームアップの度に吹き出してしまった。批評のしようがない程デタラメな映画なんで、これは好みだけの問題だろうね。1も2もこれから見る人は点数なんか参考にする必要ないと思います。 あと最後のクレジットのダリル・ハンナに?マークが付くところが笑える。 8点(2004-05-05 22:50:53) |
46. マッチスティック・メン
超へそまがりな”ペーパームーン”って感じだったな。しかしR・スコットはなんだかほんとにストーリー・テリングがこなれてきたな。なんかそつなく笑わせるし。映像派の部分は窓を開けたときの外の感じ、とかかな。ライティングもこってるけど、さすがにもうスモークもくもくじゃないのね。スピルバーグになりたいのかな。”ブラックホークダウン”が”プライベートライアン”で今作は”キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン”って感じに作品の選び方がスピルバーグっぽいぞ。しかしまあ、ストーリーに釈然としないながらもしっかり楽しんだしな。良く出来た映画と思う。ニック・ケイジも笑わせるしな。 8点(2004-03-08 22:14:47) |
47. パンチドランク・ラブ
PTAはとにかくダメ人間への暖かいまなざしをテーマにする人だ。今回も例外ではない。いささかケレン味のあるオープニングでがっちりつかんでおいてストーリーを語る。今回びっくりなのは時間が意外と短いのと、アダム・サンドラーが実にいいという事だなあ。間違いなくアダム・サンドラーの最高傑作、っていうか他が酷すぎるからね。 8点(2004-03-08 22:07:16) |
48. 28日後...
こら面白い。映像もクールだし。細かい演出が格好いいな。公衆電話の受話器がぶらぶらしてるところとか、いっぱい食料調達して車が出た後空のカートがゆらーっと動くところや。前半の荒廃したロンドンを引きや、俯瞰を使って撮るあたりも絶望感を良く表現してるし。音楽もUKっぽいしな。結構人物を描けているのに感心しましたよ。やっぱ、ゾンビはダッシュで襲ってくる方が怖いな。最初の教会で”はろー”って言った瞬間ゾンビがむう!って起き上がるところが好き。だからラストは”ハロー”バージョンの方が好きかな。登場人物は常に”ハロー”と言って答えを望んでいる。思えば”ハロー”の返事を探しつづける主人公達の物語、という一貫性が”ハロー”バージョンの方が明確であるように思う。 8点(2004-03-06 00:40:22)(良:1票) |
49. ウェイキング・ライフ
あの”恋人までの距離”の二人が出ているのはうれしかったな。唐突にいろんな人生観や夢、意識について話す人が次々に出てきてなんだか混乱するけど、少しずつルールみたいなものも見せてくれてリズムがわかると乗れる。アニメにすると登場人物の動作ひとつひとつがとても面白く感じるのに気づいた。新鮮。 8点(2004-01-19 23:23:59) |
50. マイ・ビッグ・ファット・ウェディング
迷いのない映画だ。ありがちなねちっこい人物の葛藤やらなにやらを省いた直球勝負のストーリーに潔さを感じる。短時間にまとめたのも好感もてるし、キャラがみんな魅力的。日本ならもっとウェットに作るのだろうなこういう題材。気持ちのいい映画だ。 8点(2004-01-11 01:33:33) |
51. イン・アメリカ 三つの小さな願いごと
とても良い映画でした。姉妹の演技がとても良い。妹の方がかわいいという声があがりそうだけどお姉さんの方の大人びた表情が出色の出来。泣かせる。 8点(2004-01-05 22:56:36) |
52. 座頭市(2003)
面白い。格好いい。ミュージカルな感じは”ダンサーインザダーク”みたい(あんなに暗くないがね。)キタノブルーは月夜に照らされる死体で発揮。破滅へ突入のストーリーではないキタノ映画はかくも楽しいエンタテイメントとなったのでした。 8点(2003-10-26 23:30:17) |
53. 過去のない男
配給の食事や、かわいいジョッキのビール。無表情に淡々とたべたりしているけど、そんな一つ一つがとても幸せそうに感じる。貧しいがゆえに感じる幸福感や人情を徹底して無表情に語る事で強く感じさせてくれた。いい映画だね。 8点(2003-10-26 22:32:49) |
54. キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン
最近のスピルバーグから失われていた映画作りのうまさが久々に見られてうれしかった。ライティングや、構図など本当はうまい監督なのだ。しかしピンクパンサーなど往年のクライムコメディを思わせるオープニングに反して、話の暗いことといったら。ほんとは根暗なんだよね。 8点(2003-10-26 22:21:07) |
55. 裸足の1500マイル
アボリジニの歴史を扱う重いテーマでありながら、まるで”明日に向かって撃て”のようなスリルを配しているのは監督の嗜好か。その奇妙な配分がメッセージ性もシンプルに伝えなかなかの佳作になっている。 8点(2003-10-26 22:16:35) |
56. トリプルX
最高の馬鹿映画。つっこみどころはあるだろうけど、007へのオマージュと挑戦の入り混じった楽しい映画です。ヴィン・ディーゼルは魅力的だね。ピッチ・ブラックから追いかけてよかった。 8点(2003-06-21 22:39:09) |
57. ストーカー(2002)
邦題からするとラストで犯人が落下して何かにグサリと刺さって死ぬ、というよくあるハリウッドものを連想させるけどかなり丁寧な作りで好感もてます。特に細部に配された原色アイテムなど、現像にこだわる主人公のキャラと重なりかなり良いね。構図も練られているし。ハリウッド慣れしている人にはあっさりしすぎとか言われそうだけどね。 8点(2003-06-21 22:33:13) |
58. サイン
そんなにつまらなかったってか??怖かったし、よーく練られた脚本だし、なにしろ画面の構図とか、色とか、カメラの動きとか映画らしい映画を撮る、という意味では最近の監督にしてはめずらしい。昔TVでみた”宇宙戦争”だったかな?地球の細菌が宇宙人には猛毒であと少しで侵略、というところでばたばたUFOが墜落して終わり、というSF映画の古典をも思い出させたな。そういうB級な設定をそのままにA級に撮ってる。”シックスセンス”=”ご家庭で降霊術””アンブレイカブル”=”ご家庭でアメコミヒーロー”で本作で”ご家庭で宇宙戦争”、とドメスティックSF3部作だね。ラストのエイリアンもいろいろ言われてるけど、それまでTVなどを通じて見ていたエイリアンとの対面も、やはりTVのブラウン管に映った姿、ってところが実に映画的演出で心憎い。うまいうまい。傑作だよ。 8点(2003-01-01 22:56:01) |
59. アンブレイカブル
2回目にみた方がおもしろかった。誰もが知ってるベタな設定を現実的、日常的世界に引っ張ってくるのが好きなんだな、きっと。よって映画としては地味になるけど映像(特に色彩、ライティング)でかなりこだわりを感じる。よく練りこんである映画だ。 8点(2002-11-17 23:56:00) |
60. ピッチブラック
エイリアン物としてはかなりの拾い物。V・ディーゼルのアンチ・ヒーローぶりも格好良い。エイリアン物にかかわらずその描写に頼らずそれぞれのキャラで話を運ぶあたりも上手い。映像のメリハリも良い。特に前半のまぶしい感じ、冒頭の墜落シーンの迫力、また宇宙船のコクピットのアナログな感じ(がんがんレバーをひくところ)、ライターにアルコールを吹きかけたらまわりにエイリアン達、演出がスタイリッシュだ。かなりお気に入り。 8点(2002-11-10 23:13:11)(良:1票) |